#4.
MATTERSとは? 過剰摂取における情報収集のためのゴロ Verhoeven AR, et al; Deadly Drug Ingestions. Physician Assist Clin. 2017; 2: 449-463.
#5.
リチウム中毒の重要なAction! 急性血液浄化療法を行うかどうか
#6.
リチウム中毒ではどんな症状が出る? 多彩な症状が出現する 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023.
#7.
症状が多くて把握できないけど、どのように整理すれば良い? 定期内服の有無と過剰摂取の有無で病態を分ける 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023.を参考に筆者が作成した 中毒のタイプ別の症状のイメージ 消化器症状
メイン CNS症状
メイン
#8.
急性中毒の特徴は? 消化管毒性が主体で中枢神経毒性は多くない 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023.
Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al, New York, USA, McGraw Hill, 2017 腹痛・嘔吐・下痢 中枢神経への移行が遅く
腎臓での排泄が早いため、重症化しにくい 中枢神経毒性が出現するには時間がかかる(24-48時間以内) 脳内への分布は平衡状態に達するまで24時間かかる
#9.
A on C の中毒の特徴は? 急性中毒よりも中枢神経毒性のリスクが高い 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023. 脳内濃度が中毒域を超えやすい 脳内に元々リチウムの負荷がある 消化管毒性に続いて中枢神経毒性が出現する可能性がある
#10.
慢性中毒の特徴は? 中枢神経毒性が主体で消化管毒性はまれ 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023. 腎排泄の減少などで脳内濃度が上昇する その他に、腎性尿崩症や甲状腺機能低下症をきたすこともある 代謝を受けず95%が 腎臓から排泄される
#11.
中毒の重症度と血清濃度の関係性は? 急性中毒では[Li+]が高くても脳内リチウム濃度が低いため症状が軽微なこともある 中毒のパターンに依存する 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023.
Clin J Am Soc Nephrol. 2015 May 7;10(5):875-87. PMID: 25583292 慢性中毒の血中濃度と重症度
#12.
中毒の重症度と血清濃度の関係性は? 急性中毒では[Li+]が高くても脳内リチウム濃度が低いため症状が軽微なこともある 中毒のパターンに依存する 上條吉人 ; 臨床中毒学 第2版, 医学書院, 2023.
Clin J Am Soc Nephrol. 2015 May 7;10(5):875-87. PMID: 25583292 慢性中毒の血中濃度と重症度 脳内リチウム濃度が高ければ[Li+]が1.5mmol/L程度でも重度の症状が出現することもある
#13.
リチウムの血清濃度がすぐには出ない場合に参考にできる検査項目は? AG = Na+ - (Cl- + HCO3-)
アルブミン補正AG = AG + 2.5 × (4-[アルブミン])
アルブミン・乳酸補正AG = アルブミン補正AG – 乳酸
Anion Gap (AG) の狭小化で[Li+]を予測できるかも ※Na+とCl-、HCO3-、乳酸の単位: mmol/L, アルブミンの単位: g/dL [Li+]>1.5mmol/lを予測する各AGの検査精度 Clin Toxicol (Phila). 2024 Jul 29:1-6. PMID: 39073426
#14.
中毒量や致死量は? 7.5mg/kgを超える元素リチウム (約40mg/kgの炭酸リチウム) の 摂取は毒性リスクの増加と関連している 決まったものはない 喜屋武玲子. 中毒研究 35:26-34, 2022 2400mgを超える量を摂取した成人、または30mg/kgを超える量を摂取した小児は、臨床的な評価が必要である Anita Mudan and Jeanmarie Perrone. Lithium poisoning: UpToDate, Post TW (Ed), UpToDate, Waltham, MA.(Accessed on January 8, 2025.
#15.
どのような薬剤との併用に注意すべきか? セロトニン作動性のある薬剤を一緒に摂取していた場合セロトニン症候群を発症するリスクがある Am J Emerg Med. 2022 Nov;61:90-97. PMID: 36057215より抜粋し一部改変 セロトニン症候群を発症する可能性のある薬剤・物質のリスト
#16.
なぜ血液浄化療法を検討する必要があるのか 文献上報告された患者から統合されたクリアランス リチウムは腎排泄で 透析クリアランスが腎クリアランスよりも高いため Clin J Am Soc Nephrol. 2015 May 7;10(5):875-87. PMID: 25583292
#17.
急性血液浄化療法の適応は? 以下の場合は血液浄化療法を推奨されている
・腎障害かつ[Li+]>4mEq/L
・意識レベル低下、痙攣発作、生命を脅かす不整脈
以下の場合は血液浄化療法を提案されている
・[Li+]>5mEq/L
・混乱
・[Li+]<1mEq/Lまでに36時間を超えると予想される場合 Clin J Am Soc Nephrol. 2015 May 7;10(5):875-87. PMID: 25583292
#18.
なぜ[Li+]>5mEq/Lで血液浄化療法の適応になるのか? 血液から脳へのリチウムの移行を防ぐため 5mEq/L 症状出現 eGFR<45のCKD
AKI (KDIGO stage 2 or 3)
Cr>2mg/dl [成人]
Cr>1.5mg/dL [高齢者] 4mEq/L 症状出現 症状の有無に関係なく、血液浄化療法を検討する 腎障害があれば閾値を下げる (4mEq/L) Clin J Am Soc Nephrol. 2015 May 7;10(5):875-87. PMID: 25583292
#19.
重篤な症状のある患者で血液浄化療法を行うのはなぜか? 血管内のリチウムを排泄し脳からの移行を促進するため 1.5mEq/L 重篤な症状の出現 [Li+]に関係なく、意識レベル低下、痙攣発作、生命を脅かす不整脈などの重篤な症状があれば血液浄化療法を行う Clin J Am Soc Nephrol. 2015 May 7;10(5):875-87. PMID: 25583292
#20.
[Li+]<1mEq/Lまでに36時間を超えると予想される場合になぜ血液浄化療法を行うのか? 遅発性の後遺症を予防するため Clin J Am Soc Nephrol. 2015 May 7;10(5):875-87. PMID: 25583292
Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al, New York, USA, McGraw Hill, 2017 Syndrome of Irreversible Lithium-Effectuated NeuroToxicity :SILENT
#21.
[Li+]<1mEq/Lまでに36時間を超えると予想される場合とはどのような状況か? 慢性中毒でのノモグラムの検査特性
感度 83.3%
特異度 40.9%
陽性的中率 16.1%
陰性的中率 94.7% 慢性中毒であればノモグラムで予測できるかもしれない Br J Clin Pharmacol. 2020 May;86(5):999-1006. PMID: 31912536
Clin Toxicol (Phila). 2024 Aug 6:1-7. PMID: 39105464
#22.
血液浄化療法以外の治療について 消化管除染
リチウムは活性炭には吸着されない
炭酸リチウムは急速に吸収されること、嘔吐を引き起こすことから、 胃洗浄の効果は小さい 活性炭は無効 Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al, New York, USA, McGraw Hill, 2017
#23.
血液浄化療法以外の治療について 生理食塩水で脱水補正を行う 輸液
リチウムはナトリウムと同様に再吸収されるので、循環血液量減少や 塩分制限で再吸収が促進される
急性中毒(消化管からの喪失)、慢性中毒(腎性尿崩症)ともに循環血液量は減少している可能性が高い
生理食塩水で積極的に循環血液量を補う必要がある Goldfrank’s Toxicologic Emergencies, 11th ed edited by Nelson LS, et al, New York, USA, McGraw Hill, 2017
#24.
リチウム中毒の Action × MATTERS Action!
血液浄化療法を行うかどうか