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中毒診療24時

  • 救急科

  • 精神科

  • 中毒
  • トキシドローム

34,416

73

2017/8/11
2020/8/18 更新
山本康之

総合病院 国保旭中央病院

中毒診療のおおよその流れのスライドです


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中毒診療24時

  1. 中毒診療24時  ~中毒診療ことはじめ・医薬品中毒を中心に~ 健和会大手町病院 山本 康之

  2. 中毒診療の流れ スイッチを入れる 病院前 病院到着後 その後の対応

  3. スイッチを入れる 病院前だろうが、院内だろうが「なんか変だな、おかしいな」と思ったらスイッチを入れる 同じ症状の傷病者が多数発生 集団災害(化学災害・化学テロ)や集団食中毒など 前回のトキシドロームも参考にいつでもスイッチを入れられるようにしておく

  4. 前回の振り返り

  5. こんなとき、中毒!・・・かも CPA(特に若年の難治性CPA(VF/pulseless VT) 重症不整脈(房室ブロック、QT延長など) 血圧低下 意識障害、瞳孔径の異常(縮瞳・散瞳) 肝障害 腎障害 横紋筋融解症 偶発性低体温 吐瀉物が周りに散乱 異臭(ガーリック臭・アセトン臭・苦いアーモンド臭など) 異常発汗 異常体温など

  6. 循環器に影響を与えるもの

  7. 意識障害をきたす物質

  8. 肝障害を起こす物質

  9. 腎障害をきたす物質

  10. 横紋筋融解症~CASH~

  11. 偶発性低体温

  12. Toxidromeについて Toxic Syndrome 略して Toxidrome 日本語では中毒症候学と言われる バイタルサインの特徴などからおおよその薬剤を推定する考え方

  13. 代表的なtoxidrome ※ ↑:増加 ↓:減少 ±:どちらもあり -:ほとんど変化なし

  14. それぞれのtoxirdome 抗コリン性 アトロピン スコポラミン 抗ヒスタミン剤など。バイタルサインでは頻拍 体温上昇 瞳孔散大がメイン。皮膚は乾燥して、紅潮している コリン作動性(SLUGE・DUMBELS) 有機リン・カーバメイト系農薬・ウブレチドなど。アセチルコリンエステラーゼの不活化が原因 特長的なtoxidrome(SLUDGE DUMBELSなど)は次スライド参照拮抗薬はアトロピン・PAMなど。 交感神経興奮性 コカイン・アンフェタミン・カフェインなど。 中枢神経興奮作用によりFight or Flightの身体状態になる 発汗を伴うのが抗コリン性との鑑別に重要 鎮静剤・睡眠薬/エタノール 抑制作用がメイン オピオイド 抑制がメイン。呼吸抑制が強く出ることが多い。拮抗薬はナロキソン セロトニン症候群 SSRIおよびSSRIとの薬剤の相互作用で発症することが多い。ミオクローヌス出現が鑑別に有用

  15. DUMBELS (ダンベル) S:salivation:流延(よだれ) L:Lacrimation:流涙 U:urination:排尿・失禁 D:diarrhea:下痢 G:GI upset:胃腸炎症 E:emesis:嘔吐 D diaphoresis:発汗 diarrhea:下痢 U:urination:排尿 M:miosis:縮瞳 B bradycardia(徐脈) bronchospasm:気管支攣縮 bronchorrhea:気管支分泌物過多 E:emesis:嘔吐 L:lacrimation excess:流涙 S:salivation excess:流延 SLUDGE(ヘドロ) ムスカリン症状

  16. ニコチン症状 M:Mydriasis:散瞳 T:Tachycardia:頻拍 W:Weakness:筋力低下 tH: Hypertension:高血圧 F:Fasciculation:筋線維束性攣縮 S:Sugar:高血糖 Monday to Saturdayで覚えろとアメリカでは教えられている。

  17. 病院前で使えるトキシドローム

  18. 病院前 原因の除去 除染(病着後も必要)と避難→2次被害防止のため 一次評価と蘇生:ABCDE Airway with cervical spine control:気道管理と必要に応じて脊椎固定 Breathing:呼吸管理 Circulation:循環管理 Disability of nervous system:神経系の評価と管理 Exposure with environmental control:安全な環境の確保 情報収取AMPLET Allergies:アレルギー Medication:内服薬 Past medical history:既往歴 Last normal menstrual period, Last meal:最終月経・最終食事 Events:何が起こったのか、いつ、どこでどのような物質に、どのくらい暴露していた Tetanus shot:破傷風トキソイドの接種歴

  19. 病院前 二次評価:ABCDE 基礎疾患が急性増悪する可能性、熱傷や外傷の合併を否定 Airway:気道 Breathing:呼吸 Cardiovascular System:心血管系 Disability nervous system:脳神経系 The organ of Elimination:解毒・排泄系臓器・肝臓・腎臓

  20. 病院前 5Ws&Pasto History Who:年齢・性別・同伴者との関係 What:毒・薬物の名称および摂取量現物があれば持ってくる。労災であればSDSも一緒に。 When:いつ摂取したか(おおよその推定時間でも可) Where:摂取経路(経口・静注など)、摂取した状況 Why:意図的(自殺目的含め)な摂取か、事故による摂取か。特に希死念慮の聴取!!! Past history:肝腎障害などの身体疾患、服用歴、中毒の既往、精神科受診歴など 周囲の検索:PTPシートやSDS、その他現物がないかを確認

  21. 病院前 これだけはやばい、伝えてほしい薬名 炭酸リチウム(リーマス) アセトアミノフェン(タイレノール・カロナール・アンヒバなど) カフェイン(エスタロンモカ・トメルミン・眠眠打破など) フェノバルビタール(ラボナ・ベゲタミン・フェノバールなど) カルバマゼピン(テグレトール) アスピリン(バファリン・バイアスピリン) コデイン(咳止めに多い) シアン パラコート グルホシネート メタノール(エタノールは不要) エチレングリコール(自動車の不凍液) テオフィリン(テオドール・テオロングなど) 抗うつ薬 イミプラミン クロミプラミン→本気で死にます。 アモキサピン(アモキサン イミドール) マプロチリン(ルジオミール)

  22. 病院到着前 ホットラインの段階で、 緊急血液浄化の適応か否か その他拮抗薬があるかないかをおおよそ確認しておく 必要があれば、事前準備を行う。 必要がなければ、到着してから考える

  23. 緊急血液浄化適応基準 CAT-MEAL C:carbamazepine(カルバマゼピン),caffeine(カフェイン) A:Anticonvulsants:フェノバルビタール フェニトイン カルバマゼピン T:Theophylline:テオフィリン M:methanole:メタノール E:ethylene Glycol(エチレングリコール) A:aspirin:アスピリン(サリチル酸塩)Acetaminophen (アセトアミノフェン) L:Lithium:炭酸リチウム

  24. 病院到着 Treat the patients, not treat the poison. 採血項目 血算 生化学 肝機能 腎機能 電解質 筋逸脱酵素など 動脈血ガス 血糖 薬物検体 尿定性・沈渣 トライエージ 胸写:肺炎の有無 心電図: QT延長 ST変化 ブロックの有無 心拍数 を確認 あり あり なし なし もしくは不明 治療(緊急血液浄化・消化管除染含む)

  25. 治療 A Alter Absorption:腸管除染も含めた除染 Antidote Administration:解毒薬投与 B:Basics:非特異的な呼吸・循環管理 C:Change Catabolism:代謝経路の変更 D:Distribute Differently:分布の変更 E:Enhance Elimination:排泄の促進 この順番で考える

  26. 治療 対処療法 活性炭(消化管除染):吸収阻害+排泄促進 血液浄化:排泄促進 (拮抗薬・解毒剤:排泄促進) (胃洗浄:吸収阻害) 強制利尿(フェノバール系・アセチル酸のみ有効) 尿のアルカリ化など

  27. 診断の一助に 浸透圧GAPを来すものの覚え方 AG開大性アシドーシスを来すものの覚え方 その他中毒の対応法 該当物質の対応が分からない時の対応法

  28. 浸透圧ギャップ開大(GAME) G:Glycol(エチレングリコールetc) A: Alcohol(メタノール エタノールetc) Acetone(アセトン) M:Mg、Mannitonl(マンニトール) E:Ethyl ether(エチルエーテル)

  29. AG開大性アシドーシス(MUDPILES) M:Methanol(メタノール) U:Uremia D:DKA and AKA P:Paraldehyde(パラアルデヒド) I:INH and Iron(イソニアジド・鉄) L:Lactic acidosis(乳酸アシドーシス) E:Ethylene glycol(エチレングリコール) S:Salicylate and Solvent(サリチル酸と溶剤)

  30. AG開大性アシドーシス(CHEMIST) C:CO, Cyanide(シアン中毒) Caffeine(カフェイン) H:Hydrogen sulfide(硫化水素) E:Ethanol Ethylene glycol M:metanole I:iron & INH S:salicylate(サリチル酸) T:theophyline(テオフィリン)

  31. 対処法:活性炭 われらが味方 活性炭 大体の中毒には効いてくれる便利者 基本的には服薬1時間以内が目安(吸収の阻害) しかし、上記時間を超えたとしても繰り返し反復投与することで排泄促進にもなる(腸管透析) 合併症はあまりないことが多い 禁忌としては誤嚥・イレウスを伴う患者など

  32. 対処法:活性炭 活性炭がむしろ効かないもの A fickle:きまぐれ A:alcohols(アルコール類) alkalis(アルカリ類) F:fluorides(フッ化物) Ic: Iron(鉄) Iodide(ヨウ化物) Inorganic acids(無機酸類) K:Kalium(カリウム) L:Lithium(リチウム) E:ethylene glycol(エチレングリコール) 金属類 アルコール類 酸塩基は 基本厳しい

  33. 解毒剤一覧

  34. 診療上の注意 Q:物質名はわかったが、その物質が有毒なのか無毒なのかわからない A:中毒情報センターにききましょう(1件2000円) →それでもわからなかった場合は次のページ参照 基本的には、ABCの安定化。命に直結する重症外傷や熱傷がある場合は何よりも救命を優先。その後除染や中毒の対応を行う 現物・吐瀉物・胃内容物などは分析に重要

  35. ワンポイントアドバイス もし、中毒情報センターに問い合わせても該当物質がない場合以下のページで検索すれば有用 医薬品系統→PEPID(http://www.pepid.com/) 工業製品(労災事故・テロ等)→WISER(https://wiser.nlm.nih.gov/) ともにアプリもiOS,Android対応・タブレットパソコンにも対応していて無料(ただし英語)

  36. 参考文献 臨床中毒学 急性中毒標準診療ガイド

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