#4.
あざの分類 あざは母斑と血管腫に分けられる 母斑 あざ 上皮細胞系 ・・・ex) 脂腺母斑 色素細胞系 ・・・ex) 蒙古斑 間葉細胞系 ・・・ex) 平滑筋母斑 その他 ・・・ex) 扁平母斑 血管系腫瘍 ・・・ex) いちご状血管腫 血管奇形 ・・・ex) ポートワイン母斑 血管腫
#5.
母斑 乳幼児健診でよく出会う母斑 上皮細胞系 → 脂腺母斑 → 母斑細胞母斑 メラノサイト系 母斑 → 蒙古斑 その他 → 扁平母斑
#6.
母斑 乳幼児健診でよく出会う母斑 脂腺母斑 生下時より存在し、頭部被髪部や顔面に好発す る。頭部に生じると脱毛斑となる。 加齢とともに基底細胞癌などの悪性腫瘍を生じる 場合があるため外科的切除の適応となる。 ● ● 扁平母斑 ● ● ● 境界鮮明な褐色斑で、皮膚色以外の変化を認め ない。生下時よりあるもの、後天的に出現するも のがある。 アレキサンドライトレーザー療法やカバーマーク で対処する。 褐色斑が多発するものでは 神経線維腫症 1型も 鑑別に挙がる。 母斑細胞母斑 ● ● 母斑細胞の増殖による母斑で、小さいものはい わゆるほくろである。 有毛性で直径 20mmを超えるものは 悪性黒色腫 を発生しやすいため、外科的切除の適応となる。 蒙古斑 ● ● 新生児の仙骨部や腰臀部に見られる青色斑で、 10歳頃で消失することが多い。 腰臀部以外の蒙古斑は異所性蒙古斑と呼ばれ、 自然退色に乏しい。
#7.
血管腫 乳幼児健診でよく出会う血管腫 血管系腫瘍 → いちご状血管腫 血管腫 血管奇形 →毛細血管奇形 → 単純性血管腫 ウンナ母斑 サーモンパッチ ウンナ母斑とサーモンパッチは単純性血管腫の亜型
#8.
血管腫 乳幼児健診でよく出会う血管腫 いちご状血管腫 毛細血管の増殖により、鮮紅色で隆起性の病変 が出現し生後 6~7か月まで増大し、数年で軟らか い瘢痕を残し消退する。 プロプラノロールの内服やレーザー 治療が適応となる。 ● ● 単純性血管腫 ● ● ● ● サーモンパッチ ● ● 正中部に淡紅色の斑をきたし、額部や眼瞼部に 生じたものである。 大部分が自然消退する。 境界鮮明で隆起しない紅色斑である。 毛細血管の拡張によるもので終生持続し、自然 消退しない。 色素レーザーが第一選択となる。 三叉神経領域にある場合には Sturge Weber症候群も鑑別に挙がる。 ウンナ母斑 ● ● 淡紅色の斑で、項部に生じたものである。 自然消退しにくいが、位置的に目立たず、整容的 に問題となることは少ない。 コウノトリのくちばしの跡と言われることも。
#9.
鑑別フローチャート 色は? 色、隆起の有無、あざの位置が大事 黒色 赤色 青色 or 血管腫 褐色 or 母斑 隆起あり 隆起なし イチゴ状血管腫 単純性血管腫 黒色 母斑細胞母斑 青色 蒙古斑 褐色 扁平母斑 脂腺母斑 脂腺母斑は乳児期は 蒼白〜黄色 おでこが赤い サーモンパッチ うなじが赤い ウンナ母斑 腰臀部以外 異所性蒙古斑
#10.
皮膚科・形成外科への紹介基準 蒙古斑、サーモンパッチ、ウンナ母斑は原則紹介不要 蒙古斑 単純性血管腫 サーモンパッチ 原則紹介不要である。 ウンナ母斑 扁平母斑 異所性蒙古斑 整容的に問題があれば紹介 する。 イチゴ状血管腫 脂腺母斑 母斑細胞母斑 将来的に悪性化すること があり、紹介する。 逆に紹介しなくて良いのは、蒙古斑、サーモンパッチ、ウンナ母斑のうち、 保護者が気にしていな いものだけです。 紹介の基準が甘すぎるようにも思われますが、レーザーによる治療は乳児期早期に治療した方 が効果が出やすく、早めの紹介を心がけています。 また、このスライドで挙げた疾患は「あざ」の中でもほんの一部に過ぎません。 ダーモスコピーや病理診断による正確な診断は「あざ」の診療でも重要です。
#11.
あざから診断されうる全身疾患 これらは疑ったら必ず専門医へ紹介しよう 神経線維腫症1型 ● ● Sturge Weber症候群 カフェオレ斑と呼ばれる褐色の楕円形で隆起を伴 わない皮疹を見たら鑑別として考える。 5mm以上のカフェオレ斑が6個以上あれば上記 を疑い、専門医へ紹介する。 扁平母斑との鑑別 ● ● 三叉神経第一枝に沿って片側性に分布する顔面 の単純性血管腫を見たら鑑別に挙げる。 眼病変では緑内障をきたすため、眼科コンサルト を忘れないこと。 単純性血管腫との鑑別
#12.
あざのおすすめ教材 日本小児科学会のJPSオンラインセミナーがおすすめ 日本小児科学会の会員であれば、 JPSオンラインセミナーというオンデマンド配信型の講義を視聴できる。 その中の「子どもの母斑とレーザー治療」 という講義が非常にわかりやすい。 成人期にもサーモンパッチが残存し、会社の飲み会でサーモンパッチをいじられるのが苦痛となった母親が自身の 子どものサーモンパッチのレーザー治療を希望されたケース など、実臨床の経験から子どものあざの治療適応についてわかりやすく紹介されている。 (上記の症例をこの講義で視聴してから、自然消退するあざも保護者の治療希望について必ず聞くようになった。 ) 小児科学会の会員であれば無料で視聴できるため、ぜひ視聴してみてほしい。
#13.
Take Home Message 乳幼児健診でよく出会うあざを鑑別できる ようになろう。 目立たないあざ、消失することが多いあ ざでも保護者の希望があれば皮膚科/形 成外科を紹介しよう。 あざをきっかけに診断される全身疾患を 頭に入れておこう。
#14.
参考文献 ● ● 新しい皮膚科学 中山書店 神人正寿. 血管腫, 母斑. 51 : 1448-1551, 2019