テキスト全文
病院内での地震体験と災害対応の重要性
#2. 病院内で地震を経験した ことがある人はいますか?
#3. 災害対応は 救急医だけでは無理 病院全体で災害に対して 危機意識を持ち備える
熊本赤十字病院の概要と特徴
#4. 熊本赤十字病院の概要 ■許可病床数 490床 ■職員数 1,438名 医師(研修医含):248名 コメディカル: 148名 ■特徴 看護職員等:753名 事務職員等:289名 基幹災害拠点病院 熊本県ドクターヘリ基地病院 救命救急センター 小児救命救急センター 震源地に最も近い災害拠点病院 年間救急車台数 7265台/年 walk in 57174人/年 ドクターヘリ出動件数 678件/年
#6. 2016/ 4/14 21:26 熊本地震発生時 震源地から一番近い基幹型災害拠点病院 のERで夜勤中、患者診察中に地震が発 生しました。 災害に病院内で対応する経験は一生で 1回あるかないかだと思います。 急性期に病院内で実際、どのような 災害対応をしたかについて共有します。
災害医療の基礎知識とイメージ
#7. 本日の目標 災害医療のプロになることではない
#8. 本日の目標 災害のイメージをつける 災害時の基礎知識を知る 災害時の診療のコツを知る
災害発生時の初動対応と基礎知識
CSCAの重要性と災害時の行動
#16. CSCA TTT Command and Control Safety Communication Assessment Triage Treatment Transport 指揮(縦)統制(横) 安全 情報伝達 評価 トリアージ 治療 搬送
#17. 地震概要(4/14 前震) TVのスイッチON! 情報収集 日時:4月14日 21時26分 震央:熊本県熊本地方 震源の深さ:11km M6.5の地震(前震)が発生 Yahoo!ニュースより 熊本県益城町で震度7を観測
#18. Facebookなど使用して情報収集 Lineで情報共有 SNSは欠かせない フェイクニュースには注意する
#19. 最初の5分間 CSCA 安全確保 (3S self scene survivor) 災害スイッチ ON TV スイッチON アクションカード確認 災害グッズの収集 災害対策本部立ち上げ 救急ベッドにいる患者の入院帰宅の判断 すでに院内にいた外来患者への対応(一部帰宅)
熊本赤十字災害医療マニュアルとトリアージ
#21. アクションカード 初動ポスター は災害時に 何をすれば良いか 一目でわかる
#22. 4/14 前震直後 4月14日 22:00 外傷の患者が増加 ショッピングモール部分に 軽症・避難者エリア設置
熊本地震発生時のDMAT出動と初日の振り返り
#27. 4/14 前震直後 4月14日 23:06 熊本赤十字病院DMAT隊出動 23:26 先遣隊(医師2・看護師2・事務2名)出動 4月15日 0:20 救護班(医師1・看護師3・薬剤師1・事務4) ディザスターレスキュー出動 益城町役場へ 4月15日 8:46 益城町体育館にて医療救護活動開始
#30. 初日の振り返り 災害地域に行って支援する想定はしていたが まさかうちが被災するとは。。 災害のシミュレーション通りだったため特に迷うことが なかった。(!!) 災害の全館放送できなかった 災害カルテをシミュレーションで使った後 補充してなかった。 でもよく頑張ったなあ! 亜急性期に向けて頑張っていこう。
本震発生後の対応と患者搬送の状況
#31. 地震概要(4/16 本震) 28時間後 日時:4月16日 1時25分 震央:熊本県熊本地方 Yahoo!ニュースより 震源の深さ:12km M7.3の地震(本震)が発生 熊本県西原村と益城町で 震度7を観測
#32. ERが停電!! 災害スイッチON 発災10分で患者が溜まりだす クロノロ書いてる暇はなかった 夜間で入院ベッドを急に空けること できず 診療道具の枯渇 携帯のライトで照らしながら診療 院内にいたDMATが自主参集
#33. 中等症 重症 ONB 8個 ベッド11〜20 ベッドA〜F
#35. 4/16 本震直後 4月16日 2:57 診療エリアを本館へ移設(自主参集職員654名)
#36. 4/16 本震直後 4月16日 3:40 建物崩壊による外傷患者が次々と搬送される
患者数の推移と災害モードの分析
#37. 4/16 本震直後 4月16日 4:40 熊本県立大、熊本健康管理Cで帰宅困難者受入
#39. 日付 時間 内因性 外因性 その他 内因性・外因性別患者数推移(災害モード全体) 合計 2016.4.14 21:26〜23:59 15 108 1 124 2016.4.15 0:00〜16:59 38 143 59 240 53 251 60 364 前震合計 2016.4.16 1:25〜23:59 179 393 13 585 2016.4.17 0:00〜23:59 235 135 3 373 2016.4.18 0:00〜8:29 59 13 3 75 473 541 19 1033 526 792 79 1,397 本震合計 合計 約74.5時間 400 300 200 100 0 4/14/16 4/15/16 内因性 4/16/16 外因性 4/17/16 その他 4/18/16 急性期は外傷・亜急性期は内因性が増える
災害時の診療の教訓と重要なメッセージ
#42. METHANE 災害時に送るべき情報 My call sign 発信者 Major Incident 大災害宣言 Exact Location 正確な位置 Type of Incident 災害種類 Hazard 何が困っているか Access 到達経路 Number of causality 死傷者数 Emergency service 何が必要か
#43. 震災に関連した疾患 外傷による骨折 高所からの転落外傷 クラッシュ症候群 DVT / 肺塞栓 たこつぼ心筋症 急性ストレス反応
#44. 災害時は普段の臨床で 思い悩むようなことは すっ飛ばす覚悟が必要 車を乗り換えるような ギアチェンジが必要
#45. 災害時の診療で大切だと感じたこと 平時:目の前の患者に最善の医療 危機時:最大多数の最大幸福を検討 Disposition Orientedな診療を 普段から検査に頼りすぎない診療 マルチタスクが必要 CSCAの徹底が大事
#47. 熊本日赤での地震の経験からの学び 災害は短期間で繰り返すことがある 連続勤務を避けるように災害対応すべ き。物品の補充は早期に行うべき インフラが保たれる保証がないため、 余裕を持って早めの支援要請や転院を検 討する 平時のシミュレーションが重要
#48. Take Home Message 災害は他人事ではない 長期戦になるため体力温存を 災害は常に想定外(初動は確認)