#4.
後ろ向き研究は、なぜエビデンスとしての評価が低いのか 新薬Aを投与された当院の過去30例の
まとめを学会に発表した。
結果は治験の結果よりも良く、
副作用は軽く、効果は高かった! 後ろ向き研究は、バイアスが多く含まれている
選択バイアス:たまたま条件の良い、又は悪い患者さんが含まれていた可能性
→「新薬だから、安全な患者さんにしよう」「この薬しか手がないからやってみましょう」
情報バイアス:測定や記録の誤りによる系統的な偏り。データ欠損なども多い。
・測定バイアス:有効性/治療効果を判断するCTなどの検査間隔などが一定ではなく、
過大評価の可能性あり
・誤分類バイアス:実は病気が悪化していたが、画像評価が曖昧でそのまま治療された
・記録バイアス:軽い副作用はあまりカルテに記載されていないことが多く,過小評価に 評価は低く
エビデンスレベルは低い。。。
なぜか?
#5.
臨床研究をおこなうにあたり必要なもの プロトコール・患者同意文書
どのような対象に、どのような研究を行うのかを事前にプロトコールに規定
後ろ向き研究でも、患者さんに同意をとることは必須(院内張り紙/オプトアウトなども活用) 倫理審査
前向き研究はもちろん、後ろ向き研究(たとえ学会発表のためであっても)でも倫理審査は必要です。 協力者・統計家・指導者
自分ひとりでは研究は成り立ちません。症例データを入力・作成してもらう協力者・研究者のほか、統計解析担当者、様々な指導を行っていただく指導者が必要です。 先立つもの(お金)
データベースの構築、倫理審査費用などなど、いろいろなところでお金がかかります。
公的資金(AMEDなど)や、企業資金を獲得する、などの努力が必要です。 専門的なノウハウが必須ですが、
なかなか一般病院では学ぶことが難しいです
#6.
抗がん薬における臨床試験のフェイズと役割(前向き研究) 第1相試験 第2相試験 第3相試験 15-50人くらいを対象に、エキスパート数施設で安全性をみるために実施。 数十人〜数百人くらいを対象に、数十施設で有効性をみるために実施 100人〜数千人を対象に、多施設、ときに全世界の施設をまきこんで
標準治療との比較をするために実施。 規模やコストなどから、医師が主導する臨床試験の主たるターゲット! 施設の体制をはじめ、経験や施設同士の連携が重要なので、
ある程度限定的な施設(がんセンターや大学)で行われる。 標準治療が変わる=エビデンスを創れる!
ただ、医師が第3相試験を主導するチャンスは非常に少ない。
#7.
第2相試験はとっても多様 〜いろんな試験のやり方があります〜 試験対象
脳転移陽性
PS不良 新薬A 試験対象 新薬A 新薬B 試験対象 新薬A 標準治療 無作為化第2相試験/セレクション・デザイン 単群第2相試験 新薬Aの治験では脳転移やPS不良例は除外されてた。
→“脳転移”にも効くのかなあ?
→“PS不良”でも安全に使用できるのかなあ? ? ? 無作為化第2相試験/スクリーニング・デザイン ? ? 新薬Aと新薬B、どっちも良い治療だけど、
第3相試験の候補としてどちらがいいんだろう? ? ? 新薬Aは有望そうだけど、
いきなり第3相試験はハードルが高くて。。。
まず、手応えを見たいなあ。 ランダム化 ランダム化
#8.
治験の分類 〜企業主導治験と医師主導治験〜 企業主導治験
製薬企業が依頼者となって資金を提供して実施する治験。
莫大な費用をかけて、大規模かつ質の高い試験を実施できる。
原則として企業戦略に依存するため、現場のニーズと一致しないこともある。
→希少がんや採算が低い分野の開発は進みづらい。 医師主導治験
医師/研究者が主体となって資金を提供して実施する治験。
臨床の疑問とマッチした対象に対して試験を実施できる(可能性がある)。
資金は“企業と交渉して得る”、“公的研究費で賄う”必要がある。
事務作業、品質管理の負担をはじめとするエフォートが大きい。
→医師主導治験の経験のある大学・がんセンター・臨床試験グループ等で経験し、学ぶ必要がある。 とりあえずやってみよう・・・は、まず無理!
#9.
臨床試験を計画するために必要な法律や指針は必ず学びましょう 臨床研究法
以下の条件を満たす臨床研究は“特定臨床研究”となる。
① 未承認・適応外の医薬品等研究
② 企業から資金提供を受ける医薬品等研究
特定臨床研究では以下が必須!
① 認定臨床研究審査委員会(CRB)の審査
② 厚生労働省への届け出(jRCT)
③ モニタリング・監査の義務付け
④ 利益相反管理 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針
特定臨床研究以外の臨床研究、後ろ向き研究はこの指針に従う。
各施設の倫理審査委員会(IRB)の審査でOK
UMIN等への登録は推奨 お金も手間もとってもかかります!
審査費用だけでも、数十万〜100万円超 この試験は特定臨床研究?通常の臨床研究?
の判断も結構難しい…
また、後ろ向き研究も審査が必要です!
#10.
まとめ 人に役立つエビデンスを作るためには前向き試験が重要
通常の前向き研究、後ろ向き研究だけでなく、医師主導治験、
特定臨床研究のことについても学ぶ機会を持ちましょう
特に法律関係は、内容が難しいので敬遠しがちですが、
臨床研究を行う上では避けて通れませんのでしっかり理解
しましょう
#11.
WJOGはAntaa Slideと協働していきます WJOGはこれからAntaaと協力して
関連情報の発信をしていきます 質問や、今後取り上げて欲しいコンテンツなど有ればコメント欄へ!