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ERでみる失神 Part1病態編

  • 循環器内科

  • 救急科

  • 心原性失神
  • 左室流出路障害
  • tilt試験
  • 起立性低血圧

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130

2022/7/10

内容

ERを受診する患者の約1%、救急搬送される患者の約3%が失神です。このスライドでは、失神の病態・アプローチを理解すること、予後不良な失神をみつけること、専門医の診察につなげることを学習目標としています。

◎目次

・このスライドの目標

・目次

・失神とは

・失神を疑う患者の訴え

・一過性意識消失の鑑別

・一過性意識消失のその他の原因

・一過性意識消失に見える例

・病態生理でみる失神

・心原性失神(心血管性失神)

・心原性失神(心血管性失神)の原因疾患

・左室流出路障害

・虚血性心疾患

・急性大動脈解離

・肺塞栓症・肺高血圧症

・不整脈

・不整脈の原因

・危険な心電図

・2枝ブロック、3枝ブロック

・2枝ブロックの心電図例

・神経調節性失神(反射性失神)

・神経調節性失神(反射性失神)

・血管迷走神経反射

・頸動脈洞症候群

・状況失神

・心抑制型と血管抑制型

・参考)tilt試験

・参考)心抑制型と血管抑制型の定義

・起立性低血圧

・起立性低血圧の原因

・起立性低血圧の原因となる薬剤

・自律神経機能異常を起こす疾患

・Take Home Message

バヤシ@救急集中治療

とある地方の救命救急センター


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ERでみる失神 Part1病態編

  1. ERでみる失神 produced by バヤシ@救急集中治療 Part.1 病態編

  2. このスライドの⽬標 ☆ERを受診する患者の約1%が失神 ☆救急搬送される患者の約3%が失神 ◯学習⽬標 ⅰ.失神の病態・アプローチを理解する ⅱ.予後不良な失神をみつける ⅲ.専⾨医の診察につなげる

  3. ⽬次 1.失神とは 2.失神かどうかで鑑別する⼀過性意識消失 3.病態⽣理でみる失神 3−1.⼼原性失神 3−2.神経調節性失神 3−3.起⽴性低⾎圧 4.ERでの失神マネージメント 4−1.失神診断の難しさ 4−2.診療フローチャート 4−3.帰宅させるなら⾏うこと 5.失神に関するよくある質問 6.Take Home Message Part.1 Part.2

  4. 失神とは 脳の低灌流が原因で起こる⼀過性意識消失 急に起こり、短時間で⾃然に完全回復するもの 意識を失っている時には姿勢の保持ができない

  5. 失神を疑う患者の訴え 「気を失った」 「⾎の気が引いた」 「視界が⽩⿊になった」 「記憶のない時間がある」 「気づいたら倒れていた」 「知らぬ間に怪我をした」 という訴えを聞いたら、失神を疑う!

  6. ⼀過性意識消失の鑑別 ⼀過性意識消失は⼤きく失神か⾮失神かで分ける ⾮失神には、 てんかん発作、⼼因性発作、その他の原因 があり、問診や⽬撃者情報が⼤事!

  7. 鑑別のポイント 前駆症状・状況 既往歴 発作時の記憶 痙攣 意識消失時間 発作後の状態 その他の所⾒ 失神 てんかん発作 悪⼼、発汗、⻑時間の⽴位・座位 胸痛、動悸、飲酒、⾷事、排尿・排便 ⾝体的 or 精神的ストレス 既視感(デジャヴ)、幻覚、異臭 強い光刺激、⾳刺激、奇声をあげる 発作中に開眼している ⼼疾患 てんかん あることが多い ない(前兆を覚えていることはある) ミオクローヌス様で数秒から⼗数秒 数分の強直間代性痙攣 発作時に頭位が⽚側へ回旋 (仰臥位になれば)30秒以内が多い 1分以上続くことが多い 意識朦朧になることは少ない 意識朦朧(post-ictal state)であることが しばしばある ⾆先を噛むことがある ⾆の側⾯を噛むことがある ※てんかん患者のうち20〜40%程度失神が併存するという報告もあるため、実際に鑑別が難しい例もある 側頭葉てんかんでは、稀であるがIctal asystole(発作時⼼停⽌)で失神することがある

  8. ⼀過性意識消失のその他の原因 ・頭部外傷による⼀過性意識消失(脳震盪など) ・鎖⾻下動脈盗⾎症候群 ・椎⾻脳底動脈系の⼀過性脳虚⾎発作 ・⼀過性全健忘 ・⼩児の息⽌め発作 ・中毒(CO・CO2中毒など) ・代謝性疾患(低⾎糖、低酸素⾎症など) ・睡眠時無呼吸症候群 など、鑑別を要する病態がある (正確には意識消失でないものも、便宜上含めている)

  9. ⼀過性意識消失に⾒える例 下⽔道作業のためマンホールに⼊ったところ、 しばらくして意識を失った 近くにいた他の作業員が外へ連れ出し、 しばらくして意識が回復した →閉所環境での酸素⽋乏が疑われる症例 (可逆性の意識障害で⾒分けにくい例)

  10. 病態⽣理でみる失神 失神を疑ったら、 右図の病態を考える 複数の要素が絡んで 失神することもある ⾎管抑制型 ⼼抑制型 神経反射活動低下 薬 剤 性 ⾃ 律 神 経 失 調 起⽴性低⾎圧 神経調節性失神(反射性失神) 混合型 末 梢 ⾎ 管 抵 抗 低 下 低⾎圧/ 脳低灌流 ⾃律神経の 器質的障害 ⼀次性 ⼆次性 低 ⼼ 拍 出 静脈還流不⾜ 不 整 ⼼ 脈 原 性 ︵ ⼼器 肺 疾質 ⾼ 患的 ⾎ 圧 症 そ ︶ の 他 静脈 プーリング 循環⾎液量 減少 ⼼原性失神 2018欧州⼼臓学会ガイドラインを参考に作成

  11. ⼼原性失神(⼼⾎管性失神) ⼼臓もしくは⼤動脈・肺などに原因がある失神 失神全体でみると、頻度は10%程度 ⽣命予後が悪く1年間の累積死亡率は19〜30% 失神を経験しない⼈と⽐較すると、 死亡ハザード⽐は2倍と報告がある 臥位や運動時の発症、動悸の後に発症、 突然死の家族歴や⼼疾患の既往がある場合には、 積極的に疑う 来院時にも何らかの症状やバイタルサインの 異常があることが多い

  12. ⼼原性失神(⼼⾎管性失神)の原因疾患 ①⼼⾎管・肺疾患 ・左室流出路障害 (⼤動脈弁狭窄症、閉塞性肥⼤型⼼筋症、⼼臓腫瘍など) ・虚⾎性⼼疾患 ・急性⼤動脈解離 ・肺塞栓症、肺⾼⾎圧症 ②不整脈 ・頻脈性 ・徐脈性

  13. 左室流出路障害 ⼤動脈弁狭窄症などの左室流出路狭窄がある場合、 運動、脱⽔、カテコラミン使⽤などによって低⼼拍出となり、 脳の低灌流を引き起こす 以下のような所⾒がないか、問診・診察で確認する ・狭⼼症様の胸痛の既往、肥⼤型⼼筋症の家族歴 ・頸部に放散する収縮期雑⾳(2RSBから3LSBにかけて聴取) ・⼼エコー所⾒ ⼤動脈弁⽯灰化や弁⼝⾯積低下 中隔左室⾯と僧帽弁前尖間の狭窄 左⼼内の腫瘤 ※⼼臓腫瘍の多くは粘液腫で、左房内にできやすく僧帽弁狭窄を来す 便宜上、この分類に⼊れている

  14. 虚⾎性⼼疾患 ⼼筋虚⾎によるポンプ失調や右室障害によるショック、 刺激伝導障害による徐脈や⼼室細動などの頻脈性不整脈により 失神が⽣じる 時には虚⾎性⼼疾患による胸痛そのもので失神を起こす ⽇本では冠攣縮性狭⼼症による失神も多いと考えられている リスクが⾼い患者や胸痛の訴えがある患者では、 ⼼筋逸脱酵素等をチェックする

  15. 急性⼤動脈解離 内頚動脈や椎⾻動脈に解離が及ぶことで脳⾎流が低下する他、 右冠動脈に及んで徐脈性不整脈を起こしたり、⼼タンポナーデ を引き起こしたりして低⼼拍出となる また痛みそのものや反回神経刺激も失神と原因となる 急性⼤動脈解離による⼀過性意識消失の場合、 多くはその後のバイタルサインに異常がみられる 判断に迷う時は、⼤動脈解離診断リスクスコアや D-ダイマーをチェックする

  16. 肺塞栓症・肺⾼⾎圧症 肺塞栓症の患者の17%が失神を伴ったと報告がある バイタルサインが正常な肺塞栓症でも失神がみられ、 ⼼臓内圧の⾼まりによる迷⾛神経刺激が 原因であることが多いと考えられる 肺⾼⾎圧症は慢性疾患であるが、何らかの理由で 肺動脈圧が急上昇すると肺塞栓症と同様の状態となる ⼼エコーで右⼼負荷所⾒がないかをチェックする

  17. 不整脈 不整脈による失神はAdam-Stokes発作と呼ばれる 頻脈または徐脈による低⼼拍出で意識を失うが、 不整脈の軽快とともに脳灌流が回復し失神が成⽴する しかし、不整脈が⾃然軽快しなければ⼼原性ショック、 最終的には⼼停⽌に⾄るため、突然死の予兆とされる 診察時には発作が治まっているため、不整脈の原因や リスクの⾼い⼼電図を⾒極めることが重要

  18. 不整脈の原因 ・虚⾎性⼼疾患 ・⼼筋症 ・変性疾患(筋ジストロフィー、サルコイドーシスなど) ・イオンチャネル異常(Brugada症候群、QT延⻑症候群など) ・電解質異常(⾼・低K⾎症、⾼・低Mg⾎症、低Ca⾎症) ・抗不整脈薬の催不整脈作⽤ ・QT延⻑を引き起こす薬剤(抗不整脈薬除く) ※⾮常に多くの薬剤が挙がるが以下のものは覚えておこう マクロライド系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬、ST合剤 アゾール系抗真菌薬、ハロペリドール、ドロペリドール 三環系抗うつ薬、クエチアピン、ヒドロキシジン、ドンペリドン

  19. 危険な⼼電図 ⼼原性失神として扱う ⼼原性失神を疑う(病歴が⼀致する時) ⼼筋虚⾎を⽰唆する⼼電図変化 WPW症候群 MobitzⅡ型 or Ⅲ度房室ブロック MobitzⅠ型 or Ⅰ度房室ブロックで PR延⻑(>0.3秒) ⼼拍数<40bpmの⼼房細動 QT短縮(QTc<0.340秒) 覚醒時にトレーニングしていない状態で 40bpm未満の洞性徐脈 繰り返す洞房ブロック 3秒以上の洞停⽌ 無症候性の徐脈 または 徐脈性⼼房細動(40〜50bpm) ⼼室頻拍(持続性、⾮持続性問わず) ⼼筋梗塞や⼼筋炎を疑う異常Q波 3枝ブロック、2枝ブロック 交代性脚ブロック ⼼室内変⾏伝導 ペースメーカー、ICD不全 不整脈性右室⼼筋症(ARVC)を⽰唆 Brugada症候群(TypeⅠ型) 発作性上室性頻拍、⼼房細動 QT延⻑(QTc>0.460秒) TypeⅠ型以外のBrugada症候群 2018欧州⼼臓学会ガイドラインを参考に作成

  20. 2枝ブロック、3枝ブロック 完全右脚ブロック+⾼度な左軸偏位もしくは⾼度な右軸偏位 →右脚に加えて左脚前枝もしくは左脚後枝の伝導障害を想定 =2枝ブロック(2束ブロック) 2枝ブロック+PR延⻑もしくは完全左脚ブロック+PR延⻑ →右脚、左脚前枝・後枝の伝導障害を想定 =3枝ブロック(3束ブロック) ともに完全房室ブロックに移⾏する危険性あり!! ※左脚前枝・後枝のブロックも2枝ブロックだが、左脚ブロックと 区別できないので便宜上ここでは触れていない

  21. 2枝ブロックの⼼電図例 Ⅰ V1 失神を繰り返した⾃験例より作成 Ⅱ V2 完全右脚ブロック Ⅲ V3 aVR V4 aVL V5 aVF V6 + 左脚後枝ブロック 完全右脚ブロックの所⾒に Ⅰ・Ⅱで右軸偏位、Ⅰ・aVLがrS型 Ⅱ・Ⅲ・aVFがqR型でⅢのRが⼀番⼤きい という、左脚後枝ブロックの所⾒がある 左脚後枝は左右の冠動脈から栄養を受けるため、 最も障害が起きにくいとされる しかし、左脚後枝ブロックがある時には、 左脚前枝ブロックの2枝ブロックよりも、 完全房室ブロックに移⾏するリスクが⾼い

  22. 神経調節性失神(反射性失神) ⾃律神経の反射が関与する ⾎管迷⾛神経反射 頸動脈洞症候群 状況失神 を総称する概念で、失神の6割を占める さまざまな要因で 交感神経抑制による⾎管拡張 迷⾛神経緊張による徐脈(⼼抑制) が⽣じることの結果として脳の低灌流が起きる

  23. 神経調節性失神(反射性失神) Heart Rhythm Societyの2015年エキスパートコンセンサスで は、 ①30秒以上の起⽴保持や感情的なストレス 疼痛への曝露 ②発汗、ほてり、嘔気、顔⾯蒼⽩ ③低⾎圧と相対的徐脈 ④失神後の倦怠感 を認めるものを、神経調節性失神としている

  24. ⾎管迷⾛神経反射 ⻑時間の⽴位または座位、⾝体的・精神的ストレス、 ⼈ごみや閉鎖空間といった環境要因が誘因となる 体動時に起きることは少なく、同⼀姿勢の保持で起きやすい ⼀般的には予後良好であるが、 ⾝体的ストレスが痛みである場合は要注意! ⾎管病変(急性冠症候群や⼤動脈解離など)が 隠れている可能性がある

  25. 頸動脈洞症候群 頸部が圧迫され、頸動脈洞の圧受容体が刺激されて 迷⾛神経が過剰に興奮して⼼抑制が起こることで失神する 動脈硬化性病変を有する中⾼年の男性に多い 神経調節性失神の中では頻度は少ないが 着替えや運転中、荷物の上げ下ろしなどで頸部の回旋・伸展 ネクタイ締めや髭剃りによる頸部の圧迫 といった⾏動が失神前にある時には疑う

  26. 状況失神 ある特定の状況や⽇常動作で誘発される失神 ⾎管迷⾛神経反射が若年者に多いのに対して、 状況失神は中⾼年から⾼齢者に多い 排尿、排便、咳嗽、嚥下時などに起こる その他、⾦管楽器の吹奏やウェイトリフティングでも起こる 飲酒との関連も強い(居酒屋のトイレで失神はよくある) 嚥下性失神は固形物や炭酸飲料が誘因になることが多い 中⾼年や⾼齢者に多いことから、 背景に重篤な疾患が隠れていないか気をつける

  27. ⼼抑制型と⾎管抑制型 神経調節性失神は⼼抑制型・混合型・⾎管抑制型に分類される tilt試験の結果による分類のため、ERでは分類できない ⼼抑制型の神経調節性失神はペースメーカー適応のため、 繰り返す神経調節性失神はtilt試験やホルター⼼電図などを フォローできる専⾨医に必ず紹介しよう! tilt試験:約5〜20分以上の安静の後、 tiltテーブルを⽤いて60〜70度に体を起こす その後20分間の⾎⾏動態をモニタリングし、 失神が誘発されなければ薬物負荷を⾏う試験 ※決まったプロトコルはなく、⽇本循環器学会ガイドラインを参考

  28. 参考)tilt試験 頸髄損傷患者、 tilt試験を⾏っている様⼦ ⾎圧計、⼼電図をつけて、 ⾎圧や⼼拍数の変化を モニタリングする ※患者の了解を得て、 撮影および掲載

  29. 参考)⼼抑制型と⾎管抑制型の定義 Type1:混合型 ・⼼拍数は増加した後減少するが40bpm以下にはならないか、 40bpm以下でも10秒未満あるいは⼼停⽌3秒未満 ・⾎圧は上昇した後,⼼拍数が減少する前に低下 Type2:⼼抑制型 ・⼼拍数は増加した後減少し、40bpm以下が10秒以上 あるいは⼼停⽌3秒以上 ・2A : ⾎圧は上昇した後、⼼拍が低下する前に低下 ・2B : ⾎圧は⼼停⽌時あるいは直後に80mmHg 以下に低下 Type3:⾎管抑制型 ・⼼拍は増加した後不変のまま⾎圧低下 ・⼼拍は低下しても10%未満

  30. 起⽴性低⾎圧 仰臥位または座位から⽴位になったときや⻑時間⽴位で ⾎圧が保てず失神するものを起⽴性低⾎圧という 多くは起⽴直後に起こるが、10分以上かかるものもある 仰臥位から⽴位に体位変換すると、⼼臓への静脈還流が 約30%低下し、その結果⼼拍出量が低下する 健常者ではこの時に圧受容体反射系が機能して、 ⾎圧を維持しているため失神が起こらないが、 ⾃律神経の異常や循環⾎液量減少がある場合に、 ⾼度な低⾎圧をきたして失神にいたる

  31. 起⽴性低⾎圧の原因 1.薬剤 2.循環⾎液量減少 急性出⾎(消化管など)、嘔吐・下痢、脱⽔ 3.⾃律神経機能異常 中枢神経疾患、各種ニューロパチー 4.⼼不全 5.副腎不全

  32. 起⽴性低⾎圧の原因となる薬剤 ・⾎管拡張薬 (Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、硝酸薬など) ・α1ブロッカー ・βブロッカー ・中枢性α2刺激薬 ・ドーパミン遮断薬(抗精神病薬) ・抗パーキンソン病薬(レボドパなど) ・抗うつ薬(三環系抗うつ薬、SSRIなど) ・利尿薬(ループ系、サイアザイド系) ・SGLT2阻害薬(浸透圧利尿を引き起こす)

  33. ⾃律神経機能異常を起こす疾患 ・中枢神経疾患 ・ニューロパチー パーキンソン病 ギラン・バレー症候群 Lewy⼩体型認知症 糖尿病性ニューロパチー 多系統萎縮症(Shy-Drager症候群) アミロイドニューロパチー 純粋⾃律神経不全症 傍腫瘍性神経症候群 多発性硬化症 ビタミン⽋乏性ニューロパチー Wernicke脳症 尿毒症性ニューロパチー 中毒性ニューロパチー 膠原病性ニューロパチー 私⾒だが、ERを受診した起⽴性低⾎圧疑いの⾼齢患者で 後にパーキンソン病もしくはパーキンソン症候群と 診断される例が少なくない(加齢と勘違いされている) 錐体外路症状がないか確認しておこう

  34. Take Home Message ①危険な⼼電図と左室流出路障害を⾒逃すな! ②繰り返す起⽴性低⾎圧は、背景にある脳神経疾患を疑え! Prat.2マネジメント編へ続く

  35. 参考⽂献 ・2018 Guidelines for the diagnosis and management of syncope(European Society of Cardiology) ・2017 ACC/AHA/HRS Guideline for the Evaluation and Management of Patients With Syncope ・⽇本循環器学会2012年版失神の診断・治療ガイドライン ・2015 Heart Rhythm Society Expert Consensus Statement on the Diagnosis and Treatment of Postural Tachycardia Syndrome, Inappropriate Sinus Tachycardia, and Vasovagal

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