#4.
低Na血症の鑑別
#5.
高齢者のコルチコイド反応性低ナトリウム血症のシステマティックレビュー
#6.
MRHEとは?(高齢者のミネラコルチコイド反応性低Na血症) ~Introduction~ 1987年に石川らによって報告。
日本人研究者のみが報告し、日本語の雑誌に症例報告がいくつかあるのみで、システマティックレビューは行われておらず、今回の論文は、MRHEの特徴、低Na血症の他の原因を含む可能性、最終的な診断基準を明らかにするために実施した。
#7.
MRHE(高齢者のミネラコルチコイド反応性低Na血症) 加齢に伴う尿細管近位部でのNa再吸収低下とRAS系の機能低下により、常にNa排泄量が増加する。よって、Na貯留量の減少が起こり、体内のNa体積が減少する。 鑑別疾患の除外が重要 ~Introduction~
#8.
補足 日本内科学会雑誌 第103号 第6号 中村 幸子著 他
#9.
補足 SIADH.JP 〜「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群」がよくわかるサイト〜 | 大塚製薬より引用
#10.
MRHEとSIADHの相違点
#11.
Method ・2016年9月までのMRHE医学文献をMEDLINEとGoogle Scholerを用いて、方法論的に検索を行った。
・検索語句は「高齢者のミネラルコルチコイド反応性低ナトリウム血症」
・言語に限定せず、論文の引用は手作業で確認した。
・MRHEと診断された18歳以上の症例はこのレビューに含まれる。
・PRISMA(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-analysis)チェックリストを用いて、変数の収集・解析。
血清及び尿中のNa、K、Cl、ADH、コルチゾール、血漿レニン活性、アルドステロン値を中心に分析。
#12.
Result 残った9件の研究は、27年間(1987年~2014年)に発表され、64歳~91歳の高齢者患者を対象としていた。
患者数は、27名で、
平均年齢は79歳で、女性が73%を占める。
#13.
Result
#14.
Result
研究の中央値
#15.
Result 7例で水制限試験を行い、7例とも増悪。
甲状腺機能に異常なし。
利尿剤は3例で使用したにもかかわらず、血漿Ald値が低く、副腎機能低下あるいはMRHEが示唆される。
20例にフルドロコルチゾンを0.02~0.04㎎/日を投与し、約2週間で改善。
#16.
Result 3例でACTH刺激試験を行い(石川)、1例にコルチゾール9.0μg/dlと低値を示した。
他の症例ではランダムコルチゾール値が測定され、これらの値は13.2~36.2μg/dlであり、4例では15.2μg/dlで、副腎機能不全が否定できなかった。
(ランダムコルチゾール値<1μg/dlで副腎機能低下の可能性あり。34μg/dl以上で副腎機能は保たれており、15~34μg/dlではACTH負荷試験を行う。)
#17.
Discussion SIADHの診断基準に
MRHEの基準を追加... ⑴年齢60歳以上
⑵SIADH(左の表)を満たし、以下の2項目を満たす。
・水制限試験による低ナトリウム血症の増悪
・臨床的な循環血液量減少
⑶フルドロコルチゾン酢酸塩による低ナトリウム血症の是正
#18.
今回の研究では、循環血液量が正常な低ナトリウム血症の鑑別診断として、副腎機能不全がMRHEとして診断された可能性がある。
除外するための検査として、血清中の基礎値またはACTH刺激試験があるが、今回の研究でこの刺激試験を行った症例はほとんどない。(基礎値<3~4μg/dl、刺激後コルチゾール値<18μg/dlの時に副腎機能不全の可能性)
Discussion
#19.
もしランダムコルチゾール値>15.2μg/dlであるとき、刺激試験後の値>20μg/dlであれば副腎機能不全は除外される。
今回の研究では少なくとも4例において副腎機能低下症の可能性が否定できなかった。
利尿剤を使用し、フルドロコルチゾン酢酸を使用せずに改善した症例はMRHEから除外する必要があり。
Discussion
#20.
Limitation 今回の研究では9件の症例報告で27名の患者のみであった。
日本人のみであり、他の民族に一般化できない。
検査データの提供が少なく、偏った結果になる可能性がある。
#21.
Take home message 高齢者の低ナトリウム血症には、SIADH、甲状腺機能低下、副腎機能不全とともにMRHEを鑑別に挙げる。
副腎機能不全はACTH刺激試験まで行い、除外する。
SIADHは鑑別が難しいが、MRHEと治療法が変わるので、注意が必要。
#22.
ご清聴ありがとうございました。
#23.
おまけ 116c60~62