#4.
当院のオンライン診療システム LINE × Paypal 導入費、維持費、広告費0(決済手数料のみ) =撤退リスク低 4月10日 初診オンライン診療時限的解禁に関する事務連絡(0410通知) 4月13日 初診オンライン診療開始 時間経過 システム 「専用システム」を使用せずに、「既存システム」を選択 通話ツール × 決済ツール 普及度・迅速性を重視して決定 コスト 料金 患者請求分は一律診療料を導入
処方箋発行の有無に関わらず オンライン初診料(ないしは電話再診料) + 処方箋料 + 保険外併用療養費(電話通信費+システム利用料 + カード決済手数料 + 処方箋郵送料 )などを含む
#5.
マーケティング、メディア 個人SNS クリニックtwitter 友人SNS内のシェア
HP内特設サイト ブログ 個人紹介 クリニック内外チラシ
日経新聞掲載 ホテルシェルター提携 近隣ホテル提携 有料広告なし Google SEO(広告サイトを除く)キーワード別
「オンライン診療」10位以内
「オンライン診療」「東京」15位以内
「オンライン診療」「目黒」2位以内
「オンライン診療」「LINE」3位以内 4-5月のだいたいの推移を参考値として
#6.
診療実績(初診オンライン診療に限る) 期間 4月13日 〜 5月末日 ※かかりつけ患者の継続処方など「電話再診」算定を除く 初診料(新型コロナウィルス感染症・診療報酬上臨時的取扱)
を算定した症例100例の内訳について検討した ※対面診療後にオンライン診療で再診に移行した人は初診のみカウント ※比較対象として、茅ヶ崎市「内山クリニック」のデータも収集した
#7.
内山クリニックの概要 所在地 神奈川県茅ヶ崎市
診療体制 継承2代目(2診)
標榜科目 内科・脳神経内科・訪問診療・緩和ケアetc
診療時間 9時〜18時 神奈川県 茅ヶ崎市 https://www.uchiyamaclinic-chigasaki.com
#8.
診療実績 年代:ロコクリニック中目黒 外国人:3名
(英語診療) 小児から働く世代まで、幅広く
活用されていると言える 高齢者の利用はなし 計100名
#9.
診療実績 年代:内山クリニック 小児の利用なし(小児標榜なし) 高齢者の利用もあり 計13例
#10.
診療実績 受診歴の有無:ロコクリニック中目黒 計100名 3/4は当院受診歴のない、完全に
初診の患者が利用している
#11.
診療実績 受診歴の有無:内山クリニック 計13例 受診歴のない患者がほとんど
#12.
診療実績 受診理由:ロコクリニック中目黒 計100例 6割以上がCovid-19に関連して、発熱
や上気道症状、不安を訴えて利用
#13.
診療実績 受診理由(その他の内訳) 計12例 これらの中には再診、受診勧奨、紹介
を要するものはいなかった
#14.
診療実績 受診理由:内山クリニック 計13例 受診理由の内訳は2院で近似しており、
6割以上がCovid-19に関連した受診
#15.
診療実績 処方の有無:ロコクリニック中目黒 4割弱は処方なしで初診を終えている
Covid-19関連に限定しても同様に4割
#16.
診療実績 処方の有無:内山クリニック 2割弱は処方なしで初診を終えている
#17.
診療実績 再診の有無(転帰) :ロコクリニック中目黒 うちCovid-19 PCR 実施数 5
(陽性者 0) 計100例 なお、診療スタンスとしては
積極的なオンライン再診は勧めず、
対面同様に必要時の再診を勧めた 16例中14例はCovid-19に
関連した発熱・上気道症状
#18.
診療実績 再診の有無(転帰):内山クリニック Covid-19 PCR 実施数 0
(陽性者 0) 受診勧奨により、
カポジ水痘様発疹
急性前立腺炎
尿路結石
溶連菌感染症
などを診断した 計13例
#19.
診療実績 住所:ロコクリニック中目黒 計100例 半数以上は区外からの受診
#20.
診療実績 住所MAP:ロコクリニック中目黒 名古屋 1例 ドイツから問い合わせ1例 その他
#21.
診療実績 住所:内山クリニック 計13例 8割以上が市内の受診
#22.
アンケート結果 100例のうちLINE+Paypalのシステムを利用した方にGoogleフォームを活用し
アンケートを実施、54名から回答を得た ② 診療の満足度を教えてください ③ 対面診療と比較していかがでしょうか? ④ システムへの満足度を教えてください ⑤ システムに不満がある方はどの項目でしょうか? ⑥価格の満足度を教えてください ① 当院のオンライン診療をどちらで知りましたか? ⑧ 今度への期待、改善点(自由記載) ⑦また利用したいですか?
#23.
アンケート結果 当院のオンライン診療をどちらで知りましたか? 有効回答数57例
(複数回答を含む) ウェブ上の検索、一覧から
受診につながったのが約半数
(検索ワードのデータなし)
#24.
アンケート結果 診療の満足度を教えてください 有効回答数54例 概ね回答者は診療自体には
満足していたと言える
#25.
アンケート結果 対面診療と比較していかがでしょうか 有効回答数54例 92%の回答者は対面診療
との差は感じていない 意見は後述の自由記載に
#26.
アンケート結果 システムの満足度を教えてください 有効回答数54例 無料で構築した既存システムで
9割は満足していると言える LINE × Paypal 通話ツール × 決済ツール
#27.
アンケート結果 システムに不満がある方はどの項目でしょうか 有効回答数21例 (33例は不満なし) ユーザー目線でのシステム改善
の余地は大いにあると言える
#28.
アンケート結果 価格の満足度を教えてください 有効回答数54例 87%は患者負担額に対して
少なくとも不満はない 処方箋発行の有無に関わらず
患者請求分は一律診療料
#29.
アンケート結果 また利用したいですか? 有効回答数54例 96%は今後の初診オンライン
診療に対して前向きに回答
#30.
・Paypal以外の決済に対応してほしい、ポイントが使えるサービスなど
・カード払いがあると嬉しい
・ブラウザからの問診ができると便利
・LINEに友達登録したら自動でメッセージが送られるようにすると良いと思う
・診察までの待ち時間が長く、子どもがいるので時間が読めず困った
・オンライン診療から処方までシームレスなサービスを期待したい
・触診などが有効な症状が不向きだが、それ以外の定期処方の継続を要するケースでは非常に効率的だと感じた
・問診で済むような受診内容であれば向いているので、非常に便利だった
・病院に行って病気をもらうこともあるので、花粉症など慢性疾患だとありがたい
・皮膚などは実際の目視がないと難しそうに感じた アンケート結果 今後期待することや改善点があれば教えてください(自由記載) 有効回答数22例
#31.
アンケート結果 今後期待することや改善点があれば教えてください(自由記載) ・新型コロナ感染が不安なので、オンラインで受診できると安心感があり、心強い
・新しい取り組みにすぐに対応する姿勢に感服した
・ぜひコロナが収束した後も続けてほしい
・訪問診療のように、一般化してほしい
・受診がしんどい時にとても助かる
・利用できて良かった、体験自体に感銘を受けた
・医療機関がやっていない遅い時間に対応してくれて助かった
・調剤薬局も近所で選べて、薬の受け取りも待たずにスムースで良いことづくめ
・今後もオンライン診療でお世話になりたいです 有効回答数22例
#32.
初診オンライン診療 雑感と今後への提言 今回我々は、初診オンライン診療時限的解禁措置の発表後に当該算定を行なった
100例についてデータをまとめた。 過去数年間に渡って大いに議論をされてきたオンライン診療が、コロナ禍において時限的にでも「初診」として認められた意義は大きい。今回の措置期間中に実際に初診オンライン診療を行なった医療機関、および利用した患者側からの意見の吸い上げが重要であり、当院にとどまらず全国からのデータの蓄積が望まれる。 本発表の目的は、オンライン診療の推進や否定を目的とはせず、今後のオンライン診療の行方を議論するのための素材提供にあることを改めて申し添える。
#33.
初診オンライン診療 雑感 -良かった点- まず伝えたいことは、限られた疾患に関しては既存の技術を用いて十分に安全な診療を提供できることが、実践によって明らかになったことである
問診で判断がつきやすい軽症の急性疾患(感冒、一部の頭痛など)は十分に対応が可能であり、再診や対面診療が必要な状態に関する指示について、あらかじめ説明処方することを意識した
ビデオ通話でも患者のいわゆるgeneral appearanceを知り、結膜・咽頭などの視診をおこない、写真共有を用いて皮膚所見を一定レベルで診断することができた
安全に診療することができた理由として、患者に対してオンライン診療の限界を伝え、再診基準を明確にし、対面への誘導も躊躇せずに行ったことが挙げられる
診察終了後にLINEのテキストメッセージによるまとめや追記、補足資料を添付し共有するなど、対面診療にはない利便性を感じる場面があった
#34.
初診オンライン診療 雑感 -良かった点-
かねてから一部でオンライン診療が活用されているように、コロナ禍においても慢性疾患を中断せずに治療継続に貢献できた意義は大きかった
説明や指導のみで処方をせずに完結できたケース(約4割)も多く、不要な医療を助長しない可能性を感じた
既存のサービスを用いて、できるだけ安価に、シンプルさを意識してシステム構築に取り組んだ結果、多少の混乱は生じたものの概ねスムースな導入と運用体系を維持することができた
#35.
初診オンライン診療 雑感 -悪かった点- とくに新型コロナウィルス感染症の溢れる情報・知識の整理に対して、いつも以上に時間を割いて説明を要する場面も多く、診療時間が対面診療より長くなった
遠方からの受診の際に、居住区周囲の医療体制に馴染みがないことで受診勧奨し対面診療へつなげることに苦労した例があり、PHRや紹介先医療機関登録など情報共有システムを整備した上での拡充が望ましいと感じた
安全に診療することを憂慮してディフェンシブな処方があったかもしれない
アクセス性向上により小児への保湿剤処方など不要な処方が助長される可能性や、ドクターショッピング、複数医療機関での同一処方希望への懸念も感じた
#36.
初診オンライン診療 雑感 -悪かった点- システムに関して、患者側からわかりづらさの指摘や、LINEを使用したことでレスポンスの速度を求められたこと、paypal登録に不便さを感じたことなどがある
途中で電波が悪くなり途切れてかけなおすことや、電話に切り替えることがあり、通信環境の安定化は必要だと感じた
保険証や患者情報をLINEでやり取りするセキュリティ面の懸念があった
現状の診療報酬制度と患者ニーズでは、経営上のメリットはほぼなかった
#37.
初診オンライン診療 雑感 -その他- 今回経験しただけでも年齢層や疾患にかなり幅があり、とくに高齢者や乳幼児など重症度のより高い急性疾患や、慢性疾患の急性増悪など不安定な病態をオンライン診療で完結することはできないと改めて実感した
オンラインで急性疾患に対応する場合、問診に加えて何よりもまずは「バイタルサイン」測定を確実に行う手法を確保する必要があるだろう
問診の補完として、テレビ画面上で指示して本人に動作をしてもらうなどオンラインに特化した診察技術の応用に工夫する余地を感じた
オンライン診療での対応が難しいと判断した場合に、受診勧奨や医療機関紹介に際してどのように患者を誘導するか経験が必要だろう
対面診療以上に「問診聴取」と「コミュニケーション」能力が求められると感じた
医師患者間の信頼関係構築への懸念が指摘されるが、今回のアンケートからは概ね満足度は高かった
#38.
初診オンライン診療 雑感 -その他- 患者の利便性と医療機関の運用簡素化の観点から、予約〜保険証登録〜問診〜診療〜支払いまでがワンストップなプラットフォームが望ましいだろう
自宅などリラックスできる環境にいることで医師に対して話しづらいことを伝えやすい、普段の生活環境が見えやすいことから、通院精神療法や生活習慣・栄養管理指導などに有効かもしれない
集合施設(会社・テーマパーク・商業施設・ホテル)などの医務室に簡易的な医療器具を常備しオンライン診療を行うことで、ある程度の診療情報量を確保できるかもしれない
その他、検査結果の説明、自宅での創傷・熱傷フォローおよび処置指導にも向いている実感があり、応用を実践していきたい
2020年秋冬の感染再流行の可能性があるシーズンに向けて、発熱患者や新型コロナウィルス感染症の疑いがある患者の初期対応として、オンライン診療の活用は医療者の感染、患者間の感染拡大防止に有用かもしれない
#39.
最後までご覧いただきありがとうございました。 全国各地で新型コロナウィルス感染症とさまざまなカタチでたたかっている
医療者、仲間たちにあらためて敬意を表します。コロナ禍において時限的に
解禁された初診オンライン診療は、今後日本の医療の動向に大きく影響を与えることが予想され、本資料が微力でも意味のあるものになることを願っております。 ロコクリニック中目黒 瀬田宏哉・嘉村洋志
内山クリニック 内山直樹
#40.
参考資料 新型コロナウィルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱いについて
厚生労働省保健局医療課 新型コロナウィルス感染拡大収束後のオンライン・電話診療について
株式会社メディヴァ プライマリ・ケアにおけるオンライン診療ガイド
一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会 オンライン診療を巡る議論を問い直す
ー初診対面原則の是非だけに囚われない視点を
ニッセイ基礎研究所保険研究部主任研究員 三原岳