アルコール依存症は「意志の弱さ」ではなく、脳の機能障害です。国内推定患者数約80万人——その多くが「いつでもやめられる」という否認の壁の中にいます。
本スライドでは、節度ある飲酒と多量飲酒の境界線(純アルコール20g/60g基準)から、CAGEテストによるスクリーニング、ICD-10による確定診断基準(6項目中3つ以上)まで、外来・病棟で即使える評価フローを整理しました。
離脱症状については、早期離脱(10〜30時間)から振戦せん妄(48〜72時間、無治療時致死率5%以上)までのタイムラインと、CIWA-Arスコアによる重症度評価・過剰鎮静を避けるための薬物療法の目安を提示。さらにウェルニッケ脳症・コルサコフ症候群に至るチアミン欠乏の機序も解説しています。
治療では断酒とハームリダクション(飲酒量低減)の対象の違い、認知行動療法・動機付け面接法・薬物療法(ベンゾジアゼピン系、アカンプロサート、抗酒薬、ナルメフェン)の位置づけ、AA・断酒会といった自助グループの役割、そして家族が「イネブラー」にならないための関わり方まで、回復を支える全体像を1枚ずつ整理しています。