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投稿者

はらD

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テキスト全文

  • #1.

    原田介斗

  • #2.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞移植ってどんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #3.

    造血幹細胞とは たった1つの造血幹細胞を移植 ①自己複製能(幹である自分をコピーする) ②多分化能(様々な細胞に変化できる) 全ての血液細胞を再構築できた

  • #4.

    造血幹細胞とは 光る造血幹細胞を1つだけ移植 PNAS 2004 たった1つの造血幹細胞由来の細胞が全身に広がっていく!!!

  • #5.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞どんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #6.

    造血幹細胞移植とは ・血液腫瘍に対する抗がん剤の最大投与量は骨髄毒性によって決まっている →最大投与量を超えると腫瘍をもっと殺せるが、自らの造血幹細胞も死ぬ あらかじめ造血幹細胞を保存しておけば、 骨髄毒性のリミッターを解除して抗がん剤投与ができる!

  • #7.

    自家造血幹細胞移植とは 骨髄毒性を無視した骨髄破壊的抗がん剤で血液腫瘍を駆逐する 抗がん剤治療 通常の抗がん剤を 生き残った腫瘍細胞 初発時 骨髄に戻す! 造血幹細胞 採取 空っぽの骨髄に 造血幹細胞が生着する 戻した造血幹細胞が 正常な血液細胞を作り出す

  • #8.

    同種造血幹細胞移植とは 骨髄破壊的抗がん剤+同種免疫反応で血液腫瘍を駆逐する 健康なドナー 抗がん剤治療 通常の抗がん剤を 生き残った腫瘍細胞 初発時 造血幹細胞 Graft Vs Host Disease (GVHD) 暴走したドナーT細胞 が患者自身を攻撃 生着したドナーT細胞 が残存腫瘍を攻撃 骨髄破壊的抗がん剤でも 駆逐できない腫瘍細胞 Graft Vs Leukemia (GVL)

  • #9.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞どんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #10.

    造血幹細胞移植の適応 ・骨髄毒性リミッター解除だけで完治が狙える場合 →安全に行える自家移植 CHOP±Rで再発したリンパ腫 多発性骨髄腫(ただし完治というよりもコントロールが目的) ・GVL効果がないと完治が期待できない場合 →GVHDリスクを受け入れて同種移植 急性骨髄性/リンパ性白血病 造血幹細胞に異常がある病気(MDS、再生不良性貧血など) 自家移植でも再発したリンパ腫など

  • #11.

    実臨床における同種造血幹細胞移植の位置づけ 腫瘍細胞の量 1012 寛解導入療法 寛解 109 地固め療法 化学療法 抵抗性 腫瘍細胞 残存 再発 造血幹細胞 移植 化学療法でコントロール 困難な疾患を完治させる ポテンシャル 完治 0 化学療法だけで治癒が 見込めない疾患を完治 させるポテンシャル

  • #12.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞どんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #13.

    同種造血幹細胞移植のリスク 移植における合併症死亡リスク ・骨髄破壊的抗がん剤に関連した 臓器障害や粘膜障害 →血管内皮障害や心不全など 骨髄破壊的抗がん剤でも 駆逐できない腫瘍細胞 ・造血再構築までの血球減少期間の 感染症 生着したドナーT細胞 が残存腫瘍を攻撃 暴走したドナーT細胞 が患者自身を攻撃 ・生着後のドナー免疫反応 →移植片対宿主病 (GVHD) Totalで約20%の 治療関連死亡率

  • #14.

    Take home message ・造血幹細胞は自己複製能と多分化能によって造血を再生できる ・これを利用して、骨髄毒性を無視して治療するのが自家移植 ・さらに他人の造血幹細胞を使ってGVLも利用するのが同種移植 ・同種移植はより強力な治療だが、 GVHDをはじめとする合併症で20%程度の治療関連死亡率がある

造血幹細胞移植の原理

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投稿者プロフィール
はらD

東海大学医学部付属病院

概要

血液内科ローテ中の研修医/医学生や血液内科勉強中の方向けの造血幹細胞移植の解説動画です。

通常の抗がん剤で完治が見込めない血液がんや、造血幹細胞に異常を来した疾患に対して行われる造血幹細胞移植。何やら複雑なことをやっていそうだけど、イマイチよくわからん、という研修医/医学生に向けてのスライドです。どうやって幹細胞を採取して、どういう免疫抑制をかけて、どのタイミングでどのような合併症に気を付ければよいか、初学者が最初に抑えておくべきポイントを絞って、解説していきます。

youtubeに動画での解説もありますので、詳しく丁寧に解説してますのでぜひどうぞ。

https://youtu.be/Zb7Dxvqf6yI

3. マウスでは、たった1つの幹細胞の移植によって造血再構築することが証明されている。すなわち、造血幹細胞は自己複製能と多分化能をもつ。

4. 遺伝子操作で光るように改変されたマウスの造血幹細胞を移植追うと、全身に広がっていく様子がとらえられた

6. 血液細胞は抗がん剤感受性が高いので、骨髄毒性が一番の副作用。規定量を超えての投与はもっともっと血液がんを殺せるが、自分の血液細胞も大ダメージをおって、場合によっては造血システムが破綻する。ここで、造血幹細胞がストックしてあれば、造血幹細胞を体に戻してあげることで造血が再生する。つまり、骨髄毒性というリミッターを無視して、とんでもない量の抗がん剤を入れて血液がんをころすことができる。

7. 図でのおさらい。自分の造血幹細胞を用いる流れ。

8. 応用編。他人の造血幹細胞を用いる流れ。他人の血液が体を流れることになるので、①GVLという抗白血病効果と、②GVHDという副作用の側面、両方が加わる。

10. 一般的な適応

11. 急性白血病における移植タイミング。化学療法だけで治らないタイプ(青いライン)の最後の一押し、地固め療法として移植する場合がメイン。ただし、化学療法抵抗性や再発してコントロールつかない場合に一発逆転で移植を行うこともある。後者の場合、長期生存は2割程度と厳しい戦いになる。

13. リスクは①抗がん剤の副作用、②血球減少期の感染症、③生着後のGVHDが主なところで、total 20%の患者が死亡するというハイリスクな治療

14. まとめ。動画の方が分かりやすいかと思います。是非どうぞ

本スライドの対象者

医学生/研修医

テキスト全文

  • #1.

    原田介斗

  • #2.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞移植ってどんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #3.

    造血幹細胞とは たった1つの造血幹細胞を移植 ①自己複製能(幹である自分をコピーする) ②多分化能(様々な細胞に変化できる) 全ての血液細胞を再構築できた

  • #4.

    造血幹細胞とは 光る造血幹細胞を1つだけ移植 PNAS 2004 たった1つの造血幹細胞由来の細胞が全身に広がっていく!!!

  • #5.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞どんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #6.

    造血幹細胞移植とは ・血液腫瘍に対する抗がん剤の最大投与量は骨髄毒性によって決まっている →最大投与量を超えると腫瘍をもっと殺せるが、自らの造血幹細胞も死ぬ あらかじめ造血幹細胞を保存しておけば、 骨髄毒性のリミッターを解除して抗がん剤投与ができる!

  • #7.

    自家造血幹細胞移植とは 骨髄毒性を無視した骨髄破壊的抗がん剤で血液腫瘍を駆逐する 抗がん剤治療 通常の抗がん剤を 生き残った腫瘍細胞 初発時 骨髄に戻す! 造血幹細胞 採取 空っぽの骨髄に 造血幹細胞が生着する 戻した造血幹細胞が 正常な血液細胞を作り出す

  • #8.

    同種造血幹細胞移植とは 骨髄破壊的抗がん剤+同種免疫反応で血液腫瘍を駆逐する 健康なドナー 抗がん剤治療 通常の抗がん剤を 生き残った腫瘍細胞 初発時 造血幹細胞 Graft Vs Host Disease (GVHD) 暴走したドナーT細胞 が患者自身を攻撃 生着したドナーT細胞 が残存腫瘍を攻撃 骨髄破壊的抗がん剤でも 駆逐できない腫瘍細胞 Graft Vs Leukemia (GVL)

  • #9.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞どんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #10.

    造血幹細胞移植の適応 ・骨髄毒性リミッター解除だけで完治が狙える場合 →安全に行える自家移植 CHOP±Rで再発したリンパ腫 多発性骨髄腫(ただし完治というよりもコントロールが目的) ・GVL効果がないと完治が期待できない場合 →GVHDリスクを受け入れて同種移植 急性骨髄性/リンパ性白血病 造血幹細胞に異常がある病気(MDS、再生不良性貧血など) 自家移植でも再発したリンパ腫など

  • #11.

    実臨床における同種造血幹細胞移植の位置づけ 腫瘍細胞の量 1012 寛解導入療法 寛解 109 地固め療法 化学療法 抵抗性 腫瘍細胞 残存 再発 造血幹細胞 移植 化学療法でコントロール 困難な疾患を完治させる ポテンシャル 完治 0 化学療法だけで治癒が 見込めない疾患を完治 させるポテンシャル

  • #12.

    レクチャーの内容 ・造血幹細胞ってなんぞや ・造血幹細胞移植って要するに何してんの ・造血幹細胞どんなときにするの? ・造血幹細胞移植ってどんなリスクがあるの?

  • #13.

    同種造血幹細胞移植のリスク 移植における合併症死亡リスク ・骨髄破壊的抗がん剤に関連した 臓器障害や粘膜障害 →血管内皮障害や心不全など 骨髄破壊的抗がん剤でも 駆逐できない腫瘍細胞 ・造血再構築までの血球減少期間の 感染症 生着したドナーT細胞 が残存腫瘍を攻撃 暴走したドナーT細胞 が患者自身を攻撃 ・生着後のドナー免疫反応 →移植片対宿主病 (GVHD) Totalで約20%の 治療関連死亡率

  • #14.

    Take home message ・造血幹細胞は自己複製能と多分化能によって造血を再生できる ・これを利用して、骨髄毒性を無視して治療するのが自家移植 ・さらに他人の造血幹細胞を使ってGVLも利用するのが同種移植 ・同種移植はより強力な治療だが、 GVHDをはじめとする合併症で20%程度の治療関連死亡率がある

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