テキスト全文
転倒・転落の発生率と要因分析
#1. 2021年度臨床検査技術部 ミニ勉強会 転倒・転落防⽌とその後の対応 臨床検査技術部 ⼭本 剛
#2. 転倒・転落について ・転倒・転落発⽣率は 1⽇1,000 床あたり1.5 件程度。 ・⾼齢者では転倒・転落の発⽣率も⾼くなる。 ・⾼齢者では転倒・転落に伴い脆弱性⾻折を起こす。 ・転倒・転落の死亡事故で最も多いのは頭部外傷。
#3. 転倒・転落の要因 1. 内因性要因 平衡維持機能の低下&運動機能の低下 特に、筋⾁量や筋⼒低下が主な原因 薬剤による影響;睡眠薬、降圧剤、⾎糖降下剤 2. 外因性要因 環境要因:照度や床の形状など 周囲の器材配置:酸素や点滴、⾞椅⼦、歩⾏器など
転倒・転落防止のための対策
#4. 医療事故の事象内訳(東京都⽴病院) 臨床検査技師が関連する転倒・転落事故は少ない 都⽴病院全体(平成25年度) 臨床検査技師(平成25年度)
#5. 転倒・転落を未然に防⽌する ・原因や状況が多岐に渡り、完全に防ぐことができない ・結果的に重⼤事故に繋がることがある ・未然に防ぎ、被害を最⼩限にする必要がある
#6. 転倒・転落を未然に防⽌するための対策 共通事項 ・病棟や主治医、カルテから情報を集める ・検査に関する説明を分かりやすく⾏う ・患者の状態(顔⾊や表情)を確認する ・⾞椅⼦から⽴ち上がる時は転倒しやすいことを念頭におく ・点滴スタンドや輸液ポンプ使⽤の患者には注意を怠らない
転倒・転落時のスタッフ対応と注意点
#7. 転倒・転落を未然に防⽌するための対策 検査部対応の事項 ・空腹時異常を起こす患者は予約時間を配慮する ・待ち患者でベッド、ストレッチャー、⾞椅⼦の患者には更 なる注意を払う ・ベッド移動中に滑ったり、つまずいて転倒しないように環 境整備を⾏う ・採⾎後は、場合によってはベッドに寝かせたりする
#9. 転倒・転落時のスタッフ対応 絶対遵守事項 ・患者を⼀⼈にしない ・応援を待つ バイタルサインの測定 情報収集(何が起きたか?) 患者の状態確認
迷走神経反射とその対処法
#11. 迷⾛神経反射 強い疼痛や排泄、腹部内臓疾患などの刺激が迷⾛神経 を介して脳⾎管運動中枢を刺激し以下の症状を起こす ・⼼拍数の低下 ・⾎管拡張に伴う低⾎圧 ・嘔気 ・頭痛 ・発汗 ・意識消失
気分不良患者のバイタル測定と記録
#13. 気分不良となった患者さんのバイタル測定 ⽬的: 患者急変時にバイタル測定をすること は患者の重症度を把握する上で必要で す。 患者の状態を素速く把握して然るべき 処置を迅速に⾏うことが求められます。 気分不良の患者さんの介助は採⾎ス タッフ全員で⾏わないといけないので、 中⼼で対応している看護師の負担をで きるだけ減らすような対応を⾏えるよ うに、必要なバイタルチェックの測定 ⼿技を習得を⽬的とする。
#14. 患者の状態を記録をする 1)「急変、気分不良患者記録」に記録する バイタルの測定(⾎圧、⼼拍数、SpO2) 測定時間の確認を忘れないこと ①直後にバイタルを測定する ②⾜を挙上して3分後、5分後にバイタルを測定 2)主査に報告 3)主治医や処置室、病棟に報告
#15. バイタルチェックの⽅法 1. ⾎圧、⼼拍の測定 上腕動脈 ⽌⾎中の場合は採⾎した腕と反対の腕で測定する。 ただし、 「⾎圧測定ができない腕=駆⾎帯が巻けない腕」 に当たるので気をつける。
バイタルチェックの方法と緊急対応
#16. バイタルチェックの⽅法 2. SpO2の測定 ⾎液の酸素供給が正しく⾏われているか 計測します。基準値は96-100% SpO2の原理 91-95%: (動くと息切れを起こす) 90%以下: (静⽌時でも息切れする) 【注意点】末梢循環不全の場 合やマニキュアで⽖に⾊が付 いている場合は⾊調変化を捉 えにくくなるので、正確な測 定はできなくなる。
#18. AEDと救急カートの搬⼊ ・AED:採⾎室の外待合に設置 ・救急カート:⼼肺検査室に設置
車椅子移乗の対応手順と注意点
#20. ⾞いす移乗の対応(準備・調整) 15〜30°
#21. ⾞いす移乗の対応(動作能⼒・障害の確認) 1)普段の動作能⼒の確認 ・「1⼈で⽴てますか?」 ・「普段はどうやって移っていますか?」など 2)障害の状況 ・⿇痺の有無 ・疼痛の有無、程度 ・拘縮の有無など
#22. ⾞いす移乗の対応(ルートの確認、外傷予防)
参加者登録と研修のまとめ