#4.
社会の高齢化とともに心疾患は急増 40万 30万 20万 10万 新規発症の心不全患者数 (≧65歳) の推計 Shimokawa H, et al. Eur J Heart Fail 2015; 17:884-892 *65歳以上の1,000人に10人が心不全を新規 発症したという米国のデータに基づいて作成 罹患者数は全国で約120万人、 2030 年には130 万人に達すると推計 健康ハートの日2025
#5.
介護の要因 2.2 2 2.7 2.9 心臓 循環器疾患 21.2% 認知症 関節疾患 パーキンソン病 脊髄損傷 11.6 16.6 認知症 3.5 5.1 骨折 13.9 衰弱 16.1 脳血管 関節 13.2 10.2 骨折・転倒 脳血管疾患(脳卒中) 糖尿病 呼吸器疾患 老齢症候群 53.9% 高齢による衰弱 心疾患 がん その他 2022年 国民生活基礎調査の概況から作図 健康ハートの日2025
#6.
心不全は日々の生活で4回予防する 1. 高血圧 運動・減塩・睡眠・治療 2. 冠動脈疾患(狭心症など) 治療 3. 肥満・糖尿病 運動・食事療法 4. 喫煙 禁煙 5. アルコール 習慣の改善 6. 身体活動・運動 運動習慣の改善 7. その他: ・薬物療法+在宅支援 ・感染症予防とワクチン接種 (インフルエンザ、肺炎球菌) 心筋梗塞や弁膜症、不整脈の治療を ★生活習慣の改善 (0次予防) ★心臓病にならない(1次予防) ★1回目の心不全を起こさない (2次予防) ★2度と心不全を繰り返さない (3次予防) 健康ハートの日2025
#7.
心不全再入院の原因 心不全(再)入院を減らすには、 毎日の生活のちょっとした注意! 塩分を控える 水分を摂り過ぎない 疲れをためない 確実に薬を飲む 健康ハートの日2025
#8.
健康ハートの日2025
#9.
はじめに: なぜ今、女性の心臓病なのか? • 女性の心臓病は長らく見過ごされてきた • 研究・治療は男性中心に構築 • 女性のリスク認識と予防意識が低い • 心臓病は女性の最大の死因であるにもかかわらず、リス ク因子の理解は半数未満 2004年、アメリカでGo Red運動が開始され 社会の行動変容を後押し 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#10.
はじめに: なぜ今、女性の心臓病なのか? • 女性と心臓病の課題 • 心臓病は女性の最大の死因 • 男性中心の医療が女性を見過ごしてきた • 女性特有の症状・疾患が十分に理解されていない • 予防可能な病気であることの認識が不足 • 生活習慣改善と医療者の意識改革が鍵 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#11.
はじめに: なぜ今、女性の心臓病なのか? 歴史的背景(アメリカ) • 過去には、心臓病、特に冠動脈疾患は、男性の病気 と見なされ、女性は診療スペクトルの大部分で無視さ れてきた。 • 1990年代まで、「女性の健康」といえば、乳房や生殖 器系に限定された「ビキニ医療」が主流であった。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#12.
Go Red! 女性のための循環器病予防・啓発活動 2月の第1金曜日に 「National Wear Red Day(赤をまとい女性の心臓病を 考える日)」を制定。 200万人以上の女性が心臓病リスクを知る機会 2023年 AHAと協定を締結→Go Red活動を始動 2024年 2月に啓発イベントを実施 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#13.
Go Red! 女性のための循環器病予防・啓発活動 2月の第1金曜日に 「National Wear Red Day(赤をまとい女性の心臓病を 考える日)」を制定。 200万人以上の女性が心臓病リスクを知る機会 2023年 AHAと協定を締結→Go Red活動を始動 2024年 2月に啓発イベントを実施 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#14.
疫学データ(アメリカ 2000年~2020年) 心臓病(HD)の死亡率は、過去20年間で全体的に減少傾向 (343.5/100,000人→215.1/100,000人) 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#15.
Go Red 日本
#16.
東京会場 大阪会場
#17.
#18.
日本:男女で死亡原因が異なる傾向(2023年) 男性 女性 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位 死因 悪性新生物(がん) 心疾患 老衰 脳血管疾患 肺炎 死亡数 221,358人 113,071人 53,259人 51,675人 43,551人 構成割合 27.6% 14.1% 6.6% 6.4% 5.4% 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位 死因 悪性新生物(がん) 老衰 心疾患 脳血管疾患 肺炎 死亡数 161,134人 136,653人 117,985人 52,843人 32,198人 構成割合 20.8% 17.7% 15.3% 6.8% 4.2% 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#19.
循環器疾患による死亡、20年でどう変わった? -2023年と2003年の比較全体の死因に占める割合(男女計) 2003年: 心疾患: 15.7%(死因第2位) 脳血管疾患: 13.0%(死因第3位) 合計: 28.7% 2023年: 心疾患: 14.7%(死因第2位) 脳血管疾患: 6.6% (死因第4位) 合計: 21.3% 脳血管疾患の著しい 低下 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#20.
男女別心疾患死亡者数(2003年・2023年) 35000 30000 死亡数(人) 25000 20000 15000 10000 5000 0 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#21.
男女共通する心疾患のリスク要因 若年成人期(Young Adulthood) - うつ病 - 初潮の早期発現 - 多嚢胞性卵巣症候 群(PCOS) - 全身性エリテマトー デス(SLE) - 関節リウマチ 妊娠可能年齢 (Chidbearing age) 妊娠に関連する不良な 結果 妊娠高血圧症 妊娠糖尿病 早産 妊娠週数に対して大き い/小さい胎児 胎盤早期剥離 妊娠喪失(流産など) 不妊症または体外受精 晩年(Late Adulthood) 卵巣機能不全の早 期発現 早期閉経 心血管疾患(CVD) のリスク要因 糖尿病 高血圧 高脂血症 喫煙 心血管疾患の家族歴 “Update on sex specific risk factors in cardiovascular disease” Frontiers in Cardiovascular Medicine 2024 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#22.
女性はライフタイムを通じて異なったリスク 若年成人期(Young Adulthood) - うつ病 - 初潮の早期発現 - 多嚢胞性卵巣症候 群(PCOS) - 全身性エリテマトー デス(SLE) - 関節リウマチ 妊娠可能年齢 (Chidbearing age) 妊娠合併症 妊娠高血圧症 妊娠糖尿病 早産 妊娠週数に対して大き い/小さい胎児 胎盤早期剥離 妊娠喪失(流産など) 不妊症または体外受精 晩年(Late Adulthood) 卵巣機能不全の早 期発現 早期閉経 妊娠合併症とCVDには関連がある リスク因子に関する教育と認識の向上は、患 者本人の積極的な関与を促進し、服薬コンプ ライアンスを改善する 臨床医には産科・婦人科病歴聴取の教育を 学会で女性特異的リスク因子の議論を深め、 包括的ケアを推進 「第4の妊娠期」概念により、産後の継続的ケ アが重要 女性特異的質問票は早期認識と予防的介入 に有効なツール “Update on sex specific risk factors in cardiovascular disease” Frontiers in Cardiovascular Medicine 2024 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#23.
男女による心血管疾患の特徴 若年期 • 喫煙は若年心筋梗塞発症の強いリスク因子。特に女性において禁煙 指導が重要。 • 若年心筋梗塞のリスク因子には男女差があり、男性は喫煙、脂質異 常症、肥満が多いのに対し、女性は糖尿病、高血圧が多い。 更年期・高齢期 • 女性の高血圧有病者数は、閉経後に急速に増加する。 • 高齢者の循環器診療では、全般的な臓器機能の低下を考慮した包括 的アプローチが必要であり、フレイル(身体的、精神・心理的)の評価 も予後予測に重要である。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#24.
男女による心血管疾患の特徴 妊娠・出産期 • 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの産科合併症を発症した女 性は、周産期だけでなく産後の長期経過でも高血圧、冠動脈疾患 、脳卒中、。 • 高血圧合併妊娠の妊婦は、血圧が140/90 mmHg以上であれば降 圧治療を開始することが強く推奨される。 • 虚血性心疾患の既往がある妊婦に対しては、専門家が協議のうえ 慎重にスタチン投与を検討する。重症の家族性高コレステロール 血症(FH)患者に対してはLDLアフェレシスが安全に行える。 • 妊娠・分娩に伴う脳卒中の発症率は若年成人の約3倍であり、出 血性脳卒中が最も多く、妊娠高血圧症候群やHELLP症候群など妊 娠特有のリスクが関与する。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#25.
日本:男女で心血管疾患のリスクが異なる 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#26.
日本:男女で心血管疾患の発症年齢が異なる 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#27.
日本:男女で心血管疾患のリスクが異なる 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#28.
心房細動の病態生理における性差 "Unravelling Sex Disparities in the Pathophysiologyof Atrial Fibrillation: Review of the Current Evidence“ Journal of Cardiovascular Electrophysiology 2025 女性は、 • 右心房容積が小さい → 電気伝導のパターンに影響を与える • P波の分散および持続時間の延長 → 心房内・心房間の伝導時間のばらつき →心房細動などの不整脈リスクが高まる • 特異な心房線維化パターン → 心房の電気的不均一性 →再入回路形成 • 心房に対するホルモンの異なる影響 → 心房の構造・電気活動に違いが生じる 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#29.
男女差にみる心血管疾患の特徴 虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など) • 心筋梗塞後の心破裂や出血性合併症の発生率が女性で高い。 • 心臓リハビリテーションの予防効果は女性でより大きいとされる一 方、参加率は女性の方が低い。 • MINOCA/INOCA(非閉塞性冠動脈疾患を伴う心筋梗塞/虚血)の 発症率は女性で高い。 心不全 女性は男性と比べ、心臓の収縮力が保たれた心不全(HFpEF)の発 症率が高い。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#30.
男女差にみる心血管疾患の特徴 • ‘たこつぼ型心筋症は閉経後の女性に圧倒的に多く発症し、精 神的・身体的ストレスが誘因となる。一方で、男性のたこつぼ型 心筋症は急性期合併症の発症率や死亡率が高いため、より慎 重な管理が必要となる。 • 周産期心筋症(妊娠中から産後6カ月以内に発症)は女性特有 の心筋症である。 弁膜症 僧帽弁逸脱症やリウマチ性心疾患による僧帽弁疾患は女性に多 い。 大動脈弁狭窄症は男性に多いが、80歳以上では女性の割合が 70%を占める。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#31.
男女差にみる心血管疾患の特徴 肺高血圧症 • 特発性肺動脈性肺高血圧症や結合組織病に伴う肺動脈性肺 高血圧症は女性に多い。 • 慢性血栓塞栓性肺高血圧症も、日本では女性の割合が大きい (約70%)。 不整脈 • 心房細動の女性患者は、男性患者と比べると高齢で、合併症 が多く、脳卒中や死亡のリスクが高い傾向にある。自覚症状も 非定型的で重篤な場合が多い。 • Brugada症候群は男性に多いが、女性の不整脈リスクは男性よ りも低い可能性がある。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#32.
男女差にみる心血管疾患の特徴 脳卒中 • 生涯の脳卒中リスクは女性の方が男性よりもやや高い。 • 女性はくも膜下出血の発症率が高く、男性は脳梗塞や脳出血 の発症率が高い。 • 女性は脳卒中発症時に寡婦や未婚で一人暮らしが多いなど社 会的背景も重要で、日常生活動作(ADL)に大きな障害を抱え ることが多い。 • 女性は頭痛、疲労、認知機能の変化など非典型的な症状を呈 しやすいため、診断・治療の遅れにつながる可能性がある。 • 脳卒中後の死亡率、QOL、うつ病、活動制限などにおいて女性 は男性よりも転帰が不良である。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#33.
男女差にみる心血管疾患の特徴 高血圧 • 有病率は74歳以下は男性が高く、75歳以上では男女でほぼ同じに なる。 • 女性の降圧目標達成率は男性より高いが、更年期や閉経、妊娠 などライフステージに応じた治療配慮が必要。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#34.
男女差にみる心血管疾患の特徴 薬物療法 • 多くの循環器治療薬において、女性は男性に比べ薬剤血中濃度 が上昇しやすいことから、至適用量や副作用出現用量が男女で異 なる場合がある。 • ACE阻害薬やARBは女性で血管性浮腫や咳嗽のリスクが2倍以上 出現しやすいが、低用量から有効性が期待できる可能性がある。 • β遮断薬も女性で低用量から有効性が期待できる可能性がある。 • DOAC(直接経口抗凝固薬)は、脳卒中や全身塞栓症のリスクは女 性で高い一方で、大出血のリスクは男性より低いと示唆されている 。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#35.
男女差にみる心血管疾患の特徴 • 心臓リハビリテーションは女性の心不全患者で男性と同等または それ以上の運動耐容能や予後改善効果が期待できるが、参加率 が低いため、女性に合わせた疾患教育、カウンセリング、参加しや すい環境の工夫、在宅心リハの推進などが重要である。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#36.
男女差にみる心血管疾患の特徴 • TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)によるイベント抑制効果は 男女で同等だが、女性は出血性合併症が多いため、術後の診療 で性差を考慮すべきである。 • 僧帽弁閉鎖不全症に対する外科的治療では、女性で死亡率や再 手術の危険性が高いとの報告があるが、これは術式選択の偏りや 特有の術前状態が影響している可能性があり、さらなる検討が必 要である。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#37.
男女差にみる心血管疾患の特徴 診断の課題 • 女性の心筋梗塞診断において、非典型的な症状(心臓破裂、出血性 合併症など)の頻度が高い。 • 心室中隔の厚み、診断までの生存期間が長い。 • 冠動脈石灰化スコアや冠血流予備量比の基準値にも性差が認めら れるが、介入カットオフ値についてはさらなる検討が必要。 • 末梢動脈疾患の診断に用いられる足関節上腕血圧比(ABI)は、女性 で男性に比べて低く、診断力や予後予測能が男性と比較して劣るた め、性差を考慮する必要がある。 • 妊娠中の深部静脈血栓症(DVT)診断におけるD-dimerのカットオフ値 も、妊婦特有の生理的変化により通常の基準値では評価が困難であ り、性別独自のカットオフ値は推奨されない。 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#38.
国際的な取り組み:Global Heart Hub 2024年、女性の心臓病のスクリーニング、診断、治療改善の ための提言を制定 Global Heart Hub(GHH)は、心血管疾患(CVD)を患う、または影響を 受ける人々の声を届けることを目的とした、世界初の非営利の心疾患 の患者団体および患者擁護団体の連合体。 主な活動: • 心疾患に対する認識と理解を高めること • ベストプラクティスと治療ガイドラインを共有すること • 患者の声を高めること • ネットワークを通じて、政策と実践に具体的な変化をもたらすこと 心臓弁膜症ネットワーク 健康ハートの日2025
#39.
https://globalhearthub.org/の情報を基にGeminiとNotebookLMで作成
#40.
#41.
「すべての女性が診断を受け、質の高い治療を受けられるよう にするための緊急な世界的行動が必要である」 女性がCVDのリスク要因や症状、そして月経、妊娠、閉経といっ たライフステージが心血管の健康にどのように影響するかにつ いて、正確な理解を深めることを目的としています。