#4.
⺟親が休める‧眠れる環境調整を 薬の処⽅や調整にくわえて、⺟親⾃⾝が休息を取れる環 境づくりが⼤切です。 • • ⾃治体の産後ケアサービスや産後ケア施設の活⽤ ベビーシッターなどの育児⽀援サービスの利⽤ などを提案しましょう。 睡眠不⾜は精神症状の悪化を招きます。 ⺟親が眠れる環境を整えることが治療の第⼀歩です。
#5.
産後の急な服薬中断は避ける 妊娠前や妊娠中に使⽤していた向精神薬や睡眠薬を、 産後に「⺟乳をあげるから」と急に中断することは 避けましょう。 必要な治療を控えたり、薬剤を急に中断することは、 ⺟親の精神状態の悪化につながり 結果的に児へ悪影響を及ぼしかねません。 授乳中も、必要な薬剤は継続することを基本とし、 精神状態の安定を最優先にします。
#6.
授乳中の向精神薬‧睡眠薬の使⽤ 多くの向精神薬や睡眠薬は授乳中にも使⽤可能です。 ただし、乳幼児の状態には注意が必要です(新⽣児薬物 離脱症候群など)。⺟親や家族に対し、児に以下のよう な変化があれば、⼩児科へ連絡するよう説明します。 • • • 傾眠傾向、不機嫌 体重増加不良 哺乳意欲の低下
#7.
服⽤と授乳のタイミング 「授乳の直後に薬を飲むように」と厳密に指導されるこ とがありますが、向精神薬や睡眠薬において、この指導 はあまり意味がありません。薬物の⺟乳移⾏量を低下さ せる効果には乏しいとされています。 服⽤と授乳のタイミングを厳密に決める必要はなく、 ⺟親の服薬コンプライアンスを維持しやすいタイミング で継続します。
#8.
抗うつ薬(SSRIなど)の考え⽅ ‧抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) 多くが⺟乳中への移⾏量が少なく、⼀般的に授乳可能 ただし薬剤によっては児の消化器症状に注意が必要 ‧エスシタロプラムやフルボキサミンなど 児の腸炎、下痢、嘔吐に注意
#9.
抗不安薬‧睡眠薬の選び⽅と注意点 ‧ベンゾジアゼピン系薬剤 半減期の短いものを選択する ‧ジアゼパムやアルプラゾラム 乳幼児の傾眠傾向や体重増加不良に注意 ‧⾮ベンゾジアゼピン系薬剤(ゾルピデム) ‧メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン) ⺟乳への移⾏量が⾼くないとされる
#10.
向精神薬の移⾏と注意点 薬剤ごとに⺟乳への移⾏量や児への影響が異なる • • オランザピン、クロルプロマジン: ⺟乳への移⾏量が⽐較的少ない クロザピンなど: 児の傾眠傾向に注意
#11.
産後の不眠には「鉄不⾜」の評価も ‧不眠の原因にむずむず脚症候群が隠れていることがある ⾎清フェリチンが50µg/L以下の場合は、鉄剤の投与推奨 ‧妊産婦の不眠では漢⽅薬(抑肝散)を使うこともある
#12.
⺟親や家族へ安全性を丁寧に説明する 授乳中の服薬に強い不安を感じる⺟親は多いです。 必要性と安全性を⼗分に説明しておかないと、 薬への不安から治療の⾃⼰中断につながってしまいます。 「⺟親がしっかり治療を受け、精神状態を安定させることが、 結果的に⾚ちゃんにとっても⼤切である」 というメッセージを伝えることが重要です。
#13.
患者への具体的な説明例 不安を払拭するため、以下のような説明がおすすめです。 • • • • 「お薬は⺟乳へ移⾏しますが、⾮常に少ない量なので、 ⾚ちゃんへの悪影響はないとされています」 「薬を無理にやめると睡眠状態や気分が悪化し 育児に悪影響が出る可能性があります」 「⾚ちゃんの体調に注意しながら、 安全な薬を使っていきましょう」
#14.
患者向けガイドの活⽤ ‧⼀般向けのガイドブックを活⽤するのも有効です。 ⽇本精神神経学会‧⽇本産科婦⼈科学会の 『こころの不調や病気と妊娠‧出産のガイド』は 患者や家族への説明に役⽴ちます。 診察室で、信頼できる情報源を提⽰することで 患者の安⼼感を⾼めることができます。 https://www.jspn.or.jp/guide/
#15.
さらに詳しい内容は、 『女性診療のエビデンスをぎゅうっとまとめました 』 をCHECK!