#4.
・87歳の認知症のある女性
・誤嚥性肺炎で複数回入院歴あり
・自宅で娘が食事介助中に誤嚥し、苦しそうにしていたため救急要請
・酸素だけでは維持できず、挿管が必要な状態
娘「本人は挿管を嫌がってましたが、今死なせる訳にはいきません!」
・人工呼吸器管理を行ったが排痰能力乏しく、気管切開術が施行された
・気管チューブや経鼻胃管の自己抜去を繰り返すため、両上肢が抑制さ
れている
娘「母は、延命治療は嫌だと言ってました。抑制を外してください!」
・自己抜去の危険から抑制は継続され、人工呼吸器関連肺炎で亡くなった 急性期の緩和ケアとは?
~こんな症例ありませんか?~
#5.
治療と緩和の関係 急性期の緩和ケアとは?
~治療と緩和ケアの関係~ 治療と緩和ケアを同時並行で行い、経過に応じてバランスを調整していく 助かりたい、できるだけ長く生きたい、でもそれが難しいなら、
つらくない状況で、尊厳をもって穏やかに過ごしたい。
#6.
緩和
治療 治療 緩和 この時点での治療方針は?
#7.
⽬標達成のために以下の事を全てする
十分な鎮痛薬投与
昇圧薬
抗菌薬
除細動
⼼臓マッサージ
透析
本人の価値観や治療の意向を確認する 治療方針
~いわゆるFull Code~ 救命できる可能性が十分にある Ann Intern Med. 2009 Sep 1;151(5):345-9.
#8.
緩和
治療 治療 緩和 この時点での治療方針は?
#9.
侵襲的な治療は⾏わないが⽬標達成のために許された手段で全てをする
⼗分な鎮痛薬投与
必要に応じた輸液
現⾏の抗菌薬継続
現⾏の昇圧薬継続
予後が絶望的と確信でき次第、すぐにご家族に連絡し、⾯会してもらう Ann Intern Med. 2009 Sep 1;151(5):345-9. 救命できない可能性は⾼いが、まだ確信はできないため、患者さんが受け⼊れられる範囲での治療を続ける 治療方針
~いわゆるWithhold~
#10.
緩和
治療 治療 緩和 この時点での治療方針は?
#11.
以下の事を全てする
残念ながら近いうちに亡くなる可能性が⾼いことを伝える
⼗分な鎮痛薬投与
無駄に痛みを与える採⾎をしない
抑制しない
むくみや床ずれを増やす輸液や経腸栄養をしない
家族との⾯会を制限しない 治療方針
~いわゆるWithdrawal~ 救命は絶望的であるため、よりよい死の過程を提供するための
サポートをする ※より良い死の過程とは?
→苦痛や尊厳の損失をできるだけ減らし、本人の価値観に沿って最期まで
過ごせるようにする過程(私見) Ann Intern Med. 2009 Sep 1;151(5):345-9.
#12.
・なぜ急性期に緩和ケアが必要?
・必要な緩和ケアとは?
・Jonsenの4分割表を理解しよう
・Shared Decision Makingを理解しよう
・Time Limited Trialを理解しよう 本日の内容
#13.
急性期に必要な緩和ケア
~ICUでは意思決定支援が中心~ ・痛みや不安、呼吸苦などの症状コントロール
・社会心理的・精神的・スピリチュアルペインのケア
・患者の価値観に沿った治療目標と意思決定支援
・時期に応じた病状説明と患者・家族の心理的支援
・医療者間の調整
・今後の治療・ケアの調整と地域連携
・スタッフのケア
・グリーフケア 今日のテーマ
#14.
多職種で連携して情報収集し、患者の思いに沿った医療を
提供できているか確認するシステムが必要 急性期に必要な緩和ケア
~急性期における意思決定の障壁とは~ ※あくまで急性期との相対的表現
#15.
急性期に必要な緩和ケア
~ESICMが推奨する終末期コミュニケーション戦略~ Crit Care Med. 2020 May;48(5):645-653. ※ESICM: European Society of Intensive Care Medicine(欧州集中治療医学会)
#16.
情報収集 カンファレンス IPAICU: Improving Palliative Care スクリーニング 【緩和ケアのニーズの確認と情報共有、目標の確認】
・毎週水曜日
・ICU医師、看護師、栄養師、薬剤師、理学療法士、MSW
→主治医を含めた多職種カンファレンスの実施を判断 【緩和ケアニーズを評価】
・入室時と毎週月曜に看護師が行う
・7つの質問で構成される(下図)
・陽性の場合は多職種カンファレンス
が検討される 【患者のACP情報を収集する】
・内容は、事前意思、生活歴、趣味、価値観、家族情報、QOL、経済状況、問題になりそうなことなど IPA-ICU: Improving PAlliative care
~先程の戦略を参考に当院でおこなっている取り組み~ 出典: 前橋赤十字病院
#17.
情緒的消耗 脱人格化 個人的達成感 看護師の評価する「死にゆく過程の質」が改善
→燃え尽き症候群の指標は、一部で改善傾向 ICU死亡のDNAR率 院内死亡のDNAR率 院内での死亡率は変えず、DNAR取得率は上昇
→終末期における治療方針の共有が進んだ可能性 看護師の燃え尽き症候群 死にゆく過程の質 IPA-ICU: Improving PAlliative care
~どんな効果があったのか~
多職種による意思決定支援は、
終末期ケアの質の向上と、看護師の負担軽減にもつながる可能性がある 結論
#18.
・なぜ急性期に緩和ケアが必要?
・どんな緩和ケアが必要?
・Jonsenの4分割表を理解しよう
・Shared Decision Makingを理解しよう
・Time Limited Trialを理解しよう 本日の内容
#19.
・高血圧、心房細動、脳梗塞の既往あり、
ADLは自立していた94歳男性
・自宅で倒れているところを発見され当院へ救急搬送
くも膜下出血の診断
各種検査で手術適応なく、ICU入室
・E1VTM1、排痰困難、VAP 症例提示
#20.
Jonsenの4分割表
#21.
Jonsenの4分割表
~医学的適応~
#22.
生命学的予後はどうか?
・くも膜下出血 WFNS GradeⅤ 重症
・GradeⅤ 30日生存率は30-50%、90日以内に家庭復帰できる可能性は6-20%程度
・患者は94歳と超高齢なので、それよりは悪そう
2. 問題となっている治療は妥当かそれとも無益か?
・人工呼吸器管理
・生理学的無益とは言えないが、質的・量的無益と判断される可能性はある(後述)
3. 治療を頑張った先に何があるか?
・人工呼吸器離脱
・元通りの生活は困難
主に医師の役割 Jonsenの4分割表
~医学的適応~
#23.
無益性とは
#24.
Jonsenの4分割表
~患者の意向~
#25.
患者の意思決定能力はあるか?
・なし
2. 事前の意思表示はあるか?
・明確な本人からの意思表示はなし
・孫「人工呼吸器に繋がれたままなら死んだほうがマシということを言っていた」
3. 代理意思決定者は誰か?代理意思決定者として妥当か?
・孫
4. 価値観歴(何を大切に考えているか?)
・人に迷惑かけたくない
アドバンス ケア プランニング (ACP) Jonsenの4分割表
~患者の意向~
#26.
意思決定能力とは
#27.
J Pain Symptom Manage 2017;53 (5):821-832 e1. 将来の治療やケアについての意思決定支援のため、治療やケアにかかわる⼈たちが患者の価値観、⼈⽣のゴール、好みなどを理解して共有するプロセス ・⽣活歴・⽣活背景
・⼤切にしていること
・治療のゴール
・死ぬよりつらい状況とは(緊急)
・許容できない治療の負担
・病気や治療に対する懸念
・代理意思決定者について ・DNAR
・挿管はしない
・透析はしない
・意識が戻らないことが確定したら延
命を中⽌する
・⼈⼯呼吸器依存になる事が確定した
ら延命を中⽌する
・意識が戻らなくても救命の可能性
がある限りは全て⾏う ACP 治療方針 SDM 繰り返しアップデート ACPとは?
~繰り返しアップデートする~
#28.
・望みのない延命治療 ・気管挿管はいやだ ・⼀時的な治療となり得る ・必要であれば気管挿管を
して欲しい 治療の妥当性と目的を適切に説明し、十分な理解に基づく意思かどうかを確認する 気管挿管についての理解 ACP ACPとは?
~そのACP大丈夫ですか?~
#29.
Jonsenの4分割表
~QOL~
#30.
今の患者のQOLはどうか?
・E4VTM1
・不顕性誤嚥していそう
・持続フェンタニルだけでは呼吸数も早くて苦しそう
2. 改善させるにはどうすれば良いか?
・気管切開してVAPのリスクを減らす
・鎮痛強化する
3. 生存したとしてQOLの予後は?
・ほぼ寝たきり、家族のことを理解できるというのが期待できるQOL
看護師や理学療法士が活躍 Jonsenの4分割表
~QOL~
#31.
Jonsenの4分割表
~周囲の状況~
#32.
家族構成、キーパーソン、代理意思決定者
・孫
2. 代理意志決定者をサポートできる人はいるか
・孫をサポートしてくれる人はいない
3. 家族の意見
・孫 「決められない」
4. 経済状況
・孫はタクシー会社
・経済的負担を気にしている→MSWへ連絡し見通しを伝えている
5. 主治医の意向
・主治医 「自然な形にしたい」
ソーシャルワーカーが活躍 Jonsenの4分割表
~周囲の状況~
#33.
まとめると 神経予後は厳しい…
良くても寝たきり…
人工呼吸器を続ける?気切するの? 本人に意思確認はできない
キーパーソンはお孫さん
お孫さんが推定するのに、人工呼吸器とか気切とかは望まなそう 今のQOLは疼痛管理できてないかな
もっと強化してもらおう 主治医は自然な形を望んでいる
キーパーソンは決められないと…
#34.
・なぜ急性期に緩和ケアが必要?
・どんな緩和ケアが必要?
・Jonsenの4分割表を理解しよう
・Shared Decision Making (SDM)を理解しよう
・Time Limited Trialを理解しよう 本日の内容
#35.
Shared Decision Making
~SDMの前に大事なこと~ SDMの前に、多職種で“何が医学的に最善か”を整理する ポイント 1 ・病状と予後を共有
・全ての治療選択肢を整理
・患者・家族の価値観を共有 2 ・何が医学的に最善か
・それは患者の利益になるか
・不確実さは残るか 3 ・全ての選択肢を伝える
・家族と一緒に最善を考える
・家族だけに背負わせない ※医療者でも迷う方針を、家族だけで決めるのは難しい
→まず医療者が全ての選択肢を吟味し、その上でSDMへ 多職種カンファレンス 医学的見解を整理 SDMへ
#36.
・患者や家族の価値観・目標などを引き出す
「本人はどんなことを大切にする人ですか?」
「本人にとって一番大事なものはなんですか?」
「本人の生きがいはなんですか?」
・ケアのゴールを設定する
「なるほど、◯◯さんは、× ×な人だったんですね。それでは、とにかく現在の治療は全力で継続しますが、同時にいたずらに苦痛を引き伸ばさないようにする、というのはいかがでしょうか?」 ・病状の説明、予後(時間的予後もしくは機能的予後)
・感情への対応 ステージ1
病状の説明 ステージ2
治療ゴールの設定 ステージ3
治療オプションの相談 ・ここまでで疑問点がないか確認する
・ケアのゴールに基づき、治療オプションに落とし込み、家族と共有する
・医療者間では、より細かい治療方針を共有する(Procedure oriented) Shared Decision Making
~3ステージプロトコール~ 中川俊一「患者価値観の引き出し方」
#37.
ステージ1
病状の説明 Shared Decision Making
~点ではなく幅で伝える~ Best Case Worst Case Most Likely 治療が最もうまくいった場合 治療がうまくいかなかった場合 現時点で最も予想される経過 どこまで回復でき、どのような生活が期待できるか どのような状態になりえるか(重度後遺症、呼吸器離脱困難、死亡など) 現時点でどのような状態になり、どの程度の機能や生活が見込まれるか J Am Geriatr Soc. 2015;63(9):1805–1811.
#38.
・患者や家族の価値観・目標などを引き出す
「本人はどんなことを大切にする人ですか?」
「本人にとって一番大事なものはなんですか?」
「本人の生きがいはなんですか?」
・ケアのゴールを設定する
「なるほど、◯◯さんは、× ×な人だったんですね。それでは、とにかく現在の治療は全力で継続しますが、同時にいたずらに苦痛を引き伸ばさないようにする、というのはいかがでしょうか?」 ・病状の説明、予後(時間的予後もしくは機能的予後)
・感情への対応 ステージ1
病状の説明 ステージ2
治療ゴールの設定 ステージ3
治療オプションの相談 ・ここまでで疑問点がないか確認する
・ケアのゴールに基づき、治療オプションに落とし込み、家族と共有する
・医療者間では、より細かい治療方針を共有する(Procedure oriented) Shared Decision Making
~3ステージプロトコール~ 中川俊一「患者価値観の引き出し方」
#39.
Procedure oriented Goal oriented 家族と
どんな医療行為を行うか否かを具体的に決める 家族と
患者の価値観や意向に合わせて治療の目標だけ決める ステージ2
治療ゴールの設定 Shared Decision Making
~治療方針はどう決めるべきか~ 『方針が困難な症例にどのように対応していくか?』.日集中医誌. 2019; 26
#40.
Procedure oriented Goal oriented ターメリック入れますか?
カルダモン入れますか?
シナモン入れますか?
クミン入れますか? 甘口ですか?
辛口ですか?
ベジタブルカレー?
お子様が食べますか? インド人用 日本人用 Shared Decision Making
~有名なカレーの例え話~ 『方針が困難な症例にどのように対応していくか?』.日集中医誌. 2019; 26
#41.
Procedure Oriented Goal Oriented 胸骨圧迫は?
除細動は?
再挿管は?
昇圧薬は?
透析は? 治療は継続するが、いたずらに苦痛を引き延ばすことは避けるという方針はどうか? 医療者用 患者/家族用 Shared Decision Making
~患者/家族と医療者で使い分ける~ 『方針が困難な症例にどのように対応していくか?』.日集中医誌. 2019; 26
#42.
・患者や家族の価値観・目標などを引き出す
「本人はどんなことを大切にする人ですか?」
「本人にとって一番大事なものはなんですか?」
「本人の生きがいはなんですか?」
・ケアのゴールを設定する
「なるほど、◯◯さんは、× ×な人だったんですね。それでは、とにかく現在の治療は全力で継続しますが、同時にいたずらに苦痛を引き伸ばさないようにする、というのはいかがでしょうか?」 ・病状の説明、予後(時間的予後もしくは機能的予後)
・感情への対応 ステージ1
病状の説明 ステージ2
治療ゴールの設定 ステージ3
治療オプションの相談 ・ここまでで疑問点がないか確認する
・ケアのゴールに基づき、治療オプションに落とし込み、家族と共有する
・医療者間では、より細かい治療方針を共有する(Procedure oriented) Shared Decision Making
~3ステージプロトコール~ 中川俊一「患者価値観の引き出し方」
#43.
治療差し控えとなった後に
~目標達成のために全てを行うために~ 残された時間をその人らしく、できるだけ苦痛なく過ごせるように、家族が安心してそばにいられるよう支える ・苦痛を増やすだけの処置
・目標につながらないモニタリング
・延命だけを目的とする介入
・患者・家族の時間を奪うルーチン業務 ・苦痛を繰り返し評価する
・家族との時間をつくる
・家族にケアに参加してもらう
・これから起こる変化を説明する
・外部支援も検討する(患者も家族も) 減らすこと 強めること 可能ならチェックリスト/オーダーセットで標準化 不要な採血、レントゲン、頻回の血糖測定、頻回の吸痰 不要なアラーム、頻回バイタル、持続モニター、尿量測定 輸液、昇圧剤、輸血、抗菌薬、栄養、透析など 疼痛、呼吸苦、不穏、せん妄、分泌物、悪心、口渇 面会の柔軟化、プライバシー、その人らしい空間 洗髪、ひげそり、フットケア、マッサージなど 意識、呼吸、分泌物、ちゃんと鎮痛できていること伝える 緩和ケア、MSW、心理士、スピリチュアルケア 家族IC後に
ブリーフィング
#44.
治療差し控えとなった後に
~カルテ記載項目~ ☒ 患者の意志、またはACPの内容を記載
☒ 家族等による患者の推定意思とその根拠を記載
☒ 家族等の意向を記載
☒ 生命維持治療の終了/差し控えを考慮する時期である根拠を記載
☒ 患者にとって最善の治療・ケアのゴールについての検討内容を記載
☒ 医療・ケアチームを含めた検討に加わったすべてのメンバーを記載 救急・集中治療における4学会合同ガイドライン
#45.
・なぜ急性期に緩和ケアが必要?
・必要な緩和ケアとは?
・Jonsenの4分割表を理解しよう
・Shared Decision Makingを理解しよう
・Time Limited Trialを理解しよう 本日の内容
#46.
・87歳の認知症のある女性
・誤嚥性肺炎で複数回入院歴あり
・自宅で娘が食事介助中に誤嚥し、苦しそうにしていたため救急要請
・酸素だけでは維持できず、挿管が必要な状態
娘「本人は挿管を嫌がってましたが、今死なせる訳にはいきません!」
・人工呼吸器管理を行ったが排痰能力乏しく、気管切開術が施行された
・気管チューブや経鼻胃管の自己抜去を繰り返すため、両上肢が抑制さ
れている
娘「母は、延命治療は嫌だと言ってました。抑制を外してください!」
・自己抜去の危険から抑制は継続され、人工呼吸器関連肺炎で亡くなった 急性期の緩和ケアとは?
~こんな症例ありませんか?~ 「挿管しますか?しませんか?」
今、この場で決めきれるだろうか? 医療者の悩み
・今回の肺炎は改善するかもしれない
・しかし、抜管できる保証はない
・人工呼吸器依存で気切になる可能性もある 家族の悩み
・今、死なせたくない
・お母さんは延命治療を望んでなかった
・でも、挿管しなければ亡くなるかもしれない
#47.
JAMA.2011,306:1483–1484 医療チームと患者/家族間で治療方針に意見の相違または予後が不明確である場合に両者で同意を得た上で、期間を決めて治療を試行すること Time Limited Trial
~予後が不確実であるときに~ Time Limited Trial (TLT) 救急のジレンマ ・急性疾患の患者の予後は不確実
・治療の反応性はやってみないと分からないことが多い
・突然のイベントで、患者の事前意志や価値観が不明なことが多い
・家族だけでなく、医療者も、精神的負担により正しい判断ができない
#48.
① なぜTLTを行うのかを明確にする
② 患者の価値観や意向を共有する
③ 改善/不成功を判断する指標を決める
④ 再評価の時期を決める
⑤ TLT終了時の⾏動の決定
例. 繰り返す誤嚥性肺炎からのARDSで挿管管理。回復可能性あるが不確実。延命になるかも不確実。 例. 気管切開は望まない。回復の見込みがなければ苦痛緩和を優先したい。 例. 抜管可能な状態であるか 例. 7日 例. 抜管が見込める設定でなければ生命維持治療の終了を検討する Time Limited Trial
~5ステップアプローチ~ JAMA.2011,306:1483–1484
#49.
・救命できたはずの患者で「救命できないので治療を⾏わない」と
誤って判断することが減る
・患者/家族、医療者が、限られた時間や急かされた状況で判断を迫
られることが減る
・患者が求めるゴールを得られるかどうか考える時間ができる
・医療者間の意⾒の不⼀致が起こりにくい
・患者を無駄に苦しめる延命治療に⼿を貸しているという倫理的
苦悩でコメディカルがバーンアウトする事を回避できる Time Limited Trial
~メリット~ JAMA.2011,306:1483–1484
#50.
・少なくともTLTの間、治療の精神的・肉体的苦痛を強いてしまう
・ある程度コミュニケーションが取れる状態で、静かに家族と過ご
せていたかもしれない最後の時間が損なわれる可能性
・治療を“はじめからしない”ことと“中止する”ことは倫理的に同義
でも、精神的な侵襲は同じでないこと
・延命の先延ばしや意志決定の先送りになる危険性がある Time Limited Trial
~デメリット~ JAMA.2011,306:1483–1484
#51.
4学会合同ガイドライン
~終末期が定義されなくなった~ 旧ガイドライン 新ガイドライン 死が目前でない患者の生命維持治療の終了/差し控えは、
これまで以上に慎重なプロセスと意思決定支援を要する 救命不能 終末期 生命維持治療の終了/差し控え 救命不能ではないが、患者の望むゴールに繋がらない 生命維持治療の終了/差し控え 最善の治療・ゴール再検討の結果
#52.
・なぜ急性期に緩和ケアが必要? 救命と緩和は同時並行で
・必要な緩和ケアとは? 多職種で支える意思決定支援
・Jonsenの4分割表を理解しよう 情報を共有し課題を見つける
・Shared Decision Makingを理解しよう 家族とはGoal-Oriented
・Time Limited Trialを理解しよう 困ったら治療試行で再評価
本日のまとめ