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乳酸アシドーシスを予防するために〜Lactateを始めからていねいに〜後編

  • 内科

  • 救急科

  • 小児科

  • β2アゴニスト
  • チアミン
  • ジクロロアセテート

4,172

48

2022/11/18
2022/11/18 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

内容

乳酸アシドーシスを予防するためには、乳酸の発生機序、上昇原因、予防方法の理解が重要です。正しい解釈は適切なケアや治療に繋がります。後編では外傷患者、薬剤の影響、乳酸上昇検索フローチャートについて解説します。

前編はこちら→ https://slide.antaa.jp/article/view/88ddf1aa8bfc4841

◎目次

・外傷患者について

・痙攣重積の影響

・チアミン欠乏の影響

・乳酸値を上昇させる薬剤

・アセトアミノフェンの影響

・β2アゴニストの影響

・一酸化炭素とシアンの影響

・エタノールの影響

・メトホルミンの影響

・予後評価と乳酸クリアランス

・乳酸上昇検索フローチャート

・乳酸上昇時、モニタリング項目

・対応:ジクロロアセテート

・Take home message

参考文献

  • J Trauma. 1999;46:873-880.

  • J Trauma. 2000;48:8-14; discussion 14-15.

  • Postgrad Med J. 1989;65:321-322.

  • Epilepsy Behav. 2017;75:13-17.

  • Am J Clin Pathol.

  • Chest. 2017;151:1229-1238.

  • Crit Care Med. 2018;46:1747-1752.

  • Acad Emerg Med. 1996;3:730-734.

  • Eur J Emerg Med. 2007;14:56-58.

  • Pediatr Crit Care Med 2012; 13:28–31

  • Hum Exp Toxicol. 2015;34:324-329.

  • J N Engl J Med. 1991;325:1761-1766.

  • J Intensive Care. 2017;5:43.

  • Crit Care. 2010;14:R25.

  • N Engl J Med. 1992;327(22):1564-1569.

masa1019@救急科、内科

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乳酸アシドーシスを予防するために〜Lactateを始めからていねいに〜後編

  1. 乳酸アシドーシスを予防するために 〜Lactateを始めからていねいに〜 後編 masa1019@救急科集中治療、内科

  2. ⽬次 〜後編〜 • 外傷患者について • エタノールの影響 • 痙攣重積の影響 • メトホルミンの影響 • チアミン⽋乏の影響 • 予後評価と乳酸クリアランス • 乳酸値を上昇させる薬剤 • 乳酸上昇検索フローチャート • アセトアミノフェンの影響 • 乳酸上昇時、モニタリング項⽬ • β2アゴニストの影響 • 対応︓ジクロロアセテート • ⼀酸化炭素とシアンの影響 • Take home message

  3. 本スライドの要点 ① 乳酸の発⽣機序︓ 好気性代謝でも産⽣され、主に肝臓で代謝される ② 乳酸アシドーシスになる前にできること︓ Lactate(乳酸)上昇はどのような状態においても重症である認識 をし、原因検索を⾏うべし ③ 乳酸上昇の原因︓ 原因検索は組織灌流が⼗分か否かでアプローチし、不⼗分な場合は 酸素需要バランスを改善させる

  4. 外傷患者について • Lactate上昇の原因︓⾎管損傷による局所低灌流+解糖亢進 J Trauma. 1999;46:873-880. • 外傷患者において乳酸が除去されない場合 初期のバイタルサインにかかわらず、死亡率、⼊院期間、ICU滞在期 間の強⼒な独⽴した予測因⼦であり、感染症発症の危険因⼦である J Trauma. 2000;48:8-14; discussion 14-15. 『外傷+Lactate↑=重症』という認識を

  5. 痙攣重積の影響 • 局所的な筋組織の低酸素⇛嫌気性代謝の結果 Postgrad Med J. 1989;65:321-322. • 発作のみを原因とする⾼乳酸⾎症の患者は、 発作消失後1〜2時間以内に速やかに正常値に戻る Epilepsy Behav. 2017;75:13-17. • 極度の労作や興奮状態にある患者(特に⾝体拘束を受けている 場合)、同様のメカニズムで⾼乳酸⾎症を発症する Am J Clin Pathol. 2008;129:948-951.

  6. チアミン⽋乏の影響 • チアミン⽋乏⇛ピルビン酸がTCAサイクルに ⼊れない⇛嫌気性代謝亢進⇛乳酸値が上昇 • 敗⾎症患者にチアミンを静脈内投与すると、 乳酸クリアランスが速くなり、死亡率が低下 することが⽰された。 (特にチアミン⽋乏やアルコール関連障害) Chest. 2017;151:1229-1238. Crit Care Med. 2018;46:1747-1752. ❌

  7. 乳酸値上昇させる薬剤 アブリン リチン アセトアミノフェン アジ化ナトリウム アルブタノール フルオロ酢酸ナトリウム ⼀酸化炭素 ニトロプルシドナトリウム シアン化物 ストリキニーネ エタノール 交感神経刺激薬(アンフェタミン、コカイン) メトホルミン テオフィリン ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤 バルプロ酸ナトリウム プロポフォール 有毒なアルコール

  8. アセトアミノフェンの影響 〜動物モデル〜 ① アセトアミノフェンを⼤量に摂取すると、ミトコンドリアの 電⼦伝達系が直接阻害される ② その後、N-アセチル-プベンゾキノン-イミン(肝障害に関連 する毒性代謝物)の⽣成が増加 ③ 細胞内での酸素利⽤が障害される ④ 乳酸値の上昇が起こる

  9. β2アゴニストの影響 • 完全な有酸素状態であっても、主に解糖の促進によって乳酸値 の上昇を引き起こす Acad Emerg Med. 1996;3:730-734. • アルブテロール吸⼊による乳酸値上昇は、 通常治療終了後すぐに解消される Eur J Emerg Med. 2007;14:56-58.

  10. ⼩児における重症喘息の乳酸アシドーシス機序 Pediatr Crit Care Med 2012; 13:28–31 • デザイン︓前向き観察研究 • 設定︓3次医療機関の⼩児病院 • 対象︓2008年5⽉1⽇から2009年11⽉30 ⽇までに⼩児集中治療室に⼊院した急性重 症喘息患者(105名) • 介⼊︓すべての⾎液ガスを測定。乳酸/ピル ビン酸⽐>25︓1はA型乳酸アシドーシスを ⽰した。 • 結果︓16名の患者について乳酸/ピルビ ン酸⽐が得られた。乳酸/ピルビン酸⽐ 10<︓3名,10〜25︓11名,25>︓1名 • 結論︓通常の酸素供給が⾏われている場 合に発⽣する乳酸アシドーシスは主に タイプBである タイプA︓酸素需給バランスの崩壊 タイプB︓酸素利⽤障害 喘息患者の乳酸上昇は、βアゴニストが原因の可能性

  11. ⼀酸化炭素とシアンの影響 • ⼀酸化炭素は、ヘモグロビンと可逆的に結合 • 酸素の約200〜300倍の親和性を持つため、動脈の酸素供給量が減少し嫌気 性代謝の結果、乳酸が上昇する • シアン化合物の毒性は、煙を吸った後に⼀酸化炭素中毒を併発した場合に 最もよく観察される Hum Exp Toxicol. 2015;34:324-329. • 煙➕乳酸10mmol/L以上 ⇛シアン化物中毒を併発している可能性が⾼い J N Engl J Med. 1991;325:1761-1766.

  12. エタノールの影響 • エタノールの急性中毒 ⇛ NADH/NAD+の⽐率が上昇 ⇛ 乳酸値が上昇 • 肝機能障害、腎機能障害、チアミン ⽋乏症などの併存疾患がある場合も、 乳酸値の上昇に繋がる

  13. メトホルミンの影響 • 末梢でのグルコース取り込み増加 • 糖新⽣を阻害 ⇛ NAD+の利⽤可能性を低下 ⇛ 乳酸からピルビン酸への変換減少 ❌

  14. 予後評価と乳酸クリアランス • 乳酸値の上昇や乳酸のクリアランスができないことは、多くの 病態、特に敗⾎症、外傷、出⾎、ショック、⼼停⽌などにおい て予後の悪化と関連している J Intensive Care. 2017;5:43. • 敗⾎症性ショックにおける乳酸濃度の上昇は、明らかなショッ クの兆候がなくても、院内死亡率の上昇と関連している Crit Care. 2010;14:R25. ⾎圧関係なく 『Lactate↑=重症』という認識を

  15. 乳酸値上昇 乳酸上昇検索 検査orサンプルエラー? フローチャート ショックと低潅流 の可能性は? 蘇⽣と必要なら 他科コンサルト その他原因は? 蘇⽣、リスク層別、予後の判断材 料としてのトレンド 薬歴、暴露歴を⾒直す 乳酸過剰産⽣? クリアランス低下?両⽅? 蘇⽣が有効かどうか評価し、経過観察・原因物質 の中⽌・チアミン投与後の乳酸値を再測定する

  16. 乳酸上昇時、モニタリング項⽬ 測定項⽬ 治療⽬標 MAP(平均動脈⾎圧) HR CVP PCWP(肺動脈楔⼊圧) 尿量 Hb 65-70 mmHg < 100 beats/min 8-12 mmHg 12-15 mmHg(⼈⼯呼吸器中) > 0.5 ml/kg/hr > 7 g/dl 重症⼼⾎管既往の場合 10 g/dl ≧ 93 % ≧ 70 % > 7.2 < 1 or 2 mmol/L SaO2(動脈⾎酸素飽和度) ScvO2(中⼼静脈酸素飽和度) 動脈⾎pH 乳酸値 「ERではMAPを、ICUでは尿量とScvO2を重要視しています」

  17. 対応︓ジクロロアセテート • 酸素が利⽤可能な場合、ピルビン酸脱⽔素酵素の活性を⾼め、 乳酸濃度を低下させる • ⼤規模RCTにおいて、 動脈⾎乳酸濃度低下とアシデミアは改善したが ⾎⾏動態パラメータや⽣存率改善はしない N Engl J Med. 1992;327(22):1564-1569.

  18. Take home message • その乳酸値は評価に値するのか︖ 1) 採⾎から15分以内かどうか 2) Vgas︓正常値⇛安⼼ ⾼値⇛中枢︖局所︖の循環不全⇛評価を • 乳酸上昇していたら︖ 1) ショック/低潅流,肝機能障害,腎機能障害の有無で鑑別を 2)『重症』という認識、早期介⼊ 3) 敗⾎症らしさあれば、チアミン投与を 決まった量はないが、個⼈的に 200mg投与して反応をみてます

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