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投稿者

林恭弘

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テキスト全文

  • #1.

    医師が知っておくべき労働基準法の基礎知識 「医師の働き方改革に向けて」 合同会社ディープ・フォレスト 産業医 林恭弘 1 mail: hayashi@deep-forest.co.jp

  • #2.

    タイトルテキスト 労働基準法について

  • #3.

    タイトルテキスト 労働基準法って知ってますか?

  • #4.

    労働基準法とは 1947年に制定された労働者の保護法 労働者として最低限守られるべき基準を規定 労働者が同意したとしてもこの基準を下回ることは許されません • • • • • • 労働条件の明示 解雇予告 賃金支払いの4原則 労働時間の原則 休憩 休日 • • • • • • 時間外及び休日の労働について 時間外、休日及び深夜労働の割増賃金 年次有給休暇 就業規則 制裁規定の制限 周知義務 時間外を含めた労働時間について説明していきます

  • #5.

    タイトルテキスト 労働時間の上限

  • #6.

    何時間働かせることが可能? 法定労働時間 労働基準法で定められている労働時間の限度 原則として1⽇8時間で1週40時間 特例措置対象事業場は週44時間 常時使用する労働者が10人未満の適用業業種 商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業 診療所(クリニック)も含まれる

  • #7.

    残業させるためには? もっと働いていますよね? 時間外労働協定(36協定)を締結すれば 1か月45時間1年360時間まで追加で働かせることが可能 (休日出勤させる場合にも36協定が必要) 実際もっと働いてる? 一時的や突発的な必要のある場合に限り 特別条項付36協定締結で年間6回まで上限超えが可能

  • #8.

    特別条項の必要条件 認められる場合 臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない 特別の事情が予想される場合 恒常的ではなく一時的・突発的なものであるというな特別の事情がある場合 ボーナス商戦に伴う業務の繁忙 納期のひっ迫 大規模なクレームへの対応 機械のトラブルへの対応 認められない場合 (特に事由を限定せず)業務の都合上必要なとき (特に事由を限定せず)業務上やむを得ないとき (特に事由を限定せず)業務多忙なとき 使用者が必要と認めるとき 年間を通じて適用されることが明らかなとき 想定外の事態に臨時的に対応するときに限定されている

  • #9.

    タイトルテキスト 時間外労働協定(36協定)

  • #10.

    36協定の締結 労働基準法第36条 法定労働時間を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場 合には、あらかじめ書面による協定を締結しなければならない 締結する対象は? 労働者の過半数で組織する労働組合(過半数組合) ない場合は労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)

  • #11.

    過半数労働者代表の選び方 • 労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと • 協定を締結するため、就業規則に意見を出すため等、過半 数代表者を選任することを明らかにしたうえで、投票、挙 手などにより選出すること • 使用者の意向によって選出された者でないこと 役割 労使協定の締結当事者となる 就業規則の意⾒聴取の代表 必要時に毎回選出する必要あり

  • #12.

    過半数労働者代表選出する場合の事業場労働者数 正規の従業員だけではなく次の労働者も含む • • • • • • 管理監督者(過半数代表者にはなれないが選出の1票はある) パート・アルバイト・嘱託・契約社員等(非正社員とよばれる労働者) 病気欠勤者 休業・休職中の者(育児休業・介護休業取得者) 年少者 「派遣元」企業における派遣労働者(派遣先においては含まれない) 全て含めた⼈数の過半数の代表を選出する必要あり

  • #13.

    事業場とは 労働基準法などでは、企業全体ではなく、⽀社や営業所、店舗、⼯場のように、 組織上⼀定程度独⽴して業務が⾏われている単位 • 事業場とは、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもと に継続的に行なわれる作業の一体をいう • 一の事業場であるか否かは主として場所的観念によつて決定すべきもので、同一場所にあるも のは原則として一の事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とする • 同一場所にあつても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門を主たる部 門と切り離して別個の事業場としてとらえることによつてこの法律がより適切に運用できる場 合には、その部門は別個の事業場としてとらえるものとする。たとえば、工場内の診療所、自 動車販売会社に附属する自動車整備工場、学校に附置された給食場等はこれに該当する • 場所的に分散しているものであつても、出張所、支所等で、規模が著しく小さく、組織的関連、 事務能力等を勘案して一の事業場という程度の独立性がないものについては、直近上位の機構 と一括して一の事業場として取り扱うものとする ⼯場内の診療上など労働の態様を異にする場合は別事業所 規模の著しく⼩さな⽀所などは上位の機構と⼀括する

  • #14.

    労働組合とは 労働者が主体となって⾃主的に労働条件の維持改善 その他経済的地位の向上を図ることを主たる⽬的として組織する 団体⼜はその連合団体 労 働 • • 三 • 権 労働者が団結する権利(団結団結権) 労働者が使用者と交渉する権利(団体交渉権) 労働者が要求実現のために団体で行動する権利(団体行動権) 2⼈以上の労働者が合意する事により労働組合を結成可能 医師2⼈でも労働組合作ることは出来ますよ

  • #15.

    管理職は組合員になれるのか? 管理職も労働者であり、労組法第2条但書に定めた「⼈事権をもつ監 督的地位にある者」などを除き本来的には労働組合に加⼊可能 ⼈事権をもつ監督的地位にある者 • 役員(取締役、監査役、理事、監事など) • 雇入・解雇・昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者 (人事権をもつ上級管理者) • 使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのた めにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任と に直接てい触する監督的地位にある労働者(労務、人事部課の管理者など) ほとんどの勤務医は当てはまらず病院の労働組合に加⼊可

  • #16.

    労働組合は医師を守ってくれるのか? • • 病院職員の割合は医師15%、看護師40%、事務10%‥ 医師が含まれていなくても過半数組合の運営が可能 過半数組合は36協定の締結が可能 1事業場(病院)に過半数組合は1つのみ存在可能 医師が過半数組合の更に過半数を占めることも不可能 医師の意向を無視した36協定締結が可能 労働組合があっても医師のを守ってくれるわけではない

  • #17.

    タイトルテキスト 残業の拒否は可能?

  • #18.

    残業は拒否できる? 36協定が締結されている 就業規則に明記されている 「会社は業務の都合によって時間外・休日労働を命じることがある」旨の規定 会社は残業を命じることが可能 社員には残業命令に従う義務が⽣じる

  • #19.

    残業を拒否できる場合 正当な理由があれば拒否は可能 • 体調不良により残業が困難な場合 • 病気や怪我で制限が必要な場合 • 3歳に満たない子供や要介護状態の家族の世話が必要な場合 • 妊娠中や出産から1年経過していない場合 • 残業しても残業代が支払われていないなど残業が違法な場合 • 月100時間など異常な長時間残業を強いられている場合 ⻑時間労働で疲労蓄積していれば拒否可能

  • #20.

    タイトルテキスト 医師特有の働き方について

  • #21.

    タイトルテキスト 当直について

  • #22.

    当直とは 当直=宿⽇直 ⽇直=⽇中⾏う 宿直=夜間⾏う ⼀般に宿⽇直が認められるための条件と • • • • 定期巡回のような軽度の業務遂行を目的とする 宿直勤務をさせる場合、睡眠設備を設置し、十分な睡眠時間を確保する 当直勤務の回数は、宿直が週1回、日直は月1回を限度にする 当直手当は、労働者に支払われる1日あたりの平均賃金の3分の1を下回 らないようにする

  • #23.

    「医療機関における休日及び夜間勤務適正化」 厚生労働省労働基準局(平成14年3月19日) • • 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。 • • 夜間に十分睡眠がとりうること。 夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外に、病院の定時巡回、異常事態 の報告、少数の要注意患者の定時検脈、検温等、特殊の措置を必要としない 軽度の、又は短時間の業務に限ること。(応急患者の診療又は入院、患者の 死亡、出産等があり、昼間と同態様の労働に従事することが常態であるよう なものは許可しない。) 許可を得て宿直を行う場合に、(2)のカッコ内のような労働が稀にあっても 許可を取り消さないが、その時間については労働基準法第33条、第36条 による時間外労働の手続を行い、同法第37条の割増賃金を支払うこと。 医師・看護師などの労務管理が適正でないため改めて注意喚起した この基準に従えばほとんどの病院当直は夜勤にあたることになる

  • #24.

    当直中の割増賃金について 労働基準法41条3号・労働基準法施行規則23条の断続的労働 (断続的な宿日直勤務)のうち労働基準監督署長の許可を受けてい るものについては,その宿日直勤務時間に対して労働時間・休日の 規定の適用が除外され,したがって,残業代や休日割増賃金の支払 いをしなくてもよい(夜間割増賃金は必要) 宿⽇直の断続的労働に対しては 夜間割増賃⾦以外の⽀払い義務はない 当直料+夜間割増賃⾦(午後10時〜午前5時分)のみ 通常勤務を⾏った場合には断続的労働に含まれず 残業代・休⽇割増賃⾦・夜間割増賃⾦などの⽀払いが本来必要

  • #25.

    宿日直について • • • 労働時間・休憩時間・休日の規定の適用が除外 • 許可を受ければ宿直に引き続いた勤務を命ずることも可能 法定労働時間である週40時間には含まれず 時間外の労働に対する割増賃金(残業代)や休日労働に対する 割増賃金(休日手当)の支払いが不要 使⽤者側には⾮常に都合の良い制度 労働基準局の許可が必要となっている

  • #26.

    タイトルテキスト オンコール待機

  • #27.

    オンコール待機について 「労働時間に該当するか否かは,労働者の行為が使用者の指揮命令 下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定 まるものであって,労働契約,就業規則,労働協約等の定めのいか んにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」 (三菱重工業長崎造船所事件判決(最一小判平成12年3月9日)) 客観的に「使⽤者の指揮命令下に置かれている時間」が労働時間 ⾃発的にオンコールを⾏っている場合には労働時間とは認定されない

  • #28.

    大星ビル事件 最高裁判所第一小法廷平成14年2月28日判決 • • • 使用者側はビル管理会社 • 労働者側である技術系従業員が、泊まり勤務手当および実作業時間分の残業代等のほ か、仮眠時間も労働時間に含まれるとして残業代等を請求した • 「当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合に は,労働からの解放が保障されているとはいえず,労働者は使用者の指揮命令下に置か れているというのが相当である。」 技術系従業員について泊まり勤務があり、連続7〜9時間の仮眠時間が設けられていた 泊まり勤務に対しては泊まり勤務手当が支払われ、泊まり勤務中に実作業を行った場合 には、その実作業をした時間分の残業代や深夜割増賃金が支払われることになっていた 不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には 労基法上の労働時間に当たると判断される ⾃宅待機であっても連絡があれば随時対応が要求される オンコール待機については労働時間と認められる可能性が⾼い

  • #29.

    タイトルテキスト アルバイト

  • #30.

    アルバイトについて • 労働基準法第38条に「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に 関する規定の適用については通算する」と定められているため、本業と副業の勤務 先の労働時間は通算して扱うことになる • 主病院で週に40時間働いている場合、法定労働時間を超えて他の病院で行った労働 に関しては、時間外労働となり割増賃金の支払い義務が生じる • • 割増賃金については、労働契約を後に締結した事業所が負うとする考え方が一般的 勤務可能な時間外労働は、病院とアルバイト先各々の36協定の範囲に制限される 宿⽇直である寝当直以外は労働時間に通算される 36協定の上限に抵触する場合にはそれ以上の勤務は不 ただし各々の病院が把握していることが前提

  • #31.

    タイトルテキスト 割増賃金

  • #32.

    割増賃金 • • • • 労働時間 割増率 時間外労働 `1.25倍 時間外労働60時間超 1.5倍 法定休日労働 1.35倍 深夜労働 0.25倍 時間外労働+深夜労働 1.5倍 法定休日労働+深夜労働 1.6倍 複数の条件に当てはまる場合には加算される 時間外労働60時間超の割増は大企業のみ適応 法定休日週1日(所定休日は就業規則で規定:休日労働でなく時間外労働扱い) 深夜労働は午後10時から翌日午前5時までの間

  • #33.

    時間外手当を支払わないための手段 固定残業(みなし残業) • • • 一定の残業時間分の残業代を最初から給料として払っておく制度 役職手当などに含まれていると説明することあり 一定の残業時間を超えた部分に関しては支払い義務が発生する 年俸制 • • 労働条件通知書に残業時間が明記されていない場合は支払い義務が発生 明記されていても一定の残業時間を超えれば支払い義務が発生 管理職であることの悪⽤ • 病院の経営や採用などに大きな権限を持っている場合は「管理監督者」と 呼び、深夜手当を除き残業代を支払う必要がない • 管理監督者に相当しなければ残業代が当然発生する

  • #34.

    タイトルテキスト 働き方改革

  • #35.

    特別条項の上限は? 上 限 な く 実 質 は ⻘ 天 井 だ っ た 全ての医師が反対 しても36協定は 締結可能 事業所の過半数組合 (代表者)の⼒は強い 産経ニュース (2018.11.2) 許可制でなく届け出制のためとんでもない⻑時間労働でも受け付けられていた

  • #36.

    「働き方改革」による時間外労働の上限規制 時間外労働の上限について、月45時間・年360時間を原則とし、 臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満 (休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定 また45時間を超えることが出来るのは年間6か月まで ⼤企業は2019年4⽉から適応 脳・心臓疾患の過労死認定基準 健康障害の発症前2〜6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をして いる場合、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安 発症1ヶ月前では時間外労働100時間が目安

  • #37.

    時間外労働の限度に関する基準(平成10年労働省告示第154号) 限度時間が適用されない業務 • 工作物の建設等の事業 • 自動車の運転の業務 • 新技術、新商品等の研究開発の業務 • 季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公 益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として厚生労働省基準局長が指定 するもの ❖ 鹿児島県及び沖縄県に置ける砂糖製造業 ❖ 造船事業における船舶の改造又は修繕に関する業務 ❖ 郵政事業の年末・年始における業務 ❖ 都道府県労働局長が厚生労働省労働基準局長の承認を得て地域を限って指定する 事業又は業務 もともと時間外労働の限度が適応されない業務があった

  • #38.

    「働き方改革」での適用猶予・除外の事業・業務 自動車運転の業務 改正法施行5年後に時間外労働の上限規制を適用。上限時間は年960時間 とし、将来的な一般則の適用について引き続き検討する旨を附則に規定 建設事業 改正法施行5年後に一般則を適用。(ただし、災害時における復旧・復興の事業につい ては、1か月100時間未満・複数月平均80時間以内の要件は適用しな い。この点につ いても、将来的な一般則の適用について引き続き検討する旨を附則に規定。) 医師 改正法施行5年後に時間外労働の上限規制を適用。 具体的な上限時間等 は省令で定めることとし、医療界の参加による検討の場において、規制 の具体的あり方、労働時間の短縮策等について検討し結論を得る 鹿児島県及び沖縄県 改正法施行5年間は、1か月100時間未満・複数月80時間以内の における砂糖製造業 要件は適用しない。(改正法施行5年後に一般則を適用) 新技術・新商品等 の研究開発業務 医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、時間外労 働の上限規制は適用しない(高度プロフェッショナル制度に移行?) 「働き⽅改⾰」検討中に医師も適⽤除外となった

  • #39.

    医師の「働き方改革」はどうなるの? • • • 医療供給体制を当面維持するために時間外労働の適応除外に追加 • • 2024年から医師については現在検討中の内容で開始 現時点で適応されておらず旧来の青天井の時間外労働も可能 2019年3月に厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の報 告書が作成され立法化に向けた検討が進んでいる 2035年年度までは暫定期間で、2036年度からは一般職と同じ「働き方 改革」が適応される見通し 「医療の公共性・不確実性を考慮し、医療現場が萎縮し必要な医療提供体制が確保 できなくなることのないような規制とする必要があること。その場合であっても、 医療安全の観点からも、医師が健康状態を維持できることは重要であること」 「地域医療提供体制の確保」「医師の健康」の両⽴とを⽬指していたのでは?

  • #40.

    医師の働き方改革での争点 医師の応召義務 ⾃⼰研鑽を労働に含めるか ⾃分⾃⾝の 時間外労働時間の上限規制 健康を守る 研修医や地域医療勤務医の労働時間上限 当直(宿⽇直)認定基準の変更 オンコール待機を労働時間に含めるか 医師も アルバイトを労働時間に通算するか 意識改⾰が 連続勤務時間制限 必要 勤務間インターバル制度

  • #41.

    タイトルテキスト 病院産業医の役割

  • #42.

    産業医の選任義務 • • 事業者は、事業場の規模に応じて、以下の人数の産業医を選任し、 労働者の健康管理等を行わせなければならない ❖ 労働者数 50 人以上 3,000 人以下の規模の事業場 ・・ 1名以上選任 ❖ 労働者数 3,001 人以上の規模の事業場 ・・ 2名以上選任 常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場と、次に掲げる業務に 常時 500人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専 属の産業医を選任しなければならない 50名以上1000⼈未満 - 嘱託産業医 1000⼈未満以上- 専属産業医

  • #43.

    労働安全衛生規則第 13 条第 1 項第 2 号 イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務 ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務 ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務 ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務 ホ 異常気圧下における業務 ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務 ト 重量物の取扱い等重激な業務 チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務 リ 坑内における業務 ヌ 深夜業を含む業務 ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸そ の他これらに準ずる有害物を取り 扱う業務 ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸 化炭素、二硫化炭素、青酸、ベン ゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸 気又は粉じんを発散する場所における業務 ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務 カ その他厚生労働大臣が定める業務 危険な業務では500⼈以上で専属産業医 病院にいますか?

  • #44.

    産業医の選任の改善について 厚生労働省労働基準局安全衛生部長(平成 27年 10月 30日 ) • 産業医として選任できる者の事業場等における役職については、法又は規則で制限は設けられていな いため、企業の代表取締役、医療法人の理事長、病院の院長等が産業医を兼務している事例がみられ るところです • 労働者の健康管理は一定のコストを伴うものであるため、事業経営 の利益の帰属主体(以下「事業 者」という。)を代表する者や事業場においてその事 業の実施を総括管理する者が産業医を兼務した 場合、労働者の健康管理よりも事業経営上の利益を優先する観点から、産業医としての職務が適切に 遂行されないおそれも考えられ、法は、事業者を代表する者や事業場においてその事業の実施を総括 管理する者が、産業医を兼務することを想定していないところです • 以下の者を産業医として選任している場合は早期に改善する必要があ り、改めて、広く周知を図るこ とといたしましたので、貴団体におかれましても、趣旨を御理解の上、別添のリーフレットも活用 し、貴団体の会員事業場等に対する周知に御協力いただきますようよろしくお願いいたします ❖ 1 法人の代表者又は事業経営主(事業者の代表者) (例)代表取締役、医療法人又は社会福祉法人の理事長 ❖ 2 事業場においてその事業の実施を総括管理する者(事業場代表者) (例)病院又は診療所の院長、老人福祉施設の施設長 産業医がいるのか?誰なのか?知らない場合がほとんど 医師の働き⽅改⾰で⻑時間労働者への⾯談を義務化予定

  • #45.

    労働基準関連法令の遵守に対する医師の認識 労働政策研究・研修機構「『勤務医の就労実態と意識に関する調査』調査結果」(平成24年9月) 3割程度がやむを得ないと考えている 男性・⾼齢・⻑時間労働者ほど率が⾼い ⽼害が労働環境の改善を妨げています

  • #46.

    無給医 少なくとも2000人 国が初めて存在認める 公表へ NHK NEWS WEB (2019.6.7) 「大学病院などで無給で診療にあたっている若手医師。「無給医」と呼ばれていますが、国は 長年その存在を否定してきました。しかし、全国の大学病院を調査した結果、少なくともおよ そ50の大学病院に2000人を超える無給医の存在が確認できたとして、近く明らかにする方針で す。 無給医は、大学病院などで診療にあたっているにもかかわらず、研修中であることなどを理由 に給料が支払われない若手の医師や歯科医師のことです。 1960年代には大学の医局の権力構造を象徴する問題として学生運動のきっかけにもなりました が、国はその後、若手医師の処遇は改善されたとして、長年その存在を否定してきました。 平成24年に行われた調査でも「無給医は存在しない」としています。 しかし、ことし1月から文部科学省が全国108か所ある医学部と歯学部の付属病院を対象に調 査したところ、無給医が今も存在することが確認できたということです。 この調査結果を踏まえ、文部科学省は近く無給医の存在を認めるとともに、その数が少なくと も全国およそ50の大学病院で、合わせて2000人を超すことを明らかにする方針です。 国がこうした無給医の実態を明らかにするのは今回が初めてです。」 医師の世界では奴隷制度が続いています

  • #47.

    帰ったら確認すること 「労働条件通知書」(雇⽤契約書だけではだめ) 絶対的明示事項として少なくとも以下を記載し公布する義務あり ❖ 労働契約の期間 ❖ ❖ 就業場所 ❖ 休日/休暇 ❖ 業務内容 ❖ 賃金の計算方法/締日支払日 ❖ 始業/終業時刻 ❖ 解雇を含む退職に関する事項 休憩時間 貰っていなければ請求 「就業規則」と「36協定」 いつでも従業員が閲覧できる状態にしておかなければならない 病院の3割は36協定が無い違法状態で締結の予定もありません 未来の医師を守るためにも困ったことがあれば労基に相談

医師が知っておくべき労働基準法の基礎知識 「医師の働き方改革に向けて」

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投稿者プロフィール
林恭弘

合同会社ディープ・フォレスト

概要

2019年6月に講演会用にまとめたスライドです。

スライドのみで内容が把握できるように修正を加えています。

2024年から『医師の働き方改革』も始まりますが、労働基準法など労働者を守るための法律については、医師にも良く知っておいて頂きたいです。

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

テキスト全文

  • #1.

    医師が知っておくべき労働基準法の基礎知識 「医師の働き方改革に向けて」 合同会社ディープ・フォレスト 産業医 林恭弘 1 mail: hayashi@deep-forest.co.jp

  • #2.

    タイトルテキスト 労働基準法について

  • #3.

    タイトルテキスト 労働基準法って知ってますか?

  • #4.

    労働基準法とは 1947年に制定された労働者の保護法 労働者として最低限守られるべき基準を規定 労働者が同意したとしてもこの基準を下回ることは許されません • • • • • • 労働条件の明示 解雇予告 賃金支払いの4原則 労働時間の原則 休憩 休日 • • • • • • 時間外及び休日の労働について 時間外、休日及び深夜労働の割増賃金 年次有給休暇 就業規則 制裁規定の制限 周知義務 時間外を含めた労働時間について説明していきます

  • #5.

    タイトルテキスト 労働時間の上限

  • #6.

    何時間働かせることが可能? 法定労働時間 労働基準法で定められている労働時間の限度 原則として1⽇8時間で1週40時間 特例措置対象事業場は週44時間 常時使用する労働者が10人未満の適用業業種 商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業 診療所(クリニック)も含まれる

  • #7.

    残業させるためには? もっと働いていますよね? 時間外労働協定(36協定)を締結すれば 1か月45時間1年360時間まで追加で働かせることが可能 (休日出勤させる場合にも36協定が必要) 実際もっと働いてる? 一時的や突発的な必要のある場合に限り 特別条項付36協定締結で年間6回まで上限超えが可能

  • #8.

    特別条項の必要条件 認められる場合 臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない 特別の事情が予想される場合 恒常的ではなく一時的・突発的なものであるというな特別の事情がある場合 ボーナス商戦に伴う業務の繁忙 納期のひっ迫 大規模なクレームへの対応 機械のトラブルへの対応 認められない場合 (特に事由を限定せず)業務の都合上必要なとき (特に事由を限定せず)業務上やむを得ないとき (特に事由を限定せず)業務多忙なとき 使用者が必要と認めるとき 年間を通じて適用されることが明らかなとき 想定外の事態に臨時的に対応するときに限定されている

  • #9.

    タイトルテキスト 時間外労働協定(36協定)

  • #10.

    36協定の締結 労働基準法第36条 法定労働時間を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場 合には、あらかじめ書面による協定を締結しなければならない 締結する対象は? 労働者の過半数で組織する労働組合(過半数組合) ない場合は労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)

  • #11.

    過半数労働者代表の選び方 • 労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと • 協定を締結するため、就業規則に意見を出すため等、過半 数代表者を選任することを明らかにしたうえで、投票、挙 手などにより選出すること • 使用者の意向によって選出された者でないこと 役割 労使協定の締結当事者となる 就業規則の意⾒聴取の代表 必要時に毎回選出する必要あり

  • #12.

    過半数労働者代表選出する場合の事業場労働者数 正規の従業員だけではなく次の労働者も含む • • • • • • 管理監督者(過半数代表者にはなれないが選出の1票はある) パート・アルバイト・嘱託・契約社員等(非正社員とよばれる労働者) 病気欠勤者 休業・休職中の者(育児休業・介護休業取得者) 年少者 「派遣元」企業における派遣労働者(派遣先においては含まれない) 全て含めた⼈数の過半数の代表を選出する必要あり

  • #13.

    事業場とは 労働基準法などでは、企業全体ではなく、⽀社や営業所、店舗、⼯場のように、 組織上⼀定程度独⽴して業務が⾏われている単位 • 事業場とは、工場、鉱山、事務所、店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもと に継続的に行なわれる作業の一体をいう • 一の事業場であるか否かは主として場所的観念によつて決定すべきもので、同一場所にあるも のは原則として一の事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とする • 同一場所にあつても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門を主たる部 門と切り離して別個の事業場としてとらえることによつてこの法律がより適切に運用できる場 合には、その部門は別個の事業場としてとらえるものとする。たとえば、工場内の診療所、自 動車販売会社に附属する自動車整備工場、学校に附置された給食場等はこれに該当する • 場所的に分散しているものであつても、出張所、支所等で、規模が著しく小さく、組織的関連、 事務能力等を勘案して一の事業場という程度の独立性がないものについては、直近上位の機構 と一括して一の事業場として取り扱うものとする ⼯場内の診療上など労働の態様を異にする場合は別事業所 規模の著しく⼩さな⽀所などは上位の機構と⼀括する

  • #14.

    労働組合とは 労働者が主体となって⾃主的に労働条件の維持改善 その他経済的地位の向上を図ることを主たる⽬的として組織する 団体⼜はその連合団体 労 働 • • 三 • 権 労働者が団結する権利(団結団結権) 労働者が使用者と交渉する権利(団体交渉権) 労働者が要求実現のために団体で行動する権利(団体行動権) 2⼈以上の労働者が合意する事により労働組合を結成可能 医師2⼈でも労働組合作ることは出来ますよ

  • #15.

    管理職は組合員になれるのか? 管理職も労働者であり、労組法第2条但書に定めた「⼈事権をもつ監 督的地位にある者」などを除き本来的には労働組合に加⼊可能 ⼈事権をもつ監督的地位にある者 • 役員(取締役、監査役、理事、監事など) • 雇入・解雇・昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者 (人事権をもつ上級管理者) • 使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのた めにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任と に直接てい触する監督的地位にある労働者(労務、人事部課の管理者など) ほとんどの勤務医は当てはまらず病院の労働組合に加⼊可

  • #16.

    労働組合は医師を守ってくれるのか? • • 病院職員の割合は医師15%、看護師40%、事務10%‥ 医師が含まれていなくても過半数組合の運営が可能 過半数組合は36協定の締結が可能 1事業場(病院)に過半数組合は1つのみ存在可能 医師が過半数組合の更に過半数を占めることも不可能 医師の意向を無視した36協定締結が可能 労働組合があっても医師のを守ってくれるわけではない

  • #17.

    タイトルテキスト 残業の拒否は可能?

  • #18.

    残業は拒否できる? 36協定が締結されている 就業規則に明記されている 「会社は業務の都合によって時間外・休日労働を命じることがある」旨の規定 会社は残業を命じることが可能 社員には残業命令に従う義務が⽣じる

  • #19.

    残業を拒否できる場合 正当な理由があれば拒否は可能 • 体調不良により残業が困難な場合 • 病気や怪我で制限が必要な場合 • 3歳に満たない子供や要介護状態の家族の世話が必要な場合 • 妊娠中や出産から1年経過していない場合 • 残業しても残業代が支払われていないなど残業が違法な場合 • 月100時間など異常な長時間残業を強いられている場合 ⻑時間労働で疲労蓄積していれば拒否可能

  • #20.

    タイトルテキスト 医師特有の働き方について

  • #21.

    タイトルテキスト 当直について

  • #22.

    当直とは 当直=宿⽇直 ⽇直=⽇中⾏う 宿直=夜間⾏う ⼀般に宿⽇直が認められるための条件と • • • • 定期巡回のような軽度の業務遂行を目的とする 宿直勤務をさせる場合、睡眠設備を設置し、十分な睡眠時間を確保する 当直勤務の回数は、宿直が週1回、日直は月1回を限度にする 当直手当は、労働者に支払われる1日あたりの平均賃金の3分の1を下回 らないようにする

  • #23.

    「医療機関における休日及び夜間勤務適正化」 厚生労働省労働基準局(平成14年3月19日) • • 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。 • • 夜間に十分睡眠がとりうること。 夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外に、病院の定時巡回、異常事態 の報告、少数の要注意患者の定時検脈、検温等、特殊の措置を必要としない 軽度の、又は短時間の業務に限ること。(応急患者の診療又は入院、患者の 死亡、出産等があり、昼間と同態様の労働に従事することが常態であるよう なものは許可しない。) 許可を得て宿直を行う場合に、(2)のカッコ内のような労働が稀にあっても 許可を取り消さないが、その時間については労働基準法第33条、第36条 による時間外労働の手続を行い、同法第37条の割増賃金を支払うこと。 医師・看護師などの労務管理が適正でないため改めて注意喚起した この基準に従えばほとんどの病院当直は夜勤にあたることになる

  • #24.

    当直中の割増賃金について 労働基準法41条3号・労働基準法施行規則23条の断続的労働 (断続的な宿日直勤務)のうち労働基準監督署長の許可を受けてい るものについては,その宿日直勤務時間に対して労働時間・休日の 規定の適用が除外され,したがって,残業代や休日割増賃金の支払 いをしなくてもよい(夜間割増賃金は必要) 宿⽇直の断続的労働に対しては 夜間割増賃⾦以外の⽀払い義務はない 当直料+夜間割増賃⾦(午後10時〜午前5時分)のみ 通常勤務を⾏った場合には断続的労働に含まれず 残業代・休⽇割増賃⾦・夜間割増賃⾦などの⽀払いが本来必要

  • #25.

    宿日直について • • • 労働時間・休憩時間・休日の規定の適用が除外 • 許可を受ければ宿直に引き続いた勤務を命ずることも可能 法定労働時間である週40時間には含まれず 時間外の労働に対する割増賃金(残業代)や休日労働に対する 割増賃金(休日手当)の支払いが不要 使⽤者側には⾮常に都合の良い制度 労働基準局の許可が必要となっている

  • #26.

    タイトルテキスト オンコール待機

  • #27.

    オンコール待機について 「労働時間に該当するか否かは,労働者の行為が使用者の指揮命令 下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定 まるものであって,労働契約,就業規則,労働協約等の定めのいか んにより決定されるべきものではないと解するのが相当である。」 (三菱重工業長崎造船所事件判決(最一小判平成12年3月9日)) 客観的に「使⽤者の指揮命令下に置かれている時間」が労働時間 ⾃発的にオンコールを⾏っている場合には労働時間とは認定されない

  • #28.

    大星ビル事件 最高裁判所第一小法廷平成14年2月28日判決 • • • 使用者側はビル管理会社 • 労働者側である技術系従業員が、泊まり勤務手当および実作業時間分の残業代等のほ か、仮眠時間も労働時間に含まれるとして残業代等を請求した • 「当該時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合に は,労働からの解放が保障されているとはいえず,労働者は使用者の指揮命令下に置か れているというのが相当である。」 技術系従業員について泊まり勤務があり、連続7〜9時間の仮眠時間が設けられていた 泊まり勤務に対しては泊まり勤務手当が支払われ、泊まり勤務中に実作業を行った場合 には、その実作業をした時間分の残業代や深夜割増賃金が支払われることになっていた 不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には 労基法上の労働時間に当たると判断される ⾃宅待機であっても連絡があれば随時対応が要求される オンコール待機については労働時間と認められる可能性が⾼い

  • #29.

    タイトルテキスト アルバイト

  • #30.

    アルバイトについて • 労働基準法第38条に「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に 関する規定の適用については通算する」と定められているため、本業と副業の勤務 先の労働時間は通算して扱うことになる • 主病院で週に40時間働いている場合、法定労働時間を超えて他の病院で行った労働 に関しては、時間外労働となり割増賃金の支払い義務が生じる • • 割増賃金については、労働契約を後に締結した事業所が負うとする考え方が一般的 勤務可能な時間外労働は、病院とアルバイト先各々の36協定の範囲に制限される 宿⽇直である寝当直以外は労働時間に通算される 36協定の上限に抵触する場合にはそれ以上の勤務は不 ただし各々の病院が把握していることが前提

  • #31.

    タイトルテキスト 割増賃金

  • #32.

    割増賃金 • • • • 労働時間 割増率 時間外労働 `1.25倍 時間外労働60時間超 1.5倍 法定休日労働 1.35倍 深夜労働 0.25倍 時間外労働+深夜労働 1.5倍 法定休日労働+深夜労働 1.6倍 複数の条件に当てはまる場合には加算される 時間外労働60時間超の割増は大企業のみ適応 法定休日週1日(所定休日は就業規則で規定:休日労働でなく時間外労働扱い) 深夜労働は午後10時から翌日午前5時までの間

  • #33.

    時間外手当を支払わないための手段 固定残業(みなし残業) • • • 一定の残業時間分の残業代を最初から給料として払っておく制度 役職手当などに含まれていると説明することあり 一定の残業時間を超えた部分に関しては支払い義務が発生する 年俸制 • • 労働条件通知書に残業時間が明記されていない場合は支払い義務が発生 明記されていても一定の残業時間を超えれば支払い義務が発生 管理職であることの悪⽤ • 病院の経営や採用などに大きな権限を持っている場合は「管理監督者」と 呼び、深夜手当を除き残業代を支払う必要がない • 管理監督者に相当しなければ残業代が当然発生する

  • #34.

    タイトルテキスト 働き方改革

  • #35.

    特別条項の上限は? 上 限 な く 実 質 は ⻘ 天 井 だ っ た 全ての医師が反対 しても36協定は 締結可能 事業所の過半数組合 (代表者)の⼒は強い 産経ニュース (2018.11.2) 許可制でなく届け出制のためとんでもない⻑時間労働でも受け付けられていた

  • #36.

    「働き方改革」による時間外労働の上限規制 時間外労働の上限について、月45時間・年360時間を原則とし、 臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満 (休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定 また45時間を超えることが出来るのは年間6か月まで ⼤企業は2019年4⽉から適応 脳・心臓疾患の過労死認定基準 健康障害の発症前2〜6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をして いる場合、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安 発症1ヶ月前では時間外労働100時間が目安

  • #37.

    時間外労働の限度に関する基準(平成10年労働省告示第154号) 限度時間が適用されない業務 • 工作物の建設等の事業 • 自動車の運転の業務 • 新技術、新商品等の研究開発の業務 • 季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公 益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として厚生労働省基準局長が指定 するもの ❖ 鹿児島県及び沖縄県に置ける砂糖製造業 ❖ 造船事業における船舶の改造又は修繕に関する業務 ❖ 郵政事業の年末・年始における業務 ❖ 都道府県労働局長が厚生労働省労働基準局長の承認を得て地域を限って指定する 事業又は業務 もともと時間外労働の限度が適応されない業務があった

  • #38.

    「働き方改革」での適用猶予・除外の事業・業務 自動車運転の業務 改正法施行5年後に時間外労働の上限規制を適用。上限時間は年960時間 とし、将来的な一般則の適用について引き続き検討する旨を附則に規定 建設事業 改正法施行5年後に一般則を適用。(ただし、災害時における復旧・復興の事業につい ては、1か月100時間未満・複数月平均80時間以内の要件は適用しな い。この点につ いても、将来的な一般則の適用について引き続き検討する旨を附則に規定。) 医師 改正法施行5年後に時間外労働の上限規制を適用。 具体的な上限時間等 は省令で定めることとし、医療界の参加による検討の場において、規制 の具体的あり方、労働時間の短縮策等について検討し結論を得る 鹿児島県及び沖縄県 改正法施行5年間は、1か月100時間未満・複数月80時間以内の における砂糖製造業 要件は適用しない。(改正法施行5年後に一般則を適用) 新技術・新商品等 の研究開発業務 医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、時間外労 働の上限規制は適用しない(高度プロフェッショナル制度に移行?) 「働き⽅改⾰」検討中に医師も適⽤除外となった

  • #39.

    医師の「働き方改革」はどうなるの? • • • 医療供給体制を当面維持するために時間外労働の適応除外に追加 • • 2024年から医師については現在検討中の内容で開始 現時点で適応されておらず旧来の青天井の時間外労働も可能 2019年3月に厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の報 告書が作成され立法化に向けた検討が進んでいる 2035年年度までは暫定期間で、2036年度からは一般職と同じ「働き方 改革」が適応される見通し 「医療の公共性・不確実性を考慮し、医療現場が萎縮し必要な医療提供体制が確保 できなくなることのないような規制とする必要があること。その場合であっても、 医療安全の観点からも、医師が健康状態を維持できることは重要であること」 「地域医療提供体制の確保」「医師の健康」の両⽴とを⽬指していたのでは?

  • #40.

    医師の働き方改革での争点 医師の応召義務 ⾃⼰研鑽を労働に含めるか ⾃分⾃⾝の 時間外労働時間の上限規制 健康を守る 研修医や地域医療勤務医の労働時間上限 当直(宿⽇直)認定基準の変更 オンコール待機を労働時間に含めるか 医師も アルバイトを労働時間に通算するか 意識改⾰が 連続勤務時間制限 必要 勤務間インターバル制度

  • #41.

    タイトルテキスト 病院産業医の役割

  • #42.

    産業医の選任義務 • • 事業者は、事業場の規模に応じて、以下の人数の産業医を選任し、 労働者の健康管理等を行わせなければならない ❖ 労働者数 50 人以上 3,000 人以下の規模の事業場 ・・ 1名以上選任 ❖ 労働者数 3,001 人以上の規模の事業場 ・・ 2名以上選任 常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場と、次に掲げる業務に 常時 500人以上の労働者を従事させる事業場では、その事業場に専 属の産業医を選任しなければならない 50名以上1000⼈未満 - 嘱託産業医 1000⼈未満以上- 専属産業医

  • #43.

    労働安全衛生規則第 13 条第 1 項第 2 号 イ 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務 ロ 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務 ハ ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務 ニ 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務 ホ 異常気圧下における業務 ヘ さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務 ト 重量物の取扱い等重激な業務 チ ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務 リ 坑内における業務 ヌ 深夜業を含む業務 ル 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸そ の他これらに準ずる有害物を取り 扱う業務 ヲ 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸 化炭素、二硫化炭素、青酸、ベン ゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸 気又は粉じんを発散する場所における業務 ワ 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務 カ その他厚生労働大臣が定める業務 危険な業務では500⼈以上で専属産業医 病院にいますか?

  • #44.

    産業医の選任の改善について 厚生労働省労働基準局安全衛生部長(平成 27年 10月 30日 ) • 産業医として選任できる者の事業場等における役職については、法又は規則で制限は設けられていな いため、企業の代表取締役、医療法人の理事長、病院の院長等が産業医を兼務している事例がみられ るところです • 労働者の健康管理は一定のコストを伴うものであるため、事業経営 の利益の帰属主体(以下「事業 者」という。)を代表する者や事業場においてその事 業の実施を総括管理する者が産業医を兼務した 場合、労働者の健康管理よりも事業経営上の利益を優先する観点から、産業医としての職務が適切に 遂行されないおそれも考えられ、法は、事業者を代表する者や事業場においてその事業の実施を総括 管理する者が、産業医を兼務することを想定していないところです • 以下の者を産業医として選任している場合は早期に改善する必要があ り、改めて、広く周知を図るこ とといたしましたので、貴団体におかれましても、趣旨を御理解の上、別添のリーフレットも活用 し、貴団体の会員事業場等に対する周知に御協力いただきますようよろしくお願いいたします ❖ 1 法人の代表者又は事業経営主(事業者の代表者) (例)代表取締役、医療法人又は社会福祉法人の理事長 ❖ 2 事業場においてその事業の実施を総括管理する者(事業場代表者) (例)病院又は診療所の院長、老人福祉施設の施設長 産業医がいるのか?誰なのか?知らない場合がほとんど 医師の働き⽅改⾰で⻑時間労働者への⾯談を義務化予定

  • #45.

    労働基準関連法令の遵守に対する医師の認識 労働政策研究・研修機構「『勤務医の就労実態と意識に関する調査』調査結果」(平成24年9月) 3割程度がやむを得ないと考えている 男性・⾼齢・⻑時間労働者ほど率が⾼い ⽼害が労働環境の改善を妨げています

  • #46.

    無給医 少なくとも2000人 国が初めて存在認める 公表へ NHK NEWS WEB (2019.6.7) 「大学病院などで無給で診療にあたっている若手医師。「無給医」と呼ばれていますが、国は 長年その存在を否定してきました。しかし、全国の大学病院を調査した結果、少なくともおよ そ50の大学病院に2000人を超える無給医の存在が確認できたとして、近く明らかにする方針で す。 無給医は、大学病院などで診療にあたっているにもかかわらず、研修中であることなどを理由 に給料が支払われない若手の医師や歯科医師のことです。 1960年代には大学の医局の権力構造を象徴する問題として学生運動のきっかけにもなりました が、国はその後、若手医師の処遇は改善されたとして、長年その存在を否定してきました。 平成24年に行われた調査でも「無給医は存在しない」としています。 しかし、ことし1月から文部科学省が全国108か所ある医学部と歯学部の付属病院を対象に調 査したところ、無給医が今も存在することが確認できたということです。 この調査結果を踏まえ、文部科学省は近く無給医の存在を認めるとともに、その数が少なくと も全国およそ50の大学病院で、合わせて2000人を超すことを明らかにする方針です。 国がこうした無給医の実態を明らかにするのは今回が初めてです。」 医師の世界では奴隷制度が続いています

  • #47.

    帰ったら確認すること 「労働条件通知書」(雇⽤契約書だけではだめ) 絶対的明示事項として少なくとも以下を記載し公布する義務あり ❖ 労働契約の期間 ❖ ❖ 就業場所 ❖ 休日/休暇 ❖ 業務内容 ❖ 賃金の計算方法/締日支払日 ❖ 始業/終業時刻 ❖ 解雇を含む退職に関する事項 休憩時間 貰っていなければ請求 「就業規則」と「36協定」 いつでも従業員が閲覧できる状態にしておかなければならない 病院の3割は36協定が無い違法状態で締結の予定もありません 未来の医師を守るためにも困ったことがあれば労基に相談

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