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前心不全に対する治療~Stage A/Bの治療を紐解く~

投稿者プロフィール
Dainty1964

社団医療法人養生会かしま病院

202

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概要

心不全は発症後の治療から、発症予防へとパラダイムシフトしています

心不全の診断は? 前心不全状態とは? 画像検査やBNP測定の意義は?

各ステージにおけるRAS Modulator、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬の効果を正しく理解して使用していますか?

本スライドの対象者

研修医

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テキスト全文

心不全の早期介入と定義

#1.

心不全に対する早期介入とは? ― Stage A/Bから始める心不全予防 ―

#2.

心不全の診断

#3.

心不全とは?(一般向けの定義) 「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です」 根治しない≒不治の病 5年生存率 50%

フラミンガム基準とLVEF評価

#4.

フラミンガムうっ血性心不全診断基準 大項目 小項目 大項目あるいは小項目 発作性夜間呼吸困難あるいは起座呼吸 頸静脈怒張 ラ音聴取 心拡大 急性肺水腫 III音奔馬調律 静脈圧上昇>16cmH2O 循環時間≧25秒 肝頸静脈逆流 足の浮腫 夜間の咳 労作時呼吸困難 肝腫大 胸水 肺活量最大量から1/3低下 頻脈(心拍≧120拍/分) 治療に反応して5日で4.5kg以上体重が減少した場合 大項目を2項目、あるいは大項目を1項目および小項目を2項目を有するもの

#5.

※画像検査は補助的役割

#6.

左室駆出分画評価(病型分類)

HFpEFの類似疾患とBNP測定

#7.

※MIMICS of HFpEF HFpEFの類似疾患(LVEF≥50%=HFpEFではない!) 左室肥大の症例 肥大型心筋症 浸潤性障害; アミロイドーシス、ヘモクロマトーシス、サルコイドーシス 貯蔵障害; ファブリー病 心膜疾患、弁膜症、肺高血圧症、肺性心、脚気、右室不全など 若年者で注意が必要

#8.

LVEF評価法 方法 侵襲性 再現性 心臓超音波検査 低 低 心臓核医学検査 中 高 心臓CT検査 中 高 心臓カテーテル検査 高 高 心臓MRI検査(非造影) 低 高

#9.

LVEFは 治療・経過により 変化する

#10.

※BNP測定の位置付け スクリーニング目的 Class II b 治療効果判定 Class II a 心不全の診断、重症度、予後判定 Class I 注意すべき点 一般集団を対象にした健診におけるBNPの有用性については未だ結論が出ていない BNPの有用性はその“陰性的中率”が大変に高いということ

心不全診断のパラダイムシフト

#11.

心不全診断(除外)に有用な診察所見 JAMA 294(15):1944-1956 2005 心不全らしくない項目   尤度比 心不全の既往(-)    0.45 労作性呼吸困難(-) 0.48 肺野のラ音    0.51 胸部X線写真での心拡大(-) 0.33 心電図異常(-)    0.64 BNP<100pg/ml    0.11

#12.

心不全診療のパラダイムシフト 心不全を治療する 症状コントロール QOL改善 入院・再入院予防 死亡回避 心不全を予防する 危険因子管理 器質心疾患出現抑制 器質心疾患進展抑制 発症予防

Stage A/Bの定義と介入

#14.

BNP測定の考え方

#15.

Stage Aとは 高血圧、糖尿病、CKD、肥満、冠動脈疾患、心房細動などの心臓病のリスクとなる要素を持ち合わせる状態(@RISK) 日常診療で頻繁に遭遇する症例 発症予防心不全診療の主戦場は、 循環器外来ではなく一般内科外来

#16.

Stage Bとは 無症状だが、左室肥大、左室収縮機能低下、心筋梗塞既往、弁膜症、BNP高値など既に機能形態異常をきたした状態 症状はないが、心臓にはすでに異常がある 「静かに進行する前心不全」状態

心不全の薬物療法と治療効果

#17.

■心不全の薬物療法 どんな患者に何が有効なのか?

#18.

Stage C以降の話

#19.

Stage Aへの介入 血圧管理、糖尿病管理、体重管理、禁煙、運動習慣 心不全予防に特別な治療は不要 生活習慣病を適切に管理 併存症による適切な薬剤選択 高血圧管理は依然として最も重要な介入(目標降圧達成が全て;薬剤による特異性はない)

#20.

各種薬剤(一般用量)間の降圧効果比較

Stage B介入のエビデンスと薬剤

#21.

FIDELITY pooled analysis;フィネレノンはStage AおよびStage Bにおける心不全一次予防薬と して位置づけられる可能性がある

#22.

Stage B介入のエビデンス ① ACE阻害薬(Stage Bの薬物療法で最も確立したエビデンスあり) 主要試験: 1) SOLVD-Prevention試験 無症候性左室収縮不全(LVEF <35%)例 エナラプリルにより心不全発症、心不全入院、総死亡を有意に抑制 2) SAVE試験 心筋梗塞後LVEF≦40%例 カプトプリルにより総死亡率、心不全発症、入院を有意に抑制 3) TRACE試験 心筋梗塞後左室機能低下例 トランドラプリルで死亡率を有意に低下 ガイドラインでLVEF ≤40%のStage B患者に対するACE阻害薬投与するがClass I, Level A

#23.

Stage B介入のエビデンス ② ARB ACE阻害薬不耐容例で推奨 ACE阻害薬ほどの直接的エビデンスはない 主な根拠: 1) OPTIMAAL 2) VALIANTなど 心筋梗塞後患者の解析 ACEIと比較して非劣性

#24.

Stage B介入のエビデンス ③ β遮断薬 ACE阻害薬ほど強固ではないが、有効性が支持 主要根拠: 1) SAVE試験のサブ解析 2) SOLVDの後解析 3) CAPRICORN試験 虚血性心疾患心筋梗塞後LVEF低下例で死亡率低下 ガイドラインでMI既往+LVEF≤40%にはエビデンスのあるβ遮断薬の使用がClass I推奨

心不全予防の新たなアプローチ

#25.

Stage B介入のエビデンス ④ スタチン 心不全薬ではないが、心筋梗塞/ACS既往のStage B患者 では心不全発症抑制効果あり ガイドラインではClass I推奨

#26.

Stage B介入のエビデンス ⑤ ARNI(サクビトリル/バルサルタン) 現在のところ無症候性左室収縮不全Stage Bに対する確立した RCTエビデンスなし Stage Bへの routine use は非推奨 ⑥ MRA ステロイド性MRA(スピロノラクトン・エプレレノン)の効果はStage Cに限定的だが、FIDELITY pooled analysis;フィネレノンはStage A およびStage Bにおける心不全一次予防薬として位置づけられ る 可能性がある

#27.

SGLT2阻害薬が変えたもの DAPA-HF、EMPEROR-Reduced、DELIVERなどで心不全予防・予後改善効果が示された → 対象は基本的に症候性心不全(Stage C) 現時点ではStage B無症候性左室機能低下に対する直接 的RCTエビデンスは不足 ただし糖尿病、CKDなどの心血管リスクの高い症例で心不 全発症予防効果が示されている → Pre-HF段階(Stage A/B)への適応が拡大 ガイドラインでも糖尿病患者の心不全予防目的で推奨

#28.

Beyond Blood Pressure Lowering Effect

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