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医師白石達也のプロフィールと経歴 #1.
医者向け・ Medii対談 この夏に、 ChatGPTを完全理解しよう 2023 / 08 / 24 Ubie株式会社 医師 東日本橋内科クリニック 院長 白石 達也 #2.
白石 達也 Tatsuya Shiraishi, MD 2006-2013 京都大学医学部医学科 2013-2015 田附興風会医学研究所北野病院 2015-2019 仁生社江戸川病院 循環器内科 2019- 株式会社 Ubie 2021- 東日本橋内科クリニック Product Dev. Specialist / Product Owner 院長 2 2 ChatGPTと生成AIの基本概念 #3.
目次 1.ChatGPTや生成AIについて紹介 2.医療者にとってどのような活用方法があるか? 3.AIと診療の棲み分けについて 3 #4.
目次 1.ChatGPTや生成 AIについて紹介 2.医療者にとってどのような活用方法があるか? 3.AIと診療の棲み分けについて 4 生成AIの仕組みと進化の背景 #5.
Confidential 生成AI(Generative AI)とは 学習データから文章、画像、音声などの一見新しく現 実的なコンテンツを生成することができる一連のアルゴ リズムのことです。(出典:BCG) <主な例> ● 画像生成:DALL-E、Stable Diffusion ● 動画生成:Visula、Wave.video ● 文章生成:ChatGPT、Perplexity、Bing ● 音楽生成:Mubert、MusicLM ChatGPTなどを大規模言語モデル(LLM)という DALL-Eによる「日本の桜」生成 5 #6.
Confidential 「ChatGPT」 ● 要約、対話、Q&A、物語生成など幅広く利用できる 巨大なテキストデータセットから学習して人間のようなテキストを生成することができる。 大規模言語モデル( LLM)の一つ。 システマティックレビューの書き方を聞いている例 英文証明書を依頼している例 6 #8.
Confidential なぜこんなに盛り上がってるのか① 精度があがった〜スケール則〜 Characterizing Emergent Phenomena in Large Language Models THURSDAY, NOVEMBER 10, 2022 8 #9. Confidential なぜこんなに盛り上がってるのか② 精度があがった〜トランスフォーマー〜 「文脈を読む」ような振る舞いがしやすくなった アルゴリズム自体を改善することで、以下のようなことが可能になった。 ・多くの言葉の並列処理 ・長い文脈を記憶して、その中での依存関係をみることができる もちろんマシン自体の計算能力の向上(GPUやTPUなど)も必要。 L Kaiser et al.https://arxiv.org/abs/1706.03762 9 #10.
Confidential なぜこんなに盛り上がってるのか③ 安心・安全で使える〜 Instructed GPT〜 人間にとって、安全で、信頼できて、バイアスがなくて心地よい出力になるように学習させられている。 rf)2016年TayというAI chatbotがあったが反社会的思想を口にするようになり、シャットダウンしている。 ・有害な表現をしない ・反社会的な表現をしない 「人間にとって心地よい回答が正し い」というように学習している Aligning language models to follow instructions OpenAI 10 AIの医療分野における活用事例 #13.
Confidential GPTが出力する回答は、医者より満足度が高い可能性 Comparing Physician and Artificial Intelligence Chatbot Responses to Patient Questions Posted to a Public Social Media Forum 13 ChatGPTの機能と注意点 #14.
目次 1.ChatGPTや生成AIについて紹介 2.医療者にとってどのような活用方法があるか? 3.AIと診療の棲み分けについて 14 #15.
Confidential ChatGPTでできること 論文の要約、翻訳 文章の要約、添削、校正、翻訳 論文のたたきの作成 カルテ要約 症状から鑑別リスト生成 アイデア出し 研究アイデア出し カウンセリング 傾聴、なめらかな対話 一般向けにわかりやすい表現への修正 15 #16.
Confidential ChatGPTでできること(有料機能含む) 写真などマルチモーダルに解釈 皮膚所見の理解 Web上から検索して、該当情報を扱う クリニカルクエスチョンの検索 テキスト指示での機械学習 作成した情報を図で出力 その他 プログラミング学習の補助 一般受けしやすいブログ記事のたたき 16 臨床におけるAIの具体的な用途 #17.
Confidential ChatGPTの注意点 嘘をつく可能性がある あくまで「それらしい文章を作る」ものである Webブラウジング機能があるものを使う 最終チェックは必ず行う 個人を特定できる情報はいれない 入力情報は学習に使用される 漏れてはいけない情報はいれない 指定しないと英語圏の人のような出力をする 学習データの多くは英語の Web上のデータ 指定しないと通俗的な情報がメインになる 17 #18.
Confidential 用途例:鑑別疾患をあげてもらう 18 #19.
Confidential 待機表の作成 19 AIを用いた診断支援と研究の可能性 #20.
Confidential 参考:診断困難症例に向いたプロンプトを公開している論文もあります Kanjee, Z., Crowe, B. & Rodman, A. Accuracy of a Generative Artificial Intelligence Model in a Complex Diagnostic Challenge. JAMA 330, 78–80 (2023) 20 #21.
用途:クリニカルクエスチョンを調べる、論文を探す 質問を入力することで、 ChatGPTのように解説を作成してくれる。 参考元をつけながら回答 をしてくれる。 日本語でも入力可能だが、 参考先の言語=入力言語 になるので、 pubmedな どで検索して欲しい場合は、英語で検索する必要がある。 21 #22.
Confidential 画像をアップロードして解釈してもらうことも可能に 22 #23. Confidential 参考:Commonな症状を鑑別する場合、 GPT3.5でも十分に役立つ可能性 【方法の概要】 総合内科医が作成した症例30例について、考えられる疾患を 10個並べさせ、正解が含まれる割合をみる。 【結果の概要】 10個のうちに正しい回答があった割合は93%であった。 【限界】 *Commonな症例であること、実在の症例でないこと https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36834073/ 23 #24.
Confidential 用途:ほかにも「 Consensus.app」や「Elict」も有用です。 *また「 ChatGPT+ブラウジング機能」、「 Bing」、「 Bard」なども Web検索をし て要約をできます。 24 AIと医療の未来に向けた考察 #26.
Confidential 用途:研究にかかわるリサーチクエスチョンを調べる chatGPTのプラグイン(「 webpilot」「noteable」など)を使うことで以下のように PICOをまとめてもらうことが可能 26 #27.
目次 1.ChatGPTや生成AIについて紹介 2.医療者にとってどのような活用方法があるか? 3.AIと診療の棲み分けについて 27 #28.
診療プロセスにおいて ChatGPTはじめAIが有用な部分はどこかを意識する AIが大きく力を発揮 結果の解釈 AIがサポート 説明はAIの方が上手かも? AIがサポート 治療選択に役立つ可能性 AIがサポート 問診、身体診察、検査取得 参考:綿貫聡 医療の質・安全学会誌13:38-412018. Improving Diagnosis in Health Care. 28 #29.
まとめ ・ChatGPTが「本当に使えるのか?」ということ言っていたような時期はもう終わった。 ChatGPT以外にも様々なサービスがでている、プラグインなど可能性を拡げるツールも充実してきている。 ・よりよい医療を提供するにあたって「どこを AIに頼るか」「どこに人間がより必要か」を意識するとよい。 診療の質について、 AI>医者なのか? AI<医者なのか?ではなく、医者≦医者+ AIを確実にするべき。 “人工知能 Artificial Inteligence” から ”拡張知能 Augmented Inteligence”へ。 29