#4.
家庭医
×
緩和ケア 第1部(10分)
〜イントロ〜 ①自己紹介
②連ケア科の魅力
③家庭医×緩和
#5.
Profile 5 奥様が
沖縄人の、
ウチナームーク
(沖縄婿)です
#6.
指導医のお力を借りて 病院×在宅 Difficult Patient
#7.
沖縄で在宅医療をしていた
家庭医療専門医が 終末期の緩和ケアで
モヤモヤにぶつかった!
#8.
「おうちに帰りたいね…」
#9.
人生の最終段階、
過ごしたい場所で
過ごせない人たち
#10.
ビッグボスに出会った!
#11.
ビッグボスのビジョン・ミッション 2022/1/15 11 病気になっても「過ごしたい過ごし方」のできる地域づくりに貢献する 緩和ケア教育を通じて、人材を育成・確保する 戦略① 筑豊地域を「切れ目のない緩和ケア提供」可能な地域へ 戦略② 筑豊地域での取り組みをモデルとして発信する 戦略③
#12.
#13.
残り半生を賭けることが決まった! 過ごしたい場所で最期まで過ごせる
地域づくりを沖縄で!
#14.
連ケア科の
門を叩いた!
#15.
いま日本で最もアツい
緩和ケア・フィールド
#16.
市中病院最大規模の緩和ケア診療科 16
#17.
たとえば、ある1カ月をみると……
60代女性 乳がん初診胸壁潰瘍 ERでいきなりACP
50代男性 皮膚筋炎・間質性肺炎 ICUでの意思決定支援
100歳女性 施設入所全介助 広範腸壊死 症状緩和
60代男性 DKA/腸管壊死/敗血症性ショック 症状緩和
40代女性 咽頭癌で気道圧迫 人工呼吸器の在宅調整
連携医療・緩和ケア科で経験できるケース
#18.
本気シリーズ
#19.
本気の 家庭医×緩和
#20.
悪い知らせが
うまく伝わらない!
#21.
「アンラーニング? そもそも面談
できてましたか?」
#22.
#23.
コミュニケーション・スキルを
ゼロから学んだ!
#24.
コミュニケーション・スキルとは? ①コミュニケーション・スキル
NURSE
SPIKES/SHARE
REMAP
VALUE
②スキルを教える方法
SICP(Serious Illness Conversation Program)
VITAL TALK 2022/1/15 24 たくさんありすぎて覚えられない……
#25.
コミュニケーションの上で
最も大事なことは コミュニケーションスキルの本質(p31-35) 『緩和ケア・コミュニケーション
のエビデンス』医学書院 森田達也先生 「相手がいま何を考えているのか」を知ろうとすることです
#26.
緩和ケア・コミュニケーションを学ぶための3冊
#27.
SPIKES & NURSE Naming:感情の名前を挙げる
Understanding:理解を示す
Respecting:敬意を示す
Supporting:支持を示す
Exploring:掘り下げて聞く Setting 事前準備
Perception 患者の病状認識を知る
Invitation 患者がどの程度知りたいかを理解する
Knowledge 情報を共有する
Empathy & Exploration 患者の感情に対応する
Strategy & Summary 今後の計画を立て, 面談を終了する
#28.
まず3つを体得すべし! SPIKES
NURSE
そして……
#29.
3 Stage Protocol
ステージ プロトコル
#30.
要注意!3つの
ピットフォールを
うまく避けよ! 急がば回れ!
3つのステージを
クリアせよ! 家庭医
×
緩和ケア 第3部(15分)
〜実践編〜 第2部(15分)
〜理論編〜 第1部(10分)
〜イントロ〜
#31.
急がば回れ!
3つのステージを
クリアせよ! 第2部(15分)
〜理論編〜
#32.
①家族面談が困難な理由
②3つのステージとは?
③大原則とピットフォール 急がば回れ!
3つのステージを
クリアせよ! 第2部(15分)
〜理論編〜
#33.
家族面談に
自信をもって
臨めていますか?
#34.
Question 1 こんなことをいきなり言われたら… (治療は終わったけど)
ずっとこの病院に
置いてください! (予後数日の状況で)点滴してください! (がん終末期で)
できる治療は全部
やってください! (転倒した患者の家族が)
病院を訴えるぞ!
責任者だせ!
#35.
Question 1 余裕をもって対応できる? A B 任せなさい! え〜っと、上の先生と
一緒じゃないと… C 医事課の課長に
同席してもらって… D ビックボスに
丸投げ!
#36.
ビッグボスに丸投げ!
#37.
もやもやを感じる理由は?
#38.
問題の分析 なぜ面談がかみ合わないのか?
#39.
3 Stage Protocol
ステージ プロトコル
#40.
3SPの3つの特徴
#41.
どんなことができるようになるか?
#42.
ローテートした専攻医・指導医の声 これまで手探りで面談をしていましたが、
3-Stageを学んでからケアのゴールの決め方が
スムーズにいくようになりました なんとなくフィードバックしていたけど、
3-Stageで改善点を指摘しやすくなった 専攻医A 指導医B
#43.
……というわけで今日は
3 Stage Protocol
のポイントを学びましょう!
#44.
AUDIENCE 志向性
面談技術を鍛えたい、相手に伝わる面談をしたい方
「Antaaだし…」とうっかり参加してしまった方
属性
家族面談をする医師、教える医師(専門問わず)
緩和ケアをきちんと学びたい家庭医・総合診療医 このレクチャーが主に対象にしている方
#45.
WHAT’S IN IT FOR THEM? SPIKES、NURSEなど緩和ケア・コミュニケーションの具体的な使い方
飯塚の研修ではだいたい1〜3カ月で型は身につく
(個人差、指導医との相性もあります) これのレクチャーでは触れないこと
#46.
#47.
YouTubeに解説動画あり https://youtu.be/aVZx2p_JxIc 中川俊一先生 エミリー・ルー先生
#48.
https://www.jspm-covid19.com/?p=339
#49.
Three-Stage Protocol Lu E, et al. Mayo Clin Proc. 2020 Aug;95(8):1589-1593.
#50.
Three-Stage Protocol Stage1 医学知識を共有する Stage2 ケアのゴールを明確にする Stage3 治療の選択肢を話し合う
#51.
スタートラインに立つ
(認識のgapを埋める) Stage1 医学知識を共有する
#52.
Three-Stage Protocol 行き先を決める
(患者の価値観を探る) Stage2 ケアのゴールを明確にする
#53.
行き方を考える
(治療方針を決める) Stage3 治療の選択肢を話し合う
#54.
Three-Stage Protocol スタートラインに立つ
(認識のgapを埋める) 行き先を決める
(患者さんの価値観を探る) 行き方を考える
(治療方針を決める) Stage1 Stage2 Stage3
#55.
Stage1:医学知識を共有する
#56.
Stage2:ケアのゴールを明確にする
#57.
Stage3:治療の選択肢を話し合う
#58.
#59.
新規発症/早期の段階におけるACP
明確な予後は示せないので(Stage1)、将来の目標や価値観を示すために患者が何を楽しみにしているか(Stage2)を中心に話す
透析開始時や高リスク手術の前(例:LVADなど)
予後はまだ不確実だが、疾患の重症度が上がり死亡するリスクが上がるため「受け入れがたい条件」(Stage2)がないかを探る
終末期におけるエンドオブライフディスカッション どのような患者、ケースに対して使えるか?
#60.
大原則
#61.
#62.
〜大原則〜
Stageを1つずつクリアしていくべし!
#63.
ピットフォール
#64.
要注意!3つのピットフォールを避けるべし!
#65.
要注意!3つの
ピットフォールを
うまく避けよ! 急がば回れ!
3つのステージを
クリアせよ! 家庭医
×
緩和ケア 第3部(15分)
〜実践編〜 第2部(15分)
〜理論編〜 第1部(10分)
〜イントロ〜
#66.
要注意!3つの
ピットフォールを
うまく避けよ! 第3部(15分)
〜実践編〜
#67.
①事前準備をしていない
②Stage1をクリアしてない
③Stage2を飛ばしてしまう 要注意!3つの
ピットフォールを
うまく避けよ! 第3部(15分)
〜実践編〜
#68.
症例を通して
ピットフォールの避け方を
みていきましょう!
#69.
要注意!3つのピットフォールを避けるべし!
#70.
ピットフォール① 統合失調症で精神科病院に長期入院中
意思決定能力はないと判断されている
代理意思決定者の父親(80代後半)は認知機能低下あり、説明した内容を覚えられない、病院内で迷子になる
胆管炎に対するERCP→抗菌薬治療で1〜2カ月は安定するが、すぐに再発してしまう 肝内胆管癌で胆管炎を繰り返す50代男性
#71.
ピットフォール① 担当医
「ERCPをすればよくなるから続けるしかないか……」とすっきりしない気持ちを抱えている
消化器内科医
「依頼されれば(ERCPは)まあ、やりますけど」という立場 父親「息子が全て。とにかく生かしてほしい」
#72.
Three-Stage Protocol スタートラインに立てない
(病状認識が揃わない) 行き先が決まらない
(患者さんの価値観不明) 行き方が決まらない
(治療だけは延々繰り返される) Stage1 Stage2 Stage3
#73.
どこに問題がある? ①事前準備
あらかじめ医療チーム内で伝える内容をすりあわせておく
②Invitation(招待する)
③医学的状況を簡潔に伝える
はっきり、ゆっくり、すっきり伝える
2分ルール/50%ルール
④予後を共有する
生命予後、機能予後、予測される疾患のtrajectory
⑤感情表出を予想し、それに対応する そもそもこの患者にERCPを行うことに医学的適応はあるのか?
#74.
消化器内科医とディスカッション
本来、肝内胆管癌で予後が限られたケースにプラスチックステントを何度も交換することは質的無益性が高い
専門科の医師との協議で、交換は今回が最後となった
生命予後をあらためて見積もる
胆管炎を起こさなくても短い週単位
胆管炎で抗菌薬に反応しなければ日単位 Stage1 (病状の共有ができているか?)
#75.
Stage2:ケアのゴール 「息子が一番可愛い」という父親の思いをとことん聞く
「会えないのがつらい。せめて会いたい」
「なにもできないのがつらい」
医師
「お父さんができることを一緒に考えて行きましょう。そばにいて、声をかけてもらうことはできますか?」
父親
「本人がツラそうにみえるので、ツラい症状をちゃんととることを優先してほしい」
#76.
Stage3:治療方針
本人の苦痛緩和につながらないことはしない
負担にならない範囲で内科的にできることは行う
(抗菌薬治療など)
父親には付き添って本人に声かけしてもらうなど役割を担ってもらう
#77.
Three-Stage Protocol Stage 1 医学知識を共有する Stage 2 ケアのゴールを明確にする Stage 3 治療の選択肢を話し合う 医学的適応を再検討することで
チーム内で生命予後を共有した 本人にとってのベストが何かを話し合い、家族に役割を担ってもらった 苦痛緩和を中心に行う方針
#78.
要注意!3つのピットフォールを避けるべし!
#79.
ピットフォール②
上肢骨髄炎の治療のため当院に転院
抗菌薬治療後、退院調整目的で転科となった Aさん 60代男性 左上肢(前腕骨)骨髄炎
#80.
ピットフォール② 40歳頃に会社の健診で高血糖を指摘されたが放置
50歳から糖尿病性足壊疽で入退院を繰り返し中足骨で切断されADL全介助
直近では、療養型病院に入院していた
左前腕の骨髄炎のため抗菌薬治療後、退院調整目的で当科に転科となり主治医になった Aさん 60代男性 左上肢(前腕骨)骨髄炎
#81.
左前腕骨髄炎の影響で左手関節は機能障害あり
リハビリスタッフは「機能改善は難しい」と評価
主治医から「リハビリはできるような状態ではない」と何度も伝えているのに理解してもらえない
リハビリによる機能改善は臨めない状態
#82.
療養型病院への転院調整のため
本人・家族との面談を行った
#83.
「左手はリハビリを続けても100%同じ状態には戻りません」「インスリンを自分で打つこともできないと思います」
「この状態でリハビリ病院への転院は難しいです。療養型病院に転院するしかありません」 機能予後を共有して転院先を提案
#84.
患者
「……左手はこのままですか?」
「このままだと弱ってしまうので、身体を動かしたい」(同じ内容の発言が続く)
医師
「……?(理解できないのか?)」 患者さんは同じ言葉を繰り返す
#85.
Three-Stage Protocol Stage 1 医学知識を共有する Stage 2 ケアのゴールを明確にする Stage 3 治療の選択肢を話し合う スタートラインに立てない
(機能予後の認識が揃わない) ゴールが決まらない
(非現実的な希望) 行き方が決まらない
(転院先が決まらず長期入院)
#86.
冒頭の病状共有、とくに「機能予後」の共有でつまづいた
相手のインテリジェンスや性格を踏まえ、期待をもたせる言い方ではなく明確に伝えるべきだった Bad Newsがちゃんと
伝わっていないのかも? ①現状 ②目標 ③今後の方針
#87.
Bad News(爆弾)はしっかり落とす!
#88.
冒頭の病状共有、とくに「機能予後」の共有でつまづいた
相手のインテリジェンスや性格を踏まえ、期待をもたせる言い方ではなく明確に伝えるべきだった Bad Newsがちゃんと
伝わっていないのかも? ①現状 ②目標 ③今後の方針 Bad news(機能は戻らない)を
はっきり伝えることで感情が表出された
#89.
Stage1:病状の共有(特に機能予後) 「1%も治らないんですか?」とか「手術はできないんですか?」と非現実的な発言が続いたときに、認知データに対応するのではなく、感情に対応する
感情に十分対応した上で、相手の理解度や特性を踏まえてゆっくり、はっきり、すっきり伝える オブラードに包まない!
#90.
Stage2:ケアのゴール(現実的なゴールを設定)
身体のために少しでもリハビリはしたい、という本人の希望が表出される
希望についてちゃんと理解したことを本人に伝える
→リハビリスタッフに相談して、セルフでできる方法など
探すことを提案した
#91.
Stage1,2が共有できたことで
「現状で受け入れ可能な病院を探す」が落としどころになった
Stage3:今後の方針
#92.
Three-Stage Protocol Stage 1 医学知識を共有する Stage 2 ケアのゴールを明確にする Stage 3 治療の選択肢を話し合う 機能予後を共有できたことで
スタートラインに立てた 本人の希望を踏まえ
現実的なゴールが設定できた 現在の条件で受け入れてくれる
転院先を探す方針になった
#93.
要注意!3つのピットフォールを避けるべし!
#94.
ピットフォール③ 70代後半までスキューバダイビングするなど活動的だった方
食道がんに対して手術、胃管再建後に胃管-気管瘻となり肺炎を繰り返すようになった
MDSで輸血依存にもなっていた 食道癌術後、MDSの80代男性
#95.
ピットフォール③ 全身状態や瘻孔の部位から瘻孔を塞ぐための手術や気管ステント留置は困難という評価
「何もできない」という対応が耐えられず大学病院へセカンドオピニオン希望
→やはり適応なし 「あらゆる治療をしてほしい」
#96.
担当医が「心肺停止時の処置はどうしますか?」と聞いて本人から「やれることはやってほしい」と答えが返ってきたため カルテには「full code」と記載あり Stage2をすっ飛ばしていた!
#97.
Three-Stage Protocol Stage 1 医学知識を共有する Stage 2 ケアのゴールを明確にする Stage 3 治療の選択肢を話し合う 病状認識はある程度できている
(機能予後など理解は不十分) ケアの目標が決まらない
(非現実的な希望) 手段だけは決まっている
(full code)
#98.
Stage2:ケアのゴール 「とてもツラい状況でも頑張れる理由は?」
「私は根っからのスポーツマン。柔道5段。数年前まで友人とスキューバダイビングに行っていた。負けるわけにはいかない」
「治せるのであれば、どんな苦しい治療であっても耐えるのでやってほしい」 本人の価値観を徹底的にきいてみた①
#99.
Stage2:ケアのゴール 「これだったら死んだ方がマシな状態とは?」
人に頼らず、なんでも自分でやってきた
身の回りのことが自分で何も出来ない状態で生きながらえるのは耐えられない 本人の価値観を徹底的にきいてみた②
#100.
Stage3:治療方針 医師
「いくつもの病気が重なって治療ができない状態です。徐々に身体の機能が弱っていて、望まない状況(ベッド上、寝たきり)にならないかと心配しています」
「この状況であれば苦痛を取り除くことに集中したほうがよいと感じています」
患者
「うーん……(沈黙)。寿命がきたということかな……」
「治せないのであれば、苦しさをちゃんと取ってほしい」 価値観をきいた上でおすすめを提示する
#101.
Three-Stage Protocol Stage 1 医学知識を共有する Stage 2 ケアのゴールを明確にする Stage 3 治療の選択肢を話し合う 病状認識はある程度できていた
(機能予後など理解は不十分) 本人の価値観をきいて
ケアの目標を確認する おすすめを提示して
了承を得る
#102.
どのように身につけるか? 事前にStage1の準備をする
あらかじめ面談の課題を指導医と共有する
実践する(Stage2に時間をかける)
直後にフィードバックを受ける
フィードバックを言語化してNext Stepをつくる 面談技術を身につけるための5ステップ
#103.
「全体像」をみて
「ケアのゴールはなにか?」
(Stage2)
を常に考えよう! 伝えたいたった1つのこと
#104.
事前準備を怠らない!
1つずつStageをクリアしていく
価値観を踏まえおすすめを提示する 3つのTake Home Messages
#105.
参考文献・参考図書 Lu E, Nakagawa S. A “Three-Stage Protocol” for Serious Illness Conversations: Reframing Communication in Real Time.Mayo Clin Proc. 2020 Aug;95(8):1589-1593.
本レクチャーのメインテーマである3-Stage Protocolを世に問うた論文
UpToDate® “Discussing goals of care”(最終閲覧2022/01/08)
森田達也著.緩和ケアコミュニケーションのエビデンス ああいうとこういうはなぜ違うのか?.医学書院.2021
平岡栄治,則末泰博.終末期ディスカッション.メディカル・サイエンス・インターナショナル.2021
アンソニー・バック他 .植村健司 訳.米国緩和ケア医に学ぶ医療コミュニケーションの極意.中学医学社.2018
#106.
コロンビア大学の中川俊一先生と連携医療・緩和ケア科の石上雄一郎先生に監修していただきました!