#4.
肺がんの治療概略 手術
目に見える腫瘍をまるごと取り除く方法
放射線
腫瘍に放射線をあてて焼き切ってしまう方法
薬物療法
薬を使って全身のがんに対して攻撃する方法 局所療法 全身治療
#5.
限局型(LD) 進展型(ED) 肺癌診療ガイドライン2023年版 手
術 手術
+
化学療法 化学療法
+
放射線療法 化学療法 まず手術できるかどうか (手術を選択した際は化学療法が必要かどうか)
手術できなければ放射線治療(+化学療法)できるかどうか
放射線治療もできない場合は化学療法をできるかどうか 肺がんの治療概略
#6.
肺がんの外科的治療 合併症が許容でき、肺機能が問題無ければ基本的には肺葉切除
肺機能が悪い場合は区域切除、部分切除
近年ではすりガラス影優位の非小細胞肺がんで縮小手術(区域/部分切除)の治療成績良好と報告 メディックメディア:がんがみえる(第1版):p.282
#7.
肺がんの周術期薬物療法 術後化学療法 手術後の遠隔転移再発を抑制
主にシスプラチンを併用した化学療法 (主にStage2-3Aで5年生存率5%改善)
最近では免疫チェックポイント阻害薬や分子標的阻害薬も追加
手術で体力低下時に治療追加するのがデメリット 術後治療の1例 手術 シスプラチン+α PD-L1抗体 4サイクル(約3~4か月) アテゾリズマブ約1年(3週に1回投与)
がん細胞のPD-L1発現を確認して適応決定 術前化学療法 手術前に治療を行うことで治療成績向上
術前治療の有効性を手術検体で確認可能
術前の薬物治療の副作用で手術が出来なくなるリスクがデメリット
免疫チェックポイント阻害薬の追加による高い有効性が最近では報告 手術 プラチナ製剤+α プラチナ製剤併用化学療法+PD-1抗体を3サイクル PD-1抗体
#8.
肺がんの放射線治療 切除が出来ない(縦隔リンパ節転移が大きい、複数あるなど)が根治可能性のあるStage3が対象 Aupérin, et al. J Clin Oncol, 2010;28,2181-90. Yamamoto N, et al. J Clin Oncol. 2010;28:3739-45. Antonia, et al. N Engl J Med. 2018;379:2342-50.
Gray, et al. J Thorac Oncol. 2020;15:288-93. 化学放射線療法の1例 プラチナ製剤+α 放射線治療 PD-L1抗体 放射線治療6週(2Gy×30回)
化学療法も6週 デュルバルマブを約1年
(4週に1回の投与)
EGFR変異の場合はEGFR-TKI(オシメルチニブ)維持療法も
#9.
進行非小細胞肺がんの治療 1.薬物治療が基本
2.そもそも治療適応あるか?(全身状態、年齢、本人の希望、合併症・・・)
3. 治療手段?(分子標的治療薬?免疫チェックポイント阻害薬?細胞障害性抗がん薬?) N Takano et al. Lung Cancer 2019; 131 : 69–77
#10.
細胞障害性抗がん薬と分子標的治療薬の違い 分子標的治療薬
の開発 抗がん剤開発 細胞増殖
抑制試験 えーと、、癌細胞に
効く薬は何処??
#11.
癌細胞の細胞膜 EGFR: Epidermal Growth Factor Receptor
(上皮成長因子受容体)
#12.
肺がんにおける初の分子標的治療薬:ゲフィチニブ(イレッサ) 朝日新聞 2002年5月
#13.
ALK EML4 2P 2P EML4-ALK EML4: Echinoderm microtubule-associated protein-like 4 非扁平上皮非小細胞肺がんの約5%
染色体転座によりALK遺伝子が別の遺伝子と転座して機能異常をきたす
細胞にALK融合遺伝子を導入するとがん化
現在はROS-1やRET、NTRKなどさらにいくつかの遺伝子で同様の融合遺伝子を呈することが知られている。
分子標的治療薬が高い有効性、最近では生存期間中央値は5年以上 ALK融合遺伝子 ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺癌 治療前 治療後 ALK融合遺伝子陽性肺癌に対するALK阻害薬 Soda, et.al, Nature. 2007 Aug 2;448(7153):561-6
#14.
進行・再発非小細胞肺癌(腺がん)におけるバイオマーカー検査
(10年前) 進行・再発非小細胞肺癌 EGFR遺伝子変異検査 EGFR変異
あり EGFR-TKIによる治療 EGFR変異
なし 通常の化学療法
#15.
進行・再発非小細胞肺癌(腺がん)におけるバイオマーカー検査(最新) 進行・再発非小細胞肺癌 マルチプレックス検査 PD-L1検査 KRAS
G12C変異
EGFR変異 ALK
融合遺伝子 ROS1
融合遺伝子 BRAF
V600E RET
融合遺伝子 MET ex14
Skipping
( NTRK1-3
融合遺伝子
遺伝子異常に基づく分子標的治療(1st Line) + 肺癌患者におけるMETex14 skipping検査の手引き2020年9月15日 第1.0版改変 2nd Line オンコマインDx、AmoyDx、肺がんコンパクトパネルDxなどのマルチプレックス検査 ※マルチプレックス検査
複数の遺伝子を一つの検査で同時に一気に測定
オンコマインDx (NGS)
AmoyDx®肺癌マルチ遺伝子PCRパネル(PCR)
肺がん コンパクトパネル® Dx
マルチコンパニオン診断システム(NGS)
HER2
変異
#16.
進行・再発非小細胞肺癌の診断から治療までの検査 進行・再発非小細胞肺がん 非扁平上皮肺がん(腺がんなど) 扁平上皮肺がん 遺伝子変異検索 病理診断 分子標的治療薬へ PD-L1検査 PD-L1 TPS
腫瘍細胞に発現するPD-L1の比率で免疫チェックポイント阻害薬の有効性が高そうかどうかを確認する。 TPS<1% TPS 1~49% TPS >50%
#17.
ドライバー遺伝子変異の無い進行非小細胞肺がんの治療 メディックメディア:がんがみえる(第1版):p.286
#18.
プラチナ製剤 (白金製剤)
+
非プラチナ製剤 2剤併用療法が基本 プラチナ製剤 (白金製剤)
シスプラチン
カルボプラチン 非プラチナ製剤
パクリタキセル
ドセタキセル
ビノレルビン
ジェムシタビン
イリノテカン
ペメトレキセド(非扁平上皮癌)
Nab-パクリタキセル 非小細胞肺癌のファーストラインの基本
(細胞障害性抗がん薬)
#19.
→毒性とのバランスで、非扁平上皮癌にはカルボプラチン+ペメトレキセド
扁平上皮癌にはカルボプラチン+(nab-)パクリタキセルが頻用 カルボプラチン(AUC=6, d1)+パクリタキセル(200mg/m2, d1)
末梢神経障害, 関節痛, アナフィラキシー、脱毛 シスプラチン(80mg/m2, d1)+ビノレルビン(25mg/m2, d1,8)
消化器毒性(嘔気、嘔吐、食思不振), 血管炎 プラチナ併用化学療法(参考) カルボプラチン(AUC=6, d1)+nab-パクリタキセル(100mg/m2, d1, 8, 15)
末梢神経障害, 関節痛, 脱毛。 アナフィラキシーはほとんどない
nab-パクリタキセル:人血清アルブミンにパクリタキセルを結合させた製剤 カルボプラチン(AUC=5/6, d1)+ペメトレキセド (500mg/m2, d1)
皮疹, 骨髄抑制。 脱毛無し、嘔気少ない、扁平上皮癌には無効
#20.
免疫チェックポイント阻害薬+細胞障害性抗がん薬と
細胞障害性抗がん薬単独の治療成績比較 進行非小細胞肺癌初回治療
全生存期間中央値 10.7か月 22.0か月 PD-L1で限定せずとも、従来の化学療法にPD-1やPD-L1抗体の追加で生存期間など改善。 Gadgeel S, et al. J Clin Oncol 2020; 38: 1505-17 抗がん薬の使用で腫瘍に対する免疫環境が改善し免疫チェックポイント阻害薬が効きやすくなる? Attlili, et.al, Critical Reviews in Oncology、2017
P.Gotwalls, et.al, Nat Rev Cancer. 2017 May;17(5):286-301
#21.
遺伝子変異の無い非小細胞肺がん、PD-L1毎の治療 免疫チェックポイント阻害薬
利点 有効な患者さんには長期に有効性が持続。
消化器毒性や脱毛、骨髄抑制などの
QOL低下に繋がる副作用が少ない。
欠点 有効な患者さんが少ない。
特徴的な免疫関連有害事象がある。 細胞障害性抗がん薬
利点 有効な患者さんが比較的多い。
副作用が予想しやすい。
欠点 一度有効でも数か月で耐性化。
QOLを低下させる副作用。 PD-L1 TPSが高ければ
・・免疫チェックポイント阻害薬単独の有効性(約40%)に期待、無効なら抗がん剤。
PD-L1 TPSが低ければ
・・免疫チェックポイント阻害薬(有効性10~20%)に加えて抗がん剤も併用
癌の状態、患者さんの全身状態など様々なパラメーターから決定。
#22.
小細胞肺癌の特徴
肺がん全体の10~15%、喫煙者に多い。
中枢病変が多く時に上大静脈症候群を来すこともある(右図)。
病理所見では小型で未分化ながん細胞が充実性に増殖
比較的進行が速いが、化学療法や放射線治療の感受性は良好。
腫瘍マーカーとしてはPro-GRP, NSEが上昇。
Eaton-Lambert症候群やSIADHの合併が多い。
上大静脈症候群を来した小細胞肺癌 腫瘍による上大静脈の閉塞で、上大静脈を同定できない C. F. N. Koegelenberg, et al. Eur Respir J. 2009 Jun;33(6):1389-95
#23.
化学療法
(シスプラチン+エトポシド) 小細胞肺癌の治療方針 放射線治療 4サイクル 胸部
加速分割照射
(1日2回照射×15回) 予防的全脳照射
(10回) 化学療法
(シスプラチン/カルボプラチン+エトポシド) 4サイクル PD-L1抗体
(アテゾリズマブ/デュルバルマブ) 無効となるまで メディックメディア:がんがみえる(第1版):p.291 ※最近では化学療法4c終了後にPD-L1抗体のデュルバルマブを2年使用する治療が保険適応
#24.
SCLCにT cellを引き寄せることで、T cellによる腫瘍免疫を惹起.
DLL3とCD3の二重特異性抗体であるタルラタマブが使用可能に
サイトカイン放出症候群やICANs (Immune Effector Cell Associated Neurotoxicity Syndrome)といった特有の副作用に注意
小細胞肺癌の新しい免疫療法
T cell Engager CD3 細胞障害性T細胞 DLL3 小細胞肺がん パーフォリン、
グランザイム Cancer Res 2009;69:4941-4944
Cancer 2020;126(14):3192-3201