Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

お知らせ

ログイン

すでにアカウントをお持ちの方はこちら

ばりすた@脳神経内科医

1/27

ニガテな高次脳機能評価を克服しよう!失語編② 原発性進行性失語について

  • 内科

  • 脳神経内科

  • 初期研修医

  • PNFA
  • 進行性非流暢性失語
  • PPA
  • mfvPPA
  • 原発性進行性失語
  • 高次脳機能障害
  • 失語評価
  • 復唱障害
  • ロゴペニック型進行性失語
  • SD
  • LPA
  • 意味性認知症
  • svPPA

4,706

49

更新

シェア

ツイート

ばりすた@脳神経内科医

総合病院

内容

原発性進行性失語の症状、分類や治療などの評価方法を中心にまとめた失語編第二弾です。失語の評価・分類を学びたい、知識を整理したい医学生、研修医、内科専攻医の先生のお役に立ちましたら幸いです。

◎目次

・このスライドを作った人

・このスライドの対象者

・このスライドで伝えたいこと

・まずは失語評価のおさらい

・失語を来す疾患は?

・疾患によって経過が違う

・このスライドで伝えたいこと

・原発性進行性失語(PPA)とは

・臨床病名?病理名?

・原発性進行性失語の定義

・各論の前に、認知症とは?

・進行性非流暢性失語 PNFA≒nfvPPA

・意味性認知症 SD≒svPPA

・ロゴペニック型進行性失語 LPA≒lvPPA

・PNFAを疑うエピソード

・SDを疑うエピソード

・LPAを疑うエピソード

・失語評価は自発話から

・PNFAの診断に有効な評価

・SDの診断に有効な評価

・LPAの診断に有効な評価

・まとめ

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

参考文献

  • 高次脳機能障害の理解と診察 平山和美 中外医学社 2017

  • 原発性進行性失語 – 分類, 診断と臨床経過 – 西田勝也ら IRYO 69:267-274, 2015

  • Primary progressive aphasia: a clinical approach. Charles R. Marshall, et al.Journal of Neurology 265:1474–1490, 2018

  • 認知症診療ガイドライン2017 日本神経学会 医学書院 2017

  • 進行性非流暢性失語の症候と経過  大槻美佳 高次脳機能研究 35:297-303, 2015

  • 前頭側頭葉変性症(FTLD)の概念と分類 update 中野今治 臨床神経 52:844-847, 2011

  • 意味性認知症と見誤り易い症候について 小森憲治郎ら 高次脳機能研究 36:350-360, 2016

  • Logopenic progressive aphasia(LPA)とはどのような症候群か?(2020 年版) 小川七世 神経心理学 37:152-163, 2021

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください >

内容

原発性進行性失語の症状、分類や治療などの評価方法を中心にまとめた失語編第二弾です。失語の評価・分類を学びたい、知識を整理したい医学生、研修医、内科専攻医の先生のお役に立ちましたら幸いです。

◎目次

・このスライドを作った人

・このスライドの対象者

・このスライドで伝えたいこと

・まずは失語評価のおさらい

・失語を来す疾患は?

・疾患によって経過が違う

・このスライドで伝えたいこと

・原発性進行性失語(PPA)とは

・臨床病名?病理名?

・原発性進行性失語の定義

・各論の前に、認知症とは?

・進行性非流暢性失語 PNFA≒nfvPPA

・意味性認知症 SD≒svPPA

・ロゴペニック型進行性失語 LPA≒lvPPA

・PNFAを疑うエピソード

・SDを疑うエピソード

・LPAを疑うエピソード

・失語評価は自発話から

・PNFAの診断に有効な評価

・SDの診断に有効な評価

・LPAの診断に有効な評価

・まとめ

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

参考文献

  • 高次脳機能障害の理解と診察 平山和美 中外医学社 2017

  • 原発性進行性失語 – 分類, 診断と臨床経過 – 西田勝也ら IRYO 69:267-274, 2015

  • Primary progressive aphasia: a clinical approach. Charles R. Marshall, et al.Journal of Neurology 265:1474–1490, 2018

  • 認知症診療ガイドライン2017 日本神経学会 医学書院 2017

  • 進行性非流暢性失語の症候と経過  大槻美佳 高次脳機能研究 35:297-303, 2015

  • 前頭側頭葉変性症(FTLD)の概念と分類 update 中野今治 臨床神経 52:844-847, 2011

  • 意味性認知症と見誤り易い症候について 小森憲治郎ら 高次脳機能研究 36:350-360, 2016

  • Logopenic progressive aphasia(LPA)とはどのような症候群か?(2020 年版) 小川七世 神経心理学 37:152-163, 2021


ばりすた@脳神経内科医さんの他の投稿スライド

非運動症状マネジメントでパーキンソン病を総合的に治療しよう

#REM睡眠行動障害 #PD #過活動膀胱

63

10,970

最終更新:2022年10月12日

ニガテな高次脳機能評価を克服しよう!失語編①

#脳変性疾患 #構音障害 #言語障害 #失語 #錯語

93

10,611

最終更新:2022年11月15日



診療科ごとのスライド

内科(363)

消化器内科(55)

循環器内科(77)

呼吸器内科(78)

血液内科(32)

糖尿病内分泌代謝内科(46)

腎臓内科(29)

アレ膠リウマチ内科(28)

脳神経内科(93)

総合診療科(149)

救急科(339)

外科(33)

消化器外科(2)

呼吸器外科(3)

乳腺外科(0)

整形外科(80)

脳神経外科(16)

泌尿器科(21)

形成外科(19)

皮膚科(25)

眼科(19)

耳鼻咽喉科(13)

歯科口腔外科(8)

リハビリテーション科(8)

心臓血管外科(5)

小児科(48)

産婦人科(47)

精神科(61)

放射線科(51)

麻酔科(12)

緩和ケア科(23)

感染症科(197)

産業医(8)

初期研修医(327)

医学生(3)

その他(297)


ニガテな高次脳機能評価を克服しよう!失語編② 原発性進行性失語について

  • 1.

    ニガテな高次脳機能評価を 克服しよう!失語編② 原発性進行性失語について ばりすた☕脳神経内科医

  • 2.

    このスライドを作った人 ばりすた☕脳神経内科医 脳神経内科専門医 総合病院勤務 Twitter:@bar1star 分かりやすい医療情報発信 フォロワー3万7000人↑ コーヒーインストラクター検定2級 (そんなに凄くない)

  • 3.

    このスライドの対象 1 2 3 医学生 試験に出るから勉強したいけど、教科書よく分からん… そんな学生に。 研修医 脳神経内科ローテでプレゼンしなきゃいけないけど、 上級医からネチネチつっこみをくらってしんどい研修医に。 内科専攻医 患者さんの言語障害を適切に評価したいけど、評価方法 も記載方法も自信がない内科専攻医に。

  • 4.

    このスライドで伝えたいこと 1 2 3 背景 失語になる病気は何があるか? 原発性進行性失語とは? どんな症状が出るのか? 評価 とった所見をどうまとめて 分類すればよいのか?治療は?

  • 5.

    このスライドで伝えたいこと 1 2 3 背景 失語になる病気は何があるか? 原発性進行性失語とは? どんな症状が出るのか? 評価 とった所見をどうまとめて 分類すればよいのか?治療は?

  • 6.

    まずは失語評価のおさらい • 自発話から評価を始め、失構音、錯語、 喚語困難、失文法、復唱、聴理解をチェック とてもざっくりした失語の古典的な分類 失構音 聴理解 復唱 運動性失語 ある 良い できない 超皮質性運動性失語 ある 良い できる 感覚性失語 ない 悪い できない 超皮質性感覚性失語 ない 悪い できる 伝導失語 ない 割と良い できない ニガテな高次脳機能評価を克服しよう!失語編① のAntaaスライドをまずは見てみてくださいね。

  • 7.

    失語を来す疾患は? • 脳卒中 • てんかん 発作後のTodd麻痺のような状態で失語が遷延することがあります • 原発性進行性失語(Primary Progressive Aphasia: PPA) (その他の認知症や神経変性疾患の1つの症候としても表れます) 脳梗塞はtPA静注療法や血栓回収により、 「ダメージを受けたところと助かったところ」の組み合わ せのバリュエーションが増えました。 脳のやられた機能と助かった機能の組み合わせも増えるの で、細かい評価が必要になります。

  • 8.

    疾患によって経過が違う • 脳卒中は重い症状が出た後、リハビリなどで 徐々に代償され得る → 失語の要素が改善することがある • 変性疾患では、初期は軽い症状から始まり、 徐々に進行したり、別の要素が障害される → 原発性進行性失語(PPA)がこのパターン PPAなどの神経変性疾患では、 疾患の進行により症状が重くなったり、 別の症候が出るようになる

  • 9.

    このスライドで伝えたいこと 1 2 3 背景 失語になる病気は何があるか? 原発性進行性失語とは? どんな症状が出るのか? 評価 とった所見をどうまとめて 分類すればよいのか?治療は?

  • 10.

    原発性進行性失語(PPA)とは • 早期からの失語が特徴的な神経変性疾患の総称 • 病理診断名ではなく臨床病名 • 以下の3タイプに分類 • 進行性非流暢性失語(PNFA) • 意味性認知症(SD) • ロゴペニック型進行性失語(LPA) 最近の英語文献では、 • nonfluent-agrammatic variant PPA(nfvPPA) • semantic variant PPA(svPPA) • logopenic variant PPA(lvPPA) という分類ですが、今回は認知症診療ガイドライン2017の表記に合わせています

  • 11.

    臨床病名?病理名? • 病理なのか臨床病名なのか異なることがある のが神経変性疾患の病名のややこしいところ 臨床病名 皮質基底核症候群 前頭側頭型認知症 原発性進行性失語 あり得る背景病理 皮質基底核変性症 アルツハイマー病 進行性核上性麻痺 etc. 前頭側頭葉変性症 これから説明! 脳病理は基本的に死後の剖検でしか確認できないので、熟練した 脳神経内科医が〇〇病だと診断しても結果的に背景病理とズレる ことがあります。これはどうにもできないので、臨床診断名と病 理の病名を分けて考える必要があるのです。PPAは臨床病名です。

  • 12.

    原発性進行性失語の定義 • 言語の困難さが最も顕著な症状 • 失語が日常生活における障害の主たる要因 • 発症時・病初期の主たる症状が失語 の3つを満たす必要がある。 エピソード記憶、視覚性記憶、視知覚、行動の 初期の顕著な障害はPPAでは見られない。 PPAの初期は言語障害があるが、他の認知機能は保たれている

  • 13.

    各論の前に、認知症とは? 認知症診療ガイドライン2017より ざっくり言うと、 • 多岐にわたる認知機能のうち1つ以上の障害で • 自立的な日常生活に支障が出ている状態

  • 14.

    進行性非流暢性失語 中核的特徴 支持的項目 ・失文法 ・発語失行(≒失構音) PNFA≒nfvPPA 大体この辺りの障害 ・統語理解の障害 ・単語理解の保存 ・対象物知識の保存 診断基準 中核的特徴が1つ 支持的項目が2つ以上 背景病理 • FTLD-tau 大脳皮質基底核変性症や 進行性格上性麻痺を含む • FTLD-TDP 前頭側頭型認知症(FTLD)は解剖学的な診断名。中でもタウが 蓄積するFTLD-tauがPNFAの背景として多いと言われています。

  • 15.

    意味性認知症 SD≒svPPA 中核的特徴 支持的項目 診断基準 背景病理 • 呼称能力の低下 • 語義理解の障害 • • • • 大体この辺りの障害 対象物知識の障害 表層失読・失書 復唱能力の保存 発話表出能力の保存 中核症状が2つ 支持的項目が3つ以上 FTLD-TDPが多い FTLDは解剖・病理的な病名ですが、前頭側頭型認知症(FTD) は臨床病名です。FTDの中で行動異常の目立つbv-FTDに移行 していく例が、SDで見られることがあります。

  • 16.

    ロゴペニック型進行性失語 中核的特徴 支持的項目 診断基準 背景病理 • 語想起障害 • 短文復唱障害 • • • • LPA≒lvPPA 大体この辺りの障害 音韻性錯語 単語理解の保存 発話表出能力の保存 統語表出能力の保存 中核症状が2つ 支持的項目が3つ以上 アルツハイマー病が多い おなじみの話の流れですが、アルツハイマー病(AD)はアミロイ ドβの沈着などを特徴とする病理診断名、アルツハイマー型認知 症は臨床病名です。ADの表現型がLPAにもアルツハイマー型認知 症にもなり得るということですね。

  • 17.

    このスライドで伝えたいこと 1 2 3 背景 失語になる病気は何があるか? 原発性進行性失語とは? どんな症状が出るのか? 評価 とった所見をどうまとめて 分類すればよいのか?治療は?

  • 18.

    PNFAを疑うエピソード • 「てにをは」を間違える • 言葉が思ったように出ない • 話のスピードがゆっくりになる などの症状から始まりやすい • 長い言葉を喋る時や朗読で詰まる • 言葉を喋るのに努力してる様子 • 筆談に頼ろうとする • コミュニケーションが上手くいかない苛立ち もよく見られる

  • 19.

    SDを疑うエピソード • 単語を聞くと「〇〇って何?」と質問 • 「これ、あれ」などの指示語が増加 • 発語は流暢 ただしエピソードのみでは、異常に気付かれに くかったり、単なる”もの忘れ“として処理され てしまったりすることがある

  • 20.

    LPAを疑うエピソード • 「これ、あれ」などの指示語が増加 • 「たばこ」→「たびこ」などの音韻性錯語 • 音韻性錯語で正しく言えず、何度も同じ単語を 繰り返してしまう 指示語の増加はSDとも重複しており、エピソードのみで病型を 分けるのは困難です。このため、正しい知識で能動的に言語の評 価をする必要があります。 なお音韻性錯語は特徴的な症状ではあるものの、前述の診断基準 のとおり、診断の必須項目ではありません。

  • 21.

    失語評価は自発話から 失語を評価する際の流れは、 ①患者に話をさせてそれを聞く(自発話) ②ものの名前を答えさせる(物品呼称) ③検者の言葉を真似させる(復唱) ④検者の言葉の理解度を確認する(聴理解) とすると良い。さらに ⑤文字を読む(読字) ⑥文字を書く(書字) も評価できるとなお良い

  • 22.

    PNFAの診断に有効な評価 • 自発話における失構音を確認 (しばらく失構音のみで経過するパターンも) • 失構音の誘発には、長文の朗読が有効 • 「てにをは」の間違いや、 能動態⇔受動態の切り替え課題も確認 • 進行例ではパーキンソン様症状を認めることも

  • 23.

    SDの診断に有効な評価 • 物品呼称が有効 • 「ブルドッグ」などの低頻度語では 「あ…ほらあの…犬の…」という反応 • 健忘性失語と異なり、語頭音効果が見られない 検者「ブ…?ブル…?」→ 患者「……」 • 「具合はどうですか?」→「具合って何?」 などと言葉を聞き返す反応(反問性反響語) • 復唱は保たれる!

  • 24.

    LPAの診断に有効な評価 • 復唱障害は特徴的だが、 PNFAでも復唱障害が生じることがある • SDほどの語義理解障害はないが、 まったく無いわけではない • 音韻性錯語が特徴的だが、 全例で生じるというわけではない • 少し進行した例では、言語障害だけでなく 視空間認知障害や片麻痺を来す例もある 特徴的なエピソードや診察所見でパッとLPAを診断できる、 というわけではないのが難しいところです。

  • 25.

    まとめ • 原発性進行性失語は、失語を来す神経変性疾患 • PNFA、SD、LPAの3タイプに分かれる • PNFAでは失構音や失文法に注目 • SDでは呼称の評価と、聞き返しに注目 • LPAは復唱障害や音韻性錯語に注目

  • 26.

    参考文献 • 高次脳機能障害の理解と診察 平山和美 中外医学社 2017 • 原発性進行性失語 – 分類, 診断と臨床経過 – 西田勝也ら IRYO 69:267-274, 2015 • Primary progressive aphasia: a clinical approach. Charles R. Marshall, et al.Journal of Neurology 265:1474–1490, 2018 • 認知症診療ガイドライン2017 日本神経学会 医学書院 2017 • 進行性非流暢性失語の症候と経過 大槻美佳 高次脳機能研究 35:297-303, 2015 • 前頭側頭葉変性症(FTLD)の概念と分類 update 中野今治 臨床神経 52:844-847, 2011 • 意味性認知症と見誤り易い症候について 小森憲治郎ら 高次脳機能研究 36:350-360, 2016 • Logopenic progressive aphasia(LPA)とはどのような症候群か?(2020 年版) 小川七世 神経心理学 37:152-163, 2021

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.