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知っておこう、銃創・爆傷

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すたば総合病院

内容

日常診療では出会うことは少ないけれど、だからこそ知っておきたい銃創・爆傷について勉強しましょう!2021年に東京オリンピックを見据えた救急医療体制の構築のために出された銃創・爆傷患者診療指針Ver.2を中心に解説していきます。

◎目次

・銃創・爆傷の日本での症例数

・病院前診療のポイント(銃創・爆傷共通)

・銃創の特徴ー弾道学ー

・銃器の種類と特徴

・初期診療Primary Survey(主に鈍的外傷との違い)

・蘇生的開胸術

・銃弾は取り出すべき?

・抗菌薬投与はすべき?

・Secondary Survey(主に鈍的外傷との違い)

・銃創 まとめ

・爆傷の特徴

・特に遅発性損傷に注意

・特に注意 クラッシュ症候群

・熱傷

・放射線被害

・少し特殊な小児の爆傷

・メンタルヘルス

・爆傷 まとめ

・Take home message 

本スライドの対象者

専攻医/専門医

参考文献

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内容

日常診療では出会うことは少ないけれど、だからこそ知っておきたい銃創・爆傷について勉強しましょう!2021年に東京オリンピックを見据えた救急医療体制の構築のために出された銃創・爆傷患者診療指針Ver.2を中心に解説していきます。

◎目次

・銃創・爆傷の日本での症例数

・病院前診療のポイント(銃創・爆傷共通)

・銃創の特徴ー弾道学ー

・銃器の種類と特徴

・初期診療Primary Survey(主に鈍的外傷との違い)

・蘇生的開胸術

・銃弾は取り出すべき?

・抗菌薬投与はすべき?

・Secondary Survey(主に鈍的外傷との違い)

・銃創 まとめ

・爆傷の特徴

・特に遅発性損傷に注意

・特に注意 クラッシュ症候群

・熱傷

・放射線被害

・少し特殊な小児の爆傷

・メンタルヘルス

・爆傷 まとめ

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産業医(8)

初期研修医(327)

医学生(3)

その他(297)


知っておこう、銃創・爆傷

  • 1.

    知っておこう、銃創・爆傷 すたば

  • 2.

    今回は日常診療では出会うことは少ないけれど 知っておきたい銃創・爆傷について勉強しましょう! 2021年に東京オリンピックを見据えた救急医療体制の構築のために出された 銃創・爆傷患者診療指針Ver.2を中心に解説していきます.

  • 3.

    銃創・爆傷の日本での症例数 令和3年の銃発砲事件の発生事件数 10件 うち暴力団関係 8件 死亡例5例 日本外傷データバンク 2019.1-2020.12(2020 report) 銃創の登録 7件 2004-2019年 113件/15年 (年間3.4-10数件程度) 爆傷データなし テロでの爆傷例はないが工場爆発などでの爆傷は 症例報告レベルではあり 日本での救急診療・外傷診療のみでは知識・経験不足 逆に米国や海外での外傷診療経験では銃創の知識は必須 警視庁発表データ 日本外傷データバンクより

  • 4.

    病院前診療のポイント(銃創・爆傷共通) • 短時間で致命的な出血が問題になるため出血制御が最優先 MARCH M:大量出血制御 Massive hemorrhage A:気道管理 Airway R:呼吸管理 Respiration C:循環管理 Circulation H:体温管理 Head injury/Hypothermia • 米国では一般市民にもターニケット使用の教育を推奨 • テロを想定した場合 現場でのトリアージが危険なこともあり 通常の多数傷病者の病院前診療以上に 迅速な後方(安全地域、病院など)への 搬送が重要になる 消防庁. https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento215_24_betten1.pdf

  • 5.

    銃創編

  • 6.

    銃創の特徴ー弾道学ー 銃弾でできる創部に影響する因子:銃弾・銃器・受傷者の因子 • 銃弾:直径、重量、形状、ジャケット、小粒、火薬量、種類 [フルメタルジャケット弾] 軍用でよく用いられる貫通性の高い 鉛を真鍮で覆うのが一般的 [ホローポイント弾] 着弾時に先端が扁平や花形のように変形し、 強い損傷を与える • 銃器:銃身長、連射型・単発型、自動式・半自動式・携帯性 放出速度も論文などではよく使われる 放出速度 ポイント Low velocity 低速弾 681m/秒未満 High velocity 高速弾 681m/秒以上 • 受傷者の因子:体位、銃器からの距離、創の部位、損傷組織 銃弾や銃器の種類で初期診療自体が大きく変わることはありません. 弾道学の知識があると,どれくらいのエネルギーが損傷に寄与しているか イメージがつきやすくなり損傷の程度をある程度推定できます.

  • 7.

    • 銃弾の威力(運動エネルギー)=1/2 銃弾の質量×銃口速度2 高速弾の重い銃弾(例.カラシニコフ銃)での 体内にできる空洞cavitationは20cmほど czaroot© 123RF.com • 弾丸の動きは直線ではない 揺れyaw、回転tumble、変形deformation、断片化fragmentationなどの複雑な動きで 体内に空洞形成cavitationを作る Temporary cavitation Permanent cavitation 射入口-射出口を結ぶ直線状の損傷のみではないことに注意 • 銃創部が奇数の場合は体内残存を疑う.ただし銃弾が体内で複数に 分裂している可能性もある.

  • 8.

    銃器の種類と特徴 • 拳銃 • • • • 日本の銃保持を許可されているものは20万丁 ライフルよりエネルギー量は劣り命中率低い 10m前後の近距離からの受傷が多い 弾道は直線、cavitationも小さめ • ライフル • • • • ライフルは3万丁許可されている ライフルはcavitationが拳銃の数倍 狩獣用は弾丸も殺傷力が高い形態をしており, 偶発的受傷でも重篤的な組織損傷が起こる 軍用は組織破壊は狩獣用より少ないが、 エネルギーによる鈍的損傷も起こり得る cavitation • 散弾銃 • • • 10-15mの距離で致命傷にはならないが近距離では致命的 1m 低速弾 飛散した小球で組織破壊を起こす 10m

  • 9.

    初期診療Primary Survey(主に鈍的外傷との違い) • • 原則はJATEC*に則った診療 *Japan Advanced Trauma Evaluation and Care 銃創で蘇生的開胸術(次スライド参照)は有効.必須の手技. 蘇生的開胸術後の生存率 銃創7% 刺創15% 鈍的損傷2% Burlew CC.J Trauma Acute Care Surg.2012;73(6):1359-63. 胸部損傷が最も有効、腹部や刺創でも多数の場合は救命率低下 Hall BL.J trauma 2001;59:773-777. 心停止で胸骨圧迫開始から15分未満で蘇生的開胸を考慮.鈍的外傷は10分未満. Fairfax LM.World J Surg 2015;39:1343-1351. • 手術になる可能性が高いため,すぐに手術できるように準備しておく • JATECでは胸部・骨盤Xpだが、腹部に銃創があれば腹部Xp (創部にクリップや鉗子などでマーキングしておく) • 腹部FASTはやや感度が下がり,陰性でも腹腔内出血を否定できない 鋭的損傷 腹部FAST 銃創73.3% Matsushima K. World J Surg 2018;42:96-106. 鈍的外傷 腹部FAST 73-88% 論文によってはほぼ100% Rozycki GS.Ann Surg.1998;228(4):557-67. • E(Exposure & Environmental control)で全身の観察で銃創の数、 場所、活動性出血の有無を確認

  • 10.

    蘇生的開胸術 鈍的、鋭的に関わらず外傷診療をする医師は必須の手技です. 外傷JATEC、JETECの教科書や成書を確認しましょう. • https://youtu.be/y5X6ndDZ41shttps://youtu.be/rfgeso52348 動画は手順を知った上でイメージするのに有用です. 上は臨場感がありますが、少しグロいので注意です. • 目的は心タンポナーデ解除と大動脈遮断がメイン • 鋭的外傷の蘇生的開胸術の適応 sBP<60などの切迫心停止 心肺停止で胸骨圧迫開始後15分未満 • タンポナーデなし・解除後に肉眼的な心活動なし→蘇生中断 • 現場心肺停止症例には推奨されない

  • 11.

    銃弾は取り出すべき? 銃弾摘出の適応 • • • • • 銃弾で動静脈瘻を形成している場合 心室壁に陥入 関節滑膜液、髄液、眼球と接している場合(長期的な鉛中毒リスクが高いため) 腸管貫通後、骨に埋まっている場合 感染や臓器損傷リスクが高いと判断した場合 原則はそれ以外は摘出不要.上記適応でも摘出困難ならその限りでない. 受傷から6時間以内に創洗浄を行う. 射入口、射出口の早期閉鎖は行わなず一定期間開放で観察. 抗菌薬投与はすべき? 抗菌薬投与の適応 • • 骨折を伴う場合 ショットガンによる銃創 • • 治療開始まで時間を要した場合 腸管を通過した場合 基本的には感染のリスクが高く広域抗菌薬を使わざるを得ないことが多く 24時間以降の予防投与のエビデンスはない.SSIはハイリスク

  • 12.

    Secondary Survey(主に鈍的外傷との違い) • ABC安定化の後というのは鈍的外傷と同じJATECが原則 頭部銃創の90%は現場・来院時死亡と予後は悪い. 表層観察で頭髪を剃毛して詳細に行う. CTと血管造影で評価. MRIは原則行わない. (鉄を含む金属成分が移動する可能性があるため) 穿通性頸部損傷の治療に準ずる 脊椎はMRIは禁忌でないがコンセンサスも得られてない. 関節内腔や椎間板に鉛製弾丸が残ると鉛中毒の可能性 があるため可能な限り的中が考慮される. 摘出に感染予防効果はない. 胸腰椎損傷に至るまでに消化管を通過している可能性 が高いため腸内細菌カバーを含む広域スペクトラムの 抗菌薬投与が推奨される.

  • 13.

    Secondary Survey(主に鈍的外傷との違い) 胸部銃創.循環動態は安定している場合には • 胸部Xpで弾道を評価(身体所見が不正確になりがち) • エコーによる心嚢液評価で治療方針決定 (評価困難なら心膜切開) • 気胸・血胸ありなら胸腔ドレーン • CTA(CT angiography)は有用 銃創の90%以上は腹膜を貫通する. 腹膜貫通がなければ保存的加療も選択肢の一つだが, 日本では推奨されない.(保存的加療のうち20%がその後手術を要し 死亡オッズ比が4.48と高いため) 胸腹部銃創は治療方針決定(どちらが先か)が肝. 胸部Xp、FAST、胸腔ドレーンの情報から決定 四肢外傷は血管損傷評価と再建.ターニケット使用と解除

  • 14.

    銃創 まとめ 交通外傷などの鈍的外傷に比べると銃創の経験数は少なく 外傷センターで多くて年間1-2例です. 銃創の特殊性から鈍的外傷の治療戦略のみでは対応できません. 十分な知識を身につけましょう. 学会認定や外傷外科のコースもいくつかありますので 興味がある方は受けてみると良いかもしれませんね. • 外傷外科手術指南塾 「銃創・爆傷編」 以下銃創に特化しているわけではないが、外傷研修のためのコース • 外傷専門診療JETECTM(Japan Expert Trauma Evaluation and Care)コース • ATOM(Advanced Trauma Operative Management)コース • DSTCM(Definitive Surgical Trauma Care)コース • ASSET(Advanced Surgical Skills for Exposure in Trauma)コース • 外傷外科手術治療戦略コース などなど

  • 15.

    爆傷編

  • 16.

    爆傷の特徴① • 爆傷は1-4次損傷を伴う可能性のある特殊な損傷形態 1次 2次 3次 4次 衝撃による圧力波による損傷 爆傷肺、鼓膜損傷、腸管損傷、腹腔内出血、眼球破裂、脳震盪 飛来する異物による穿通性外傷、眼球内異物 爆風によって飛ばされて生じる鈍的外傷、その際鋭利なものに刺されば鋭的 四肢の轢断(1次の場合もあり) 1-3次損傷以外の損傷 • 閉鎖空間(室内、車内)での爆発で威力が増す • 爆弾に釘やベアリング*が仕込まれると殺傷力が増す *車軸に使われる構造 爆弾にはその中の金属球が使われることがある • 生存例で多いのは飛来物による穿通性外傷と爆風による鈍的外傷 2次 3次

  • 17.

    爆傷の特徴② • 銃創よりも多数傷病者になる可能性がある(災害対策必須) • CBRNE(Chemical/Biological/Radiological/Nuclear/Explosive)に 準じて病院に入る前に除染エリアの設定(特に中毒・放射線被曝) • 日本で最も普及しているSTART法はテロ災害向きではない(正誤率 の低さ、救命処置不足、子供が対象外など)ため国際的にはSALT トリアージを推奨 新しいトリアージ方法の普及のための定期的な 訓練が必須ですね. また、どこで起こるかわからない状態のテロは 救急医だけが知ってる・動けるというのは あまり有効ではありません. 少なくとも救急スタッフや病院内、地域レベル、 国レベルで共通の危機意識と共通認識を持つこと が大切です.

  • 18.

    初期診療Primary Survey(主に鈍的外傷との違い) • • 原則はJATEC ABCDEにC(危機出血catastrophic bleeding)を加えたC-ABCDE 特に四肢血管損傷からの大出血が致死率高い →圧迫止血、ターニケット、REBOA zone3の留置 REBOAについてはこちらもご参照ください! • • 問いかけ不良の場合は1次爆傷による 聴力障害の可能性を考慮 常に爆傷肺の存在は意識すること 血痰、呼吸困難など 気道確保の際のbarotrauma*にも注意 *圧外傷:気胸、緊張性気胸 • Eの評価の際の眼球破裂、眼損傷に注意(無理に開眼させない)

  • 19.

    Secondary Survey(主に鈍的外傷との違い) • ABC安定化の後というのは鈍的外傷と同じJATECが原則 鈍的外傷と同じく切迫するDがあれば最初にCTで評価 眼・耳も 注意深く評価 3次損傷による頚椎損傷の可能性を考慮. 頚椎保護の解除はJATECに準ずる 爆傷肺に注意.Xp所見なしでもCTで評価を推奨.

  • 20.

    Secondary Survey(主に鈍的外傷との違い) 1次爆傷の腸管損傷、実質臓器損傷の有無を確認.遅発性 の腸管損傷(微小な穿孔や腸管膜の損傷、空気塞栓による 腸管膜虚血からの穿孔)が起こり得るので注意. 四肢軟部組織の損傷を評価.コンパートメント症候群と挟 まれた状況がある際のクラッシュ症候群は常に意識するこ と. 止血のためのターニケットもあくまで手術までの一次止血 であり、早期の血行再建を目標にすること.再建が難しけ れば一時的なシャント造設も考慮. 飛来物による損傷の有無は背面を含む全身を検索 基本的に汚染創であり抗菌薬投与と破傷風予防を

  • 21.

    特に遅発性損傷に注意 • 遅発性損傷が起こりやすいため、primary survey、secondary surveyをクリアしても、tertiary surveを必ず行う. 爆傷肺は常に意識. 遅発性の空気塞栓症や陽圧喚起後、航空機での 輸送後に発症することもあり注意. 気道熱傷の有無も再検討. 鼓膜・内耳・中耳の損傷 腸管損傷、腹腔内出血の増悪 特に注意 クラッシュ症候群 • 地震などの災害医療でも問題になるクラッシュ症候群は爆傷に伴う 建物崩壊の下敷きでも発生するため注意 • 虚血再還流障害による循環不全、急性腎不全、代謝障害 • 1時間の下敷きでも起こり得る

  • 22.

    特に注意 熱傷 • 4次損傷としての熱傷 • 露出部位(顔、首、手など)と気道熱傷 • 一酸化炭素中毒とシアン中毒にも注意 解毒薬ヒドロキソコバラミンとセットで覚えよう! 特に注意 放射線被害 • 放射線拡散装置・dirty bomb:爆弾に放射線物質が混在したもので 受傷した場合に起こるが、通常の爆傷と症状は変わらないため爆傷 の治療に追われて後に気づく可能性もある • 放射線検知器が唯一の判断材料 • 事前に爆傷時には放射線汚染専門のトリアージエリアを盛り込んで おく • dirty bombは一般的には低線量で、パニックや放射線被曝への脅威 による心理的な影響を与えることを主目的にしていることが多い

  • 23.

    少し特殊な小児の爆傷 • 小児の爆傷症例経験がある医療従事者はさらに少ない • 頭部が身体に比して大きいため中枢神経障害・高位頸髄損傷が起こ りやすい • 外傷性窒息が起こりやすく、爆傷肺も致命的 • 腹壁も薄く腹部損傷が起こりやすい • 低体温に陥りやすい メンタルヘルス • 大規模災害や悲惨な事故などと同じく、テロなどによる銃創・爆傷 はさらに長期間の精神的異常をきたしやすい • 救援者もサポートが必要 その他、妊婦や高齢者、旅行者なども特殊な配慮が必要です. スライドで全部網羅はできませんが,普段の鈍的外傷との 違いと銃創・爆傷の特殊性を理解することが重要です.

  • 24.

    爆傷 まとめ 爆傷はよりテロ対策よりになります. 対応する医師の知識も必須事項ではありますが、 警察、消防・救急隊、病院全体、病院間ネットワーク、行政など より多くの組織が全体で共通認識を持つ必要があります. システム作りと定期的な訓練が重要ですが、 最近ではテロ対策合同訓練なども各地で行われています. 少し余談 2021年第49回日本救急医学会総会・学術集会で『國松警察庁長官奇跡の救命の真 実』という特別企画が行われました.1995年3月30日20mほどの距離から3発の銃弾 を受けたものの、日本医科大学付属病院に搬送されて心停止に複数回なりながらも 救命できたという成功例ですね.外傷診療をやる救急医にとってはとても刺激的な 講演でした. 最近も銃撃事件などが散見されますが、やはり銃創・爆傷の知識は必要ですよ. スライドをきっかけにしてくだれば嬉しいです.

  • 25.

    Take home message ✔まずはJATECだが、違いは出血制御が最優先 ✔弾丸が体内を真っ直ぐ進むとは限らない. 弾道学を意識して損傷部位の目星をつけよう ✔爆傷はよりテロ対策を意識したシステム構築が必要. 爆傷特有の損傷形態と放射線被曝の可能性も考慮しよう

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