#4.
緊急度が高い/よく出会う疾患 Don’t miss it 急性冠症候群(ACS) 大動脈解離 肺血栓塞栓症 緊張性気胸 食道破裂 大動脈瘤(切迫)破裂 心タンポナーデ Common 労作性狭心症 逆流性食道炎 自然気胸 肺炎 胸膜炎・心筋炎 肋軟骨炎 肋骨骨折
#5.
まず考える鑑別診断 ❶急性冠症候群(ACS):見逃せない! ❷気胸:まあまあ遭遇.特に若年男性. ・緊張性気胸:見逃せないが頻度は低い. ❸大動脈解離・肺血栓塞栓症:見逃せないが, ACSより頻度は下がる.
#6.
アプローチ法 ACSの可能性を考える (「胸痛」と聞いたらまず12誘導心電図) 心臓・大血管・肺の疾患を考える
#7.
診療の流れ Step 1 緊急度の高い情報の有無を確認 Step 2 STEP1に該当する場合:直ちに行う Step 3 心エコー(+問診) Step 4 胸部X線(緊急時はポータブル) Step 5 単純/造影CT Step 6 診察と検査所見から診断を吟味 +α 有意初見がない場合
#8.
Step 1 緊急度の高い情報の有無を確認 ・ショック ACS,肺血栓塞栓症,緊張性気胸,食道破裂など ・頸静脈怒張,片側呼吸音消失 緊張性気胸 コラム① 救急外来における主訴「胸痛」の特徴 「胸痛」における緊急疾患の代表格は急性冠症候群であり,頻度もまあま あ高い.また,非典型例(例:痛みに乏しい)も多く,非侵襲的検査でス クリーニングできることから,「心筋梗塞らしい病歴・症状かどうか?」 と悩む前にまず12誘導心電図を確認しよう.
#9.
Step 2 STEP1に該当する場合:直ちに行う □人を集める,上級医を呼ぶ □酸素投与 □ルートキープ・採血 ■採血項目 血算,生化学(心筋トロポニンT・I含む), 凝固(D-dimer),血液ガス □モニター装着 □緊張性気胸s/o:緊急脱気 □12誘導心電図:ST↑なら即循環器コール
#10.
Step 3 心エコー(+問診) □心壁運動の評価(ACS) □大動脈のflap(大動脈解離) □D-shapeの有無(肺血栓塞栓症) コラム② 5 killer chest pain とその他の鑑別 ■5 killer chest pain ①急性冠症候群 ②急性大動脈解離 ③肺血栓塞栓症 ④緊張性気胸 ⑤特発性食道破裂 胸痛で見逃せない疾患である5 killer chest pain は念頭においておく.ただし頻度には差が あり,以下の手順で考えるとスムーズ.
#11.
Step 4 胸部X線(緊急時はポータブル) 下記の所見をまずチェック □気胸 □浸潤影(肺炎) □上縦隔拡大:あれば早めに造影CTへ
#12.
Step 5 ⑤単純/造影CT ④までで診断がつかない場合はCTを検討 ・肺病変の確認のみ 単純CT ・血管病変の診断/除外 ・肺血栓塞栓症 造影CT(下肢までの撮像も考慮) ・大動脈解離 単純CT+造影CT(早期+後期相)
#13.
※CT前に以下を確認 □女性の場合は妊娠の有無 (場合によっては妊娠反応検査) □(造影CT) 腎機能障害の有無 □(造影CT)喘息の有無 □(造影CT) 造影剤アレルギーの有無
#14.
Step 6 診察と検査所見から診断を吟味 コラム③ 診断がつかないときにどうするか ①心疾患が否定できないとき 発症早期には心電図も心筋トロポニンTも陰性となる場合もあり,数時間おいて からの再検が望ましい.また,不安定狭心症(UAP)は心電図も心筋トロポニンT も陰性となるため,病歴から疑われる場合には循環器内科にコンサルトする. ②心血管系疾患ではなさそうな時 「腹痛(特に上腹部痛)」を呈する疾患も鑑別疾患として検討する. ③それでも診断がつかない時 ・見逃せない疾患を根拠をもって否定する. それをきちんとカルテに記載する! ・救急外来では診断できない疾患の可能性を考え,後日該当科への受診を指示 する.皮膚/筋/骨系の痛みが疑われる場合には,鎮痛剤を頓用で数回分処方して も良い.
#15.
+α 有意所見がない場合の考え方 ・自己判断で帰宅させずに,上級医に相談する. ・胸痛が持続する場合,冠危険因子やTIMI risk scoreをもと にリスク評価し,入院での精査加療を検討する. ・病歴などから心疾患(急性冠症候群など)が否定できない 循環器内科コンサルト
#16.
+α 帰宅可能な場合 ・皮膚疾患/筋骨格系疾患疑い,重篤感なし 鎮痛剤処方し帰宅,後日専門外来へ. ・胸痛が消失し,重要疾患を示唆する徴候が1つもない 症状が再燃した場合の再診を指示. ※何らかの懸念が残るときは上級医コンサルト. ・重篤感なく,重要疾患も否定され,救急外来ではこれ以上 の精査が困難な場合 後日,該当科の受診を指示.