総合病院精神科(有床・無床)数カ所で、精神科医として臨床する中、複雑な意識障害のはずのせん妄が、なぜか精神科にふられるということに、長年、違和感を感じていました。それでも、仕事なので、何百人のせん妄の人を見てきて、中には、明らかに全身状態不良で、頼診翌日に死亡する例も何人も見てきました。特に緩和ケア領域では、あって数週間で死亡か転院からお別れになるので、慌ただしい中、少しでも患者と家族のためになれそうなことを模索するも、自分の精神科医としての限界をいつも思い知らされておりました。
確かに、精神症状であるも、本質は意識障害であり、何かしらの原因があるも、精神科医でしかない自分には鑑別が難しく、例えば、SLEや脳梗塞などによる脳炎の症状としてのせん妄(脳幹というか大脳皮質も含めての問題ですが)などを疑っても、なかなか、それを身体科の先生に上手く説明できなかったり、色々怖い思いをする中、色々な失敗を経て、色々な知識を身につけました。
まだ上手く自分の中で統合できず、また、人に教えるには、まだまだ完熟が足りず、ボリュームが増えすぎましたが、今の病院に移り、数年経ち、ようやく、精神科を1ヵ月回ってくれる臨床研修医も出はじめ、このスライドをもとに解説しながら、自分の知識の再構成とどう伝えるべきかを模索中です。もしよろしければ、断片的にでも見て頂き、皆様の何かの学びになれれば、幸いです。