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川上大裕

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ERで地震に遭った日 ― 熊本地震から学んだ病院内災害対応

投稿者プロフィール
石上雄一郎

飯塚病院 連携医療・緩和ケア科

7,588

8

投稿した先生からのメッセージ

・災害対応は救急医だけでは無理

・病院全体で災害に対して危機意識を持ち備える

・災害時は普段の臨床で思い悩むようなことはすっ飛ばす覚悟が必要

・災害は他人事ではない

・災害は常に想定外(初動は確認)

・長期戦になるため体力温存を

概要

“まさかうちが被災するとは・・”

2016/ 4/14  21:26 熊本地震発生時、震源地から一番近い基幹型災害拠点病院のERで夜勤をしていました。

災害医療で現地に助けに行くことはあっても、病院内で災害に対応する経験は一生で1回あるかないかだと思います。

その熊本地震から10年が経ちました。

急性期に病院内でどのような災害対応をしたかについて共有します。

熊本日赤は災害診療のメッカであり、年に複数回シミュレーションをしていたため

初回の震災はシミュレーション通りだったと言っている先生がいたのが印象的でした。

※熊本赤十字病院関係者にご確認いただき、本発表での掲載許可を得ています

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

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テキスト全文

病院内での地震体験と災害対応の重要性

#1.

#2.

病院内で地震を経験した ことがある人はいますか?

#3.

災害対応は 救急医だけでは無理 病院全体で災害に対して 危機意識を持ち備える

熊本赤十字病院の概要と特徴

#4.

熊本赤十字病院の概要 ■許可病床数 490床 ■職員数 1,438名 医師(研修医含):248名 コメディカル: 148名 ■特徴 看護職員等:753名 事務職員等:289名 基幹災害拠点病院 熊本県ドクターヘリ基地病院 救命救急センター 小児救命救急センター 震源地に最も近い災害拠点病院 年間救急車台数 7265台/年 walk in 57174人/年 ドクターヘリ出動件数 678件/年

#5.

災害診療のメッカ

#6.

2016/ 4/14 21:26 熊本地震発生時 震源地から一番近い基幹型災害拠点病院 のERで夜勤中、患者診察中に地震が発 生しました。 災害に病院内で対応する経験は一生で 1回あるかないかだと思います。 急性期に病院内で実際、どのような 災害対応をしたかについて共有します。

災害医療の基礎知識とイメージ

#7.

本日の目標 災害医療のプロになることではない

#8.

本日の目標 災害のイメージをつける 災害時の基礎知識を知る 災害時の診療のコツを知る

#9.

災害って何?

#10.

自然災害 人為災害

災害発生時の初動対応と基礎知識

#13.

災害は1回で 終わるとは 限らない

#14.

災害が起こったら まず何をしますか?

#15.

災害の基礎知識

CSCAの重要性と災害時の行動

#16.

CSCA TTT Command and Control Safety Communication Assessment Triage Treatment Transport 指揮(縦)統制(横) 安全 情報伝達 評価 トリアージ 治療 搬送

#17.

地震概要(4/14 前震) TVのスイッチON! 情報収集 日時:4月14日 21時26分 震央:熊本県熊本地方 震源の深さ:11km M6.5の地震(前震)が発生 Yahoo!ニュースより 熊本県益城町で震度7を観測

#18.

Facebookなど使用して情報収集 Lineで情報共有 SNSは欠かせない フェイクニュースには注意する

#19.

最初の5分間 CSCA 安全確保 (3S self scene survivor) 災害スイッチ ON TV スイッチON アクションカード確認 災害グッズの収集 災害対策本部立ち上げ 救急ベッドにいる患者の入院帰宅の判断 すでに院内にいた外来患者への対応(一部帰宅)

熊本赤十字災害医療マニュアルとトリアージ

#20.

熊本赤十字災害医療マニュアル

#21.

アクションカード 初動ポスター は災害時に 何をすれば良いか 一目でわかる

#22.

4/14 前震直後 4月14日 22:00 外傷の患者が増加 ショッピングモール部分に 軽症・避難者エリア設置

#23.

トリアージ

熊本地震発生時のDMAT出動と初日の振り返り

#27.

4/14 前震直後 4月14日 23:06 熊本赤十字病院DMAT隊出動 23:26 先遣隊(医師2・看護師2・事務2名)出動 4月15日 0:20 救護班(医師1・看護師3・薬剤師1・事務4) ディザスターレスキュー出動 益城町役場へ 4月15日 8:46 益城町体育館にて医療救護活動開始

#28.

入院患者のリスト

#29.

九州ブロックのDMAT参集

#30.

初日の振り返り 災害地域に行って支援する想定はしていたが まさかうちが被災するとは。。 災害のシミュレーション通りだったため特に迷うことが なかった。(!!) 災害の全館放送できなかった 災害カルテをシミュレーションで使った後 補充してなかった。 でもよく頑張ったなあ! 亜急性期に向けて頑張っていこう。

本震発生後の対応と患者搬送の状況

#31.

地震概要(4/16 本震) 28時間後 日時:4月16日 1時25分 震央:熊本県熊本地方 Yahoo!ニュースより 震源の深さ:12km M7.3の地震(本震)が発生 熊本県西原村と益城町で 震度7を観測

#32.

ERが停電!! 災害スイッチON 発災10分で患者が溜まりだす クロノロ書いてる暇はなかった 夜間で入院ベッドを急に空けること できず 診療道具の枯渇 携帯のライトで照らしながら診療 院内にいたDMATが自主参集

#33.

中等症 重症 ONB 8個 ベッド11〜20 ベッドA〜F

#34.

救急外来停電⇨本館での廊下診療へ

#35.

4/16 本震直後 4月16日 2:57 診療エリアを本館へ移設(自主参集職員654名)

#36.

4/16 本震直後 4月16日 3:40 建物崩壊による外傷患者が次々と搬送される

患者数の推移と災害モードの分析

#37.

4/16 本震直後 4月16日 4:40 熊本県立大、熊本健康管理Cで帰宅困難者受入

#39.

日付 時間 内因性 外因性 その他 内因性・外因性別患者数推移(災害モード全体) 合計 2016.4.14 21:26〜23:59 15 108 1 124 2016.4.15 0:00〜16:59 38 143 59 240 53 251 60 364 前震合計 2016.4.16 1:25〜23:59 179 393 13 585 2016.4.17 0:00〜23:59 235 135 3 373 2016.4.18 0:00〜8:29 59 13 3 75 473 541 19 1033 526 792 79 1,397 本震合計 合計 約74.5時間 400 300 200 100 0 4/14/16 4/15/16 内因性 4/16/16 外因性 4/17/16 その他 4/18/16 急性期は外傷・亜急性期は内因性が増える

災害時の診療の教訓と重要なメッセージ

#40.

Command Control

#42.

METHANE 災害時に送るべき情報 My call sign 発信者 Major Incident 大災害宣言 Exact Location 正確な位置 Type of Incident 災害種類 Hazard 何が困っているか Access 到達経路 Number of causality 死傷者数 Emergency service 何が必要か

#43.

震災に関連した疾患 外傷による骨折 高所からの転落外傷 クラッシュ症候群 DVT / 肺塞栓 たこつぼ心筋症 急性ストレス反応

#44.

災害時は普段の臨床で 思い悩むようなことは すっ飛ばす覚悟が必要 車を乗り換えるような ギアチェンジが必要

#45.

災害時の診療で大切だと感じたこと 平時:目の前の患者に最善の医療 危機時:最大多数の最大幸福を検討 Disposition Orientedな診療を 普段から検査に頼りすぎない診療 マルチタスクが必要 CSCAの徹底が大事

#47.

熊本日赤での地震の経験からの学び 災害は短期間で繰り返すことがある 連続勤務を避けるように災害対応すべ き。物品の補充は早期に行うべき インフラが保たれる保証がないため、 余裕を持って早めの支援要請や転院を検 討する 平時のシミュレーションが重要

#48.

Take Home Message 災害は他人事ではない 長期戦になるため体力温存を 災害は常に想定外(初動は確認)

#52.

参考資料

#53.

参考資料

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