#4.
輸液製剤は「Na濃度」で分類せよ 開始液、維持液といった用語は混乱を招きやすい。 輸液で最も重要なのは「血管内にNaをどのくらい入れたいか」である。
そのため、製剤をNa濃度で分類することが理解への近道となる。 各製剤のNa濃度を把握し、目的を持って使い分けよう。
#5.
電解質輸液製剤の種類
#6.
製剤ごとのNa濃度
#7.
所詮は「生食」と「5%ブドウ糖」の組み合わせ 複雑に見える輸液製剤も、基本は「生理食塩水」と「5%ブドウ糖液」の組み合わせである。
1号液:生食と5%ブドウ糖が1:1
3号液:生食と5%ブドウ糖が1:3
基本となる「タレの比率」を知れば、体内での分布が予測できるようになる。
#8.
Na濃度が細胞外液の分布を決める Naは細胞内に入らない。そのため、Na濃度が高い製剤ほど細胞外(間質・血管内)の浸透圧が高くなり、細胞外に留まる。
逆にNa濃度が低いと、水は細胞内へと移動し、循環血液量は増えにくい。
#9.
血管内に水を留めたいか、体全体に行き渡らせたいかで製剤を選ぶ。
#10.
1号液1,000mL(生食500mL+ブドウ糖500mL)を投与するとどうなる? 生食は細胞外に、ブドウ糖は細胞内外へ均等に分布する。 この計算を一度手を動かして行ってみることで、輸液のセンスが劇的に向上する。
#11.
3号液では血管内ボリュームは増えにくい 下痢などによる脱水で循環血液量が減っている場合、3号液は適さない。3号液1,000mLでは、血管内に分布する水分量が少ないためである。
#12.
3号液では血管内ボリュームは増えにくい 細胞外液をしっかり補いたい場合は、生理食塩水やリンゲル液などの細胞外液補充液(等張液)を選択する。
#13.
生理食塩水の落とし穴 生理食塩水(NaCl)はシンプルで使いやすいが、大量投与には注意が必要である。
血漿に比べてClが高いため、大量に血管内へ入れると高Cl性アシドーシスを惹起してしまう。
血液の酸塩基平衡(pH)を保つため、この点を理解しておく必要がある。
#14.
アシドーシスを防ぐ「緩衝化晶質液」 高Cl性アシドーシスを防ぐために作られたのが、乳酸、酢酸、重炭酸などを含む「緩衝化晶質液(バランス輸液製剤)」である。
これらは体内で代謝されてHCO3-(重炭酸イオン)となり、緩衝力を保つ。そのため、アシドーシスを起こしにくい設計になっている。
#15.
晶質液か、膠質液か 輸液は大きく晶質液と膠質液に分かれる。
晶質液:水と電解質のみで構成される(生食、リンゲル液など)
膠質液:大きな分子を含む(アルブミンなど)
膠質液は血管内に留まるが、非常に高価である。
近年の研究でも、基本的には晶質液で十分とされる。
#16.
敗血症の初期輸液はどうする? 敗血症の初期輸液には、原則として「緩衝化晶質液」を用いることがガイドラインで推奨されている。
大量の輸液が必要な病態において、あえてアシドーシスに傾ける理由はないためである。
なお、人工膠質液の使用は強く非推奨とされている点も押さえておこう。
#17.
リンゲル液と生食は「病態」で使い分ける どちらが優れているかではなく、病態とセットで考えることが重要である。
一般的な体液量減少(脱水)であれば、アシドーシスを避けるためにリンゲル液が適している。
一方で、嘔吐などで体内のClが減少している病態であれば、生理食塩水を使用するのが合理的である。
#18.
現場で使える輸液戦略は書籍で! 本スライドで紹介したのは輸液の基本中の基本である。
『マメカン輸液・電解質』では、若手医師が現場で迷わないための、さらに実践的な知識が満載だ。
心不全や腎不全が絡む複雑な病態での輸液戦略、利尿薬との組み合わせ方は、ぜひ書籍を手に取って学んでほしい!
#19.
さらに詳しい解説は、
『マメカン輸液・電解質』
をチェック!