#4.
法からみる働き方改革、労働基準法とは? すべての労働者の働き方を規定しており, 医師も労働基準法の労働者にあたる 法律は法的拘束力がある→罰則規定があり守らねばならない 法 的 拘 束 力 あ り 法律 政令 省令 通知・通達 医師法、医療法 労働基準法、労働安全衛生法 など 医師の仕事内容は医師法・医療法で 規定されていますが, 働き方に関しては労働基準法・労働 安全衛生法などで規定され,労働者 はこれらの法で守られています
#5.
労働基準法とは? ✔労働時間:1日8時間,1週40時間(法定労働時間) ✔休日:毎週少なくとも1日 これを超えて労働させる場合には 36(サブロク)協定*の締結と労働基準監督署長への届出が必要. ✔時間外労働の上限:1ヶ月45時間,1年360時間 など *36協定:法定労働時間と週1の休みを超えた勤務をさせる場合,雇用主と 労働者代表(労働組合など)が締結が必要 ただし労働時間・時間外労働について,医師は上限規制の適応外だった
#6.
今までの医師の勤務状況(例 出勤 7:00 カンファレンス 残りのカルテ 明日の外来チェック 18:00 帰宅 20:00 1日13時間勤務,週5日で65時間 +当直,オンコール,直明けの残業,バイト,研究 医師の週あたり勤務時間(常勤医師)医師の働き方改革の推進に関する検討会より 統計データでも 週50-60時間が平均. 数%ながら100時間超も...
#7.
医師の労働環境をめぐる様々な背景 調査結果からは深刻であることが明るみに 男性41%女性28%が週60時間超(規定の1.5倍の労働時間) ✔労働基準法含め,労働者としての基礎知識の勉強をする機会がない ✔研修医や若手のうちは覚えることが多くて残業してしまう ✔人手不足で業務があるから時間外も帰れない ✔先輩医師が残って仕事しているので帰りにくい などなど 働き方改革に合わせた労働基準法,医療法の改正で 変わっていくはず! (変えていかないと医療体制の維持が難しい)
#8.
働き方改革でどう変わる? 目標は長時間労働の是正 ・時間外労働の上限規制(2024年4月1日) ・健康確保措置として面接指導,連続勤務時間制限,勤務間インターバル規制 時間外を月100時間未満 年960時間未満(通常は360時間以下) 最大でも1860時間(2035年を目標に縮減方向へ) 勤務時間でみると, 年間960時間だと週20時間+法定労 働時間週40時間=週60時間まで (年間1860時間だと週38時間+時 間内の勤務週40時間=週78時間ま で) →点線以上は2024年以降は該当 週当たり勤務時間
#9.
兼業・バイトにも影響があるかも バイト先を含めると週60時間を超える医師(下図の青部分) がさらに多いという現状があり,バイト制限が必要になる? ※労基の許可を受けた宿直は勤務時間外に含まれないという例外もあり 時間外休日労働が920時間以上 全体の23.3% 副業・兼業:主たる勤務先と兼業先の勤務時間(大学病院) 厚生労働省医師の勤務実態https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000677264.pdf
#10.
ここで少し用語の説明をしましょう ✔当直 当番制で日直・宿直に当たること ✔宿直 断続的で睡眠時間の確保などのができる,いわゆる「寝当直」. 宿直というのであれば労働基準監督署の許可が必要で,時間外労働 としてみなされない(翌日も勤務できる). ✔夜勤 宿直以外の夜の勤務.救急外来の当直はこちらに該当.時間外労働 にあたります.(翌日も勤務できるが,安全配慮が必要だったり 連続勤務時間や勤務間のインターバルを取る必要がある) 時間外労働には賃金割増の決まりがあります(労働基準法).
#11.
「医師の長時間労働の是正」だけでは, 時間外手当が減ったり外勤先での夜勤バイトなどができな くなる可能性があり,バイトで回している病院も継続がで きなくなる... バイトなしじゃ 生活できないよ〜 働き方改革以外にも ✔医師のタスクシフト/シェアの推進 ✔医師養成過程等の見直し ✔医療計画 ✔地域医療構想 ✔外来医療 など様々な医療政策が並行して予定されており, この先数年は医療の大きな転換点
#12.
当直明けにあの手術,見学をしたかった などの自己研鑽はどうなるの? という疑問が生じますね. 医師の働き方改革の推進に関する検討会などでは 自己研鑽の例を挙げて定義をしていますが, 最終的には病院ごとのルール決めが優先 上の例でいくと ✔自由意志で時間外に見学するなら時間外労働にならず ✔手術を手伝ったり診療したら時間外労働になる
#13.
有限の時間で効率よく仕事や自己研鑽できるツールを活用 電子カルテシステムの改良と 医療AIの開発・導入 VRカメラなどでの学習や 情報の共有 アプリなどで自分自身も健康管理 このような新しい ツールを上手に 使って診療効率を あげたいですよね
#14.
ちなみに, 働き方改革とは別ですが 時間外労働の賃金は労働基準法で定められています. 未払いは大きな問題です. 思い当たる場合は労働基準監督署に相談しましょう. 時間外に働いていたという勤務実態記録が必要です. タイムカードがある場合はよいですが,ない場合は退勤アプリなど でしっかり記録を取っておきましょう! 管理者は夜当直を「夜勤」ではなく「宿直」にしたがるが (時間外労働に換算されず長時間労働問題をクリアできる・ 翌日にも勤務させられる,深夜以外の割増料金の支払い義務 なしなど),疑問に感じたら労働監督署に相談を!
#15.
働く前に契約書、確認してますか? ☑勤務時間や賃金など基本的な項目 ☑有給休暇の有無,条件など労基に則しているか ☑宿直か夜勤か.勤務時間の規定や連続勤務がないか 2024年以降兼業・副業が可能かどうかは,属している施設がある一定の水準 (BかC)を満たしているかどうかで決定. B水準:3時救急病院や救急車年間受け入れ1,000台以上の二次救急病院 連携B水準:派遣先が地域医療提供体制に必要な医療機関 C水準:初期研修医・専攻医の教育プログラムに従事するものなど(C-1,2もあり) 医療機関勤務環境評価センター(日本医師会に決定R4.4.1)の評価が必要 まずは契約書や自分の労働環境を確認してみましょう!
#16.
Take home message 医師も労働者.労働基準法を守る必要があります 働き方は制限するだけではなく,より効率よく働けるように 工夫しよう 雇用契約書はしっかり確認し,納得してから契約しよう 参考文献:厚生労働省医師の勤務実態https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000677264.pdf 医師の働き方改革についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000818136.pdf 医師の働き方改革についての検討会https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei_469190.html