テキスト全文
医療スライドデザイン部の紹介と目的
#2. こんにちは、京都大学精神医学教室の小林と申します
#3. 「医療スライドデザイン部」というサイトを運営し、
医療スライドのデザインについて、日々考えています
スライド作成の出張編について
#4. 今回はAntaa出張編として、「スライドを作る」から スライドを作る 出張編
#5. 「スライドをデザインする」にアップグレード
する方法についてお話します スライドを
デザインする 出張編
認知機能とスライドデザインの基本
#6. デザインとひと口に言ってもその範囲は
とても広いので デザイン?
#7. 主に認知機能×デザインに着目し、伝わりやすく
きれいなスライド作りを考えましょう 認知機能 スライド
デザイン
#8. まずは基本中の基本、スライドのメッセージについて メッセージ
を考える 1
#9. これは今思いついたキャッチコピーですが、
プレゼンテーションで情報を伝えるためには スライドとは、
認知と理解の
連続である。
#10. 観客の「見る(+聞く)」と「理解する」を
繰り返す必要があります
拡散テンソルトラクトグラフィーの概要と応用
#11. 拡散テンソルトラクトグラフィーとは 拡散テンソルトラクトグラフィー
Diffusion Tensor Tractography
磁気共鳴画像法のひとつである
拡散強調画像を用い、繊維に
沿った水分子の異方性拡散を利用
したFA画像により神経白質繊維
を可視化する。
神経線維路の位置関係を把握
することで、脳神経外科手術の
ナビゲーションなどに応用され
ている。 Brainsuite
http://brainsuite.org/processing/diffusion/ 等方性
拡散 異方性
拡散 たとえばこういうスライド、情報量が多く
「拡散なんとかは難しいものだ」という印象しか与えません
#13. 拡散テンソルトラクトグラフィーとは 拡散テンソルトラクトグラフィー
Diffusion Tensor Tractography
磁気共鳴画像法のひとつである
拡散強調画像を用い、繊維に
沿った水分子の異方性拡散を利用
したFA画像により神経白質繊維
を可視化する。
神経線維路の位置関係を把握
することで、脳神経外科手術の
ナビゲーションなどに応用され
ている。 Brainsuite
http://brainsuite.org/processing/diffusion/ 等方性
拡散 異方性
拡散 なにがちがうのでしょうか?
このスライドに含まれた情報を抜き出してみましょう
#14. これだけの情報がほぼ並列に記されて
いたことがわかります。多いですね 拡散テンソルトラクトグラフィーとは
拡散テンソルトラクトグラフィー
Diffusion Tensor Tractography
磁気共鳴画像法のひとつ
線維に沿った水分子の異方性拡散
FA画像
神経白質繊維を可視化
神経線維の位置関係を把握
脳神経外科手術のナビゲーション 神経線維の画像
等方性拡散の画像
異方性拡散の画像
MRIの画像
#15. まずは一番伝えたい情報「○○は○○である」
を絞りこみます。これがメッセージです 拡散テンソルトラクトグラフィーとは
拡散テンソルトラクトグラフィー
Diffusion Tensor Tractography
磁気共鳴画像法のひとつ
線維に沿った水分子の異方性拡散
FA画像
神経白質繊維を可視化
神経線維の位置関係を把握
脳神経外科手術のナビゲーション 神経線維の画像
等方性拡散の画像
異方性拡散の画像
MRIの画像
#16. メッセージだけだと寂しければ
少し情報を足してもいいでしょう 拡散テンソルトラクトグラフィーとは
拡散テンソルトラクトグラフィー
Diffusion Tensor Tractography
磁気共鳴画像法のひとつ
線維に沿った水分子の異方性拡散
FA画像
神経白質繊維を可視化
神経線維の位置関係を把握
脳神経外科手術のナビゲーション 神経線維の画像
等方性拡散の画像
異方性拡散の画像
MRIの画像
スライドデザインにおける情報の引き算
#18. デザインでは、引き算の発想が大切です スライド作り 足し算 スライドデザイン 引き算
#20. 余分な情報を徹底的に減らし、本当に伝えたい
情報がなにかを考えます。これがメッセージです。 メッセージ!
伝わりやすいスライドのための情報提示
#21. さらに少しだけ情報を足すことで、
伝わりやすくきれいなスライドデザインになります メッセージ! 適度な
情報量
#22. また、一度に大量の情報を提示すると
お互いに注意や記憶の妨げになります New! 32 あ
#23. ここになにがあったか覚えていますか? New! 32 あ ?
#24. 伝えたい情報のみをシンプルに提示することで
「わかった」という実感をより強めることができるのです メガネ!
アイコン化の重要性と効果
#25. つづいて、アイコン化について アイコン化 2
#26. アイコン化とは、テキストで示すよりも きれいな花束
#27. 絵や写真で示した方が印象が強くなるというお話です
#28. たとえばこういうスライド。典型的な
箇条書きで文字だらけのスライドですね 糖尿病の合併症 糖尿病腎症
糖尿病網膜症
末梢神経障害 高血糖で腎臓の毛細血管が蝕まれる。自覚症状は乏しく、タンパク尿や
血清クレアチニンでフォローする必要がある。進行すると透析に至る。 高血糖で網膜の毛細血管が蝕まれる。自覚症状は乏しく、進行すると
失明に至る。 高血糖により手足の神経が障害され、足の裏や手の指に痛みやしびれなどの
感覚異常が現れる。
#29. これをこうして 糖尿病の合併症 糖尿病
腎症 糖尿病
網膜症 末梢神経
障害
#30. こうすることで、随分と印象が変わります 糖尿病の合併症 糖尿病
腎症 高血糖により腎臓の毛細血管が蝕まれる
自覚症状は乏しく、定期的に尿検査や
血液検査でフォローする必要がある
進行すると透析に至る
記憶に残るスライド作成のための工夫
#31. 人間の記憶は、関連づけることで
とどまりやすくなる性質があります 794 なくよ うぐいす 平安京
#32. このスライドの場合、情報の重みがほぼ並列のため
関連づけが難しく記憶に残りません 糖尿病の合併症 糖尿病腎症
糖尿病網膜症
末梢神経障害 高血糖で腎臓の毛細血管が蝕まれる。自覚症状は乏しく、タンパク尿や
血清クレアチニンでフォローする必要がある。進行すると透析に至る。 高血糖で網膜の毛細血管が蝕まれる。自覚症状は乏しく、進行すると
失明に至る。 高血糖により手足の神経が障害され、足の裏や手の指に痛みやしびれなどの
感覚異常が現れる。
#33. アイコンを使うことで「糖尿病は腎臓、目、足に関係する」
ということを印象付け 糖尿病の合併症 糖尿病
腎症 糖尿病
網膜症 末梢神経
障害
#34. さらに「腎臓にまつわる話だな」と誘導されることで
記憶の関連づけがしやすくなります 糖尿病の合併症 糖尿病
腎症 高血糖により腎臓の毛細血管が蝕まれる
自覚症状は乏しく、定期的に尿検査や
血液検査でフォローする必要がある
進行すると透析に至る
#35. ただこのスライドは「糖尿病で腎臓が障害される」が
メッセージなので、それだけが伝われば十分です 糖尿病の合併症 糖尿病
腎症 高血糖により腎臓の毛細血管が蝕まれる
自覚症状は乏しく、定期的に尿検査や
血液検査でフォローする必要がある
進行すると透析に至る これがメッセージ
アイコンの選び方と印象付けのテクニック
#36. このようなアイコンはインターネットで簡単に手に入りますが 糖尿病の合併症 糖尿病
腎症 糖尿病
網膜症 末梢神経
障害
#37. 写真や絵柄がバラバラなものをつかうと
なんとも粗末な印象を与えてしまいます 糖尿病の合併症 糖尿病
腎症 糖尿病
網膜症 末梢神経
障害
#39. 画像をつかうことで、注意を引きつけ、印象をつけ
記憶に残す、という流れを意識しましょう 注意 印象 記憶
本日のまとめと今後の展望
#40. 本日のおさらい。メッセージを考える、デザインは
引き算、アイコン化で印象づける、以上です! メッセージを考える! デザインは引き算! アイコン化で印象づけ!
#41. ご意見、ご質問なんでもお寄せください。
今後ともよろしくお願いします。 最後までご覧いただきありがとうございます