#4.
HFNCの効果 1. 死腔の洗い出し 2. FIO2の規定 3. PEEP様呼気圧(FRCの増大) 4. 繊毛機能の改善
#5.
①死腔の洗い出し
#6.
①死腔の洗い出し 成人 一回換気量: 500 mL 解剖学的死腔: 150 mL(鼻腔50 mL) HFNCにより鼻咽腔のCO2をwash-out ➡実質的に分時換気量upと同じ効果 換気サポートとなる これがHFNCの一番の効果
#7.
②FIO2の規定 フロー(流量) [ml/s] 1歳10 kgの患者の吸気フローピークは? 面積=1回換気量 80 [ml] 時間 t [s] 0.5 [s]
#8.
②FIO2の規定 フロー(流量) [ml/s] 水色の面積を三角形として計算すると 320 [ml/s]= 19.2 [L/min](≒2 L/kg/min) 面積=1回換気量 80 [ml] 時間 t [s] 0.5 [s] 成人では40~60 L/min程度
#9.
②FIO2の規定 • 2 L/kg/minの流量であれば吸気フローピークをだいたいカバーでき る • 鼻咽腔内が洗い出し効果で設定FIO2の空気に置換されており、それ がリザーバーとして働く ➡設定FIO2が肺に届く 注意点 • 吸気努力が強いときは2 L/kg/minでカバーできないことも • HFNC流量を1 L/kg/minにさげると実質的なFIO2も低下する
#10.
③PEEP様呼気圧(FRCの増大)
#11.
③PEEP様呼気圧(FRCの増大)
#12.
④繊毛機能の改善
#13.
HFNC登場後、NPPVの出番は激減 • 成育PICUでは2014年にHFNCを導入 先天性心疾患術後にNPPV or HFNCで呼吸サポートした患者の割合
#14.
HFNC vs. NPPV HFNC NPPV FIO2の規定 〇 ◎ 圧サポート △ ◎ 患者の忍容性 ◎ △ 看護の手間 ◎ × 呼吸サポート △ 〇
#15.
NPPVの適応(古典的には) レベル1 COPD急性増悪 急性心原性肺水腫 免疫不全に合併する呼吸不全 レベル2 術後呼吸不全 気管挿管人工呼吸からの離脱困難 気管挿管非適応患者 喘息 レベル3 肺炎 ARDS 外傷 上気道閉塞
#16.
NPPVの適応(古典的には) レベル1 COPD急性増悪 急性心原性肺水腫 免疫不全に合併する呼吸不全 レベル2 術後呼吸不全 気管挿管人工呼吸からの離脱困難 気管挿管非適応患者 喘息 レベル3 肺炎 ARDS 外傷 上気道閉塞
#17.
P 急性呼吸不全早期・発熱・肺浸潤を 認める免疫不全患者 I 間歇的NPPV使用 C 従来の酸素療法 O 挿管率・機械的換気率 免疫不全患者には NPPV! N Engl J Med. 2001;344(7):481-487.
#18.
FLORALI trial RCT P 急性呼吸不全の患者 I HFNC単独 C 従来の酸素療法・NPPV O 28日挿管率 N Engl J Med. 2015;372(23):2185-2196.
#19.
FLORALI trialのpost hoc解析 免疫不全患者のみ NPPVより HFNCの方がよい? Lancet Respir Med. 2016;4(8):646-652.
#20.
P 免疫不全のある急性呼吸不全患者 I HFNC C NPPV O 28日死亡率 NPPVより HFNCの方がよい? Ann Intensive Care. 2016;6(1):45.
#21.
P 急性呼吸不全によりICUに入室した 免疫不全患者 I HFNC単独 C HFNC+NPPV O 28日死亡率 結局 NPPVとHFNCの差なし Lancet Respir Med. 2022;10(7):641-649.
#22.
NPPVの適応(古典的には) レベル1 COPD急性増悪 急性心原性肺水腫 免疫不全に合併する呼吸不全 レベル2 術後呼吸不全(心臓手術) 気管挿管人工呼吸からの離脱困難 気管挿管非適応患者 喘息 レベル3 肺炎 ARDS 外傷 上気道閉塞
#23.
P 心臓手術後の呼吸不全患者 I HFNC C NPPV(BiPAP) O 治療失敗率(再挿管など) NPPVとHFNCの差なし JAMA. 2015;313(23):2331-2339.
#24.
NPPVの適応(古典的には) レベル1 COPD急性増悪 急性心原性肺水腫 免疫不全に合併する呼吸不全 レベル2 術後呼吸不全 気管挿管人工呼吸からの離脱困難(小児) 気管挿管非適応患者 喘息 レベル3 肺炎 ARDS 外傷 上気道閉塞
#25.
P 小児抜管後の呼吸不全患者 I HFNC C NPPV(CPAP) O デバイス外せるまでの期間 NPPVとHFNCの差なし JAMA. 2022;327(16):1555-1565.
#26.
HFNC vs. NPPV HFNC NPPV FIO2の規定 〇 ◎ 圧サポート △ ◎ 患者の忍容性 ◎ △ 看護の手間 ◎ × 呼吸サポート 〇 〇
#27.
HFNC vs. NPPV • HFNCは登場当初よりもどんどん適応が広がってきている • HFNCはNPPVに対して非劣勢な結果が多い • 特に小児ではNPPVよりもHFNCの方が圧倒的に管理しやすい ➡ 成育PICUではNPPVをめったに使わなくなった
#28.
それでもNPPV レベル1 COPD急性増悪 急性心原性肺水腫 免疫不全に合併する呼吸不全 レベル2 術後呼吸不全 気管挿管人工呼吸からの離脱困難 気管挿管非適応患者 喘息 レベル3 肺炎 ARDS 外傷 上気道閉塞
#29.
COPD急性増悪に対するNPPV • 陽圧をかけると過膨張がさらに悪くならないのか?
#30.
COPD急性増悪にNPPV • COPDで過膨張をきたす病態生理 過膨張 = air trapping 吸えるけど、吐けない 呼気時に気道が狭窄する 実は中枢気道も!
#31.
COPD急性増悪に対するNPPV 過膨張のとき肺胞内圧は高い NPPVで陽圧をかけて呼気時の 気道開存性が保たれれば、 むしろ、肺胞内圧は下がる もちろん高すぎる圧は× Cleve Clin J Med. 2005;72(9):801-809.
#32.
急性心原性肺水腫に対するNPPV • 虚脱肺のリクルートメント • 機能的残気量の増加 • 酸素化能の改善 • 呼吸仕事量の減少 • 交感神経活性亢進の是正 • 右室前負荷の減少 • 左室後負荷の減少
#33.
陽圧換気と左室後負荷
#34.
小児でのNPPV適応 小児でのNPPVの使用場面(リスクも考慮した上で) • 挿管の非適応患者/挿管を避けたい患者(原疾患、終末期など)の 中枢性低換気(麻薬残存、意識障害、CO2ナルコーシスなど) 上気道狭窄(CPAPをかければ気道維持できる、OSASなど) 肺水腫(心原性、溢水) COPD様の病態(骨髄移植後の閉塞性細気管支炎など) うまくいけばHFNCよりも強力な呼吸サポート(NIV-NAVA) • 在宅移行(HFNCは大量に空気や酸素を消費してしまう)
#35.
NPPVの仕組み 人工呼吸器で2本回路 挿管人工呼吸と一緒 リーク減らすため呼気ポートなし
#36.
NPPVの仕組み NPPV専用機で1本回路 小さな孔(=呼気ポート)が必要!!
#37.
NPPVの仕組み 2本回路と1本回路 2本回路は呼気ポートなし 1本回路は呼気ポートあり
#38.
呼気ポート 閉鎖しない小さな孔
#39.
呼気ポート 閉鎖しない小さな孔 マスクだけとは限らない 呼気ポートは1か所だけ! 回路に呼気ポートがあれば、その先は呼気ポートなし
#40.
ベント(安全弁)≠ 呼気ポート ベントは大きな孔 送気が止まった時に開 放される 窒息予防 呼気ポートなし ベントありマスク 呼気ポートなし ベントなしマスク
#41.
ベント(安全弁)≠ 呼気ポート
#42.
ちゃんと理解していないと危険! 機種 回路 回路ポート マスクポート NPPV専用機 1本回路 なし なし NPPV専用機 1本回路 なし あり NPPV専用機 1本回路 あり なし NPPV専用機 1本回路 あり あり 人工呼吸器 2本回路 なし なし 人工呼吸器 2本回路 なし あり 組み合わせは?
#43.
マスクポートあり → 1本回路(回路ポートなし) マスクポートなし → 2本回路 ちゃんと理解していないと危険! 機種 回路 回路ポート マスクポート NPPV専用機 1本回路 なし なし NPPV専用機 1本回路 なし あり NPPV専用機 1本回路 あり なし NPPV専用機 1本回路 あり あり 人工呼吸器 2本回路 なし なし 人工呼吸器 2本回路 なし あり 組み合わせは?
#44.
MDRPU(medical device related pressure ulcer) ドレッシングで解決するのか?
#45.
マスクとドレッシング素材の相性 デュオアクティブと ポリウレタン素材は 摩擦係数が大きく 相性が悪い
#46.
ドレッシングはリークの原因になりやすい
#47.
ダブルクッションタイプ 強い圧迫×
#48.
マスクフィッティングのコツ 鼻にドレッシング リークを減らす工夫
#49.
マスクフィッティングのコツ
#50.
NPPVのモード • CPAP • S/T S: Spontaneous T: Timed Sモード Tモード
#51.
NPPVの圧設定 • IPAPの上限 通常15 cmH2Oくらい それ以上必要な時には挿管を考慮しましょう 欧米では・・ 高度肥満症例に対してIPAP 20~30 cmH2O程度まで 使うこともあるらしい
#52.
鼻NPPVとHFNCの違い • 鼻NPPVでは設定圧を保つような流量が供給される 開口するとリークが発生して流量↑ 成人患者に使用すると開口しなくなる(睡眠時の口呼吸が改善) 小児患者ではHFNCよりもかなり多い流量となることが多い • HFNCでは設定した流量を供給 開口すると咽頭圧は下がる
#53.
まとめ • HFNCの登場でNPPVの出番が激減した • それでもNPPVを使用したい場面はある • きちんと理解して(特に呼気ポートについて) 使えるようにしておきましょう