医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide
診療科
特集

お知らせ

ログイン
小児科の目線から考える思春期アトピー性皮膚炎の治療戦略 L1.png

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
症例から学ぼう!小児RSV感染症

症例から学ぼう!小児RSV感染症

ごっしー@小児科

続けて閲覧
プライマリ・ケアのための皮疹診断のポイント

プライマリ・ケアのための皮疹診断のポイント

松田光弘

続けて閲覧

1/33

関連するスライド

ー 症例ベースで理解する ー 小児気管支喘息の対応②診断と管理編

ー 症例ベースで理解する ー 小児気管支喘息の対応②診断と管理編

どっと@小児科

16739

123

小児科の目線から考える思春期アトピー性皮膚炎の治療戦略

投稿者プロフィール
どっと@小児科

総合病院

17,350

76

概要

今回は、コミュニケーションの面でも難渋しやすい「小児科目線の思春期アトピー性皮膚炎管理」についてまとめます。初期研修医、小児科後期研修医、皮膚科後期研修医を対象に、思春期アトピー性皮膚炎の問題点と治療戦略を記載しました。

◎目次

・はじめに

・Take Home Message

・思春期とは

・ 思春期を一言で表現すると

・思春期アトピー性皮膚炎の管理はなぜ重要か

・様々な社会的問題も指摘されている

・思春期アトピー性皮膚炎管理の悩み(医療者)

・思春期アトピー性皮膚炎管理の悩み(患者)

・情報収集ツールにも注意が必要

・SNSの現状(一例)

・ChatGPTはどう?

・おすすめする医療情報サイト

・基本的な治療戦略

・指導はなるべくシンプルに

・シンプルな処方(一例)

・プロアクティブ療法が難しい場合

・ゴールの明確化・現実的な着地点

・コーチングを意識した指導

・アトピー性皮膚炎の疾病負荷

・一つ一つのゴールを明確に(一例)

・徐々に本人主体の管理に移行

・スモールステップで進めていく

・12歳以上から増える治療選択肢

・新しい全身療法の比較

・JAK阻害薬 のメリット・デメリット

・<仮想症例> 13歳 女児

・仮想症例経過

・ 症例のまとめ

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

参考文献

  • 中山明子. ステップアップ思春期の診かた. 金芳堂. 2023

  • Silverberg Jl, et al. Association between eczema and stature in 9 US population-based studies. JAMA Dermatol. 2015;151(4):401-409

  • Kern C, et al. Association of Atopic Dermatitis and Mental Health Outcomes Across Childhood: A Longitudinal Cohort Study. JAMA Dermatol. 2021;157(10):1200-1208

  • Theodosiou G et al. Burden of Atopic Dermatitis in Swedish Adults: A Population-based Study. Acta Derm Venereol. 2019 Oct 1;99(11):964-970

  • 平瀬敏志. チャイルドヘルス, Vol.26 No.2. 2023

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください >

関連するスライド

ー 症例ベースで理解する ー 小児気管支喘息の対応②診断と管理編

ー 症例ベースで理解する ー 小児気管支喘息の対応②診断と管理編

どっと@小児科

どっと@小児科

16,739

123

ー 症例ベースで理解する ー 小児気管支喘息の対応①症例編

ー 症例ベースで理解する ー 小児気管支喘息の対応①症例編

どっと@小児科

どっと@小児科

20,382

150

症例から学ぼう!小児IgA血管炎 小児紫斑病性腎炎

症例から学ぼう!小児IgA血管炎 小児紫斑病性腎炎

ごっしー@小児科

ごっしー@小児科

10,290

68

改訂!説明にそのまま使える 熱性発作(熱性けいれん)について ~対応と注意すべき疾患・てんかん症候群も含めて~

改訂!説明にそのまま使える 熱性発作(熱性けいれん)について ~対応と注意すべき疾患・てんかん症候群も含めて~

Osalepsy@小児科・てんかん専門医

Osalepsy@小児科・てんかん専門医

230,164

605


どっと@小児科さんの他の投稿スライド

すべて見る


テキスト全文

  • #1.

    ⼩児科の⽬線から考える 思春期アトピー性⽪膚炎の治療戦略 どっと@⼩児科医

  • #2.

    はじめに 2 どっと@⼩児科医 です 今回は、コミュニケーションの⾯でも難渋しやすい 「⼩児科⽬線の思春期アトピー性⽪膚炎管理」 についてまとめます ー このスライドの主な対象者 ー ・初期研修医 ・⼩児科後期研修医 ・⽪膚科後期研修医

  • #3.

    Take Home Message Ø 思春期のアトピー性⽪膚炎は社会⽣活における疾病負荷が⼤きい Ø 思春期特有の課題には⼀⼈ひとりに合わせた個別対応が必要 Ø JAK阻害薬や⽣物学的製剤は難治例への選択肢として有⽤である

  • #4.

    4 1. 思春期アトピー性⽪膚炎の問題点 ・ 思春期とは ・思春期アトピー性⽪膚炎の管理はなぜ重要か ⽬次 ・思春期外来の悩み 2. 思春期アトピー性⽪膚炎の治療戦略 ・思春期の治療戦略 ・12歳以上から増える治療選択肢 ・<仮想症例提⽰>

  • #5.

    思春期とは 5 親 離 れ ⾃ ⼰ 中 ⼼ 性 葛 藤 不 安 外 ⾒ 意 識 無 敵 の 感 覚 ⾃ ⼰ 同 ⼀ 性 第2次性徴が始まってから成熟した成⼈の⾝体になるまで 該当する年齢 8〜20 歳 *定義は複数あります ⾝体的な急激な変化だけでなく、⼼理的・社会的に⼤きく発達していく時期

  • #6.

    思春期を⼀⾔で表現すると ・⼩児期と成⼈期の 狭間 にある 本⼈を中⼼にするべきだが、保護者の存在が良くも悪くもまだまだ⼤きい ・コミュニケーションが難しい ⾃らを語らない⽅も多く、保護者にも伝わっていないことが多い ・ 器質的疾患に関わらず、様々な ⾃覚症状を訴えることが多い 中⼭明⼦. ステップアップ思春期の診かた. ⾦芳堂. 2023 6

  • #7.

    思春期アトピー性⽪膚炎の管理はなぜ重要か ü アトピー性⽪膚炎は 思春期に悪化 しやすい ü 湿疹による 疾病負荷が⼤きくなりやすい ü 将来的な 低⾝⻑や収⼊の低下 など重要な問題との 関係性が報告されている ü ⼼⾝状態の悪化は家庭や社会⽣活にも影響する 7

  • #8.

    様々な社会的問題も指摘されている 低⾝⻑ ︖ 8 ・中等症および重症のアトピー性⽪膚炎を有する患者では、 ⾝⻑が25パーセンタイル未満 のリスクが有意に⾼い. → 主に睡眠障害による影響が⼤きいと考えられている. Silverberg Jl, et al. Association between eczema and stature in 9 US population-based studies. JAMA Dermatol. 2015;151(4):401-409 うつ︖ 進学 収⼊ ・⼩児期および思春期における重症アトピー性⽪膚炎は、 うつ症状 に関連している可能性がある. Kern C, et al. Association of Atopic Dermatitis and Mental Health Outcomes Across Childhood: A Longitudinal Cohort Study. JAMA Dermatol. 2021;157(10):1200-1208 ・重症アトピー性⽪膚炎は、⼤学進学率や成⼈期の収⼊ に 影響を与える可能性がある. Theodosiou G et al. Burden of Atopic Dermatitis in Swedish Adults: A Population-based Study. Acta Derm Venereol. 2019 Oct 1;99(11):964-970

  • #9.

    思春期アトピー性⽪膚炎管理の悩み(医療者) 関わりにくい(本⼈の理解⼒や感情が読みにくい) ⼩児量か成⼈量か、処⽅薬の扱いが難しい 年齢 によっても治療の選択肢が変わってくる そもそも⾝体の観察や診察が難しい 学校が忙しくて、なかなか本⼈が受診してくれない 学校や家庭とうまく⾏っていない⼦ も多い 9

  • #10.

    思春期アトピー性⽪膚炎管理の悩み(患者) 10 受診したり、軟膏塗ったりする時間はない 今まで頑張ってもあんまり良くならなかった 痒いのも眠いのも普段どおり 軟膏はベタベタ・テカテカするから嫌だ ⾃分の悩みは誰も気にしてくれない 家族と⼀緒に⾏動(受診)するのは嫌だ

  • #11.

    情報収集ツールにも注意が必要 スマホを活⽤した情報収集のメリット・デメリット 10代の患者さんの多くはスマホを活⽤ *メリット *デメリット ・誰でも⼿軽に調べることができる ・情報の真偽を確認する⼒が必要 (情報リテラシー) ・多くの情報を得ることができる ・SNSで悩みを共有、相談できる ・SNS情報の多くは 個⼈の経験 や 反医療系マーケティング 対策は… ・適切な情報やWebメディアをプッシュ型で伝える ・気になる情報を⾒かけたら相談してほしいことを予め伝えておく 11

  • #12.

    SNSの現状(⼀例) YouTube 私の 脱ステ 体験談! Instagram 医者も知らない アトピーの原因 1年前の私と 12 TikTok アトピービジネス 解説します みんなはめられている 医療のワナ︕ 現役〇〇が解説 ステロイドが危ない 本当の理由 あの り ぱ やっ が原因! 食べ物 今の私 この化粧品 *最高* これだけで解決 アトピーの本当の治療︕︕ 〇〇を⾷べるべし アトピー完治 確かに情報を吟味すれば、有⽤な情報もありますが、 まだまだ危険な情報がかなりはびこっています・・・

  • #13.

    ChatGPTはどう︖ 13 ここ最近ではAIチャットボットの台頭が話題です ChatGPT に 思春期アトピー性⽪膚炎の治療 について聞いてみました *2023年3⽉時点 • ステロイド軟膏を使い、症状が落ち着いたら徐々に減量する。 • トピカル免疫抑制剤を使⽤する。 • 保湿剤をこまめに塗る。 • 睡眠やストレスの管理をする。 つくことにも注意が必要です… • 喫煙を避ける。 p ウンタカトントンについて教えてください • 痒みを感じたら掻かずに、軽くたたくようにする。 • 暑さや汗を避けるようにし、通気性の良い⾐服を着る。 p • ⾷事に注意し、アレルギーのある⾷品を避ける。 • 積極的に運動する。 「ウンタカトントン」は⽇本の総合診療科 医が提唱する、⾝体と⼼の調和を図るための 健康法です。 ウン(運動)、タカ(⾼温)、トン(⾳) という⾔葉の頭⽂字をとったもので、運動、 ⼊浴、⾳楽を活⽤することで体の健康と⼼の 安定を促すとされています。 ある程度正しい情報が得られますが、⼀部なんとも ⾔えない情報も含みます。場合によっては、⾷物の 過度な除去につながる恐れも︖︖ 適当に質問しても、それらしく平気で嘘を

  • #14.

    おすすめする医療情報サイト 14

  • #15.

    15 1. 思春期アトピー性⽪膚炎の問題点 ・ 思春期とは ・思春期アトピー性⽪膚炎の管理はなぜ重要か ⽬次 ・思春期外来の悩み 2. 思春期アトピー性⽪膚炎の治療戦略 ・思春期の治療戦略 ・12歳以上から増える治療選択肢 ・<仮想症例提⽰>

  • #16.

    基本的な治療戦略 ガイドラインに準じて 寛解導⼊ → 寛解の維持 → 治療のゴール Ø 指導はなるべく シンプル に Ø ゴールは明確にしつつ、現実的な着地点を本⼈と相談する Ø ⼩学校⼊学以降は徐々に 本⼈主体の管理 に移⾏ 16

  • #17.

    指導はなるべくシンプルに 17 思春期は治療アドヒアランスは低いことが多い 複雑な指⽰ ⾯倒に感じやすい治療 特にアドヒアランスが低下しやすい → 本⼈と相談しながら、現実的に可能な⽅法を探る どうしても外⽤が難しい場合は、JAK阻害薬など外⽤薬以外で 症状を改善させる選択肢を提案する

  • #18.

    シンプルな処⽅(⼀例) ・A外⽤薬 前腕 ・B外⽤薬 ・C外⽤薬 ⾜関節 顔・⾸ ・D外⽤薬 C外⽤後に重ね塗り ・X錠剤 ・Y細粒 1⽇2­4回 1⽇2回 1⽇1回 3錠分3 3包分3 ・Zカプセル 18 ・a外⽤薬 全⾝ ・b外⽤薬 肘・膝関節 → 1⽇2回 ⼊浴後・起床時 ・x錠剤 1錠分1 ・yカプセル 1カプセル分1 2カプセル分2 悪化時はB外⽤薬をC外⽤薬と併⽤ 調⼦が良くなり次第徐々に減量 ●⽉✕⽇ 受診時まで継続

  • #19.

    プロアクティブ療法が難しい場合 主な原因 ・アドヒアランスの低下 ・寛解導⼊が不⼗分 ・減量のペースが早い ・複雑な指⽰で諦めてしまう → 対策は… ① こまめに現在の治療段階を再評価する ② 外⽤の⽇程を明確にする( 奇数⽇ や 燃えるゴミの⽇ など) ③ 新しい薬 を活⽤する ・寛解はOK → 新規⾮ステロイド系抗炎症薬を活⽤ ・寛解が不⼗分 → JAK阻害薬などの全⾝療法薬 19

  • #20.

    ゴールの明確化・現実的な着地点 20 ガイドラインにおける治療のゴール ・症状がないか軽微で、⽣活に⽀障がなく薬物療法もあまり必要ない状態の維持 ・このレベルに到達しない場合でも、症状が軽度で急な悪化のない状態の維持 佐伯秀久 ほか. ⽇⽪会誌, 131, 13:2691-2777(2021) 理想ではありますが、必ずしもこの⽬標で頑張れるとは限りません まずは 現実的な着地点 を患者ごと⼀緒に考える必要があります 湿疹で困っていることは何ですか︖ 湿疹がなければやりたいことはありますか︖

  • #21.

    コーチングを意識した指導 21 ・未来志向 で指導する なぜうまく⾏っていない(塗っていない)かを攻めても改善しません 「どうしたら塗れるようになりますか︖」に焦点を当てる ・⽬的やゴール を共有する ⽬的やゴールが共有できていない航海は難渋します ・ 現状 から⾒える⼩⽬標を設定する ゴールを10としたら今はどの辺か、⽬の前の⽬標はどの地点か 平瀬敏志. チャイルドヘルス, Vol.26 No.2. 2023

  • #22.

    アトピー性⽪膚炎の疾病負荷 22 ⾝体的 精神的 社会的 かゆい ⾒た⽬が気になる 好きな服が着れない 眠れない ⾃信が持てない ✕ 温泉やプール 集中⼒の低下 周りからの無理解 ケアに時間を取られる 合併症 様々な不安 悪化要因が多い (副作⽤・遺伝・⾦銭⾯など)

  • #23.

    ⼀つ⼀つのゴールを明確に(⼀例) 23 ・アトピーを気にしない⽇々 ・諦めていたことにチャレンジ ・好きな服を着る ・夜に寝られる ・野球を楽しむ ・⾃分に⾃信を持つ

  • #24.

    徐々に本⼈主体の管理に移⾏ 年齢とともに養育者主体での管理は困難に ・⾒られること、触られることを嫌がる ・⼤⼈に⾔われた通りにすることを嫌がる 「⼩学校⼊学」 や 「10歳」 など 成⻑を感じやすいタイミングを⽬安に 徐々に 本⼈主体の管理に移⾏していく 例えば、外⽤薬のタイプ(クリームやローションなど)を⾃分で選ぶなど ⾃分が治療の中⼼ であることの⾃覚を促すことから始めてみるなど 24

  • #25.

    スモールステップで進めていく 気分が乗っていれば前胸部や腹部を塗ることができる *ムラがあっても頑張りを認めること 前胸部や⼿はある程度塗ることができる 顔や下半⾝も塗ることができる 指⽰書を⾃分で⾒て、⾃分で判断できる 習慣化には、トークンエコノミー法の活⽤も⼿ 25

  • #26.

    12歳以上から増える治療選択肢 26 全⾝療法 (既存治療で効果不⼗分な症例) 13歳以上 成⼈ 2020年 バリシチニブ(経⼝) *JAK阻害薬 2018年 デュピルマブ(注射) *抗IL-4/13受容体抗体 1回/2週 2022年 ネモリズマブ(注射) *抗IL-31受容体A抗体 1回/⽉ 12歳以上 2021年 アブロシチニブ(経⼝) *JAK阻害薬 2008年 シクロスポリン(経⼝) 2021年 ウパダシチニブ(経⼝) *JAK阻害薬 現在 中等症〜重症でも寛解の維持が可能に

  • #27.

    新しい全⾝療法の⽐較 デュピルマブ デュピクセント® バリシチニブ オルミエント® ウパダシチニブ リンヴォック® アブロシチニブ サイバインコ® 27 ネモリズマブ ミチーガ® 作⽤機序 抗IL-4/13受容体抗体 JAK阻害薬 抗IL-31受容体A抗体 投与⽅法 ⽪下注射 経⼝投与 ⽪下注射 年齢 成⼈ 成⼈ 12歳以上 13歳以上 既存の治療で⼗分な効果が得られなかった中等症以上のアトピー性⽪膚炎 適応 EASI > 16 EASI > 10 事前検査 不要 結核スクリーニングや⾎液検査が必要・施設条件あり 不要 投与間隔 2週間間隔 ⾃⼰注射可能 毎⽇服⽤ 4週間間隔 ⾃⼰注射は不可 特徴 定期的な採⾎は不要 結膜炎の副作⽤ 効果発現に1­2週間 中断・再開はやや不適 効果の発現が早く、中断や再開がしやすい JAK1/2阻害 減量が可能 JAK1阻害 ざ瘡に注意 成⼈は増量可能 嘔気・ざ瘡に注意 ⼩児も増量可能 かゆみに対して有効 他剤よりやや効果が 劣る可能性

  • #28.

    JAK阻害薬 のメリット・デメリット コーチングを意識した指導 28 デメリット メリット ・未来志向 で指導する ・潜在的な感染症のリスク ・⾼い効果と即効性 なぜうまく⾏っていない(塗っていない)かを攻めても改善しません ・ざ瘡などの副作⽤ ・注射を必要としない 「どうしたら塗れるようになりますか︖」に焦点を当てる (検査は除く) ・事前検査が必要 ・⽬的やゴール を共有する ・外⽤は基本的に必要だが、 ・定期的な⾎液検査が必要 外⽤困難な⽅にも治療可能 ⽬的やゴールが共有できていない航海は難重します ・処⽅に施設・医師制限あり ・12歳から使⽤できる ・ 現状 から⾒える⼩⽬標を設定する ・薬価が⾼い ゴールを10としたら今はどの辺か、⽬の前の⽬標はどの地点か (私⾒) 平瀬敏志. チャイルドヘルス, Vol.26 No.2. 2023 寛解や寛解の維持が困難で注射が苦⼿な⽅が最もよい適応 発達特性などにより、外⽤が困難な⽅にも提案しやすい選択肢

  • #29.

    <仮想症例> 13歳 ⼥児 29 【主訴】かゆみ、湿疹 【現病歴】 乳児期より重度のアトピー性⽪膚炎あり。近隣クリニックを転々とし、管理 に難渋していた。発達特性により、外⽤を拒否する傾向あり。 かゆみで集中できないことや外⾒が気になり、中学1年⽣より不登校状態と なっており、⼩児アレルギー外来を受診した。 【既往歴】⾃閉スペクトラム症、アレルギー性⿐炎 【所⾒】好酸球 13%、総IgE 21040 U/mL、TARC 3450 pg/mL EASIスコア 19.7、IGAスコア 3

  • #30.

    仮想症例経過 30 ウパダシチニブ 15 mg /day ステロイド外⽤薬 (クリーム製剤) デルゴシチニブ軟膏 ・スキンケア指導 → クリーム製剤なら外⽤を許容できることを確認した ・⽬標の設定 → ①かゆみの改善 ②湿疹が⾒えないようにする ・クリームでも外⽤を続けることの負担あり ・⼿⾸などの重度の湿疹の寛解導⼊に難渋 湿 疹 難渋 寛解導⼊ 学 校 ざ瘡に対応 現在 ・ウパダシチニブ 15 mg /day ・1⽇1-2回のスキンケア ・デルゴシチニブ軟膏主体で管理 寛解状態を維持できている

  • #31.

    症例のまとめ 症例の特徴 介⼊ 経過 31 ü 乳児期より寛解導⼊に難渋していたアトピー性⽪膚炎 ü 湿疹だけが原因ではないが、 不登校 を伴っていた ü 発達特性により、外⽤薬を嫌がる傾向が強い ü スキンケアの指導+外⽤薬のタイプをクリームタイプに変更 ü 本⼈と治療における⽬標を明確にした ü 外⽤のみで寛解導⼊が困難であり、 JAK阻害薬 を導⼊ ü 速やかに掻痒が改善し、湿疹も1-2か⽉で寛解した ü 寛解後は ü 当⾯治療の継続を希望しているが、⽌める時の⼼配をしている ⾃らスキンケアを⾏い、意欲も向上

  • #32.

    Take Home Message Ø 思春期のアトピー性⽪膚炎は社会⽣活における疾病負荷が⼤きい Ø 思春期特有の課題には⼀⼈ひとりに合わせた個別対応が必要 Ø JAK阻害薬や⽣物学的製剤は難治例への選択肢として有⽤である

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

投稿者インタビュー
Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter