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エスディー@脳神経内科

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エスディー@脳神経内科

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テキスト全文

  • #1.

    筋萎縮性側索硬化症 Amyotrophic Lateral Sclerosis (ALS) ~見逃してはいけない診るべきポイント~ エスディー@脳神経内科 日本神経学会専門医・指導医 総合内科専門医 日本認知症学会専門医 前編

  • #2.

    本シリーズの全体像 前編 生 理 的 な 筋 け い れ ん 後編 筋肉のぴくつき 持続的 疲労時 1か所 ①頻度 ②誘因 ③場所 間欠的 安静時 複数箇所 線 維 束 性 攣 縮 さらに問診 筋力低下 なし 経過観察もしくは 脳神経内科紹介も可 体重減少 A L S や 筋 疾 患 の 可 能 性 上肢の筋力低下 なし あり あり あり 脳神経内科紹介 神経診察、MRI、筋電図検査など ①感覚障害 ②Split Hand ③頚部筋力 低下 あり なし なし 頚 椎 症 な ど 他 疾 患 も 考 慮

  • #3.

    本シリーズの目標 (前編) • ALSを疑うべき筋肉のぴくつき方がわかる。 • 脳神経内科に紹介する前にすべき問診、診察がわかる。 (後編) • ALSと頚椎疾患の鑑別に重要なサインがわかる。

  • #4.

    こんな患者さん、けっこういます。 「最近、足の筋肉がぴくぴくして止まらないんです。わたし、 ALSじゃないかと思って心配になって受診に来ました・・・」 何か元気そうだし、大丈夫に見え るけど、ALSじゃないとも言い切 れないし・・・どうしよう?

  • #5.

    こんな患者さんには次の3つのことを 確認してみましょう。 ① そのぴくぴく、どのくらいの 頻度で起こりますか? ② 運動時と安静時、どちらに起こ りやすいですか? ③ 場所は1か所だけですか?

  • #6.

    筋肉のぴくつきの違い ① ALS (線維束性攣縮) 間欠的に起こる (数秒に1回とか、1分間 に1回のレベル) 生理的な筋けいれん 持続的で頻度が速い ② 安静時に起こる 運動後や疲労した時 に起こる ③ 複数箇所に起きること がある 1か所だけ起こる もちろんこれだけでALSを完全に否定できません。次の問診、診察もしてみましょう。

  • #7.

    ALSを疑うときにすべき問診と診察 脳神経内科に紹介する前に次の2つのことを確認しましょう。 それは (1)筋力低下があるか (2)体重減少があるか

  • #8.

    脳神経内科に紹介する前に調べる2つの こと 具体的には (1)筋力低下があるか とりあえず握力検査をする。 できれば徒手筋力テストをする。 (2)体重減少があるか

  • #9.

    脳神経内科に紹介する前に調べる2つの こと • 握力検査 • 徒手筋力テスト 以下の全国平均値を参考に判断 下記に従って力比べをする。三角筋、上腕二頭 筋、大腿四頭筋、前頚骨筋などを調べる。 男性 (kg) 女性 (kg) 30~39歳 45.8 28.6 40~49歳 45.3 28.3 50~59歳 45.2 27.4 60~64歳 42.4 26.6 65~69歳 39.7 25.0 70~75歳 38.4 23.9 75~79歳 35.2 22.6 (令和2年度スポーツ庁調査結果改変) 「5」が正常なのでそれ以下なら筋力低下を疑う。 5 強い抵抗を加えても 負けない 4 抵抗を加えても負けない 3 抵抗がなければ重力に 逆らって動かせる 2 重力を除去すれば動かせる 1 筋の収縮がわずかに 認められるのみ 0 筋の収縮が全くない 右三角筋を診る場合

  • #10.

    脳神経内科に紹介する前に調べる2つの こと 具体的には (1)筋力低下があるか (2)体重減少があるか ここ半年で5㎏以上の体重減少があるか問診 もしあれば内科的な原因検索を可能な範囲でしておこう。 (とりあえず腫瘍マーカーや腹部US, 単純CTだけでも可)

  • #11.

    ここまでをまとめると・・・ 1. 筋肉のぴくつきの性状と分布を確認する。 2. 筋力低下がないかを確認する。 3. 体重減少とその原因検索をする。 1,2でALSが疑われれば脳神経内科紹介を考えてよいです。 3は紹介前に検査オーダーだけでもしておくと診察がスムーズに行えます。

  • #12.

    でも、ALS患者がみなさん筋肉のぴくつきで受診されるわけでは ありません。 臨床上問題になるのは、頚椎疾患との鑑別が必要な場合です。 そのちょっとしたコツを後編で勉強しましょう。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)~見逃してはいけない診るべきポイント~前編

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  • 筋萎縮性側索硬化症

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エスディー@脳神経内科

総合病院

概要

本スライドで学べること

・ALSを疑うべき筋肉のぴくつき方がわかる。

・脳神経内科に紹介する前にすべき問診、診察がわかる。

◎目次

・こんな患者さん、けっこういます。

・こんな患者さんには次の3つのことを確認してみましょう。

・筋肉のぴくつきの違い

・ALSを疑うときにすべき問診と診察

・脳神経内科に紹介する前に調べる2つのこと

本スライドの対象者

研修医/専攻医

参考文献

  • 令和2年度スポーツ庁調査結果改変

テキスト全文

  • #1.

    筋萎縮性側索硬化症 Amyotrophic Lateral Sclerosis (ALS) ~見逃してはいけない診るべきポイント~ エスディー@脳神経内科 日本神経学会専門医・指導医 総合内科専門医 日本認知症学会専門医 前編

  • #2.

    本シリーズの全体像 前編 生 理 的 な 筋 け い れ ん 後編 筋肉のぴくつき 持続的 疲労時 1か所 ①頻度 ②誘因 ③場所 間欠的 安静時 複数箇所 線 維 束 性 攣 縮 さらに問診 筋力低下 なし 経過観察もしくは 脳神経内科紹介も可 体重減少 A L S や 筋 疾 患 の 可 能 性 上肢の筋力低下 なし あり あり あり 脳神経内科紹介 神経診察、MRI、筋電図検査など ①感覚障害 ②Split Hand ③頚部筋力 低下 あり なし なし 頚 椎 症 な ど 他 疾 患 も 考 慮

  • #3.

    本シリーズの目標 (前編) • ALSを疑うべき筋肉のぴくつき方がわかる。 • 脳神経内科に紹介する前にすべき問診、診察がわかる。 (後編) • ALSと頚椎疾患の鑑別に重要なサインがわかる。

  • #4.

    こんな患者さん、けっこういます。 「最近、足の筋肉がぴくぴくして止まらないんです。わたし、 ALSじゃないかと思って心配になって受診に来ました・・・」 何か元気そうだし、大丈夫に見え るけど、ALSじゃないとも言い切 れないし・・・どうしよう?

  • #5.

    こんな患者さんには次の3つのことを 確認してみましょう。 ① そのぴくぴく、どのくらいの 頻度で起こりますか? ② 運動時と安静時、どちらに起こ りやすいですか? ③ 場所は1か所だけですか?

  • #6.

    筋肉のぴくつきの違い ① ALS (線維束性攣縮) 間欠的に起こる (数秒に1回とか、1分間 に1回のレベル) 生理的な筋けいれん 持続的で頻度が速い ② 安静時に起こる 運動後や疲労した時 に起こる ③ 複数箇所に起きること がある 1か所だけ起こる もちろんこれだけでALSを完全に否定できません。次の問診、診察もしてみましょう。

  • #7.

    ALSを疑うときにすべき問診と診察 脳神経内科に紹介する前に次の2つのことを確認しましょう。 それは (1)筋力低下があるか (2)体重減少があるか

  • #8.

    脳神経内科に紹介する前に調べる2つの こと 具体的には (1)筋力低下があるか とりあえず握力検査をする。 できれば徒手筋力テストをする。 (2)体重減少があるか

  • #9.

    脳神経内科に紹介する前に調べる2つの こと • 握力検査 • 徒手筋力テスト 以下の全国平均値を参考に判断 下記に従って力比べをする。三角筋、上腕二頭 筋、大腿四頭筋、前頚骨筋などを調べる。 男性 (kg) 女性 (kg) 30~39歳 45.8 28.6 40~49歳 45.3 28.3 50~59歳 45.2 27.4 60~64歳 42.4 26.6 65~69歳 39.7 25.0 70~75歳 38.4 23.9 75~79歳 35.2 22.6 (令和2年度スポーツ庁調査結果改変) 「5」が正常なのでそれ以下なら筋力低下を疑う。 5 強い抵抗を加えても 負けない 4 抵抗を加えても負けない 3 抵抗がなければ重力に 逆らって動かせる 2 重力を除去すれば動かせる 1 筋の収縮がわずかに 認められるのみ 0 筋の収縮が全くない 右三角筋を診る場合

  • #10.

    脳神経内科に紹介する前に調べる2つの こと 具体的には (1)筋力低下があるか (2)体重減少があるか ここ半年で5㎏以上の体重減少があるか問診 もしあれば内科的な原因検索を可能な範囲でしておこう。 (とりあえず腫瘍マーカーや腹部US, 単純CTだけでも可)

  • #11.

    ここまでをまとめると・・・ 1. 筋肉のぴくつきの性状と分布を確認する。 2. 筋力低下がないかを確認する。 3. 体重減少とその原因検索をする。 1,2でALSが疑われれば脳神経内科紹介を考えてよいです。 3は紹介前に検査オーダーだけでもしておくと診察がスムーズに行えます。

  • #12.

    でも、ALS患者がみなさん筋肉のぴくつきで受診されるわけでは ありません。 臨床上問題になるのは、頚椎疾患との鑑別が必要な場合です。 そのちょっとしたコツを後編で勉強しましょう。

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