#4.
確かにコンビニ受診は問題、ただ育児をして分かる夜間受診の理由 • 発熱や咳と違って気づかれにくい • 入浴時などに気づく • 寝る前に保護者に切り出すことも • 恥ずかしくて、先生や友達には言えなかった
#5.
問診 • 可能であれば本人から話を聞きましょう • ただ、小児の診察は泣いてしまって分からないことも へそ~大腿は 「陰部」 と表現される 可能性あり • 保護者に正しい事が伝わっていない場合もあるので、診察は重要 • おちんちんはおちんちん、タマもおちんちん、なんなら下腹部はおちんちん
#6.
視診・触診 • 小児の場合は訴えがはっきりしないこともあるので、丁寧に診察する • 表情を見ながら触ってみる • オムツ内に排尿があるか、下着に血はついていないか、臭いはどうか • 痛いと訴えるところと、視診・触診の所見が一致しているか確認を • くすぐったがってしまう事もあるが、陰嚢も確認しよう(精巣捻転の除外)
#7.
画像検査:エコー 精巣捻転や腎盂腎炎を疑った場合には行う 精巣捻転: コンベックスではなくリニアプロ―べを用いる 精巣内の血流を確認する 尿路感染症:残尿や水腎症の有無を確認する 包皮炎: 基本的には不要だが、排尿してくれない場合に膀胱内の畜尿を 確認する事も
#8.
包皮炎 • 夜間救急での小児の包皮炎の相談は意外と多い • 夜の着替えの際やお風呂で申告・発覚する • 小児は真性包茎であることが多く、感染しやすい • ペニスの先端部分が赤く、痛みを訴える
#9.
陰茎と包皮 いわゆる「かぶっている」状態 包皮が翻転した状態 包皮輪(包茎輪) この部分に 炎症が起きる 包皮内板 包皮外板 包皮輪が柔らかくなり、 伸びると翻転可能となる
#10.
包皮炎のポイント • POINT⇒基本的には尿が出ていればOK • 可能であれば尿検査を行いたいところだが、多くの症例では緊張などで検尿 ができないケースが多い • 逆に、排尿できる場合はおおむね問題無し • 発熱&尿閉などの重傷感染を呈していない限りは当日帰宅可能 • フォローのため、翌日以降の専門医受診を必ず約束頂く (包茎の手術適応や膀胱尿管逆流の評価をする)
#11.
この「わびさび」が難しいため 敬遠されがちなのですが… 包皮炎 • 高度な包皮の腫脹や強い痛みのために排尿障害を呈しているケースでは導尿 やカテーテル留置が必要 • 導尿・カテーテル留置を行うかどうかは、エコーで残尿を調べたり発熱の有 無を評価する(泌尿器科・小児科にコンサルト) • カテーテル留置の際はバッグではなくオムツに吸わせるという方法を用いて 帰宅させることも可能だが、家族が不安なら入院いただく
#12.
軟膏の塗り方と抗生物質 • 手順は次の通り ①入浴時に包皮をよく洗いタオルなどで水気をふき取る ②軽く包皮を陰茎根部に押し下げ、緊張させる ③包皮輪部分に軟膏を塗布する 包皮輪付近に 軟膏を塗布する • 排膿や発熱がない限りは抗生剤の内服は不要 軽く 皮を引っ張る
#13.
包皮炎:軟膏の選び方 • リンデロンVG軟膏などのステロイドが含有された抗菌薬が処方されることが 多いが、ゲンタシン軟膏などでも代用可 • ステロイドの作用機序は以下の効果が推測されている。 ①表皮を薄くして皮膚の伸展性を向上させる ②抗炎症作用で皮膚の癒着を促進する ③軟膏により包皮が湿潤する • あくまで包皮炎(感染)の治療であればゲンタシン軟膏でOK
#14.
注意すべき疾患:閉塞性乾燥性亀頭炎 • 閉塞性乾燥性亀頭炎:balanitis xerotica obliterans: BXO • 包皮輪が白く瘢痕化し、排尿障害の原因となる • バルーニング(後述)とは異なることに注意 • 多くは手術適応となることが多い • 必ず専門医受診を指示する 包皮輪に 強度の炎症を 生じる
#15.
バル―ニングとは • 排尿時に亀頭部の包皮が膨らむ現象 • 多くは外尿道口(亀頭部)から出る尿線が包皮輪(皮の穴)と一致しない際に 包皮内にたまり、一時的に包皮が膨らむ現象 • バルーニング=尿路の閉塞ではなく、排尿障害とならない事が示されている • バルーニングの存在のみでは手術の絶対適応とはならない • BXOとの鑑別が重要で、迷ったら専門医に紹介
#16.
どうする、嵌頓包茎 • 包皮輪が狭いにもかかわらず、強引に包皮を翻転するために生じる • 灌流不全により包皮は浮腫上に腫脹 • 亀頭部が絞扼され、血流不全におちいる • 最悪の場合は陰茎の壊死につながるため、急いで絞扼を解除する
#17.
嵌頓包茎の戻し方 • 痛いのは覚悟の上で、浮腫状になった包皮を握って浮腫を圧迫・減退させる • 両手の人差し指を包皮輪に添え、両手の親指を使って亀頭を押し込む • 戻ればひとまずOK、翌日以降の泌尿器科受診を指示 • 無理なら緊急手術 無理せず 泌尿器科を呼んでください
#18.
どうする、嵌頓包茎 包皮(内板)は 浮腫状となる 包皮・亀頭を圧迫し、 浮腫を軽減 亀頭を包皮輪の内側に 押し込めることも 包皮輪が 伸びていないにもかかわらず 強引に包皮を翻転させたため 狭い包皮輪によって 陰茎が絞扼される 難しいので 基本的には 泌尿器科を呼ぶ
#19.
包皮炎を起こしたということは、手術をしたほうがいいの? • 基本的には不要 • 手術を検討する条件は、以下の通り • 包茎であるために感染しやすい • 皮膚に炎症を繰り返している(BXOの存在) • 手術をすることで症状が繰り返さないと期待できる
#20.
包皮炎を起こしたということは、手術をしたほうがいいの? • 真性包茎は新生児期には100% • 思春期の二次性徴に伴い陰茎は成長し、亀頭が露出できる場合が多い • 大半は思春期かそれ以前に自然治癒し、思春期後に残存する確率は5%以下 • ちなみに、真正包茎・仮性包茎という言葉があるのは日本だけ • 学術的には真正包茎のみを包茎として扱い、仮性包茎は包茎ではない • 陰茎の絞扼なく翻転できている(仮性包茎)場合には手術は不要
#21.
むきむき体操について (意見には個人差があります) • ネットで剥きぐせを付けた方が良いと見たんですが • 基本的には必要なし • 理論上は正しいが、きちんとできる保護者は少ない • 強引な包皮の翻転は炎症を誘発し、包皮の肥厚や狭窄を招く • 処置にともなうトラブルに責任を取ってもらえない以上、避けるべき • 思春期以降に真正包茎が残存する場合は手術を検討する
#22.
症例① • 3歳男児 夜の着替えの際に陰部を痛がるそぶりを見せた • 見てみたところ、包皮が赤いため来院 • 来院時、「おしっこはしない!出ない!」と宣言している • エコーでは残尿もなく、オムツは濡れている • 夕飯は食べられており、熱もない ⇒亀頭包皮炎 ゲンタシン軟膏処方の上、専門医受診を指示した
#23.
症例② • 17歳男児 中学3年生 父親と来院 • 以前から包皮炎を繰り返していたが、最近は尿の出口が狭まりうまく排尿で きない • 包皮輪は白く、勃起の際にも亀頭が露出せず突っ張って痛い ⇒BXO ステロイド含有軟膏を処方し改善を期待するが、学校の長期休みの間に待機的に 手術を検討
#24.
症例③ • 13歳男児 中学1年生 下校後に母親と来院 • 昨晩父親と入浴している際に強引に剥かれた • そのまま包皮を戻す事なく様子を見ていたが、腫れ上がってきた • 包皮は浮腫状に腫脹し、亀頭部は赤黒くなっている ⇒嵌頓包茎 包皮が翻転できなかったため、泌尿器科をコールし緊急手術を施行した
#25.
夜間外来で多い疾患であるため、緊急性があ るかどうかを判断する 最終的には専門医のフォローが必要 嵌頓包茎は泌尿器科をコール 物々しい救急外来をそっと覗く泌尿器科医 【参照】 久松英治. 亀頭包皮炎. 泌尿器外科, 2022, vol.75, No.4, p92-94 Babu R, et al. Ballooning of the foreskin and physiological phimosis: is there any objective evidence of obstructed voiding? BJU Int. 2004 Aug;94(3):384-7.