#4.
出現時期
急性期(0-24時間)
かなり制御されてきている
遅発期(24-120時間)
まだまだ制御途上
延長期/超遅発期(120時間+)
ADC製剤の登場で、存在が注目され始めた
補足:
予期性(投与開始前):前のコースや以前の抗がん剤で嘔気嘔吐が強かった場合、
病院の敷地に入ったり、外来化学療法の部屋に入るだけで嘔気が生じることがある Iihara et al. IJCO 2024 p873
Hesketh et al. JCO 2020 p2782
#5.
催吐性リスク別の予防投与
高度
デキサメタゾン+5-HT3受容体拮抗薬+NK1受容体拮抗薬+オランザピン
中等度
デキサメタゾン+5-HT3受容体拮抗薬+/-NK1受容体拮抗薬
軽度
デキサメタゾン or 5-HT3受容体拮抗薬
最小度
予防投与なし Iihara et al. IJCO 2024 p873
Hesketh et al. JCO 2020 p2782
#6.
レスキュー オランザピン(予防投与してない場合) 2.5 – 5 mg
眠気、ふらつきに注意
糖尿病には禁忌
アルプラゾラム/ロラゼパム 0.4/ 0.5 mg
眠気、ふらつきに注意
メトクロプラミド 10 – 20 mg
アカシジアに注意 Iihara et al. IJCO 2024 p873
Hesketh et al. JCO 2020 p2782
#7.
制御しきれない悪心・嘔吐との付き合い方 事前に患者および家族(重要!)と共有しておきたい内容
「普段通りの食事」にこだわらなくてOK
食べたいときに、食べものを、食べたいだけ
最低限、水分が摂れていればよい
水分摂取がままならないときは、速やかに病院に連絡を
次コースに制吐対策を強化する
予防投与の強化(NK1受容体拮抗薬やオランザピンの追加、デキサメタゾン延長)
「予期性嘔吐」にはアルプラゾラム/ロラゼパムが奏効することも
レスキューの変更、積極使用
増悪因子の制御(便秘対策の下剤、脱水対策の補液)
筆者作成
#8.
遅発期を越えて続く悪心/嘔吐:
それ本当に化学療法によるものですか? 感染:発熱性好中球減少や敗血症の前駆症状では?
消化管:便秘/腸閉塞によるものでは?
電解質:低Na血症/高Ca血症はないか?
中枢神経:脳転移/癌性髄膜炎はないか?
などを視野に鑑別を 筆者作成
#9.
WJOGはがん治療を開発・啓発するための認定NPO法人です 西日本がん研究機構(WEST Japan Oncology Group) 1991年に西日本肺がん化学療法研究会として活動開始して以降、
30年以上臨床研究に携わってきました
「がんをたたく」臨床研究だけでなく、嘔気など副作用対策の臨床研究も行ってきました 「よりよいがんの治療を、あなたの力で」 現在実施中の
臨床研究
39 登録施設数
425 WJOG会員数
951 2026年6月1日現在
#10.
WJOG6811B:乳癌AC/EC療法によるCINVに対する第一世代 vs 第二世代5-HT3受容体拮抗薬第3相試験 主要評価項目:
遅発性嘔吐の完全制御
(嘔吐なし、レスキュー使用なし)
60.4 vs 62.3 %
有意差を認めなかった Matsumoto et al. Cancer Med 2020 p3319
#11.
WJOGB14320(ERICA試験)乳癌T-Dxd療法によるCINVに対するオランザピン第2相試験 主要評価項目:
遅発性嘔吐の完全制御
(嘔吐なし、レスキュー使用なし)
56.1 vs 70.0 %
有意差が示された Sakai et al. AnnOncol2024 p31
#12.
WJOG19524G(OPTIMIZE試験)胃癌ゾルベツキシマブ療法によるCINVに対するオランザピン第3相試験 jRCTs041250124 ZOL投与予定
胃癌患者 R パロノセトロン day1
NK-1受容体拮抗薬day1
デキサメタゾン day1 9.9mg day2-4 8mg
オランザピン プラセボ day0 眠前+ 5mg day1-4 夕食後
d-クロルフェニラミン 5mg day1 ArmA:前日眠前非投与群 パロノセトロン day1
NK-1受容体拮抗薬day1
デキサメタゾン day1 9.9mg day2-4 8mg
オランザピン 5mg day0 眠前+ 5mg day1-4 夕食後
d-クロルフェニラミン 5mg day1 ArmB:前日眠前投与群 略語:
ZOL; ゾルベツキシマブ
#13.
制吐薬適正使用ガイドライン2023年10月改訂 第3版: 日本語で学べる
http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/ (2026年版が今秋出版予定)
NCCNガイドライン 2026年 Ver. 1: 最新の制吐療法を学べる
https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/antiemesis.pdf
ASCOガイドライン (2020 update): 孫引きで制吐療法の進歩を学べる
https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.20.01296
参考文献: もっと知りたい人に