#4.
緊急度が高い/よく出会う疾患 Don’t miss it Common ショック 低酸素血症(急性呼吸不全) 敗血症 外傷 低血糖 Wernicke脳症 急性アルコール中毒 低・高ナトリウム血症 脳血管障害 髄膜炎 けいれん重積 麻薬中毒 高カルシウム血症 熱中症/低体温 けいれん後昏睡 麻薬以外の薬物中毒
#5.
まず考える鑑別診断 ❶低血糖:即座に鑑別可能な緊急疾患 ❷頭蓋内疾患(特に脳血管障害):緊急疾患 コラム① 救急外来における主訴「意識障害」の特徴 救急外来で遭遇する意識障害の患者は,発症様式や意識レベルの程度,合併疾患が 様々であり,意識障害の原因となりうる幅広い疾患・病態を鑑別しなければならな い.
#6.
アプローチ法 ABCDの評価,ABCの安定化 血糖測定,頭部CT その他の鑑別(AIUEOTIPS)
#7.
診療の流れ Step 1 緊急度の高い情報の有無を確認 Step 2 STEP1に該当する場合:直ちに行う Step 3 血糖測定(デキスターなど) Step 4 頭部CT Step 5 問診/身体所見,検査結果から診断を吟味 Step 6 必要に応じて追加検査 +α 有意所見がない場合
#8.
Step 1 緊急度の高い情報の有無を確認 □ABCの異常 □“切迫するD”(GCS) □バイタル異常 コラム⑤ 切迫するD ・GCS合計点≦8点(JCS≧30) ・意識レベルが急速に悪化(GCS合計点が2以上低下) ・脳ヘルニア徴候:瞳孔不同,片麻痺,Cushing現象(血圧↑,徐脈)
#9.
Step 2 STEP1に該当する場合:直ちに行う □人を集める,上級医を呼ぶ. □必要に応じて,気道確保,酸素投与 ※嘔吐,誤嚥に注意! □ルートキープ・採血,モニター装着 ■採血項目 血液ガス分析,血算,生化学(Na,Caなどの電解質を含める), 凝固(PT,APTT,D-dimer),血糖,NH₃
#10.
Step 3 血糖測定(デキスターなど) ・低血糖時:直ちに50%ブドウ糖20~40mL投与 (ビタミンB₁欠乏が疑われる時はビタミンB₁も同時投与) コラム② 血糖チェック 可能ならABCの評価とほぼ同時進行で血糖測定を行い,低血糖の除外/鑑別を行う. この際,慢性アルコール中毒,偏食/栄養障害,胃切除後,透析などビタミンB₁欠 乏が疑われる場合には,Wernicke脳症を防ぐためにビタミンB₁ 500mgをブドウ糖 投与前または同時に投与する.血中ビタミンB₁濃度は即時判定はできないが,必要 に応じてビタミンB₁投与前にビタミンB₁測定用採血を検討する.
#11.
Step 4 頭部CT □頭蓋内病変あり:直ちに脳外科call コラム③ 頭部CT 頭蓋内病変(特に脳血管障害)は緊急の対処が必要な場合もあり,診療の早い段階 でrule in/outしておきたい.ただし,検査中に急変するおそれもあるので,必ず ABCを安定させてからCT検査へ行く.頭蓋内病変以外が原因である可能性が高く, 急に要さない状態であれば,ある程度の診察や治療介入(補液,血糖補正など)を してから頭部CTの適応を判断してもよいが,以下の「切迫するD」に該当する場合 は,CT検査を優先する.
#12.
Step 5 問診/身体所見,検査結果から診断を吟味 ・AIUEOTIPSも参考に意識障害の原因を探す. コラム④ 意識障害で確認したい神経所見 意識障害患者の多くは指示に従えないため,確認可能な神経所見は限られる. そのような場合,以下のものを中心に神経所見を確認するとよい. □意識レベル(JCS,GCS) □眼球所見 □運動麻痺,感覚障害 □髄膜刺激徴候 □不随意運動
#13.
AIUEO TIPS Alcohol 急性アルコール中毒,アルコール離脱,アルコール性ケトアシ ドーシス,Wernicke脳症 Aorta 急性大動脈解離 Insulin 低血糖,高血糖(DKA/HHS) Uremia 尿毒症 Encephalopathy 高血圧性能症,肝性脳症 Endocrinology 甲状腺クリーゼ,粘液水腫性昏睡,急性副腎不全 Electrolyte 低ナトリウム血症,高ナトリウム血症,高カルシウム血症,高 マグネシウム血症 Overdose 薬物中毒 Oxygen 低酸素血症,CO₂ナルコーシス,一酸化炭素中毒(CO中毒)
#14.
Trauma 頭部外傷 Tumor 脳腫瘍 Temperature 偶発性低体温症,熱中症 Infection 敗血症,細菌性髄膜炎,脳炎,脳膿瘍 Psychiatric 精神疾患 Porphyria ポルフィリン症 Stroke くも膜下出血,脳出血,脳梗塞 Shock ショック Seizure けいれん後のpostictal state,非けいれん性てんかん重積状態 (NCSE)
#15.
Step 6 必要に応じて追加検査 コラム⑥ ピットフォール 意識障害の原因が1つとは限らない. 採血検査などで意識障害の原因となりうる検査値異常(電解質異常,血糖 異常,血中アルコール濃度上昇,血中アンモニア上昇など)がみられた場 合においても,本当にそれ単独による意識障害でよいのかどうかを注意深 く吟味する必要がある.
#16.
+α 有意所見がない場合の考え方 ・意識障害が遷延する場合は原則入院として経過観察する. ・特に高齢者は意識障害の原因が複数あることもあり留意する.