#4.
Step 1 救急隊からの連絡~病院到着まで ・患者情報の整理と人員収集・役割分担. ★点滴,採血,画像検査のオーダーと準備 施設にもよるが加温した細胞外液を準備し,重症度に応じて 18-20Gの静脈留置針で静脈路確保できるよう準備する. ★心電図モニター,エコーの準備 必ず電源を入れておく. ★スタンダードプリコーション 感染防止策を行う. ・(必要に応じて)放射線技師への連絡 ※★は研修医自ら積極的に行う.
#5.
MIST 救急隊が現場から病院へ搬送する際に,患者の情報を医師や 看護師へ迅速かつ正確に伝えるための4項目の頭文字 ・Mechanism:受傷機転 ・Injury site:受傷部位 ・Signs:バイタルサイン ・Treatment:処置
#6.
Step 2 First Impression(第一印象の確認) 診療室に入るまでの約15秒でABCDEの異常を認知し,周知する. ・「お名前教えてください」と聞きながら気道開通(Aの評価)と 意識状態(Dの評価)を確認する. ・胸郭挙上と頻呼吸の有無(Bの評価)を確認する. ・橈骨動脈の触知を確認しつつ末梢冷感湿潤を確認する(C,Eの評価).
#7.
Step 3 病院到着~ストレッチャーへの移乗 ・救急車のストレッチャーから病院のストレッチャーへの移乗の際は, 頸椎保護のために全身固定を継続し,移乗後にUnpackaging(固定具を 外すこと)を行う.
#8.
・高エネルギー外傷では,ネックカラー装着の上,バックボードに ヘッドイモビライザー,ベルト(3カ所)で全身固定されている ことが多い. ・重症患者ではリザーバーフェイスマスク10L/minなどの酸素投与が 行われていることが多い.酸素配管は病院のものに切り替える. ・Unpackagingしながら心電図,SpO2,血圧の各種モニターを 装着する. (特に頸部が)動かないように患者やスタッフに指示しつつ, ヘッドイモビライザーから外していく(体幹部のベルトから 外すと,患者が動いた場合に頸椎に負荷がかかるため).
#9.
Step 4 Primary survey Primary Surveyは,「生理学的評価」を用いて蘇生処置が必要な病 態を検索し,適切な蘇生を行う一連の手順である.まずは簡単に評価 を行い,その後「ABCDEアプローチ」に基づき,系統的に致死的病態 である「TAF3XMAPDH」の有無を検索する. マンパワーがあれば,複数の評価・処置を並行して行ってもよい. 特にCへの介入である静脈路確保(および採血)は時間がかかるため, 看護師などスタッフに早めに依頼するとスムーズである.
#10.
A(Airway) ・気道開通(発声・発語)の有無,閉塞リスク(上気道外傷など)の評価
#11.
B(Breathing) ・頸部:視診(呼吸補助筋の使用・頸静脈怒張) 聴診(気管偏位,皮下気腫) ・胸部:視診(外傷,胸郭挙上,呼吸数) 聴診(呼吸音左右差) 触診(胸郭の圧痛・動揺・轢音,皮下気腫) 打診(前胸部,側胸部) ・SpO₂の確認
#12.
緊張性気胸の場合 緊張性気胸はX線を待たずに,所見で診断しすぐに処置を行う. ➞緊急脱気(簡便)または胸腔ドレナージ(確実) □胸腔ドレナージ ・肋骨の位置を確認し,第5肋間を意識する. ・その少し下の皮膚をメスで切開する. ・ペアンで肋骨の上縁に沿って鈍的に剥離を行い,胸膜を鈍的に貫きペアンを開く. ・胸膜が開孔すると空気が漏れる音がする.ペアンで剥離したルートに沿って ドレーンを進めて胸膜腔内に挿入し,持続的に空気を抜く.
#13.
C(Circulation) ・皮膚所見:色調,末梢湿潤・冷感 ・脈拍:触知有無,強弱,数 ・活動性外出血の有無 ・エコーによる出血の有無(FAST) ・X線の確認:胸部・骨盤 ・血圧の確認
#14.
FAST 研修医の活躍の場! 見えなかったら「描出不良」と明言することが大事. ①心窩部 心嚢液の有無をみる.胸骨の下から心臓を見上げるようにみていく. 見えにくい時は第2~6肋間胸骨左縁から心臓長軸像をみるように確認する. ②モリソン窩 肝臓と腎臓の周囲.背中側から当てるのがポイント. 腸管があり見えにくい場合はより背中側から確認する.
#15.
③脾腎境界 脾臓は肝臓に比べ背側にあるため,右側よりも背側からみる. また,脾臓は小さく頭側にあることが多いため,患者さんに息を吸ってもらう と見やすくなる. ④膀胱直腸窩 思ったより下側かつ見下ろす形でみる.膀胱は尿が溜まっていると見やすい. 膀胱と直腸,女性の場合は膀胱と子宮や子宮と直腸の間にエコーフリー スペース(液体貯留)がないかを確認する. 恥骨の頭側あたりから煽るようにみる. ※eFASTでは上記に加え前胸部も評価する. Lung slidingは正常肺で見られ,気胸では消失する.
#16.
D(Dysfunction of CNS) ・意識レベル(GCS,JCS) ・瞳孔不同 ・麻痺の有無 意識の評価は「ま・い・ど」で行う ま:麻痺(両上肢がうごくか確認) い:意識レベル(GCSで評価) ど:瞳孔(ペンライトで瞳孔の左右差,対光反射を確認する) →これらから「切迫するD」がないかを確認する
#17.
切迫するD ■「切迫するD」 ・GCS≦8(JCS≧30) ・意識レベルの急速な悪化(GCS合計2以上の低下). ・瞳孔不同,片麻痺,Cushing現象*など,脳ヘルニア徴候を 認める場合. *高血圧(特に収縮期),徐脈,脈圧増大
#18.
E(Exposure Environmental control) ・体温の確認:体温計だけではなく末梢や体幹を手で触って確かめる. 全身の観察が非常に大事! しっかり脱がせて隠れた傷を探す.背面も観察する. 脱がせたら温めることが大切. 外傷診療では,低体温・アシドーシス・凝固障害を「死の三徴」と呼ぶ
#19.
患者の容態が急変したら… 患者の容態が急変したら再び「A」に戻る. ABCDEは繰り返し評価を行う.