#4.
がんによる症状
治療による副作用
合併疾患による症状
必ずしも治療やがんによるものではないことも念頭に置く がん患者さんの主な吐き気の原因
#5.
吐き気につながる併存症や合併症はないか? メニエール病など良性疾患の併存症はないか?
問診などで病歴をしっかり確認
眼振の有無、めまいの合併など
トルーソー症候群を含む脳梗塞も考慮
重症の感染症などの合併はないか?
発熱を含むのバイタルサインの確認
症状の聴診、身体所見
採血結果の確認
#6.
他の原因を除外したら・・・ Chat GPTで作成
#7.
脳転移やがん性髄膜炎はないか?
オランダからの報告ではがん患者さんの吐き気の1.6%との報告もある*
肺がん、乳がん、結腸がん、腎がん、原発不明がん、胃がんなどで多い
脳転移による吐き気の場合、頭痛や神経症状を伴うことが多い。
単純CTでは判断しづらい、可能なら造影MRIを考慮
治療
まず放射線治療医や脳外科医に方針を相談し、方針検討
内科治療としてステロイドやマンニトールを検討する がんによる症状で気を付けるべき吐き気(転移などによる) * Support Care Cancer 2019;27(8):3071–80. doi: 10.1007/s00520-018-4623-1.
#8.
がんによる症状で気を付けるべき吐き気(転移などによる) 腸閉塞や原発巣による狭窄はないか
腹膜播種による腸閉塞を起こしやすいがん:胃がん、大腸がん、卵巣がんなど。播種や腹水が以前からある場合は要注意
原発巣による狭窄:食道がん、胃がん、膵臓がん、大腸がん等に多い
治療
腹膜播種による腸閉塞:1か所の狭窄なら手術も検討されるが、複数箇所狭窄があると内科的治療になることが多い
原発巣による狭窄:可能ならバイパス手術
難しい場合には消化管ステントや緩和的放射線治療を専門医に相談
腸閉塞の場合、1かっ所の狭窄ならばいバス手術などが行われる場合もある
手術不能の場合、オクトレオチド、デカドロン、H2ブロッカーなどの投与を考慮する
#9.
がんによる症状で気を付けるべき吐き気(がんによる影響による) 原因となりうる主な電解質異常
高カルシウム血症(溶骨性骨転移、副甲状腺ホルモン関連蛋白の出現(扁平上皮がん、尿路腫瘍、乳がん、子宮がん、血液疾患などに多い)など)
低ナトリウム血症(肺小細胞がんの異所性SIADH、抗がん剤やオピオイドによるSIADH、がん自体や抗がん剤によるNa摂取不足や喪失の増加など)
肝不全、腎不全
→肝転移や胆管狭窄を来す病変はないか?
がんによる尿管などの狭窄による腎後性腎不全および腎前性腎不全の可能性は?
薬剤性の肝不全、腎不全の可能性も考慮する。
免疫関連有害事象(副腎不全、下垂体炎など)
→免疫チェックポイント阻害剤を使用していないか?
#10.
放射線治療を行っている部位と時期をチェック!
①脳転移に照射している場合、照射中に脳浮腫による吐き気が起こることがある。
②食道や胃や腸が照射野に含まれる場合は、照射後90日以内に炎症による痛みや吐き気を起こすことがある。
③照射後90日以降の晩期には、照射部位の狭窄から食道狭窄や腸閉塞などを来しうることも考慮する。 制吐薬適正使用ガイドライン第3版2023年10月改訂より 放射線治療による吐き気
#11.
オピオイドによる吐き気 オピオイドの主な副作用に吐き気、嘔吐、便秘がある。
オピオイドにより延髄化学受容器引金体(chemoreceptor trigger zone:CTZ)や前庭器のμ受容体が刺激されることと、腸間膜神経叢のアセチルコリン遊離抑制による消化管運動抑制で起こる。
投与開始後約30%の患者さんで吐き気が出現し、数日から1週間で軽減することが多い。
オピオイドを内服している患者さんが来たら気を付けること
→
オピオイドを開始してどのくらいか、最近増量していないか
便秘の有無(腸閉塞との鑑別)、眠気や痛みのチェック。(過量でないか?)
#12.
抗がん剤による副作用を疑う場合 どんな薬剤を使用しているのか?
抗がん剤の種類から吐き気の程度を予測
どんな支持療法を追加するか考える
使用してどのくらいか?
吐き気の種類を考えて、対応策を検討する
#13.
抗がん剤による悪心嘔吐のメカニズム 制吐薬適正使用ガイドライン第3版2023年10月改訂より
#14.
薬剤によるリスクを把握する! 制吐薬適正使用ガイドライン第3版2023年10月改訂より
http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/ 詳しくは
http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy
参照!!
#15.
抗がん剤による吐き気の主な種類 制吐薬適正使用ガイドライン第3版2023年10月改訂より
http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/ 最近は超遅発期(120時間以降)という概念も注目されている
#16.
救急などで出会う場合は・・・ 支持療法は行われている場合が多い
制吐剤の内容に不足がないかをチェックする
吐き気の時期などを考え、どの吐き気が患者さんに起こっているかを考える
追加する薬剤を検討
突出性→メトクロプラミド、(使用していなければ)オランザピン
予測性→次回から抗不安薬(アルプラゾラムなど)を予防投与検討
次回抗がん剤投与時の予防的制吐剤投与の強化を考える
#17.
がん患者さんの吐き気のTips まずは原因を調べることが重要!
(抗がん剤によると決めつけずに対応)
原因に応じた対応が重要!
抗がん剤によると判断されたら、制吐薬適正使用ガイドラインを参考に対応!
制吐剤についてはWJOGの制吐剤のスライドもぜひ参考に!