#4.
呼吸生理ででてくる記号 PaO2 1次記号(内容、単位) P:ガス分圧(mmHg) F:ガス分画 C:血液ガス含量(ml/dL) V:ガス量(mL) S:Hb酸素飽和度(%) 3次記号(ガスの種類) 2次記号(場所) 気体は大文字 液体は小文字 I :吸入気 A:肺胞気 a:動脈 v:静脈 × FiO2 〇 F IO2
#5.
呼吸不全とは 呼吸器系障害により低酸素血症をきたし、生体が正常な機能を 営むことができない状態 • Ⅰ型呼吸不全 PaO2 ≦ 60 mmHg and PaCO2 ≦ 45 mmHg • Ⅱ型呼吸不全 PaO2 ≦ 60 mmHg and PaCO2 > 45 mmHg
#6.
酸素化 換気 • 動脈血中の酸素 • 酸素解離曲線 • 酸素カスケード • 肺胞気式 • 酸素化障害の原因 肺胞低換気 拡散障害 シャント 換気血流比不均等 • 動脈血中のCO2 • 肺胞換気式 • 分時換気量 • 呼吸中枢による換気調節 • 換気障害の分類 拘束性 閉塞性 混合性
#7.
酸素化 換気 • 動脈血中の酸素 • 酸素解離曲線 • 酸素カスケード • 肺胞気式 • 酸素化障害の原因 肺胞低換気 拡散障害 シャント 換気血流比不均等 • 動脈血中のCO2 • 肺胞換気式 • 分時換気量 • 呼吸中枢による換気調節 • 換気障害の分類 拘束性 閉塞性 混合性
#8.
動脈血液中の酸素 CaO2 = 1.34×Hb×SaO2 + 0.003×PaO2 1 gあたりの酸素化Hbに何mlの 酸素がくっつくかという係数 Hbにくっついていない溶存酸素 PaO2がよっぽど高い場合 (高圧酸素療法など)でなければ無 視できる 血液中の酸素はHbにくっついている 1.34×15×1=20
#9.
酸素解離曲線 普通の状態なら PaO2 60 mmHgのとき SaO2 90%くらい 右方シフト アシドーシス、PaCO2↑、 温度↑、2,3-DPG↑ 低灌流組織で酸素を放出
#10.
動脈血酸素分圧と酸素含有量の関係 PaO2 を100 mmHg 以上にあげても 酸素含有量は あまり増加しない SaO2はすでに100% 近いから
#11.
酸素カスケード
#12.
酸素カスケード
#13.
大気中の酸素分圧 1気圧 PB= 760 mmHg FIO2 = 0.21 PBO2 = 760×0.21 = 160 mmHg 高圧酸素療法(2気圧、FIO2 1.0)ならPO2 = 1520 mmHg エベレスト山頂(0.3気圧、FIO2 0.21)ならPO2 = 48 mmHg
#14.
酸素カスケード
#15.
吸入気の酸素分圧 肺胞気は100%加湿されている 1気圧 PB = 760 mmHg 1気圧での飽和水蒸気圧 PH2O = 47 mmHg FIO2 = 0.21 PIO2 =(760-47)×0.21 = 150 mmHg 人工呼吸でFIO2 0.4ならPIO2 =(760-47)×0.4 = 285 mmHg
#16.
酸素カスケード
#17.
肺胞気の酸素分圧 •
#18.
ここまでのまとめ
#19.
鳥類の気嚢システム PACO2を 低く保てる P A O 2を 高く保てる
#20.
酸素化障害の原因① 肺胞低換気
#21.
肺胞低換気 •
#22.
肺胞低換気 PaCO2の上昇をきたすような病態 • 鎮静や麻酔 • 呼吸中枢の障害 自発呼吸が十分あればPaCO2は普通上昇しない (分時換気量↑で代償できる) 酸素投与で簡単にマスクされる(SaO2が維持される)
#23.
肺胞低換気 Case 1 1歳 痙攣重積後、自然気道でMDZを持続静注。徐呼吸となりSpO2が低下 したので酸素投与したところSpO2は安定。 ➡CO2たまってるかも Case 2 10ヶ月 重症クループ。著しい陥没呼吸がありSpO2がふらつく。酸素投与した ところ、SpO2は安定。 ➡CO2たまってるかも
#24.
肺胞低換気 肺胞低換気による酸素化障害が疑われる場合 酸素投与なし → SpO2低下なければCO2は貯留していない 酸素投与あり → SpO2低下なくてもCO2は貯留しているかも
#25.
酸素カスケード
#26.
肺胞から肺毛細血管への酸素の受け渡し • D :拡散定数 P :ガス分圧 Sol:ガス溶解度 MW :ガス分子量 CO2は溶解度が高いので 酸素よりも20~25倍速く拡 散する
#27.
肺胞から肺毛細血管への酸素の受け渡し 肺胞と肺毛細血管の接触時間は 0.75 s程度 通常0.25 sで酸素の受け渡しが完了
#28.
酸素の受け渡しは連続的 無呼吸でもしばらく 酸素化は保たれる Anesthesiology. 1997 Oct;87(4):979-82.
#29.
酸素の受け渡しは連続的 肺胞内から肺毛細血管へ酸素は徐々に受け渡されていく 無呼吸でもすぐに酸素は枯渇しない (PAO2 > PpaO2) →息を止めてもSaO2はすぐに下がらない 酸素化はFIO2と肺容量(FRC、MAP、PEEPなど)に左右される 肺毛細血管から肺胞へのCO2の受け渡しはすぐに平衡に達する →息を止めるとPaCO2はすぐに上昇していく( PaCO2 = PACO2) 換気は肺胞内気体の入れ替え頻度(分時換気量)に左右される
#30.
酸素化障害の原因② 拡散障害
#31.
拡散障害 間質性肺炎など FIO2↑で酸素の拡散速度↑するので 酸素投与が有効 接触時間が短くなる(心拍数↑)で 酸素化が悪化することも
#32.
酸素カスケード AaDO2
#33.
シャント SaO2 90%、SvO2 60%でシャントが原因とするとシャント率
#34.
PAO2-PACO2とV/Q
#35.
シャントと死腔 一部がシャントの場合 酸素化されない血液が混ざるので、 PaO2が低下する 一部が死腔の場合 酸素化されない血液は混ざらず、 PaO2は低下しない 換気の効率は悪くなる
#36.
換気血流比不均等
#37.
酸素化障害の原因③ シャント・V/Q低値
#38.
シャント・V/Q低値 完全なシャント(V=0)なら酸素投与は無効 • 肺内シャント • 肺外シャント(右左シャント) 局所のV/Q低値(<0.8)でVが流れており、 肺胞から受け渡す酸素が枯渇している場合には 酸素投与が有効
#39.
片側無気肺 完全なシャントでない部分もあるので 酸素投与はある程度有効 右無気肺なら左側臥位がよい ・換気血流比不均等の改善で酸素化改善 (含気の良い左肺の肺血流が増える) ・右肺を上にすることで体位ドレナージ
#40.
換気血流比不均等 • 健常人でも換気血流比は均等ではなく、 肺の部位によって0.8~1.2くらいの幅がある • 正常でも十分に酸素化されない血液が少しまざるので 拡散障害がなくてもAaDO2は開大する
#41.
低酸素性肺血管攣縮 HPV: Hypoxic Pulmonary Vasoconstriction • PAO2が低下した場合にその肺胞に隣接する細動脈の血管平 滑筋が収縮する現象 • V/Qの低い肺胞への血流を低下させることで、換気血流比不 均等を改善させる生理的な反応 • この現象が広範囲の血管で生じると肺血管抵抗が上昇して肺 高血圧となる
#42.
NO吸入 • 酸素化悪化時にNO吸入により、含気が入る肺胞に隣接する 細動脈の血管平滑筋を拡張させ、換気血流比不均等を改善させる Inhaled Nitric Oxide Clinical recommendation 4.1. We suggest against the routine use of inhaled nitric oxide (iNO) in PARDS compared with selective use of iNO in PARDS. (Conditional CR, low certainty of evidence, 98% agreement). Pediatr Crit Care Med. 2023 Feb 1;24(2):143-168.
#43.
酸素化障害の原因のまとめ PAO2 PACO2 PaO2 PaCO2 酸素投与 肺胞低換気 ↓ ↑ ↓ ↑ 有効 拡散障害 正常 正常 ↓ 正常 有効 シャント 正常 正常 ↓ 正常 無効 ↑ or 正常 ある程度 有効 換気血流比不均等 さまざま ↑ or 正常 ↓
#44.
酸素化 換気 • 動脈血中の酸素 • 酸素解離曲線 • 酸素カスケード • 肺胞気式 • 酸素化障害の原因 肺胞低換気 拡散障害 シャント 換気血流比不均等 • 動脈血中のCO2 • 肺胞換気式 • 分時換気量 • 呼吸中枢による換気調節 • 換気障害の分類 拘束性 閉塞性 混合性
#45.
動脈血液中のCO2 CO2は血液中に溶解し、重炭酸緩衝系として働く(pHと関連) 溶解量はPaCO2に比例する
#46.
肺胞換気式 :CO2産生量(mL/min) :分時換気量(L/min) PaCO2はCO2産生量に比例し、分時換気量に反比例する
#47.
復習 • 肺胞低換気ではPaCO2が上昇する • 自発呼吸が十分あればPaCO2は普通上昇しない • 肺毛細血管から肺胞へのCO2の受け渡しはすぐに平衡に達する • 換気は肺胞内気体の入れ替え頻度(分時換気量)に左右される • 死腔があれば換気効率が悪くなる
#48.
CO2の産生量 • 体温が1度上昇すると6%~13%程度の代謝亢進(≒CO2産生↑) • 酸素消費量を減らす治療(≒CO2産生を減らす治療) 解熱(冷却) 鎮静 筋弛緩 呼吸サポート 抗痙攣
#49.
分時換気量 分時換気量 1回換気量 死腔 呼吸回数 教科書にはこう書かれてますが、少し誤解を生みます
#50.
分時換気量 吸気前 吸気終末 肺容量 FRC FRC+VT 死腔容量 VD VD 実際の肺容量の増加は(VT-VD)ではなくVT (VT-VD)は正味の換気に関与している容量という意味 加えて、気体なので、そのまま引き算するのは正確ではない もちろん、死腔は少ないほうがよい
#51.
分時換気量 実臨床では として呼吸器の調整を行って大きな問題はない 筋弛緩、人工呼吸管理の患者の PaCO2を50 mmHgから40 mmHgにしたい 分時換気量(VT×RR)を50/40=1.25倍にすればよい
#52.
人工呼吸中の死腔
#53.
人工呼吸中の死腔 Y字より患者側は死腔になるい たずらに長くしすぎない
#54.
呼吸中枢による換気調節 十分な自発呼吸がある時、 酸素化が保たれていれば pH 7.4程度になるように 呼吸ドライブがかかる 代謝性アルカローシスが 存在するときは、 pHが保たれていればCO2 高値は正常範囲とみなせる
#55.
自発呼吸+代謝性アルカローシス Case 3 2歳 肺炎で挿管管理。呼吸状態改善傾向でSAT、SBT施行中。 フロセミド持続投与により低Cl性の代謝性アルカローシスあり。 PaCO2 57 mmHg、pH 7.41、HCO3- 35 mEq/L 努力様呼吸なし。 PaCO2が高値なのでSBT失敗? ➡pH保たれており、換気応答は正常
#56.
自発呼吸があるのに呼吸性アシドーシス Case 4 6ヶ月 RSウイルス感染症。努力呼吸、陥没呼吸がみられる。 HFNC装着し、Aライン確保。 採血するとPaO2 80mmHg、PaCO2 50mmHg、pH 7.30 酸素化保たれているので許容範囲? ➡換気が呼吸努力でも代償できなくなっている。挿管適応。
#57.
換気障害の分類 換気障害の分類はあるが、 小児では呼吸機能検査が 難しいので 気道抵抗(R) コンプライアンス(C) のどちらに問題があるかを 考えて人工呼吸管理をする 次回に続く