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尿閉の診察~カテーテルの抜去を目指して~アプローチの方法

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2022/7/20

内容

尿量の測定や尿路の確保のために挿入される膀胱カテーテル、抜去できればいいけれど尿が出ないこともしばしば。入院前は出ていたはずなのに…そんな方への対応方法をお伝えします。

◎目次

・自己紹介

・尿閉とは

・尿閉の原因:畜尿機能障害

・尿閉の原因:排尿機能障害

・尿閉の原因:病棟でよくある症例

・尿閉の原因:なぜ尿が出ないのか

・尿閉を解決するために

・診察の流れ

・各論:尿閉

・治療の流れ

・仮想症例

・まとめ

サラリ医マン@泌尿器科

匿名希望


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尿閉の診察~カテーテルの抜去を目指して~アプローチの方法

  1. 講師 サラリ医マン

  2. 医師、泌尿器科専門医、性機能専門医、性感染症専門医、医学博士。 都内での初期研修・後期研修ののち、 大学・基幹病院での臨床・研究に従事。 趣味が高じてファイナンシャルプランナー2級・ 福祉住環境コーディネーター3級を取得。 最近、「男性不妊戯画」がちょっと話題。

  3. 「お世話になっております○○で入院 中の方です膀胱カテーテル挿入されて おりましたが抜去したところ排尿がな くなお退院にあたってはカテーテル抜 去が必要と考えており」 「往診でしょうかね…」 尿量の測定や尿路の確保のために挿入される膀 胱カテーテル、抜去できればいいけれど尿が出 ないこともしばしば。 入院前は出ていたはずなのに…そんな方への対 応方法をお伝えします。

  4. 文字通り「尿が閉じている」、つまり尿が出ていない状態 • 尿が出ない理由は大きく分けて2つ ①膀胱に尿を溜める機能に障害がある:蓄尿機能障害 ②膀胱から尿を排出する機能に障害がある:排尿機能障害 大きく分けて2つ

  5. 畜尿機能障害:尿がたまっているのに膀胱が縮まない。主な理由は以下の通り。 • 神経因性膀胱: ・糖尿病 ・脳血管障害 ・脊髄損傷 ・骨盤手術後 ・帯状疱疹後の神経障害 • 薬剤性: ・抗コリン薬 ・抗精神病薬 • その他: ・精神的ショック ・認知症 溜める など

  6. 排尿機能障害:出口側の問題で、詰まっている部分によって原因が異なる。 • 膀胱: 膀胱腫瘍、膀胱出血、膀胱結石、異物 • 前立腺: 前立腺肥大、前立腺腫瘍、前立腺出血、前立腺膿瘍 • 尿道: 尿道狭窄(尿道炎・外傷後) 尿道閉塞(尿管結石の嵌頓・尿道異物挿入) 外からの圧迫(腫瘍・子宮筋腫・便秘) 浮腫や炎症による尿道狭窄・尿道圧迫(骨盤内腫瘍) • その他: 包茎 など 出す

  7. 緊急入院時には尿道カテーテルが挿入されているケースが多い • その理由として、 • 尿量の把握 • 安静が必要なため • 尿が汚染されている(尿路感染症など) • CTやエコーを施行したところ、膀胱内の尿貯留が著明だった • その後、カテーテルを抜去してみても排尿がなく困ってしまう • 入院前は出ていたのに、このままでは退院できない… ⇒泌尿器科に相談、というケースが多い

  8. 入院前に排尿できていたはずの方が、なぜ出なくなるのか • 元々膀胱機能が破綻しかかっている • 長期臥床によるADLの低下 • 入院による認知機能の低下 • 便秘など、新たな排尿障害の原因 • 入院後に追加された薬剤 など、様々な原因が考えられる 膀胱も体も 「ぐったりしている」

  9. 様々な原因で排尿できない⇒原因を探し、解除していくことで排尿を期待する • 元々膀胱機能が破綻しかかっている ⇒ 膀胱機能の評価 • 長期臥床によるADLの低下 ⇒ ADLを改善する • 入院による認知機能の低下 ⇒ 認知機能の改善 • 便秘など、外的な排尿障害の原因 ⇒ 外的要因の除去 • 入院後に追加された薬剤 ⇒ 薬剤の確認・調整 を通じて、排尿を期待する。

  10. 画像検査: • 器質的な原因を探すため、画像検索を行う • 緊急入院するような症例では、入院時にCT検査をされていることが多い • 画像検査未施行の場合は、画像検査で前立腺肥大などの骨盤内の評価を行う • 前立腺肥大や便秘など、解決可能な尿路通過障害を探す • 以前の画像があるようなら、比較してみる

  11. 画像検査で確認しておきたいこと • 膀胱の形:慢性的な排尿障害がある場合は肉柱形成を確認する • 水腎症の有無:慢性的な排尿障害は尿管~腎盂への尿逆流を呈することも • 膀胱肉柱形成・水腎症が存在する場合、自排尿への移行は難航することを示唆 • 前立腺肥大の大きさ:正常値は20cc程度 画像から得られる情報は多い

  12. 画像検査で確認しておきたいこと 肥厚した膀胱壁と 膀胱肉柱形成 緊満した膀胱と 尿管・腎盂への尿の逆流 水腎症の有無 膀胱肉柱の有無 前立腺肥大の有無

  13. まずは膀胱にも休息を 膀胱機能の評価 • 尿閉・尿路感染症時にはまずは尿道カテーテルの挿入を(膀胱安静を図る) • 全身状態が安定してから膀胱機能を評価する • 膀胱機能を正確に評価するには膀胱内圧測定(CMG:膀胱内にガスや水を入れ て尿意や膀胱収縮を評価する)が必要だが、装置がある施設は少ない • 簡易的な方法:カテーテルから生理食塩水をゆっくり注入し、注入量と尿意 を確認する(初発尿意が150~200mlであれば期待できる)

  14. 膀胱にもリハビリが必要 ADLの改善・認知機能の改善 • 早くカテーテルを抜きたいところだが、まずは全身状態の改善 • 食事はとれているのか、リハビリは上がっているか、トイレに移乗できるか • カテーテル抜去⇒失禁排尿⇒褥瘡汚染⇒感染、などでは留置の方が望ましい • 逆にカテーテルの閉塞を繰り返すケースや自己抜去のリスクが高い症例では、 抜去を積極的に検討する • 男性の場合は尿道の形もあるので、「立ちション」ができるADLを抜去TRYの めどにしている(意見には個人差があります)

  15. 自排尿 問題点の解決 外的要因の除去・薬剤の確認と中止 尿閉 • カテーテル抜去を目指すにあたり、外的要因を取り除く • 多いものとしては便秘:便秘尿閉はERでよく遭遇する(摘便で出る) • 女性の場合は巨大子宮筋腫による尿道圧迫なども • 包茎の場合は、カテーテルを挿入する際に気づかれることが多い • 頻尿に対し他院で抗コリン薬・β3作動薬が処方されていることが多い • 不穏・不眠に対する向精神薬の使用にも注意が必要

  16. 解剖学的なイメージを意識する 女性の場合は 子宮筋腫などにも注意 立位の方が 尿道が直線化しやすい 抜去の際は 包茎(包皮の浮腫)は戻すこと 便秘による尿道圧迫に注意

  17. とりあえず処方して 不利益になることは少ない 排尿機能障害に対する薬: αブロッカー:タムスロシン ナフトピジル シロドシン ウラピジル 尿道の平滑筋を弛緩させ、尿の通りをよくする 女性に適応のある薬はウラピジルのみ(ドキサゾシンはあまり使わない) 低血圧、逆行性射精に注意(心配な場合は少量から開始) ウラピジル(エブランチル)は1週ごとに増量するよう記載があるため、 ウラピジルを開始する際は早めに 出して文句を言われることは少ない薬なので一人で対応する場面ではまず検討を

  18. 排尿機能障害に対する薬: 前立腺縮小薬:デュタステリド プロスタール 前立腺が小さくなるまで多少の時間がかかるため、開始する場合は早めに PSA値が低下するため、開始前にPSA値の測定や前立腺がんの否定が必要 基本的には泌尿器科医の判断の下で使用するべきだろう PSAの測定含め ご相談を!

  19. 畜尿機能障害に対する薬: • 抗コリン薬など、膀胱機能に影響のある薬は中止する • コリン作動薬: ジスチグミン臭化物錠(ウブレチド) ベタネコール塩化物散(ベサコリン) どちらも「効いた!」という実感はあまりないが、使わな いよりは使った方が良い クリーゼを起こす可能性があるので、少量から開始する 脊髄損傷など、膀胱機能が不可逆的な場合には膀胱萎縮を 強め尿管逆流を助長するので使わない

  20. そのほかの薬: • 排尿機能・畜尿機能を改善させる薬として、 ・タダラフィル(ザルティア) ・漢方(牛車腎気丸など) ・生薬エキス(エビプロスタットなど) が使われることもあるが、効果が薄い 使用を考えるほど困っているなら泌尿器科へコンサルト下さい

  21. 60代男性 ADL自立 検診で前立腺が大きいと言われていたが、PSAは4未満であり経過観察中 会社の飲み会があり、ついお酒が進んだ 尿の出しにくさを自覚し、トイレに立ってみたが全く出ない ERで尿道カテーテルを挿入(排尿500ml)され、泌尿器科受診 前立腺の大きさは60ccであった シロドシン・デュタステリドを開始したのち、1週間後にカテーテル抜去 排尿が見られ、残尿もなかったため今後の内服減量を検討している

  22. 80代男性 脳梗塞後 糖尿病治療中 ADL:杖歩行 誤嚥性肺炎で入院した際に尿道カテーテル挿入 抜去TRYを行うも、排尿が見られず泌尿器科コンサルト 入院時CTでは前立腺肥大はないが、残尿をともなった膀胱肉柱形成を認め以前 から神経因性膀胱があった印象を受けるほか、腸管ガス・便塊あり シロドシン・ベサコリンを開始したほか、排便コントロールを依頼 リハビリが上がり、杖歩行まで戻った時点で尿道カテーテルを抜去し排尿あり 定期的に残尿を確認していく方針となった

  23. 50代女性 帯状疱疹罹患後 背中から肋骨に沿って痛みをともなった発疹を認め、皮膚科で帯状疱疹の診断 1週間ほど前から尿が尿が出づらくなり、泌尿器科を受診 エコーでは残尿300ml スポーツをしており尿道カテーテルの違和感が強いために自己導尿を指導した うえでエブランチル・ベサコリンを処方 治療開始後2週間程度たったところで自尿が見られてきたため、内服を漸減 治療後6週間で残尿無く排尿ができるようになったため有事再診とした

  24. 90代女性 施設入所中 ADL:寝たきり 仙骨部褥瘡あり 尿路感染症で入院を繰り返しており、排尿コントロール目的の依頼 エブランチル・ベサコリンを極量まで増量しカテーテルを抜去するも残尿は 250ml程度で失禁様排尿 失禁尿によるおむつかぶれのほか、仙骨部褥瘡の保護テープも汚染されている 尿路感染症の予防・仙骨部褥瘡の管理の点から尿道カテーテルの挿入を継続 内服は中止し、まずは施設での定期カテーテル交換をお願いする事となった

  25. 尿閉はその背景にある原因を評価する 原因の除去と同時に、内服治療を行う 患者背景によっては留置継続が望ましい事も カテーテル挿入道具一式を担ぎ、 排尿障害の治療は総合的に行う 行ってきますと病棟へ向かう泌尿器科医 【参照】 女性下部尿路症状診療ガイドライン https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/38_woman_lower-urinary_v2.pdf 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/27_lower-urinary_prostatic-hyperplasia.pdf

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