テキスト全文
EBMの理論と批判的吟味の重要性
#1. EBM 5 steps の具体的活用例Step 3 ”批判的吟味” を中心に 総合診療科
KH EBMの理論と応用 応用編
#2. EBMの4要素
日内会誌 106: 2545~2551, 2017 ※エビデンスは、どうやって目の前の問題を解決するか
アセスメントするために検討する要素の1つに過ぎない。
#3. EBMとEBiM Evidence-based medicine; EBM イービーエム エビデンスに基づく医療
Evidence-biased medicine; EBiM イーバイエム エビデンスに偏った医療
1)エビデンスをアセスメントするのがEBM、エビデンスを信じるのはEBiM
アセスメントするは科学、信じるのは宗教や政治
ガイドライン・厚労省・学会の言うことを盲目的に信じてはいけない
2)患者ファーストがEBM、エビデンスファーストはEBiM
患者ファーストとは患者・社会の問題を起点に動き出すこと、
エビデンスファーストとはこんなRCTが出たという広告を起点に動き出すこと
EBMの5ステップと実践例
#5. EBiMに陥らないためのツール EBMの5 steps
問題の定式化 PICO Patient, Intervention, Comparison, Outcome
2.問題についての情報収集 二次資料の上手な利用
3.情報の批判的吟味 内的妥当性の評価(アセスメント)
4.情報の患者への適用 外的妥当性の評価(アセスメント)
5.1~4のstepの振り返り 自分自身への批判的吟味
※ EBiMに陥らないためには、3. 〜5. のStepがとても大切!
#6. 以降のスライドは、EBM 5 stepsにおけるStep 3を主に実践した内容になります。
日本感染症学会の「COVID-19ワクチンに関する提言」を題材にしていますが、2024年9月作成のスライドですので、内容自体はその時点での知見となります。
コロナ禍は「批判的吟味」が「反ワク」と言われた異様な状況でした。「あの時は仕方なかった」という言葉で考察を放棄せず、次につながる振り返りを行うべき題材だと思います。
COVID-19ワクチンに関する提言の概要
#7. 日本感染症学会 ワクチン委員会 COVID-19 ワクチンタスクフォース「COVID-19 ワクチンに関する提言(第9版)」2024年5月21日概略紹介・内容考察 HK
市中総合病院勤務 総合診療医 2024/9
#8. 本提言は具体的なデータや文献を引用してCOVID-19ワクチンを推奨していますが、個人的にはリスク・ベネフィットのバランス感に欠けており、ワクチン推奨という結論ありきの文章になってしまっていることが問題だと感じました。
提言の内容を正確に紹介しつつ、個人的な考察内容を挟むことで、具体的にどのような点が問題と感じたのかを解説します。
上部が青いスライドは批判的吟味や本提言外の資料です。 このスライドの概要・目的
#9. なお、このスライドでは日本感染症学会の提言に対してEBMの視点から批判的吟味を加えていますが、「反ワク」を目的とはしていません。麻疹ワクチンなど有効なワクチンの接種率を維持するためには、ワクチン不信を生じさせないための細心の注意が必要です。リスク・ベネフィットのバランスが悪い情報発信によって、ワクチン不信が進まないように改善策を提示したい、というのが今回の目的になります。 このスライドの概要・目的
#10. 目次 1.はじめに
2.わが国で現在使用できるCOVID-19ワクチン
3.XBB.1.5対応mRNAワクチン
1)有効性 a)免疫原性 b)実社会での効果
2)安全性
4.XBB.1.5ワクチン追加接種の意義
5.基礎疾患有する方や免疫不全者の範囲
6.COVID-19ワクチンの開発状況と今後
7.おわりに
XBB.1.5対応mRNAワクチンの有効性と安全性
#11. 1.はじめに COVID-19ワクチンは 2024年3月31日までは、予防接種法に基づく特例臨時接種でしたが、4月1日からは定期接種B類に位置付けられ、65歳以上の者及び60~64歳で心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される者等を対象に、2024年秋冬に有料で1回接種することになりました。自己負担額は市町村によって異なりますが、最大7,000円となることが公表されています。接種を受ける努力義務と市町村による勧奨はありません。
なお、月齢6か月以上で接種を希望する人は、予防接種法によらない任意接種として現在でも自費で接種を受けることができます。本稿では、秋の定期接種が始まるまでのあいだに任意接種として接種可能な XBB.1.5対応mRNAワクチンについて述べます。
#12. 2.わが国で現在使用できるCOVID-19ワクチン
#13. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 1)有効性 a)免疫原性 XBB.1.5ワクチンによる中和抗体価の上昇率 ファイザー社ワクチン: ドイツの医療従事者の5回目以上の追加接種
モデルナ社ワクチン : アメリカの5回目の追加接種 提言文中のデータを用いて表を作成
#14. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 1)有効性 a)免疫原性 上記の結果から、XBB.1.5ワクチンはJN.1に対して、XBB.1.5に対するよりもやや劣るものの、一定の免疫原性を保っていると判断できます。また、いずれの研究においてもCOVID-19 既感染者への接種で JN.1 に対する中和抗体価の上昇が確認されており、数か月以上前に罹っていたとしても新たにXBB.1.5 ワクチンを接種する意義があると考えられます。
#15. 考察 中和抗体が上昇することをもって「ワクチンを接種する意義がある」とは言えない。ワクチン接種の意義はあくまでリスク・ベネフィットを踏まえて判断するべき。
中和抗体産生はワクチンの必要条件であって十分条件ではない。
ウイルスへの対抗手段は中和抗体以外に細胞性免疫や自然免疫もあり、定期的なコロナワクチン接種がこれらに与える影響を知りたい(プラスだけでなくマイナスの影響は?)。
ワクチン接種のリスクとベネフィットの考察
#16. 有効なワクチンの特徴
Janeway 「免疫生物学」第9版 から抜粋
#17. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 1)有効性 b)実社会での効果 提言文中のデータを用いて表を作成
※ ( )内は95%信頼区間
#18. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 1)有効性 b)実社会での効果 提言文中のデータを用いて表を作成
※ ( )内は95%信頼区間
#19. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 1)有効性 b)実社会での効果 ワクチン接種群では入院後 2週間以内の死亡は 1 人であったのに対し、非接種者群での死亡は 23 人でした。JN.1 が主流になる前の研究ですが、流行株とワクチン株が一致すれば高い重症化予防効果があることが示唆されます。
文献9)に関する提言文中の記載から抜粋
XBB.1.1ワクチン追加接種による発症予防効果が、XBB.1.1ワクチンを追加接種しなかった場合に比べて、16~64歳では43.1%(-11.9-71.0)でした。サンプルサイズが十分でなく有意差はみられませんが、追加接種によって発症予防効果が得られる可能性があるとされています。
文献10)に関する提言文中の記載から抜粋
#20. 死者数が接種群1人:未接種群23人なので「高い重症化予防効果があることが示唆される」と記載されているが、母集団は接種群23人:未接種群243人であり、1/23人と23/243人では有意差を判断できない。それにも関わらず「効果あり」と言及するのは、著者のCOIや個人的嗜好に影響されている可能性がある。
「有意差はみられませんが、追加接種によって発症予防効果が得られる可能性があるとされています」という記載は、論理的根拠のない恣意的な表現であり、学会からの提言としては相応しくない。
考察
COVID-19ワクチンの追加接種の意義
#21. Vaccine Effectiveness Real-Time Surveillance for SARS-CoV-2 (VERSUS) Study 第10報(2024年2月28日)
対象はCOVID-19を疑う症状があり医療機関を受診した患者。
16歳以上の2784名を集めた上で「サンプル数が少ない」という理由で65歳以上481名を除外しているが、この除外操作に恣意性を疑う。
後日報告された第11報では65歳以上の結果も報告されているが、発症予防の有効性は8.5% (95%信頼区間: -29.0~35.1%)であり、16−64歳よりも著しく低い結果となっている。
よって、もし65歳以上を除外せず統計処理したら、 43.1%(-11.9-71.0)より更に低くなっていた可能性が高い。 文献10)に関する批判的吟味
#22. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 2)安全性
#23. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 2)安全性
#24. 3.XBB.1.5対応mRNAワクチン 2)安全性
#25. 本提言は明らかにリスクへの記載が甘い。
「安全性」の章で言及されている情報は3つだけ。
接種後7日以内の有害事象(ファイザー・モデルナによる臨床試験データ)
接種後8日以内の有害事象(日本の12歳以上のコホート調査)
ワクチン接種後の死亡リスクは有意な上昇なし(国内外の疫学調査)
致死率の高い疾患ならば「ワクチンの死亡リスク」は相応だが、COVIDー19は基本的には軽症疾患。軽症疾患を予防するために健康な国民に広く接種するワクチンなので、死亡リスクだけでなく様々なリスクについて、理論と統計の両面から、長い時間をかけて厳しい安全確認を続けていく必要がある。 考察
基礎疾患者と免疫不全者への接種の重要性
#26. 4.XBB.1.5ワクチン追加接種の意義 COVID-19は2023年5月8日の感染症法上の5類移行後も流行が続き、2023年7~9月の第 9 波、2024年1~2月の第10波と大きな流行がみられました。2024年4月下旬の第17週の定点当たり報告数は3.22であり、年齢別分布は15歳未満26%、15~60歳未満45%、60歳以上29%と全年齢層にわたって患者がみられています16)。
2024年1月に行われた第 3 回民間検査機関での検査用検体の残余血液を用いた SARS-CoV-2 抗体保有状況調査では、感染既往を示す抗 N 抗体保有割合は平均 55.1%であり、60代で 45.4%、70 代で 30.5%、80 歳以上で 31.6%と高齢者で低くなっています17)。したがって、高齢者施設での集団感染を含めて今後も高齢者の感染リスクは高いことが予想されます。
#27. 「高齢者は抗N抗体が低いので今後の感染リスクが高い」という予想は飛躍しており理論的ではない。理由として・・・
① N抗体≠既感染である。抗N抗体はCOVID19既感染に対する感度67%という新潟大からの報告 (※) もあるように、感度はさほど高くない。つまり、抗N抗体陰性の既感染も多いということであり、高齢者(ワクチン接種者)が優位にN抗体産生力が低下しているだけかもしれない。
② 仮にN抗体≒既感染としても、既感染だから感染リスクが少ないとは言えない。それがおそらく言えるのは現株への感染リスクだけであり、今後の感染リスクは、既感染かどうかよりもウイルスの変異や宿主の免疫状態の影響が大きい。 考察 ※ https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/
令和3年度(令和2年度繰越)分担報告書(島田班4年目)齋藤玲子先生.pdf
#28. 4.XBB.1.5ワクチン追加接種の意義 また、オミクロン株になって致命率は減少したものの、高齢者やハイリスク者では基礎疾患による悪化による死亡やウイルス性肺炎による重症化がみられています。5類移行となった2023年5月8日以前のわが国のCOVID-19 による死亡者は、3年5か月間で74,669人でしたが、人口動態調査に基づく2023年5月から11月のCOVID-19による死亡数は7か月間で16,043人と多い状況が続いています18)。新規入院患者数も2024年4月下旬の第17週だけで1,308人みられており16)、疾病負担が大きいことが示唆されます。実際、米国の研究ですが、2022~2023年の秋冬シーズンにおける発症30日以内の死亡リスクは、65歳を超える高齢者ではハザード比 1.78 で COVID-19 の方がインフルエンザより高いことが報告されています19)。
#29. 4.XBB.1.5ワクチン追加接種の意義 米国のワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)は 2024 年 2 月 28 日に、XBB.1.5ワクチンを接種して 4 か月経過した 65 歳以上の成人にもう1回の XBB.1.5 ワクチン接種を推奨しました20)。COVID-19 mRNA ワクチンの効果は数か月で減衰すること、追加接種によって免疫がすみやかに回復すること、前述のようにXBB.1.5ワクチンは現在流行中のJN.1にも一定の効果がみられることなどがその根拠です。また、中等度から重度の免疫不全者には最終接種2か月からのXBB.1.5ワクチン接種を推奨し、その後の追加接種も可能としています20)。さらに、米国以外の諸国でも、高齢者、高齢者施設入所者、免疫不全者などを対象に、2024年春のXBB.1.5ワクチン2回目の接種が推奨されています(表 4)。
#30. 4.XBB.1.5ワクチン追加接種の意義
COVID-19ワクチンの開発状況と今後の展望
#31. 4.XBB.1.5ワクチン追加接種の意義 わが国では2024年5月現在でもJN.1の流行が続いており、2022年と2023年に夏に大きな流行がみられたことを考えると今後夏にかけての再増加が予想されることから、わが国でも65歳以上の高齢者と基礎疾患のある方は、令和5年秋開始接種でXBB.1.5ワクチンを接種していない方はもちろん、接種した方も、現時点でXBB.1.5ワクチンを任意接種として1回接種する意義があると考えられます。65歳未満の健常者でも XBB.1.5 ワクチンは任意接種として接種できることから、医療従事者や高齢者施設の職員など感染リスクが高い方や発症するとハイリスク者に伝播させる機会が多い方は、接種が望まれます。
#32. 日本での追加接種の根拠として、アメリカなど10カ国で追加接種が推奨されていることを挙げているが、それならば、逆に推奨していない国はどれ位あるのか?推奨している国と推奨していない国で罹患率・重症化率などに違いはあるのか?というデータを示すのが偏りのない考え方だろう。
提示された10カ国ではいずれも高齢者のみ推奨しており、日本でも高齢者と基礎疾患のある60〜64歳だけが定期接種に位置づけられたが、本提言は医療従事者や高齢者施設の職員にまで接種を勧めている。この根拠が全く示されておらず、恣意的な表現といえるため、学会からの提言としては相応しくない。
考察
#35. 6.COVID-19ワクチンの開発状況と今後
ワクチン接種の倫理と社会的影響
#36. 6.COVID-19ワクチンの開発状況と今後
#37. 7.おわりに COVID-19ワクチンは、高齢者やハイリスク者の重症化予防効果だけでなく、全年齢層で発症予防効果が確認されており、小児や65歳未満の成人にも接種が望まれます。しかし、令和5年秋開始接種の XBB.1.5 ワクチンの接種率は、高齢者で 53.7%、全体で 22.7%と十分ではなく30)、接種の意義を伝えていく必要があります。
接種しても罹患することがありますが、接種後にかかっても未接種者に比べて家庭内感染率が 46%低下することが報告されています31)。 個人の感染予防だけでなく、周りの人に感染を広げないためにも、多くの人への接種が望まれます。また、接種後にかかったとしても罹患後症状(いわゆる後遺症)の発現率が 43%低下するというメタアナリシスの結果も報告されています32)。
#38. 7.おわりに なお、ワクチン接種を受けることで安全が保証されるわけではありません。今後ともマスク、換気、身体的距離を適切に保つ、手洗い等の基本的な感染対策は可能な範囲で維持しなければなりません。今後も流行が続くと予想されるCOVID-19 の予防のために、COVID-19ワクチンが正しく理解され、接種が適切に継続されることを願っています。
#39. 「接種後にかかっても未接種者に比べて家庭内感染率が 46%低下することが報告されています」
文献31は2021年1−2月(アルファ株)のイギリスのデータ。
イギリスでは2020年12月からワクチン接種が開始されており、その直後というタイミングで、大半の市民が未感染の頃。
オミクロン以降のワクチンの効果が低下していることも踏まえると、46%という数字を今の日本に当てはめることは出来ない。
上記解説を抜きに数字だけ抽出して、あたかも今の日本でも家庭内感染率を低下させることができるように読める記述は好ましくない。 考察
#40. 「周りの人に感染を広げないためにも多くの人への接種が望まれます」
ワクチンを含めた全ての医行為は基本的にヒトに危害を加える行為。
それが許されているのは患者自身にとって明確な利益があるため。
つまりは全ての医行為は患者にとって「利己的」でなければならない。
ワクチンを接種せざるを得ない雰囲気作りは「利他的医療」に当たる。
医の職業倫理的には利他主義がよいが、それをワクチン接種者にまで当てはめてしまっていることが問題。
ワクチン=利他=善 というドグマに縛られずに、冷静に接種者個人のリスク・ベネフィットを見積もる必要がある。
考察
COIと臨床研究の透明性についての考察
#41. 「接種後にかかったとしても罹患後症状(いわゆる後遺症)の発現率が 43%低下するというメタアナリシスの結果も報告されています」
文献32は罹患後症状に関するsystematic review and meta-analysis。
ワクチンに関しては4つのstudy(計約25万人)をメタ解析している。
罹患後症状に関するワクチン2回接種のオッズ比が0.57(95% CI, 0.43-0.76)であることを発現率の43%低下と表現(オッズ比とリスク比を取り違えている)。
4つのstudyいずれもアルファ株以前のデータで、1つだけデルタ期のデータを含んでいたが、そのstudyではワクチン接種ありのみ罹患時期がデルタ期で、未接種群の罹患時期は武漢株・アルファ株などの致死率の高い時期であった。このstudyにおいて未接種群で後遺症が多いのは、株の違いによるかもしれない。
上記のごとく「43%」という数字は今の日本では意味を持たないが、それが読み取れない形で数字だけ記載することは好ましくない。 考察
#42. 利益相反自己申告 一般社団法人日本感染症学会 ワクチン委員会
岩田 敏、大石和徳、岡田賢司、神谷 元、川名 敬、関 雅文、多屋馨子 a、永井英明、中野貴司、西 順一郎 b、宮下修行
a 担当理事、 b 委員長
一般社団法人日本感染症学会 COVID-19 ワクチン・タスクフォース
氏家無限、庄司健介、長澤耕男、西 順一郎
・ 岩田 敏は、ギリアド・サイエンシズ株式会社、ファイザー株式会社から講演料を受けている。
・ 関 雅文は、MSD 株式会社、杏林製薬株式会社、サノフィ株式会社、塩野義製薬株式会社、第一三共株式会社、大正製薬株式会社、大鵬薬品工業株式会社、ファイザー株式会社、Meiji Seika ファルマ株式会社、から講演料を受けている。
・ 永井英明は、MSD 株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、サノフィ株式会社、塩野義製薬株式会社から講演料を受けている。
・ 中野貴司は、アステラス製薬株式会社、アストラゼネカ株式会社、サノフィ株式会社、塩野義製薬株式会社、第一三共株式会社、田辺三菱製薬株式会社、デンカ生研株式会社、阪大微生物病研究会、Meiji Seika ファルマ株式会社から講演料を、富士フイルム富山化学株式会社から奨学寄附金を受けている。
・ 西順一郎は、サノフィ株式会社、塩野義製薬、ファイザー株式会社、MSD 株式会社から講演料を受けている。
・ 宮下修行は、アステラス製薬株式会社、アストラゼネカ株式会社、杏林製薬株式会社、第一三共株式会社、ファイザー株式会社、ノバルティスファーマ株式会社から講演料を受けている。
・ 大石和徳、岡田賢司、神谷 元、川名 敬、多屋馨子、氏家無限、庄司健介、長澤耕男は申告すべきものなし。
#43. COIの種類 Minds 診療ガイドライン作成マニュアル 2020 ver. 3.0 第2章 p19
#44. 診療ガイドライン作成組織の編成前に,候補者から経済的COIおよび学術的 COI などの経済的COI以外のCOIの自己申告書を診療ガイドライン統括委員会に提出してもらい,作成組織への参加の適否を検討する。診療ガイドラインの内容と関連する企業/団体などから資金提供を受けている候補者は診療ガイドライン作成上のいかなる役割も担わないなどの対応が必要である。特に診療ガイドライン統括委員長,診療ガイドライン作成グループ責任者は,本ガイドラインに関連するCOIの視点から,作成の中立性が担保できるか否か,外部からの疑念の対象にならないかについて,学会理事会などが十分検討を行った上で,適切な人物を選出する必要がある。
学術的COIなどの経済的COI以外のCOIへの対応としては,診療ガイドライン作成グループの構成員が特定の専門領域・関係者に偏らないように配慮する必要がある。 個人的COIへの対応 Minds 診療ガイドライン作成マニュアル 2020 ver. 3.0 第2章 p19
#45. 第三者組織・団体との連携による生命科学・医学系研究が適正にかつ透明性と公明性を持って推進されることは当然であるが, 企業・団体などからの金銭的な報酬や助成金は多寡を問わず,当該研究者に潜在的なCOI状態が発生する. COIにおける報酬の多寡 日本医学会 COI管理ガイドライン 2022 p38-39
#46. ワクチン委員会委員長がファイザーなど製薬会社とCOI状態にあるということを念頭に、この提言を解釈する必要がある。不適切なCOI行為がなければCOI状態にあることに問題はないが、提言中の推奨内容に影響を与えている可能性については考慮するのがよい。
予防医学の特殊性を踏まえると、ワクチン検討の際には有効性よりも安全性を優先すべきだが、委員会・タスクフォースの人選が開発・推進側に偏っている。 考察
#47. 本来であれば私の所属・本名を明かして投稿した方が、読み手はCOI含めた吟味をしやすいと思います。しかしながら、私がコロナワクチン推奨にブレーキをかけるような発言をすることで自分達に迷惑がかかるという周囲からの意見があったため、これを受け入れて匿名で発信することにしました。それを率直に伝えてくれた身近な医師に私は感謝しています。私の発言が周囲にどう影響を与えるのかということを教えてくれたからであり、乗り越えるべき問題を教えてくれたからです。 さいごに
#48. 提示した臨床研究をなされた先生方やワクチン委員会の先生方、個人を批判しているわけではないことを明記します。貴重なデータを提供して下さる方々に敬意を表します。臨床研究に限界や結果の曖昧さがあるのは承知しています。それを踏まえた上で、提供頂いたデータや提言を臨床にどれ位活用できるのか吟味するのが臨床医の仕事だと思っています。自分と同じような環境の臨床医の先生方が自分なりに俯瞰的に考えるための一助となれば幸いです。 さいごに