#4.
01 自己紹介 J Osler 3期生 • 2020年 内科専攻医 • 苦労してJ Osler を突破 • 2023年 内科専門医取得 発信 内科専門医 相川よしたけ • • • • 自身の経験をもとにJ Oslerの発信を開始 多くの相談に応じてノウハウを蓄積 新しい情報も踏まえた内容 YouTubeを始めるため勉強中 @AikawaYoshitake
#5.
02 J Oslerとは [概要] 内科の専門医を取得するための 3年間の専門研修プログラム 研修の内容 • 普段の臨床とは別のパソコン作業 • 経験症例から「症例登録」「病歴要約」を作成 • 他に学会発表、医療安全、JMECC受講など オンラインで評価と登録ができる 病歴要約 • 最も重要 • A4用紙2枚、29症例 • 医師としての人間性、患者との関わりも評価 サブスペシャリティ • 内科専門医の次に専門科の研修に進む • サブスペの病歴要約も(呼吸器内科J Osler など)
#6.
03 J Osler のルール 絶対的なルールブックがない • 2023年10月に「手引き」が発表 • 以前の資料よりは理解しやすくなった 院内の情報に頼るのは危険 • 先輩や指導医もルールを知らない可能性 • 院内評価を通過しても外部評価で差替え • 実際の運用を知らずに時間をロスするリスク 未公開ルールの存在 • 公式に発表されていない情報も多い • 新しいルールの追加も( ex: COVID-19の扱い)
#7.
04 J Osler の概要 症例登録と病歴要約の作成がカギ 症例登録 効率よく量をこなす • • • • • • • 概略と自己省察を書く(1行でもいい) 160症例(7期生より下の世代は120症例) 「疾患群」を幅広く登録 後の病歴要約が本番 ここで時間を要すると予後不良 1人の指導医に承認されればOK 指導医の理解も重要 病歴要約 J Osler の難関 • • • • • • A4用紙2枚、全部で29症例 症例登録を行ったものから作成 分野と「疾患群」の縛りあり 一次評価:3人の指導医(院内) 二次評価では外部の査読委員1名 入院後経過と総合考察を書く
#8.
05 疾患群 「疾患群」という独特の概念 • • • • • 臓器別の分野より下位の分類 症例登録、病歴要約ともに疾患群による制限あり 症例登録:160症例で56疾患群 病歴要約:29症例ですべて異なる疾患群 疾患群が重複すると、病歴要約の書き直し!
#9.
06 病歴要約 総論 29症例の山場 • • • • • • 院内3人、外部1人の合計4回の評価 差替え:新しく別の病歴要約を作成 要修正:考察など一部を修正する 差替えのリスクを下げたい 疾患群を正確に理解する 主病名の選択は専攻医の自由 総合考察 • 自己省察と全人的アプローチが重要 • 病態や治療だけでなく「患者との関わり」 外科紹介・剖検症例・救急 • 他の分野にない特殊なルールあり • 剖検症例だけは研修医から意識を
#10.
06 病歴要約 総論 一次評価 一次評価でも29症例まとめてJ Oslerシステム上で評価するようルール改正(2023年10月) 「5症例ずつ印刷して添削」、「症例を個別にメールのやり取りで指導」などはNG
#11.
06 病歴要約 総論 二次評価 院外の査読委員 • • • • • 専攻医と査読委員はお互いの素性を知らない 病歴要約は統括責任者の名前で公開される 統括責任者の専門分野に注意 どんな査読委員になるかは運 いわゆる「指導医ガチャ」 ⚬ 本筋ではない揚げ足取り ⚬ 自身の専門分野だけ異様に厳しい ⚬ 締め切りを守らずに大量の修正要求 • 二次評価の指導は3回までの制限 • 二次評価を突破できないことはほぼない • 一次評価が最大の難関
#12.
07 病歴要約 各論 外科紹介 外科紹介に使える条件 • • • • 内科医として自分で診断 外科医に紹介 全身麻酔下の手術 開頭・開胸・開腹(胸腔鏡・腹腔鏡下を含む) 外科紹介に使用できない症例 • • • • ERCP などの内視鏡治療 TAVI などのカテーテル治療 脳梗塞の血栓回収療法 乳癌、子宮頚癌、子宮体癌 など
#13.
07 病歴要約 各論 剖検症例 剖検症例は貴重! • 剖検だけは研修医の症例も保存しよう • 専攻医で剖検を経験しない可能性 書き方 • • • • 主治医として剖検に立ち会ったことが重要 剖検で有意所見がなくてもOK 入院後経過に剖検所見を記載 家族や病理医とのやり取りを記載するとベター
#14.
07 病歴要約 各論 消化器 合計3つの病歴要約 • 「消化管」「肝臓」「胆・膵」から一つずつ • 肝臓だけは経験しにくいかも • 肝細胞癌、肝炎、肝硬変を見逃さない 疾患群9 から作らない • 「腹腔・腹壁疾患」と「急性腹症」 • これらは消化器の病歴要約には使用できない • 外科紹介と剖検症例には使用できる
#15.
07 病歴要約 各論 内分泌・代謝 内分泌と代謝で合計3つ • 内分泌、代謝それぞれ1つ以上 • 内分泌は希少疾患が多く、経験が難しい • 遭遇しやすい疾患 ⚬ 糖尿病(代謝 疾患群3) ⚬ 甲状腺(内分泌 疾患群2) ⚬ 骨粗鬆症(内分泌 疾患群3) • 外来症例も活用(外来は7症例まで使用可)
#16.
07 病歴要約 各論 血液 「出血性貧血」に注意 • 出血の原因が血液疾患であればOK • 原因が他分野の症例は使用しないほうがいい • 差替えのリスクを下げるため 症例の見つけ方 • • • • 鉄欠乏性貧血(疾患群1) 血液悪性腫瘍(疾患群2) 疾患群の重複に注意 多発性骨髄腫と悪性リンパ腫は同じ疾患群2
#17.
07 病歴要約 各論 救急 「救急らしい」症例を! • 「救急らしくない」という口実を与えない • 救急らしさ ⚬ 救急搬送or救急外来を受診 ⚬ 重篤感(昇圧剤、気管挿管、ICU入院) ⚬ 中毒の対応をした症例 • 他分野にも登録されている病名により注意 ⚬ 腎盂腎炎、脳梗塞、アナフィラキシーなど
#18.
08 新ルール 情報戦 • 不定期にルールが追加・変更される • こっそり新資料リリース、ホームページに記載 • きちんと告知・宣伝されることはない 新修了要件 • • • • 7期生(2024年度専攻医開始)より下の世代で有効 症例登録が160→120症例に減る 分野ごとの最低の症例数の条件が追加 改めてルールの理解と指導医の協力を ⚬ 主病名の選択は専攻医の自由 ⚬ 考察は1行でもいい
#19.
09 FAQ 差替えの原因 • 主病名の選択 (〇〇の症例としてふさわしくない) • 疾患群の重複 (胆嚢炎と胆嚢癌で外科紹介2つ作成) (救急と神経で脳梗塞から作成) • 出血性貧血の原因が消化管出血 要修正の理由 • 誤字・脱字 (大量の文章なので仕方ない) • 指導医の専門領域の考察が甘い • 29症例全体の統一性 (略語や引用文献の表記方法など)
#20.
09 FAQ 資料提出は必要? COVID-19症例の使い方 • 証拠の提出は不要 (退院サマリー、剖検記録、カルテ) • 学会や査読委員に担当状況など調査されない • J Oslerシステムに登録、評価を受けるだけ • 呼吸器または感染症で使用可能 ⚬ ウイルス肺炎(呼吸器 疾患群1) (自由記載欄にCOVID-19と記入) ⚬ ウイルス感染症(感染症 疾患群1)
#21.
10 J Osler のマイナス面 内科離れ • 内科を避けて他科を選ぶ傾向 • 内科=J Oslerの悪いイメージ • 内科に進むのに覚悟は必要 無意味な事務作業 • • • • • 臨床能力より事務能力が評価 複雑で理不尽な運用 ルール把握に時間を要する 専門医取得後に役に立たない 知識は試験勉強で習得できる 指導医の負担 • • • • 大量の文書を添削 自身の専門以外の指導 学会の単位以外に報酬なし 名前も顔も知らない専攻医
#22.
11 内科の魅力 誰でもクリアできる • • • • • • • • 面倒なのは事実 PC作業さえこなせば合格 論文投稿などは必要ない 診療科別の専攻医数は内科が最多 筆記試験は割と簡単(合格率90%以上) 特別な才能は必要ない 市中病院のプログラムが充実 大学入局も不要 内科医は求められる • • • • どんな医療機関にも内科医が必要 内科専門医があれば自由に働ける 開業しやすい キャリアが多様
#23.
12 Tips J Osler が複雑で面倒なのは事実 内科を選ぶには覚悟がいる時代 しかし、ルールを正しく理解すれば恐れることはない 実態を知ったうえで内科を選び、研修してほしい