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内科医のための脳出血とくも膜下出血

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菊野宗明

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急性期脳梗塞 初期診療

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はらD

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テキスト全文

  • #1.

    -

  • #2.

    レクチャーの内容 ・急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia) 発症機序と病態 ・治療の考え方 ・転座と分類の理解

  • #3.

    白血病の起こり 造血幹細胞 自己複製 多能性 前駆細胞 リンパ芽球 リンパ球 共通前駆細胞 顆粒・単球 前駆細胞 血小板 前巨核球 赤血球 前赤芽球 単球 前単球 好中球 前骨髄球 骨髄芽球 血管内 骨髄 ①増殖スイッチON ②分化できない 遺伝子変異 白血病細胞が 正常造血を阻害

  • #4.

    急性骨髄性白血病への進展? 造血幹細胞 多能性 前駆細胞 リンパ芽球 リンパ球 共通前駆細胞 顆粒・単球 前駆細胞 血小板 前巨核球 赤血球 前赤芽球 単球 前単球 好中球 前骨髄球 骨髄芽球 幹細胞に異常がある病態 骨髄異形成症候群 慢性骨髄性白血病 骨髄繊維症 など 追加で遺伝子異常 増殖ON/分化OFFが揃うと 急性骨髄性白血病へ進展

  • #5.

    症状 血小板 赤血球 好中球 体内に侵入してきた細菌を殺す 酸素を全身に運搬 止血 血小板 赤血球 好中球 感染症 (発熱性好中球減少症) 貧血 (息切れ、倦怠感) 出血 (鼻出血や点状出血など) 正常造血の阻害 増殖した細胞の臓器浸潤 歯肉腫脹や髄外腫瘤 (=自然免疫) DIC(血がサラサラ)もよく合併

  • #6.

    治療の流れ 腫瘍細胞の量 1兆 寛解 10億 寛解導入療法 地固め療法 寛解 白血病を"コントロール"できて、 正常造血を取り戻した状態 (骨髄芽球<5%) 0 白血病細胞が0になれば"完治" 白血病細胞が0にならなかった場合は数か月~数年後に再発する 再寛解導入療法 化学療法で治る可能性が 低い場合は 造血幹細胞移植を行う 地固め療法

  • #7.

    寛解導入療法の実際 イダルビシン 3日間 ダウノルビシン 5日間 or シタラビン 7日間 + 正常な白血球 白血病細胞 嘔気 脱毛 感染症好発時期 腫瘍崩壊症候群 DIC(血がサラサラ) 骨髄検査!! 輸血療法 1回の化学療法で 概ね6割ちょっとが寛解に なります 30日 ちょっと

  • #8.

    化学療法で治るかどうかの判断 腫瘍細胞の量 寛解 寛解導入療法 地固め療法 予後因子① どんな染色体異常か 0 予後良好 化学療法のみで6割以上治る 予後不良群 化学療法のみではほぼ治らない 予後中間群 化学療法のみで3割治る 1兆 10億 t(8;21), inv(16), t(15;17) 染色体正常 -5、-7、複雑染色体など

  • #9.

    化学療法で治るかどうかの判断 腫瘍細胞の量 寛解 寛解導入療法 地固め療法 予後因子② 化学療法の効き目 0 そもそも寛解にすら入らない 化学療法終了後 しばらくしてから再発 地固め療法中に再発 これらの場合 化学療法だけでは 治りません 1兆 10億

  • #10.

    t(8;21)とかinv(16)って?? エッセンシャル細胞生物学から引用 8番 21番 ETO AML1 AML1-ETO 血液細胞の分化を制御 不良品なので 分化機能が× 分化できなくなった骨髄芽球に増殖スイッチONが付加 急性骨髄性白血病発症 8番染色体 21番染色体 融合遺伝子 "転座"と いいます 遺伝子A 遺伝子B

  • #11.

    FAB分類とWHO分類 造血幹細胞 リンパ芽球 リンパ球 共通 前駆細胞 顆粒・単球 前駆細胞 血小板 前巨核球 赤血球 前赤芽球 単球 前単球 好中球 前骨髄球 骨髄芽球 M6 M4 M1,2 M0 WHO分類は 白血病の原因の分類 特定の異常が明らか ・t(8;21)による分化異常 ・inv(16)による分化異常 ・t(15;17)による分化異常 特定の原因が明らか ・骨髄異形成症候群が原因 ・抗がん剤治療歴が原因 など M3 M5 M7 FAB分類は 見た目(結果)の分類

  • #12.

    (どの細胞に) (何が起こって)(結果どうなる) 急性骨髄性白血病とは 骨髄芽球や単芽球に 増殖ON・分化OFF となる遺伝子変異 正常造血の阻害 増殖細胞の臓器浸潤 Take Home Message

【病態生理の徹底解説】急性骨髄性白血病ってどんな病気?治療はどんな流れ?

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はらD

東海大学医学部付属病院

概要

みんな苦手な血液内科の疾患を病態からしっかりと理解しよう

フル解説動画:https://youtu.be/HAeZa3a6X1o

【AMLの発症機序】

まず急性骨髄性白血病(AML)がどのようにして起こるのか、です。

白血病ってたくさん種類がありますが全部原因となっている細胞が違います

で、AMLはリンパ球が分かれたあとの未熟細胞が原因となります。

この細胞のどこかに、ある日遺伝子変異が起こってしまいます。

造血幹細胞は日々新しい細胞を供給しています。必死に分裂して、分化して細胞を産生しているので、そのプロセスの中で歯車が狂ってしまうことがあるんです。

ただ、1つ歯車が狂っただけではAMLは発症しません。

★AMLを発症するには2つの異常が必要になります★

1つは増殖スイッチがONになりっぱなしになること。これによって異常を来した細胞が増え続ける能力を獲得します

しかし、増えた細胞が分化していけば、成熟した好中球がたくさん増えるだけになります。

なので、ここでもう一つの異常が大事になってきます。

それは、分化できない、という異常を獲得することです。

これによって、わらわらと未熟な細胞の大渋滞が起こることになります。

大渋滞した未熟な細胞は骨髄から漏れ出て末梢血にも出てきます。

こうして造血の工場はびっしりと未熟な細胞で埋め尽くされ、正常な造血を行うことができなくなってしまいます。

つまり体の中から正常な血液細胞が失われて、なんの役にも立たない未熟な細胞が骨髄も末梢血も埋め尽くすわけです。

これがAMLの基本的な発症機序と病態になります。

//

//

次は他の血液疾患からAMLに進展する経過の場合です。

★これは、造血幹細胞に異常がある病気で起こってきます★

ここには骨髄異形成症候群と骨髄増殖性疾患といわれる、慢性骨髄性白血病とか骨髄繊維症が入ってきます

こういった造血幹細胞に遺伝子変異がある病気というのは、異常な造血幹細胞から産生されるすべての細胞に異常があります

骨髄異形成症候群であればがん抑制遺伝子がおかしくなっていて、

骨髄増殖性疾患であればすでに増殖スイッチが入ってますから、

さらなる遺伝子異常が起こりやすい状態となっています。

Youtubeで続きもフル解説してますので、ぜひどうぞ

https://youtu.be/HAeZa3a6X1o

本スライドの対象者

医学生/研修医

テキスト全文

  • #2.

    レクチャーの内容 ・急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia) 発症機序と病態 ・治療の考え方 ・転座と分類の理解

  • #3.

    白血病の起こり 造血幹細胞 自己複製 多能性 前駆細胞 リンパ芽球 リンパ球 共通前駆細胞 顆粒・単球 前駆細胞 血小板 前巨核球 赤血球 前赤芽球 単球 前単球 好中球 前骨髄球 骨髄芽球 血管内 骨髄 ①増殖スイッチON ②分化できない 遺伝子変異 白血病細胞が 正常造血を阻害

  • #4.

    急性骨髄性白血病への進展? 造血幹細胞 多能性 前駆細胞 リンパ芽球 リンパ球 共通前駆細胞 顆粒・単球 前駆細胞 血小板 前巨核球 赤血球 前赤芽球 単球 前単球 好中球 前骨髄球 骨髄芽球 幹細胞に異常がある病態 骨髄異形成症候群 慢性骨髄性白血病 骨髄繊維症 など 追加で遺伝子異常 増殖ON/分化OFFが揃うと 急性骨髄性白血病へ進展

  • #5.

    症状 血小板 赤血球 好中球 体内に侵入してきた細菌を殺す 酸素を全身に運搬 止血 血小板 赤血球 好中球 感染症 (発熱性好中球減少症) 貧血 (息切れ、倦怠感) 出血 (鼻出血や点状出血など) 正常造血の阻害 増殖した細胞の臓器浸潤 歯肉腫脹や髄外腫瘤 (=自然免疫) DIC(血がサラサラ)もよく合併

  • #6.

    治療の流れ 腫瘍細胞の量 1兆 寛解 10億 寛解導入療法 地固め療法 寛解 白血病を"コントロール"できて、 正常造血を取り戻した状態 (骨髄芽球<5%) 0 白血病細胞が0になれば"完治" 白血病細胞が0にならなかった場合は数か月~数年後に再発する 再寛解導入療法 化学療法で治る可能性が 低い場合は 造血幹細胞移植を行う 地固め療法

  • #7.

    寛解導入療法の実際 イダルビシン 3日間 ダウノルビシン 5日間 or シタラビン 7日間 + 正常な白血球 白血病細胞 嘔気 脱毛 感染症好発時期 腫瘍崩壊症候群 DIC(血がサラサラ) 骨髄検査!! 輸血療法 1回の化学療法で 概ね6割ちょっとが寛解に なります 30日 ちょっと

  • #8.

    化学療法で治るかどうかの判断 腫瘍細胞の量 寛解 寛解導入療法 地固め療法 予後因子① どんな染色体異常か 0 予後良好 化学療法のみで6割以上治る 予後不良群 化学療法のみではほぼ治らない 予後中間群 化学療法のみで3割治る 1兆 10億 t(8;21), inv(16), t(15;17) 染色体正常 -5、-7、複雑染色体など

  • #9.

    化学療法で治るかどうかの判断 腫瘍細胞の量 寛解 寛解導入療法 地固め療法 予後因子② 化学療法の効き目 0 そもそも寛解にすら入らない 化学療法終了後 しばらくしてから再発 地固め療法中に再発 これらの場合 化学療法だけでは 治りません 1兆 10億

  • #10.

    t(8;21)とかinv(16)って?? エッセンシャル細胞生物学から引用 8番 21番 ETO AML1 AML1-ETO 血液細胞の分化を制御 不良品なので 分化機能が× 分化できなくなった骨髄芽球に増殖スイッチONが付加 急性骨髄性白血病発症 8番染色体 21番染色体 融合遺伝子 "転座"と いいます 遺伝子A 遺伝子B

  • #11.

    FAB分類とWHO分類 造血幹細胞 リンパ芽球 リンパ球 共通 前駆細胞 顆粒・単球 前駆細胞 血小板 前巨核球 赤血球 前赤芽球 単球 前単球 好中球 前骨髄球 骨髄芽球 M6 M4 M1,2 M0 WHO分類は 白血病の原因の分類 特定の異常が明らか ・t(8;21)による分化異常 ・inv(16)による分化異常 ・t(15;17)による分化異常 特定の原因が明らか ・骨髄異形成症候群が原因 ・抗がん剤治療歴が原因 など M3 M5 M7 FAB分類は 見た目(結果)の分類

  • #12.

    (どの細胞に) (何が起こって)(結果どうなる) 急性骨髄性白血病とは 骨髄芽球や単芽球に 増殖ON・分化OFF となる遺伝子変異 正常造血の阻害 増殖細胞の臓器浸潤 Take Home Message

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