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ステロイドの使い方

投稿者プロフィール
Kazuhiro K

とある大学病院

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531

投稿した先生からのメッセージ

ステロイドが怖くなくなれば、思考に幅が出てきて、臨床が楽しくなります♪

概要

何科でも必ず使う場面が訪れるステロイド。

現場で役立つステロイドの使い方をシンプルにまとめております。

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医/専門医

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

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テキスト全文

ステロイドの基本的な使い方と製剤の種類

#1.

ステロイドの使い方 kazuhiro K

#2.

ステロイド製剤の目的・用途 1 2 3

#3.

ステロイド製剤の種類

ステロイドの力価換算と各製剤の特徴

#4.

ステロイドの力価換算表 ※ステロイド内での製剤の変更が必要なら上記の力価換算を参考にする

#5.

ステロイドの個性を決める3大要素

#6.

各製剤の特徴

具体的な投与法と注意点、急な中止のリスク

#7.

冒頭の図において、おおざっぱなイメージを付け加えると・・・ 1 2 3

#8.

具体的な投与法と注意点 処方は「初期投与量」と「投与期間」の2つで決まる ・初期投与量➡疾患によって、決まっている。 ・投与期間➡疾患によって、決まっている。

#9.

具体的なイメージ 3週間 1週間 30mg 20mg 15mg 10mg 5mg 40mg 30mg 20mg 10mg なんらかの自己免疫疾患 気管性喘息 ●「初期投与量」と「期間」を決めたら、だいたい当分割して減量していくだけ 4日間 4日間 4日間 4日間 4日間 2日間 2日間 2日間 初日のみ

#10.

ステロイドをそのまま急にOFFに出来るか、出来ないか ●「投与期間」が3週間を超えるか超えないか、が重要。 3週 4週 ② ③ ① 中止  副作用 いつでも やめられるだろう この辺りが限度 かな 急にやめない 方がいい 長期内服の副作用 は気にならず 長期服用の副作用 の対策が必要 しかし、注意点。

ステロイド投与の副作用とその対策

#11.

ステロイドOFFの際に重要なこと ●用量によらず(細かく言うと、どんな少ない用量でも)投与が毎日にわたれば 約3~4週を境にして以後は副腎抑制がかかってくる   ➡つまり、OFFの際は「投与期間」を意識するようにする。    (副腎からの分泌の回復を待つため) 〇投与期間が3~4週を超える時は、 ・慎重に細かい歩幅にして、終盤のステロイド減量期間を長くして、減量していく   (➡副腎不全が起きないための配慮) ・免疫抑制剤を併用して、ステロイドを減量していく   (➡現病が悪化しないための配慮) などの工夫が必要となる

#12.

内服ができる患者でも、点滴をあえて選びたい場面 内服できれる状態ならば、点滴よりも内服を優先するのが基本。 しかし、

#13.

副作用1⃣ ハイリスク者に対しては早期発見して対処したいもの

特殊な事情におけるステロイドの使用法

#14.

副作用2⃣ ステロイドを減らせば軽減・消失するもの

#15.

副作用3⃣ 予防可能なもの

#16.

副作用4⃣ 発症予測不可能なもの(=起きるかどうかもわからない)

#17.

【特殊な事情でステロイドについて考える時①】 ●ずっとステロイドを内服している人が内服できなくなった時 点滴投与へ変更する その場合、経口量の1.5倍~2倍を投与する 理由:点滴で投与すると、ステロイドは血中から消失する率が増す これは血中たんぱく質と結合できない遊離ステロイドが増えて、 肝代謝される率が増すため、と言われている (これを確かめた実験は存在しない。あくまで仮説。) 例)プレドニゾロン10mg/日内服している    →水溶性プレドニゾロン15~20mg/日点滴へ変更 ※内服していたステロイドが、 A:ヒドロコルチゾン系の内服であれば、A:ヒドロコルチゾン系の点滴薬へ変更する。  C:メタゾン系の内服であれば、C:メタゾン系の点滴薬へ変更する。

造影剤使用時のステロイド前投与とストレス時のカバー

#18.

【特殊な事情でステロイドについて考える時②】 ●造影剤によるアレルギーが予測されるが、造影剤を使用してCTを撮る時 米国放射線学会(ACR)や日本放射線学会造影剤安全性管理委員会のマニュアルより 〇造影剤による急性副作用を発症する危険因子 A)造影剤に対する中等度もしくは重度の急性副作用の既往 B)気管支喘息 C)治療を要するアレルギー疾患 上記が挙げられている。 ※その場合は以下の前投薬が推奨されている

#19.

前投与のパターン 【内服①】 プレドニン(5)1回8錠を、造影剤投与の ・12時間前 ・6時間前 ・1時間前 に投与する 【内服②】 メドロール(4)1回8錠を、造影剤投与の ・13時間前 ・7時間前 ・1時間前 に投与する 【点滴】 ・造影剤投与5時間前に、デカドロン6.6mg+生理食塩水100mlを1時間かけて点滴 ・造影剤投与1時間前に、ポララミン(5)を静注し、 続いてデカドロン6.6mg+生理食塩水100mlを1時間かけて点滴 ※生体内で足りないステロイドの補充ではないため、 A:ヒドロコルチゾン系は使用しない

#20.

【特殊な事情でステロイドについて考える時③】 ●慢性的なステロイドユーザーが更なるストレスに見舞われる時のステロイドカバー ストレスを感じる時、生体は多量のステロイドを必要とし、内因性に分泌され、 体内ステロイド量は上昇することになっている。 慢性的なステロイドユーザーは内因性ステロイド分泌の反応が遅くなっているため、外部からステロイドを補充しなくては、血圧や血糖が維持できなくなり、生命の危機に瀕することとなる。               強:著しく強いストレス                 ・敗血症性ショック                 ・高度外傷 など               中等度:強いストレス                 ・開胸手術                 ・重症膵炎                 ・膵頭十二指腸切除術 など               軽・まあまあなストレス                  ・一般細菌感染症                 ・開腹手術 など

アスピリン喘息や抜管後のステロイド使用

#21.

ステロイドカバー量 強: ・水溶性ハイドロコートン50mg+生理食塩水100ml   30分かけて6時間おきに点滴 中等度: ・水溶性ハイドロコートン50mg+生理食塩水100ml   30分かけて8時間おきに点滴 軽: ・水溶性ハイドロコートン25mg+生理食塩水100ml   30分かけて6時間おきに点滴 ※生体内で必要としている量に対して足りなくなるステロイド量の補充であるため、 A:ヒドロコルチゾン系を使用する

#22.

【特殊な事情でステロイドについて考える時④】 ●アスピリン喘息やコハク酸アレルギーがある時 コハク酸エステル型ステロイドの使用はやめる 点滴:ヒドロコルチゾンリン酸エステルNa(水溶性ハイドロコートン) 点滴:デキサメタゾンリン酸エステルNa(デカドロン) を使用する ※内服はエステル基が付いていないため問題なし。点滴剤を使用する時に注意する。

#23.

【特殊な事情でステロイドについて考える時⑤】 ●抜管後喉頭浮腫の予防のためのステロイド ・ソルメドロール40mg+生理食塩水100ml   4時間おきに30分で点滴(合計3~4回投与) ※施設間での処方や投与法にばらつきが多い。 バランスの良いB:プレドニゾロン系を使用することが多い 足りないステロイドの補充ではないため、A:ヒドロコルチゾン系は使わない

悪性腫瘍患者へのステロイド投与と妊娠時の注意点

#24.

【特殊な事情でステロイドについて考える時⑥】 ●悪性腫瘍関係 〇悪性腫瘍による脊髄圧迫時 ・デカドロン6.6mg 15A+生理食塩水250ml  1時間で点滴 ・以後、デカドロン6.6mg 3A+生理食塩水250ml  6~24時間おきに1時間で点滴   →放射線照射or手術 〇転移性脳腫瘍による脳浮腫 ・デカドロン(0.5)12錠 分1 3日間 ・以後、デカドロン(0.5)8錠 分1 2日間 ・以後、デカドロン(0.5)4錠 分1 2日間   →放射線照射or手術 ※浮腫や吐き気を抑える作用はC:メタゾン系が一番強い 〇抗癌剤治療時の副作用としての吐き気 ・デカドロン(4)2錠 2~5日間内服

#25.

【特殊な事情でステロイドについて考える時⑦】 ●妊娠しているとき A:ヒドロコルチゾン系やB:プレドニゾロン系を使う ※C:メタゾン系は脂溶性であり、胎盤を通過してしまう。 メタゾン系の中でも、デキサメタゾン(デカドロン)のほうが ベタメタゾン(リンデロン)よりも胎盤を通過してしまう。 「胎児を治療する」という特殊な状況を除き、 妊婦へのステロイドはC:メタゾン系を避ける。

#26.

【特殊な事情でステロイドについて考える時⑧】 ●併存疾患に対してステロイドの効果が減弱する 薬剤を使用している時 〇CYP3A4を誘導する薬剤を使用している時は、ステロイドの効果が半減する ・ リファンピシン (抗結核薬) ・ フェニトイン (抗てんかん薬=アレビアチン、ヒダントール) ・ フェノバルビタール (抗てんかん薬)    (他のバルビタール系薬物も可能性あり) ・ カルバマゼピン (抗てんかん薬) ➡ステロイド量を2倍にする ※普通の免疫抑制としての治療なので、 B:プレドニゾロン系を使用するのが一般的

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