テキスト全文

• #1.

  第二の専門として 産業医の資格を取ろう すたば

• #2.

  このスライドは... 普段は臨床医として働いているけど 他のこともやってみたいな〜 医師免許＋何か資格が欲しいな〜 という先生向けです

• #3.

  医師免許に追加して取れる資格 ずばり, 産業医の資格 です. もちろん,他にも各科専門医や Ph.D.（医学博士），MBA(経営学博士） 医師プラス〇〇資格はたくさんありますが, 今回は産業医の資格をピックアップします.

• #4.

  もくじ 産業医ってどんな仕事？ 産業医資格を使ってみよう メンタル対応が不安？でも大丈夫

• #5.

  産業医ってどんな仕事？ 産業医は仕事場で働く人が健康で快適な作業環境で 仕事ができるように,専門的にアドバイスする医師 50人以上常に働いている人がいれば 会社は産業医を選任する義務があります

• #6.

  産業医になるには 主に以下の３つの方法 （産業医科大卒や数ヶ月間産業医大などで講義を受ける場合を除く） 日本医師会で講習を受けて認定産業医になる 集中講座を受けて産業医になる 労働衛生コンサルタント試験を受けて産業医になる

• #7.

  日本医師会で講習を受けて認定産業医になる ✔日本医師会が主催 ✔日医認定産業医は10万人を突破 ✔日医認定産業医の認定証が出て、名乗れる👍 「が，しかし」5年間で認定証の更新が必要👎 ✔前期研修（14単位以上），実地研修（10単位以上）， 後期研修（26単位以上）の計50単位をコツコツ受講 前期が開催数が限られているが，全国で開催．1回で1〜3単位取得．

• #8.

  日本医師会で講習を受けて認定産業医になる ✔更新のための講習会はとっても充実 更新は煩わしいですが、産業医活動をやる上の情報を updateするのために講習会は役に立つ! ストレスチェックや新しい労働衛生規則など， 産業医業界も情報が大切.

• #9.

  産業医になるには 主に以下の３つの方法 （産業医科大卒や数ヶ月間産業医大などで講義を受ける場合を除く） 日本医師会で講習を受けて認定産業医になる 集中講義を受けて産業医になる 労働衛生コンサルタント試験を受けて産業医になる

• #10.

  集中講座を受けて産業医になる ✔産業医科大学が主催 ✔産業医大（夏季）か東京（秋）の集中講座 ✔6日間で50単位が終了👍 「が，しかし」6日間ほぼ全日程，講義（実習）👎 ✔毎年倍率が高く，申し込み開始数分で終了することも ✔講習終了後，5年間のうち1回だけ日医認定の申請可 集中講座だけだと修了証のみで，申請すれば認定書がもらえる． 修了書の提出と1万円追加費用あり.

• #11.

  集中講座を受けて産業医になる ✔ほぼ夏季休暇が消えますが， 集中して講義を聞けるのでオススメです こちら6日間の日程表. すごい達成感...

• #12.

  産業医になるには 主に以下の３つの方法 （産業医科大卒や数ヶ月間産業医大などで講義を受ける場合を除く） 日本医師会で講習を受けて認定産業医になる 集中講座を受けて産業医になる 労働衛生コンサルタント試験を受けて産業医になる

• #13.

  労働衛生コンサルタント試験を受けて産業医になる ✔医師は受験資格あり（医師以外も取れるが） ✔合格率3割 ✔産業医講習会を受けると，筆記は免除👍 「が，しかし」口述試験が難関👎 ✔産業医の実務試験がないと難しい（らしい） ✔労働衛生コンサルタントの資格自体は更新不要

• #14.

  産業医資格を使ってみよう 産業医資格を取ったら，ぜひ資格を活かして産業医 をやってみましょう！ 日医認定産業医は10万人いますが， 実際産業医として活動されているのは 半分以下の3万人ほど． 専属ではなく嘱託（月1回〜）がおすすめ. 厚生労働省 現行の産業医制度の概要等より引用

• #15.

  専業産業医と嘱託産業医の違いって？ ✔専業産業医 従業員が1,000人以上の会社は専属（常勤）産業医が必要 会社の規模が大きいと何人か産業医がいる場合もあり，指導体制 が整っていることも ✔嘱託産業医 通常は1ヶ月の訪問が必要ですが 事業所によって条件が合えば（事業所が同意，衛生管理者がいて 定期的に産業医に必要な情報提供を行うなど） 2ヶ月に1回の訪問になることもあり 2ヶ月に1回なら臨床をやりながら トライできるかも

• #16.

  とはいえ，資格を取ったもののどうやって産業医 の仕事を始めたらよいかわからない... ✔全国医師会産業医部会連絡協議会 ✔産業医学振興財団 ✔産業医アドバンスと研修会など さまざまなところでセミナーを やってます． 医師紹介エージェントでも無料の セミナーなど多数あり，おすすめ．

• #17.

  メンタル対応が不安？でも大丈夫 臨床経験が長い先生に起こりがちなのが 産業医面談でついつい「診断」をしてしまうこと. あなたは「うつ病」ですね この対応だけだと❌ 産業医がやるべきことは診断ではありません

• #18.

  産業医と臨床医（主治医）の大きな違い 産業医 主治医 ✔健康診断・結果に基づく措置 安全に働けるのかどうか判断 ✔面談と措置 ✔高ストレス者への面談指導と 措置など ✔診断 ✔治療 ✔医学的なサポート 一次予防（未然防止）がメイン 医師の専門的知識があれば病気の早期発見（二次予防）や三次予防 （復職支援）が円滑にできます厚生労働省 労働者の心の健康の保持増進のための指針より引用

• #19.

  精神科医でなくても、 メンタル対応は可能✌ 産業医面談 あなたはいま健康上の理由で 働ける状態ではありません 産業医面談は 安全に働けるかどうか（就労区分）を判断する場です． 診療所の機能がある会社以外で薬の処方をすることも ありません. 産業医としての対応を求められています.

• #20.

  メンタルヘルスケアでの 産業医の役割は多数の中の一つにすぎません ヘルスケアは 4つのケア をうまく組みあせて行います． セルフケア ラインケア 産業保健スタッフ によるケア 事業外の 資源のケア 地域産業 保健センター や医師会など 本人 ストレスへの知識 管理者 産業医以外にも 職場環境の改善など 対処法など 産業保健師や衛生管理者も 情報提供や面談など 産業医だけで行うのではなく，事業所全体で取り組んでいきます.

• #21.

  産業医はあくまで企業の健康を支える黒子役 主治医と患者さん、 医療スタッフの関係 産業医はあくまでアドバイザー 主役は会社で働く人

• #22.

  よくある質問 Q&A Q:嘱託産業医は何社くらいと契約可能ですか？ A:契約自体はもちろん上限はありません．スケジュール調節次第です． 通常の嘱託産業医の訪問は1社あたり1-2時間（だいたい15,000-20,000円 /時の報酬）のことが多いので，訪問する地域や移動方法を工夫すれば 1日複数箇所の訪問は可能です．臨床医の先生は研究日などを利用してい ます． Q:臨床の知識も活かせますか？ A:産業医の仕事の一つである安全衛生委員会の出席の際に，産業医とし て講話を頼まれることがあります．その際に自分の得意分野と企業の ニーズに合わせて医学的な知識をわかりやすく説明するスキルが活かせ ます．私は臨床では救急が専門で，外来で食中毒はよくみますが，食品 加工会社の講話で「食中毒の話をお願いしたい」と依頼があり，はり きってお話しました．外来での高血圧や禁煙指導などの知識もとても役 立ちます．

• #23.

  Take home message 日医の講習，集中講座，労コン試験で資格を取ろう 潜在産業医が多い!「一社目の壁」を超えて 資格を取ったらすぐに使ってみよう 精神科医でなくても産業医のメンタル対応は可能です