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投稿者

白石達也

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テキスト全文

  • #1.

    診断に役に立つ人工知能(AI) の現状と今後の展望 2023 / 05 / 27 京都民医連中央病院 総合内科勉強会スライド Ubie株式会社 医師 東日本橋内科クリニック院長 白石 達也

  • #2.

    白石 達也 Tatsuya Shiraishi, MD 2006-2013 京都大学医学部医学科 2013-2015 田附興風会医学研究所北野病院 2015-2019 仁生社江戸川病院 循環器内科 2019- 株式会社Ubie 2021- 東日本橋内科クリニック Product Dev. Specialist / Product Owner 院長 2 2

  • #3.

    身近なところにある AI 3

  • #4.

    身近な生活へのAIの普及 スマートスピーカーや自動掃除機 AIロボット玩具 車🚗の自動運転 AIでのイラスト作成 4 4

  • #5.

    医療につかわれている AI 5

  • #6.

    AIの医療への応用の現状 出典:厚生労働省 第3回 新AI戦略検討会議 資料など 6

  • #7.

    AIは新たなブームを迎えようとしている 2020年代 第四次人工知 能ブーム? ・トランスフォーマー ・スケール側 ・InstructedGPT ・chatGPTをはじめとする大規模言語モデル( LLM)を使ったサービスの出現 7 (出典)総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(平成 28年)

  • #8.

    AIとはなんだ 8

  • #9.

    AI=Aritificial Inteligence 人工知能 人間が行うような知的活動がプログラムなどを用いて再現されたもの ・ここにChatGPTのベースとなるGPTが含まれる 9 総務省 令和元年版情報通信白書 第一部資料より引用

  • #10.

    古典的なAI ルールベースによる応答システム 症状など入力 No 危険じゃない可能性 50% No 感染症Y の可能性50% BT≧38度? Yes 激しい咳? Yes 感染症Xの可能性 50% 500程度の規則からなるルールベースで細菌と抗生 剤をサジェストするシステム MYCIN 1972年 10

  • #11.

    古典的なAI ルールベースによる応答システム 症状など入力 No 危険じゃない可能性 50% ・限られた局面でしか性能を発揮できない BT≧38度? Yes 激しい咳? ・知識のメンテナンスが煩雑 ・ルールを増やすとほかのルールとの整合性が損なわれる などの問題 No Yes 感染症Xの可能性 50% 感染症Y の可能性50% 500程度の規則からなるルールベース細菌と抗生剤 をサジェストするシステム MYCIN 1972年 11

  • #12.

    機械学習とはなんだ 12

  • #13.

    機械学習 入力データからパターンやルールを発見する 13

  • #14.

    ディープラーニングとはなんだ 14

  • #15.

    ディープラーニング 着目すべき特徴量が勝手に決定され学習される機械学習 総務省 令和元年版情報通信白書 第一部資料より引用 15

  • #16.

    ディープラーニング 着目すべき特徴量が勝手に決定され学習される機械学習 計算能力の向上とあいまって、 ・画像認識 ・音声認識 ・自然言語処理 といった、特徴量の定義しづらい領域の精度が大きく向上した。 総務省 令和元年版情報通信白書 第一部資料より引用 16

  • #17.

    医療におけるAIの実力 限定的な場面で医師を上回る可能性 メラノーマ診断において、皮膚科よりよい診断能 Man against machine: diagnostic performance of a deep learning convolutional neural network for dermoscopic melanoma recognition in comparison to 58 dermatologists.Ann Oncol. 2018 Aug 1;29(8):1836-1842. 肺がん健診AIは放射線科医師より偽陽性率が 11%低く、がんを 5%高く診断する結果 End-to-end lung cancer screening with three-dimensional deep learning on low-dose chest computed tomography 病理画像から、転移性乳がんの診断精度において AIが病理医を上回る Diagnostic Assessment of Deep Learning Algorithms for Detection of Lymph Node Metastases in Women With Breast Cancer.JAMA. 2017 Dec 12;318(22):2199-2210. 17

  • #18.

    ChatGPTとはなんだ 18

  • #19.

    2022年11月に公開した人工知能チャットボット「ChatGPT」 「ChatGPTとは、OpenAI社が作ったテキストの要約や翻訳に利用できる生成系 AIのチャットツール。 リリース後からわずか 5日間でユーザーが 100万人を超え、史上最速でサービスが普及。 後述するように 医師国家試験に合格することができた人工知能。 「GPT-3.5」や「GPT-4」というGPTに対してchat形式で入出力できるようにしたものが ChatGPT。 システマティックレビューの書き方を聞いている例 英文証明書を依頼している例 19

  • #21.

    出力の仕組み:言葉からそれらしい繋がりを作っている 本質的には「それらしくみえる」文章を作り上げているだけ https://www.intellilink.co.jp/column/ai/2022/072800.aspx 21

  • #22.

    なぜこんなに盛り上がってるのか① 精度があがった〜スケール則〜 Characterizing Emergent Phenomena in Large Language Models THURSDAY, NOVEMBER 10, 2022 22

  • #23.

    なぜこんなに盛り上がってるのか② 精度があがった〜トランスフォーマー〜 速くて、精度が高い状態を実現 アルゴリズム自体を改善することで、以下のようなことが可能になった。 ・多くの言葉の並列処理 ・長い文脈を記憶して、その中での依存関係をみることができる もちろんマシン自体の計算能力の向上(GPUやTPUなど)も必要。 L Kaiser et al.https://arxiv.org/abs/1706.03762 23

  • #24.

    なぜこんなに盛り上がってるのか③ 安心・安全で使える〜Instructed GPT〜 人間にとって、安全で、信頼できて、バイアスがなくて心地よい出力になるように学習させられている。 rf)2016年TayというAI chatbotがあったが反社会的思想を口にするようになり、シャットダウンしている。 Aligning language models to follow instructions OpenAI 24

  • #25.

    なぜこんなに盛り上がってるのか③ 安心・安全で使える〜Instructed GPT〜 人間にとって、安全で、信頼できて、バイアスがなくて心地よい出力になるように学習させられている。 rf)2016年TayというAI chatbotがあったが反社会的思想を口にするようになり、シャットダウンしている。 ・有害な表現をしない ・反社会的な表現をしない 人間にとって心地よい回答が正しいというように学習されている Aligning language models to follow instructions OpenAI 25

  • #26.

    GPTの実力は? 26

  • #27.

    医療におけるGPTの実力 医師国家試験合格 GPT−4合格 Evaluating GPT-4 and ChatGPT on Japanese Medical Licensing Examinations. ChatGPT 合格 Performance of Generative Pretrained Transformer on the National Medical Licensing Examination in Japan USMLE合格レベル Performance of ChatGPT on USMLE: Potential for AI-assisted medical education using large language models コモンな症状において、ChatGPTが生成する鑑別リストは精度が高い Diagnostic Accuracy of Differential-Diagnosis Lists Generated by Generative Pretrained Transformer 3 Chatbot for Clinical Vignettes with Common Chief Complaints: A Pilot Study ChatGPTは、フォーラムの質問に対する回答において、医師より好まれる Comparing Physician and Artificial Intelligence Chatbot Responses to Patient Questions Posted to a Public Social Media Forum 「救急の患者においては、見逃してはいけない症例に対応できず。入力情報に囚われる問題あり。」(ニュース) I’m an ER doctor: Here’s what I found when I asked ChatGPT to diagnose my patients 27

  • #28.

    臨床診断領域における AIについて 28

  • #29.

    臨床診断領域に関わるAIの活用 症状から疾患を列挙 「病名思い出しツール」 約6500疾患を予測。 症例検討会で圧倒的な力を発揮。 「Isabel DDx Companion」 約10000以上の状態を予測。 英語圏のみ。 「ユビーAI問診」ほか 問診票と組み合わせ 業務効率化+症状と関連する疾患の提示 29

  • #30.

    AIへの期待と注意まとめ 30

  • #31.

    AIを活用することで期待されること 診断精度の向上 すべてにおいて汎用的な AIはまだありませんが、適した AIがある場合には、 AIと協同することで診断精度 が向上することが見込まれます。 効率性の向上 AIは大量の情報を迅速に処理し、診断をサポートすることができます。これにより、医療従事者の負担が 軽減されます。 新たな知見の発見 AIは大量のデータを分析することで、人間が見逃す可能性のある新たな相関関係やパターンを見つけ出 す可能性があります。 31

  • #32.

    AIを活用することで注意が必要なこと データの品質 AIのパフォーマンスは入力データの品質と量に大きく依存します。不十分または偏ったデータから訓練されたAIは、誤った診断を引き起 こしたり、データの量が少ない疾患への診断能が低下します。 入力情報の限界 現状、テキストや画像などのモダリティに限定的です。人間だから感知できる情報をシームレスにAIに渡せるようにはなっていません。 透明性と説明責任 AIの意思決定過程はブラックボックスであり、その動作原理は人間にとって理解しきれないことがあります。これは医療の現場では特に 問題となります。なぜなら、医師は患者に対して診断や治療の選択肢を説明する責任があるからです。 ハルシネーションの問題 GPTのようなAIは「それらしく」出力することが本質。事実と異なることを出力する可能性があります。 32

  • #33.

    医療現場ですぐ AIは広まるのか? 33

  • #34.

    医療現場でサービスが使われるために:ユビーAI問診を例に [何の数字を改善するのか] 症状から関連する病気を列挙するサービス「DrUbie」⇨医師のカルテ作成時間を軽減するサービス「ユビーAI問診」に https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/092600077/ [ユーザーフレンドリー] 高齢者でも使えるUIの探究。カラオケのデンモクUIの採用。 https://note.com/shikichee/n/n1c78ed4b4af7 [セキュリティ] インターネットにつながらない病院内でユビーAI問診を使えるようにするためにNTTと協同で、閉域VPNネットワーク https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20200610_01.html [現場の理解] ユビーAI問診についての勉強会の実施など 34

  • #35.

    医療現場でサービスが使われるために:ユビーAI問診を例に [何の数字を改善するのか] 症状から関連する病気を列挙するサービス「DrUbie」⇨医師のカルテ作成時間を軽減するサービス「ユビーAI問診」に https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/092600077/ [ユーザーフレンドリー] 高齢者でも使えるUIの探究。カラオケのデンモクUIの採用。 ・お金を払うに足る「数値の改善」が必要 ・セキュリティへの考慮が必要 ・患者や、医療従事者にとってのユーザビリティが重要 ・医療従事者の理解が必要 https://note.com/shikichee/n/n1c78ed4b4af7 [セキュリティ] インターネットにつながらない病院内でユビーAI問診を使えるようにするためにNTTと協同で、閉域VPNネットワーク https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20200610_01.html [現場の理解] ユビーAI問診についての勉強会の実施など 35

  • #36.

    AIが広まると医者はいらなくなるのか? 36

  • #37.

    診療プロセスにおいてAIが有用な部分はどこかを意識する AIが大きく力を発揮 結果の解釈 AIがサポート 説明はAIの方が上手かも? AIがサポート 治療選択に役立つ可能性 AIがサポート 問診、身体診察、検査取得 参考:綿貫聡 医療の質・安全学会誌13:38-412018. Improving Diagnosis in Health Care. 37

  • #38.

    まとめ ・これまでのAIでは特定の状況下において医師を上回る性能をみせることがわかっている。 ・2022年に出現した ChatGPTをはじめとする GPTは新たなブームを起こすほどの性能をみせており、ここからさら に時代がすすむ可能性。 ・いずれにせよ、 AIには利点と限界があり、よく理解して使用することが重要。 AIが発展した先で医師はどうなるのか? ・医師はいらなくならない、淘汰はされない。ただし求められるレベルとあり方は変わっていく。 ・技術の向上と民主化は、当たり前品質の向上とニーズの多様化につながっていく。 診療の質について、 AI>医者なのか? AI<医者なのか?ではなく、医者≦医者+ AIを確実にするべき。 “人工知能 Artificial Inteligence” から ”拡張知能 Augmented Inteligence”へ。 38

  • #39.

    <参考>医者+AIになるために:AIの力にふれる chat_pdf 論文などpdfをアップロードするとチャットで要約を把握できる Consensus 質問に対して医療論文から回答 Perplexity.AI 参考元を提示しつつ根拠をもって答えてくれます。 ([pubmed]などを質問の最後につけるとよいです) Gamma.app AIがスライドを自動で生成してくれる *説明欄に参考URL張っております。 39

  • #40.

    <参考>医者+AIになるために:ChatGPTをつかってプログラミングしてみる Swift未経験の医師が、 ChatGPTを使って30分でiOSアプリを作った話 pubmedから要約を毎日うけとってみる *説明欄に参考URL張っております。 40

  • #41.

    ご静聴ありがとうございました。 41

医療とAI勉強の第一歩に〜診断に役に立つ人工知能(AI)の現状と今後の展望

  • 内科

  • その他

  • 初期研修医

  • テクノロジー
  • AI
  • ライフハック
  • 機械学習
  • ChatGPT

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投稿者プロフィール
白石達也

Ubie株式会社

概要

医療とAIの現状について初学者向けにまとめています。参考になれば幸いです。

*2023年5月27日 京都民医連中央病院での勉強会のスライドになります。

<Ubieについて>

- Ubie株式会社:https://ubie.life/

- 症状検索エンジンユビー:https://ubie.app/ , https://ubiehealth.com/ 病気のQ&A https://ubie.app/byoki_qa

- 現場での使用の流れ:https://www.youtube.com/watch?v=bLixNvtL2hk

<参考>医者+AIになるために:AIの力にふれる スライドのURL

- chat_pdf 

- URL::https://www.chatpdf.com/

- 内容:論文などpdfをアップロードするとチャットで要約を把握できる

- Consensus

- URL:https://www.connectedpapers.com/

- 内容:質問に対して医療論文から回答

- Perplexity.AI

- URL:https://www.perplexity.ai/

- 内容:参考元を提示しつつ根拠をもって答えてくれます。([pubmed]などを質問の最後につけるとよいです)

- Gamma.app 

- URL:https://gamma.app/

- 内容:AIがスライドを自動で生成してくれる

- 「Swift未経験の医師が、ChatGPTを使って30分でiOSアプリを作った話」

- URL:https://note.com/shohei918/n/n9fe6a4185c7a

- 「pubmedから要約を毎日うけとってみる」

- URL:https://slide.antaa.jp/article/view/d0de1bd8ea414420

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医/専門医

テキスト全文

  • #1.

    診断に役に立つ人工知能(AI) の現状と今後の展望 2023 / 05 / 27 京都民医連中央病院 総合内科勉強会スライド Ubie株式会社 医師 東日本橋内科クリニック院長 白石 達也

  • #2.

    白石 達也 Tatsuya Shiraishi, MD 2006-2013 京都大学医学部医学科 2013-2015 田附興風会医学研究所北野病院 2015-2019 仁生社江戸川病院 循環器内科 2019- 株式会社Ubie 2021- 東日本橋内科クリニック Product Dev. Specialist / Product Owner 院長 2 2

  • #3.

    身近なところにある AI 3

  • #4.

    身近な生活へのAIの普及 スマートスピーカーや自動掃除機 AIロボット玩具 車🚗の自動運転 AIでのイラスト作成 4 4

  • #5.

    医療につかわれている AI 5

  • #6.

    AIの医療への応用の現状 出典:厚生労働省 第3回 新AI戦略検討会議 資料など 6

  • #7.

    AIは新たなブームを迎えようとしている 2020年代 第四次人工知 能ブーム? ・トランスフォーマー ・スケール側 ・InstructedGPT ・chatGPTをはじめとする大規模言語モデル( LLM)を使ったサービスの出現 7 (出典)総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(平成 28年)

  • #8.

    AIとはなんだ 8

  • #9.

    AI=Aritificial Inteligence 人工知能 人間が行うような知的活動がプログラムなどを用いて再現されたもの ・ここにChatGPTのベースとなるGPTが含まれる 9 総務省 令和元年版情報通信白書 第一部資料より引用

  • #10.

    古典的なAI ルールベースによる応答システム 症状など入力 No 危険じゃない可能性 50% No 感染症Y の可能性50% BT≧38度? Yes 激しい咳? Yes 感染症Xの可能性 50% 500程度の規則からなるルールベースで細菌と抗生 剤をサジェストするシステム MYCIN 1972年 10

  • #11.

    古典的なAI ルールベースによる応答システム 症状など入力 No 危険じゃない可能性 50% ・限られた局面でしか性能を発揮できない BT≧38度? Yes 激しい咳? ・知識のメンテナンスが煩雑 ・ルールを増やすとほかのルールとの整合性が損なわれる などの問題 No Yes 感染症Xの可能性 50% 感染症Y の可能性50% 500程度の規則からなるルールベース細菌と抗生剤 をサジェストするシステム MYCIN 1972年 11

  • #12.

    機械学習とはなんだ 12

  • #13.

    機械学習 入力データからパターンやルールを発見する 13

  • #14.

    ディープラーニングとはなんだ 14

  • #15.

    ディープラーニング 着目すべき特徴量が勝手に決定され学習される機械学習 総務省 令和元年版情報通信白書 第一部資料より引用 15

  • #16.

    ディープラーニング 着目すべき特徴量が勝手に決定され学習される機械学習 計算能力の向上とあいまって、 ・画像認識 ・音声認識 ・自然言語処理 といった、特徴量の定義しづらい領域の精度が大きく向上した。 総務省 令和元年版情報通信白書 第一部資料より引用 16

  • #17.

    医療におけるAIの実力 限定的な場面で医師を上回る可能性 メラノーマ診断において、皮膚科よりよい診断能 Man against machine: diagnostic performance of a deep learning convolutional neural network for dermoscopic melanoma recognition in comparison to 58 dermatologists.Ann Oncol. 2018 Aug 1;29(8):1836-1842. 肺がん健診AIは放射線科医師より偽陽性率が 11%低く、がんを 5%高く診断する結果 End-to-end lung cancer screening with three-dimensional deep learning on low-dose chest computed tomography 病理画像から、転移性乳がんの診断精度において AIが病理医を上回る Diagnostic Assessment of Deep Learning Algorithms for Detection of Lymph Node Metastases in Women With Breast Cancer.JAMA. 2017 Dec 12;318(22):2199-2210. 17

  • #18.

    ChatGPTとはなんだ 18

  • #19.

    2022年11月に公開した人工知能チャットボット「ChatGPT」 「ChatGPTとは、OpenAI社が作ったテキストの要約や翻訳に利用できる生成系 AIのチャットツール。 リリース後からわずか 5日間でユーザーが 100万人を超え、史上最速でサービスが普及。 後述するように 医師国家試験に合格することができた人工知能。 「GPT-3.5」や「GPT-4」というGPTに対してchat形式で入出力できるようにしたものが ChatGPT。 システマティックレビューの書き方を聞いている例 英文証明書を依頼している例 19

  • #20.

    出力の仕組み:言葉からそれらしい繋がりを作っている https://www.intellilink.co.jp/column/ai/2022/072800.aspx 20

  • #21.

    出力の仕組み:言葉からそれらしい繋がりを作っている 本質的には「それらしくみえる」文章を作り上げているだけ https://www.intellilink.co.jp/column/ai/2022/072800.aspx 21

  • #22.

    なぜこんなに盛り上がってるのか① 精度があがった〜スケール則〜 Characterizing Emergent Phenomena in Large Language Models THURSDAY, NOVEMBER 10, 2022 22

  • #23.

    なぜこんなに盛り上がってるのか② 精度があがった〜トランスフォーマー〜 速くて、精度が高い状態を実現 アルゴリズム自体を改善することで、以下のようなことが可能になった。 ・多くの言葉の並列処理 ・長い文脈を記憶して、その中での依存関係をみることができる もちろんマシン自体の計算能力の向上(GPUやTPUなど)も必要。 L Kaiser et al.https://arxiv.org/abs/1706.03762 23

  • #24.

    なぜこんなに盛り上がってるのか③ 安心・安全で使える〜Instructed GPT〜 人間にとって、安全で、信頼できて、バイアスがなくて心地よい出力になるように学習させられている。 rf)2016年TayというAI chatbotがあったが反社会的思想を口にするようになり、シャットダウンしている。 Aligning language models to follow instructions OpenAI 24

  • #25.

    なぜこんなに盛り上がってるのか③ 安心・安全で使える〜Instructed GPT〜 人間にとって、安全で、信頼できて、バイアスがなくて心地よい出力になるように学習させられている。 rf)2016年TayというAI chatbotがあったが反社会的思想を口にするようになり、シャットダウンしている。 ・有害な表現をしない ・反社会的な表現をしない 人間にとって心地よい回答が正しいというように学習されている Aligning language models to follow instructions OpenAI 25

  • #26.

    GPTの実力は? 26

  • #27.

    医療におけるGPTの実力 医師国家試験合格 GPT−4合格 Evaluating GPT-4 and ChatGPT on Japanese Medical Licensing Examinations. ChatGPT 合格 Performance of Generative Pretrained Transformer on the National Medical Licensing Examination in Japan USMLE合格レベル Performance of ChatGPT on USMLE: Potential for AI-assisted medical education using large language models コモンな症状において、ChatGPTが生成する鑑別リストは精度が高い Diagnostic Accuracy of Differential-Diagnosis Lists Generated by Generative Pretrained Transformer 3 Chatbot for Clinical Vignettes with Common Chief Complaints: A Pilot Study ChatGPTは、フォーラムの質問に対する回答において、医師より好まれる Comparing Physician and Artificial Intelligence Chatbot Responses to Patient Questions Posted to a Public Social Media Forum 「救急の患者においては、見逃してはいけない症例に対応できず。入力情報に囚われる問題あり。」(ニュース) I’m an ER doctor: Here’s what I found when I asked ChatGPT to diagnose my patients 27

  • #28.

    臨床診断領域における AIについて 28

  • #29.

    臨床診断領域に関わるAIの活用 症状から疾患を列挙 「病名思い出しツール」 約6500疾患を予測。 症例検討会で圧倒的な力を発揮。 「Isabel DDx Companion」 約10000以上の状態を予測。 英語圏のみ。 「ユビーAI問診」ほか 問診票と組み合わせ 業務効率化+症状と関連する疾患の提示 29

  • #30.

    AIへの期待と注意まとめ 30

  • #31.

    AIを活用することで期待されること 診断精度の向上 すべてにおいて汎用的な AIはまだありませんが、適した AIがある場合には、 AIと協同することで診断精度 が向上することが見込まれます。 効率性の向上 AIは大量の情報を迅速に処理し、診断をサポートすることができます。これにより、医療従事者の負担が 軽減されます。 新たな知見の発見 AIは大量のデータを分析することで、人間が見逃す可能性のある新たな相関関係やパターンを見つけ出 す可能性があります。 31

  • #32.

    AIを活用することで注意が必要なこと データの品質 AIのパフォーマンスは入力データの品質と量に大きく依存します。不十分または偏ったデータから訓練されたAIは、誤った診断を引き起 こしたり、データの量が少ない疾患への診断能が低下します。 入力情報の限界 現状、テキストや画像などのモダリティに限定的です。人間だから感知できる情報をシームレスにAIに渡せるようにはなっていません。 透明性と説明責任 AIの意思決定過程はブラックボックスであり、その動作原理は人間にとって理解しきれないことがあります。これは医療の現場では特に 問題となります。なぜなら、医師は患者に対して診断や治療の選択肢を説明する責任があるからです。 ハルシネーションの問題 GPTのようなAIは「それらしく」出力することが本質。事実と異なることを出力する可能性があります。 32

  • #33.

    医療現場ですぐ AIは広まるのか? 33

  • #34.

    医療現場でサービスが使われるために:ユビーAI問診を例に [何の数字を改善するのか] 症状から関連する病気を列挙するサービス「DrUbie」⇨医師のカルテ作成時間を軽減するサービス「ユビーAI問診」に https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/092600077/ [ユーザーフレンドリー] 高齢者でも使えるUIの探究。カラオケのデンモクUIの採用。 https://note.com/shikichee/n/n1c78ed4b4af7 [セキュリティ] インターネットにつながらない病院内でユビーAI問診を使えるようにするためにNTTと協同で、閉域VPNネットワーク https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20200610_01.html [現場の理解] ユビーAI問診についての勉強会の実施など 34

  • #35.

    医療現場でサービスが使われるために:ユビーAI問診を例に [何の数字を改善するのか] 症状から関連する病気を列挙するサービス「DrUbie」⇨医師のカルテ作成時間を軽減するサービス「ユビーAI問診」に https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/092600077/ [ユーザーフレンドリー] 高齢者でも使えるUIの探究。カラオケのデンモクUIの採用。 ・お金を払うに足る「数値の改善」が必要 ・セキュリティへの考慮が必要 ・患者や、医療従事者にとってのユーザビリティが重要 ・医療従事者の理解が必要 https://note.com/shikichee/n/n1c78ed4b4af7 [セキュリティ] インターネットにつながらない病院内でユビーAI問診を使えるようにするためにNTTと協同で、閉域VPNネットワーク https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20200610_01.html [現場の理解] ユビーAI問診についての勉強会の実施など 35

  • #36.

    AIが広まると医者はいらなくなるのか? 36

  • #37.

    診療プロセスにおいてAIが有用な部分はどこかを意識する AIが大きく力を発揮 結果の解釈 AIがサポート 説明はAIの方が上手かも? AIがサポート 治療選択に役立つ可能性 AIがサポート 問診、身体診察、検査取得 参考:綿貫聡 医療の質・安全学会誌13:38-412018. Improving Diagnosis in Health Care. 37

  • #38.

    まとめ ・これまでのAIでは特定の状況下において医師を上回る性能をみせることがわかっている。 ・2022年に出現した ChatGPTをはじめとする GPTは新たなブームを起こすほどの性能をみせており、ここからさら に時代がすすむ可能性。 ・いずれにせよ、 AIには利点と限界があり、よく理解して使用することが重要。 AIが発展した先で医師はどうなるのか? ・医師はいらなくならない、淘汰はされない。ただし求められるレベルとあり方は変わっていく。 ・技術の向上と民主化は、当たり前品質の向上とニーズの多様化につながっていく。 診療の質について、 AI>医者なのか? AI<医者なのか?ではなく、医者≦医者+ AIを確実にするべき。 “人工知能 Artificial Inteligence” から ”拡張知能 Augmented Inteligence”へ。 38

  • #39.

    <参考>医者+AIになるために:AIの力にふれる chat_pdf 論文などpdfをアップロードするとチャットで要約を把握できる Consensus 質問に対して医療論文から回答 Perplexity.AI 参考元を提示しつつ根拠をもって答えてくれます。 ([pubmed]などを質問の最後につけるとよいです) Gamma.app AIがスライドを自動で生成してくれる *説明欄に参考URL張っております。 39

  • #40.

    <参考>医者+AIになるために:ChatGPTをつかってプログラミングしてみる Swift未経験の医師が、 ChatGPTを使って30分でiOSアプリを作った話 pubmedから要約を毎日うけとってみる *説明欄に参考URL張っております。 40

  • #41.

    ご静聴ありがとうございました。 41

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AI×論文検索 ツールまとめ 2023/05/28

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最終更新:2023年5月30日

2023年夏、まだ間に合う、ChatGPTを完全理解しよう!

#総合診療 #AI #ChatGPT

126

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最終更新:2023年8月24日




診療科ごとのスライド

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消化器内科(69)

循環器内科(91)

呼吸器内科(135)

血液内科(37)

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腎臓内科(51)

アレ膠リウマチ内科(51)

脳神経内科(115)

総合診療科(234)

救急科(433)

外科(39)

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