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サラリ医マン@泌尿器科

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頻尿について~病棟・外来での初期対応~ 基本編

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サラリ医マン@泌尿器科

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内容

「先生、○○さんが夜1時間ごとにトイレに行っているんですけど…」

「はーい(お世話になっております頻尿の方です宜しくお願いします…と)、泌尿器科に依頼書いておきました★」

確かに間違ってはいない!でも泌尿器科としてはちょっと悲しい!

本スライドで頻用の評価や対応が出来るようになりましょう。

◎目次

・頻尿は緊急性が低い!?

・頻尿の原因

・緊急性の高い頻尿とは

・頻尿の評価とは

・頻尿に使われる薬

・治療の実際

・頻尿診察のアルゴリズム

・治療の実際

・まとめ

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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「先生、○○さんが夜1時間ごとにトイレに行っているんですけど…」

「はーい(お世話になっております頻尿の方です宜しくお願いします…と)、泌尿器科に依頼書いておきました★」

確かに間違ってはいない!でも泌尿器科としてはちょっと悲しい!

本スライドで頻用の評価や対応が出来るようになりましょう。

◎目次

・頻尿は緊急性が低い!?

・頻尿の原因

・緊急性の高い頻尿とは

・頻尿の評価とは

・頻尿に使われる薬

・治療の実際

・頻尿診察のアルゴリズム

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頻尿について~病棟・外来での初期対応~ 基本編

  • 1.

    講師 サラリ医マン

  • 2.

    医師、泌尿器科専門医、性機能専門医、性感染症専門医、医学博士。 都内での初期研修・後期研修ののち、 大学・基幹病院での臨床・研究に従事。 趣味が高じてファイナンシャルプランナー2級・ 福祉住環境コーディネーター3級を取得。 最近、「男性不妊戯画」がちょっと話題。

  • 3.

    「先生、○○さんが夜1時間ごとに トイレに行っているんですけど…」 「はーい(お世話になっております頻尿の方 です宜しくお願いします…と)、泌尿器科に 依頼書いておきました★」 確かに間違ってはいない! でも泌尿器科としてはちょっと悲しい!

  • 4.

    確かに、頻尿は緊急性が低い場合が多い 頻尿の場合は尿が出ているので様子見はできる…とも限らない! 夜間頻尿は転倒のリスクが高まるとの報告もあり、QOLを下げることも 緊急性の高い頻尿もあることを覚えよう! (感染によるもの、残尿過多によるもの) 【参照】 Vaughan CP, et al. The association of nocturia with incident falls in an elderly communitydwelling cohort. Int J Clin Pract 2010; 64: 577–583

  • 5.

    頻尿の原因は数多く 多尿: 水利尿(水分過剰摂取、水再吸収障害)、浸透圧利尿 夜間多尿: 水分過剰摂取、抗利尿ホルモン日内変動、 心血管性、薬剤性多尿 膀胱蓄尿障害: 過活動膀胱、前立腺肥大、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群、 骨盤臓器脱 睡眠障害: 中途覚醒、早朝覚醒、再入眠困難、睡眠呼吸障害 循環器疾患: 高血圧、心不全、虚血性心疾患 ポイントとしては、緊急性の高いものを見逃さない 尿閉、尿路感染症、感染性の尿管・膀胱・尿道結石

  • 6.

    尿閉: 尿閉・残尿過多による頻尿は腎障害や尿路感染症の原因となる 尿路感染症: 放置した場合、発熱や全身状態の悪化 結石: 全例がそうではないが、感染をともなった結石には注意が必要 適切な評価を行い、泌尿器科の診察を待って良いのかどうかを判断する 適切な評価: 身体診察 尿検査 超音波検査 必要に応じてCT・採血

  • 7.

    問診・尿検査・超音波検査で、ある程度は病態の評価が可能 問診 • いつから • 尿回数(日中・夜間) • 失禁の有無 • 血尿の有無 • 排尿痛の有無 • 尿の勢いはあるか • 手術歴(特に骨盤腔) • 内服(利尿剤や、最近では尿糖をもたらすSGLT2阻害薬の内服が始まってい ないか) etc... 自由にお話をしてもらい記入しても良いが、まとまらないことも

  • 8.

    問診に活用できるツール • 排尿日誌:飲水量と尿量、失禁の有無を記録する • IPSS:International Prostate Symptom Score (国際前立腺症状スコア)男性のみ • OABSS:OverActive Bladder Symptom Score (過活動膀胱症状質問票)男女ともに これらを利用すると数字化された客観的な記録が可能なため、 紹介時や治療効果の判定に便利

  • 10.

    排尿日誌のメリット 排尿日誌を記入して頂くことで、 自分の飲水量や尿量を実際に測ってもらうことが可能 「毎回たくさん出る」「水はあまり飲まない」といった主観的な表現が、 数字で表される 多尿: 1日の尿量が40ml/kg(体重)を超える場合 夜間多尿: 65歳以上で24時間尿量に対する夜間尿量の割合が33%を超える場合 若年成人では20%を超える場合

  • 11.

    適切な尿量・水分量とは 正常成人の平均的な24時間尿量は、体重当たり20~25mlが適切 ただし、尿管結石の予防には1500ml程度の尿量が必要との推奨も 「血液ドロドロ予防」のために多飲・多尿となっているケースもあるので、 飲水指導は重要 【参照】 Tani M, et.al Increase in 24-hour urine production/weight causes nocturnal polyuria due to impaired function of antidiuretic hormone in elderly men. Int J Urol 2008; 15: 151–154(IV) van Kerrebroeck P, et al; International Continence Society. The standardization of terminology in nocturia: report from the standardization subcommittee of the International Continence Society. BJU Int 2002; 90(Suppl 3): 11–15

  • 12.

    尿検査 尿検査からは様々な情報を得ることができる 可能な限り沈査も提出(赤血球・白血球・細菌の有無を確認可能なほか、ミ オグロビン尿などの擬陽性も判定できる) 培養検査を行う際は中間尿を採取(性感染症を疑う場合は初尿) 尿細胞診は腫瘍のスクリーニングとして簡易に施行できる (感度40〜60%、特異度は90〜100%) 検査の時間帯によって可能な検査があるので注意 【参照】 Raab SS, et al. Low-grade transitional cell carcinoma of the urinary bladder: application of select cytologic criteria to improve diagnostic accuracy [corrected] Mod Pathol. 1996;9(3):225-32.

  • 13.

    超音波検査 侵襲性も低く、得られる情報はとても多い。 膀胱外: 水腎症 前立腺肥大(男性) 腹水 などを調べる 子宮筋腫(女性) 便秘 畜尿時: 膀胱内の病変(がん・結石など)のチェックが可能 ただ、畜尿条件を待つことが大変なので省略可 排尿後: 頻尿診療のカギ 残尿の確認ができるため、以下を検査可能 ・畜尿に問題があるのか(貯められない:過活動膀胱など) ・排尿に問題があるのか(残尿過多:神経因性膀胱など) ・畜尿・排尿の両方に問題がある

  • 14.

    排尿症状を改善させる薬 αブロッカー: タムスロシン(ハルナール) ナフトピジル(フリバス) シロドシン(ユリーフ) ウラピジル(エブランチル) 血圧低下に注意 エブランチルは女性に使えるαブロッカー 尿道の平滑筋を弛緩させ排尿症状を改善する 5α還元酵素阻害薬: デュタステリド(アボルブ) 緩徐に前立腺を縮小させる がんの否定が必要&作用はマイルドなため、 いきなりは使わないことが多い PDE5阻害薬: タダラフィル(ザルティア) 下部尿路組織における血流及び酸素供給を増加させる 高容量(シアリス)はED治療にも使われるため、 非泌尿器科医が使うと高い確率で保険査定される

  • 15.

    畜尿症状を改善させる薬 抗コリン薬: ソリフェナシン(ベシケア) プロピベリン(バップフォー) トルテロジン(デトルシトール) フェソテロジン(トビエース) イミダフェナシン(ステーブラ=ウリトス) オキシブチニン(ネオキシ 貼付剤) ムスカリン受容体の拮抗作用により膀胱平滑筋の収縮を抑制する 口喝・便秘・見当識障害に注意 認知症との関連が指摘されたため、知識のある患者さんから指摘さ れることもある β3作動薬: ミラベグロン(ベタニス) ビベグロン(ベオーバ) 膀胱平滑筋のβ3アドレナリン受容体を刺激し膀胱を弛緩させる 十分な効果発現まで4~6週を要する 抗コリン薬に比べ副作用は少ない

  • 16.

    その他の処方選択肢 漢方薬: 八味地黄丸 牛車腎気丸 猪苓湯 五淋散など 大きな副作用はないため使いやすいが、尿閉を呈すことも 錠剤はなく顆粒のみのため飲めるかどうかもポイント その他: エビプロスタット(生薬エキスが配合) 前立腺肥大症に適応 大きな副作用がなく使え、漢方薬のような位置づけ デスモプレシン(ミニリンメルト) 夜間多尿に使用可能 体液貯留による低ナトリウム血症に注意 一般医がいきなり使うのは危険 個人的には副作用がちょっと怖い薬

  • 17.

    問診・尿検査・超音波検査を行った上で治療を選択する 何か薬を出して併診までしのぎたい 漢方やαブロッカーは尿閉を招くことは少なく「とりあえず」の処方として有効 ハルナール(タムスロシン)はハルンケアと響きが近いため受けが良い 八味地黄丸もCMでよく流れているのでこちらも受けは良い 積極的に治療したい 残尿がないこと・尿の汚染がないことを確認し抗コリン薬やβ3作動薬を開始 ただし、尿閉のリスクは高いため少量より開始したりαブロッカーの併用を考慮 継続してフォローする場合は、定期的な残尿チェックを忘れずに

  • 18.

    高齢者治療の注意点 抗コリン薬やβ3作動薬:口喝や便秘、見当識障害の出現に注意 効きすぎて尿閉や膀胱炎になることも αブロッカー: 立ちくらみ(低血圧) 逆行性射精も高齢者の方から意外に訴えとして出る 漢方: 保険で出せるものは顆粒かつ食前投与なので、 飲めるかどうか確認する ポリファーマシー: 高齢者は内服の量が多く、内服追加に迷う 貼付剤のネオキシは選択肢

  • 19.

    高齢者治療には行動療法も 具体的には以下の通り • 体重の約2%の飲水量を必要とする • 24時間尿量が30mL/kg以下になるように飲水量を補正する • 24時間尿量が1500mLになるように飲水量を最適化する • 夕食後にカフェインや水分の多い食品を摂取しない などよって、夜間尿の回数が平均1.0~1.5回減少すると言われている 骨盤筋体操を紹介し、試してもらうのも◎ まず生活指導を行い排尿日誌を記録して頂いたうえで泌尿器科に依頼を頂くのも よいが、そこまでは泌尿器科は求めておりませんのでお気軽にご相談ください!

  • 20.

    一般医は排尿日誌を使う必要はないとも言われるが、多尿や飲水量を調べたい場合には必要 実情に沿ったシンプルな提案は以下 問診と症状の評価 診察 超音波検査 症状の評価 症状と病歴の聴取 排尿日誌 質問票 身体診察 検尿 尿細胞診 残尿評価 前立腺評価 骨盤腔評価 排尿障害 畜尿障害 多尿 排尿障害:αブロッカー 畜尿障害:抗コリン β3作動薬 その他 尿閉 尿路感染症 感染性の尿管・膀胱・尿道結石 :漢方薬 行動療法 骨盤筋体操 専門医に紹介

  • 21.

    具体例① 70代男性、頻尿の相談 最近尿が近く、残尿感もある。夜の尿の回数も増えた。 IPSS:12点 OABSS:8点 尿検査は異常なし エコー(畜尿時):畜尿200ml 水腎症なし 膀胱内所見なし 膀胱内に突出した前立腺を認める(40cc>正常20cc) エコー(排尿後):残尿80ml IMP:前立腺肥大 タムスロシンを処方し泌尿器科へ紹介

  • 22.

    具体例② 70代女性、頻尿の相談 寒くなって尿が近く、行きたいと思うと間に合わなくて漏れてしまう。 OABSS:10点 尿検査は異常なし エコー(畜尿時):100ml程度で尿意+ 膀胱内所見なし エコー(排尿後):残尿0ml IMP:過活動膀胱 本人に便秘と口喝のリスクを伝え、ベタニス25㎎を開始し泌尿器科に紹介

  • 23.

    具体例③ 80代女性、施設入所中 ここ最近、トイレに頻回に行くと看護師から報告 ご本人認知症のため正確な問診不可 尿検査:うまく採尿できない パット内に失禁あり 血尿はない様子 エコー(畜尿時):畜尿の指示が入らないが、緊満した膀胱を認める IMP:神経因性膀胱による尿閉・頻尿・溢流性尿失禁 尿道カテーテル留置で1000mlの排尿あり 泌尿器科に紹介 その後の精査で帯状疱疹が原因と判明 エブランチル・コリン作動薬処方のうえ、治療後に自尿を得ることができた

  • 24.

    頻尿の原因は数多く 緊急性のある状態を知る リスクの少ない薬から処方する エコーの感熱紙を交換する泌尿器科医 【参照】 夜間頻尿診療ガイドライン[第2版] http://japanese-continence-society.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20200527162817-C7663AC8D3BD1607BA2885D44531DBB7EA5250FAB0C5105F9E54CE0B1BC9BB49.pdf 女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版] https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/38_woman_lower-urinary_v2.pdf 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/27_lower-urinary_prostatic-hyperplasia.pdf

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