#4.
コルチゾールの⽣理的分泌量は︖① ü健常⼈での⽣理的コルチゾール(F)分泌量は9〜11mg/m2[1] ⽇本⼈男性平均 1.685m2 ⇨ F=15.2〜18.5mg/⽇ ⽇本⼈⼥性平均 1.533m2 ⇨ F=13.8〜16.9mg/⽇ üコルチゾール20mg = プレドニソロン(PSL) 5mgとすると 男性 PSL 3.8〜4.6 mg/⽇ ⼥性 PSL 3.4〜4.2 mg/⽇ [1] G P Kraan et al. J Clin Endocrinol Metab. 1998;83:1247-52.
#5.
コルチゾールの⽣理的分泌量は︖② ü健常⼈での⽣理的コルチゾール(F)分泌量は9〜11mg/m2との報告で すが, 体重・年齢・性別や代謝で影響を受け, 5〜11mg/m2: 平均 7mg/m2とも⾔われています(⼩児・⼥性: 5〜6mg/m2) それでPSL換算すると 男性 PSL 2.1〜4.6 mg (平均2.9)/⽇ ⼥性 PSL 1.9〜2.3 mg/⽇ ヒトによっては, PSL2mg/⽇でも⽣理的分泌量より多い可能性あり [Alina Oprea et al. Ther Adv Endocrinol Metab. 2019. doi: 10.1177/2042018818821294.]
#6.
スライド内容について ü①コルチゾールの⽣理的分泌量は︖ ü②副腎機能低下はいつ起こるのか︖ ü③微妙な場合はどうする︖
#7.
副腎機能低下はいつ起こるのか︖ ü厳密にどこから副腎機能低下が起こるかを断定するのは困難 しかしながら, ü過去の研究から副腎機能低下が起こりにくい背景は分かっています ①いかなる量のステロイドであれ投与期間が3週間以内 [Mark S Cooper et al. N Engl J Med. 2003;348:727-34.] ②投与期間によらずPSL換算で5mg/⽇以下を朝内服 ③PSL換算10mg/⽇以下の隔⽇内服 [Lloyd Axelrod. Endocrinol Metab Clin North Am. 2003;32:367-83.] [G E LaRochelle Jr et al. Am J Med. 1993;95:258-64.] [HARTER JG, et al. N Engl J Med. 1963;269:591.] [Fauci AS. Am J Med. 1978;64:729.] [Ackerman GL, et al. N Engl J Med. 1968;278:405.]
#8.
①いかなる量のステロイドであれ投与期間が 3週間以内 ü視床下部-下垂体-副腎系(HPA axis)が影響をうけるのには, 2-3週 間かかるとの報告です [Mark S Cooper et al. N Engl J Med. 2003;348:727-34.] üただし個⼈差はありますので, 2週間以上の投与がある場合は, 中⽌後 に副腎機能低下を⽰唆する症状を呈しないかの観察は必要でしょう
#9.
②投与期間によらずPSL換算で5mg/⽇以下 を朝内服 ü投与期間によらずPSL換算で5mg/⽇以下を朝内服なら問題ないと報 告ですが, ⽇本⼈だと⽣理的分泌量はPSL換算平均2.9mg/⽇です [Lloyd Axelrod. Endocrinol Metab Clin North Am. 2003;32:367-83.] [G E LaRochelle Jr et al. Am J Med. 1993;95:258-64.] üコルチゾールの⽣理的分泌は, 体重・性別・年齢・代謝で変化するの で, ⼀律に或るカットオフで⼤丈夫だと区分はできない üコルチゾール5mg/m2以上のステロイド内服がある場合は, 副腎機能 低下があることを想定した⽅がよいでしょう
#10.
③PSL換算10mg/⽇以下の隔⽇内服 üPSL換算10mg/⽇以下の隔⽇内服なら問題ないとの報告です [HARTER JG, et al. N Engl J Med. 1963;269:591.] [Fauci AS. Am J Med. 1978;64:729.] [Ackerman GL, et al. N Engl J Med. 1968;278:405.] ü隔⽇内服は, 投与をしない⽇を設けて副作⽤や離脱症状の出現を抑える投与⽅法 です. 毎⽇内服よりも副腎機能低下は起こりにくいですが, ⽣理的分泌量を考慮す るとPSL10mg/⽇以下であれば⼤丈夫とは⾔えない可能性があります üコルチゾール10mg/m2以上のステロイド隔⽇内服がある場合は, 副腎機能低下が あることを想定した⽅がよいでしょう
#11.
スライド内容について ü①コルチゾールの⽣理的分泌量は︖ ü②副腎機能低下はいつ起こるのか︖ ü③微妙な場合はどうする︖
#12.
微妙な場合はどうする︖ ü例としては, PSL5mg/⽇飲んでいるが, 外科⼿術の際はステロイドカバーをした ⽅がよいのかなどですかね ü⽂献的にはステロイドカバーは不要となりますが、⻑期内服中で⼩柄な⽅では副 腎機能が低下している可能性はあります. していない可能性もありますが… ü侵襲ストレスに対抗できるステロイドがなければ, 場合によっては重篤な副腎機 能低下症状をきたすおそれがあります. 必要最低限のステロイドカバーは本来内 因性に分泌されるであろう量であり, 補充していた⽅が無難ではないかなと個⼈ 的には思います
#13.
Take Home Message ü①⽣理的なコルチゾール分泌量は5-11mg(平均7)/m2, ⼥性5-6mg/m2 ü②グルココルチコイド治療3週間以内なら副腎機能低下の可能性は低い (2週間以上では中⽌後注意は必要かも) ü③コルチゾール5mg/m2/⽇以上投与では, 副腎機能低下の可能性はあり ü④コルチゾール10mg/m2/⽇以上の隔⽇投与では, 副腎機能低下の可能性 はあり