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軽症頭部外傷のCT

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  • 意識障害
  • CT
  • 頭部外傷
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  • EFNS
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35,565

162

2021/11/4
2021/11/25 更新

本スライドの対象者

研修医

内容

頭を打ってERに来たけどイマイチ重傷感がない患者さんにCTを撮るか...

医師となり、いきなり救急ローテートを命ぜられた私が最初にぶつかった壁の一つです。

どうせ同じことを他の研修医も悩んでるはず!と研修医の勉強会で作ったスライドを共有します。症例ベースなので元の院内向けスライドから一部削っており繋がりが分かりづらい部分はあるかと思いますが,お役立ていただければ幸いです。

※ 症例はフィクションです。

前田徳也

JA広島総合病院


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軽症頭部外傷のCT

  1. Take a Picture ? 軽症頭部外傷のCT

  2. 症例提⽰ n 80歳代 男性 現病歴 ▸ X⽉Y⽇夜,飲酒後にベンゾジアゼピン系睡眠薬を内服 ▸ X⽉Y+1⽇ 起床後,トイレで転倒 転倒の1時間後 朝⾷を問題なく摂取 朝⾷の30分後,再びトイレで転倒 → 体が動かなくなり救急要請 既往歴 ▸ ⼼筋梗塞(PCI後)→ 抗⾎⼩板薬を内服中 ▸ ⼼房細動 → 抗凝固薬を内服中

  3. 救外や当直で 頭を打った⼈を診たとき こんなことで悩んだことは ありませんか︖

  4. 何となく頭って大事そうだし… 今は何ともなさげだけど 後からってこともあるし… 心配だから頭のCT撮ろうかな… 何か基準がないのかなぁ…

  5. CCHR Canadian CT Head Rule🇨🇦 適応 ❶ GCS 13~15 または 意識喪失 ❷ 受傷時の記憶がない ❸ 錯乱 除外 ❶ 外傷以外 ❷ GCS13未満 ❺ 明らかな頭蓋冠の開放 ❸ 16歳未満 ❹ 抗⾎栓薬服⽤中 or 出⾎傾向 High Risk n 受傷2時間後にGCS15未満 n 頭蓋冠⾻折 or 陥没が疑われる n 頭蓋底⾻折の所⾒がある n 2回以上の嘔吐 n 65歳以上 Medium Risk n 受傷30分前の記憶を消失 n 危険な受傷機転 CT撮影 +脳外科の介⼊を要する • • • • • ⾞にはねられた歩⾏者 鈍器で殴られた 1m or 階段5段以上からの転落 重量物が頭に落ちてきた ⾞から外に⾶ばされた CT撮影を要する

  6. EFNS guideline n 軽症頭部外傷患者のCT撮影適応が ❶意識レベル, ❷意識消失, ❸受傷後健忘, ❹頭蓋内病変のリスクで 4カテゴリーに分類して明⽰されている カテゴリー 0 1 2 GCS 意識消失の 持続時間 15 15 30分 未満 15 なし 受傷後健忘の 時間 なし 60分 未満 頭蓋内合併症の リスク因⼦ なし なし CT撮影の推奨 なし 推奨 3 15未満 なし 30分 未満 なし 60分 未満 あり 不問 必要 必要 ※ 感度100% → 陰性ならばCT撮影の必要はない 頭蓋内合併症のリスク因⼦ n n n n n n n n n n n 受傷の記憶が不明 or 曖昧 持続する受傷後健忘 頭蓋⾻⾻折 (⽰唆する臨床所⾒を含む) 重症の頭痛 嘔吐 局所神経障害 てんかん 2歳未満 60歳以上 ⾼エネルギー外傷 薬物またはアルコール中毒

  7. 結局,高齢者はみんなCT撮れってこと? CTがない施設だったらどうするの? なんか違う気がしてもやもやする…

  8. この患者にCTは必要か? …という疑問に100%の答えはない 外来診察で得られる情報から CT撮影の必要性を上げ下げしていくしかない (Primary Surveyは⼤丈夫という前提で) 病歴と⾝体所⾒から攻めてみる

  9. 病歴

  10. 病歴聴取 Question 1 何をしていて転んだのですか︖ n 「部屋にあるものや階段でつまずいた」 ▸今後の対策として ⾜元のランプや⼿すりの設置が必要になるかもしれない n 「坂道を登っているときに気を失って」 ▸背景に⼼⾎管疾患やそれによる失神の存在を疑う n 「深夜に外出して転倒した」 ▸通常では考えづらいような状況は背景に認知症の存在を疑う

  11. 病歴聴取 Question 2 転んだところを誰かが⾒ていますか︖ n 転倒した瞬間を誰かが⾒ていたか,物⾳で駆けつけたのかで 次にするべき問診が変わってくる n 家族が転倒した⼀部始終を⾒ていた ▸ 痙攣の有無や転び⽅(何かにつまずいた,棒のようにバタンと倒れたなど) n 家族が物⾳に気づいて駆けつけた ▸ 倒れ⽅の詳細は聴取できそうにない 部屋の様⼦や頭をぶつけたときに危険な家具などがないか︖

  12. 病歴聴取 Question 3 転んだのは今回が初めてですか︖ n 複数回転倒しているならば,その状況を聴取 ▸薬剤や内科の疾患による失神が背景にある可能性 ▸過去の転倒による慢性硬膜下⾎腫が次の転倒に繋がっている 可能性

  13. 病歴聴取 Question 4 ⾎液サラサラのお薬は飲んでいますか︖ n 抗⾎⼩板薬(アスピリン,クロピドグレル),ワーファリン, DOACなどの内服は頭蓋内出⾎のリスクを有意に⾼める Ann Emerg Med2020 Mar;75(3):354-364. ► CT撮影の必要性を⾼める要素になる n お薬⼿帳に記載がなければ本⼈に聴取 n 脳梗塞,⼼房細動,PCI後などの対応する既往がないか確認

  14. 病歴聴取 Question 5 ADLに変化はありますか︖ n 救急では普段のかかりつけ医以外が対応する場合が多い n 転倒前後のADLの変化は今後の治療⽬標を決めるためにも重要 ADL(DEATH) IADL(SHAFT) D Dressing 着替え S Shopping 買い物 E Eating ⾷事 H House keeping 掃除 A Ambulation 移動 A Account ⾦銭管理 T Toileting 排泄 F Food preparing ⾷事の準備 H Hygiene ⼊浴 T Transport 交通機関の利⽤

  15. ⾝体診察

  16. ⾝体診察 n 全⾝の神経診察を⾏う ▸ テンプレートやNIHSSスコア表を⽤いる ① 他にどこか怪我してない︖ ▸ 特に後頸部正中の圧痛,上肢のしびれなど頸椎損傷を疑う所⾒がないか ② 実は何回も転んでいるのかも︖ ▸ 挫創や⽪下⾎腫の新旧混在があれば頻回の転倒を疑う ▸ 不⾃然な場所に挫創や⽪下⾎腫があれば虐待を疑う ③ 体調を崩して転んだのかも︖ ▸ COPDや⼼不全など,全⾝疾患の症状でしんどくなって転倒した可能性も︕ 具合が悪そうならば⼀般内科的な診察も必要

  17. ここまでの内容をまとめると n 以下はCT撮影の必要性を下げる要素 1. 病歴から明らかに⾼エネルギーの外傷ではない 2. 受傷後に嘔吐や健忘を認めない 3. 頭部に⽪下⾎腫や挫創を認めない(またはごくわずか) 4. 抗⾎⼩板薬・抗凝固薬の内服がない 5. 元の意識レベル,ADLから変化がない 6. 診察で神経学的な局所症状を認めない 7. + 帰宅後に経過観察できる同居⼈がいる

  18. CTで異常がなかった!よかった〜 バイタルも安定してるし 目立つ傷もなさそうだし このまま帰ってもらって大丈夫かな ほんとに帰してOK?

  19. CTで異常なしと 問題なしは違う 予後不良で危険な 受傷機転が⾒逃されていない ?

  20. 受傷の原因を確認する n 軽症頭部外傷患者の多くは会話が可能(GCS 13 or 14以上を軽症と呼ぶ) ► 失神など内科の疾患が背景にある受傷ではないか確認︕ ⼀過性意識消失〈TLOC〉 ► 意識消失の時間が短く(秒〜分単位) かつ⾃然に回復するもの。

  21. 受傷の原因を確認する n 軽症頭部外傷患者の多くは会話が可能(GCS 13 or 14以上を軽症と呼ぶ) ► 失神など内科の疾患が背景にある受傷ではないか確認︕ 9% 不明 36% 46% その他 7.5% ⾮失神発作 ► てんかん, 脳⾎管障害, 低⾎糖, 代謝異常, 精神疾患など 失神〈syncope〉 ► ⾎圧低下による 全脳の⾎流低下によるもの 意識障害患者の診療は 失神か否かを鑑別することから 失神の診断・治療ガイドライン2012

  22. 受傷の原因を確認する n 失神の原因 65歳未満 65歳以上 ⼼原性失神 12 % 20 % 34 % 超ヤバい n 不整脈 徐脈 or 頻脈, 薬剤性 n 器質的⼼疾患 ⼤動脈弁狭窄症, HOCM, ⼤動脈解離, 肺塞栓症 n その他 AAA切迫破裂 68 % 12 % その他(不明含む) 54 % 予後良好 n ⼀次性⾃律神経障害 ⾃律神経障害, パーキンソン病 n ⼆次性⾃律神経障害 糖尿病, 尿毒症, アルコール中毒 n 薬剤性起⽴性低⾎圧 降圧薬, 利尿薬, アルコール n 循環⾎液量低下 出⾎, 下痢, 嘔吐 神経調節性失神 n ⾎管迷⾛神経反射 精神的ストレス n 状況失神 排尿, 排便, 咳嗽, ⾷後 n 頸動脈洞症候群 ⾸を回す, ひげそり, ⾸元のきつい⾐服 予後良好

  23. n 救急外来では 圧倒的に予後の悪い ⼼原性失神から除外する

  24. ⼼原性失神を⾒つけるには︖ 病歴+⾝体所⾒+⼼電図でほぼ100%検出できる ERでの診療の流れ 1. バイタル (ABCD) 2. 問診 何を聞けばいいの︖ ▸ 病歴 ▸ ⼼疾患の既往 ▸ そのほかのリスク因⼦(性別,年齢,喫煙,肥満,家族歴など) 3. ⾝体診察(とくに⼼雑⾳) 4. ⼼電図 (虚⾎,不整脈︓特にBrugada症候群, 房室ブロック,QT延⻑,デルタ波) (歴があれば前の⼼電図との⽐較) 5. 必要であれば採⾎(⼼筋マーカーなど)

  25. ⼼原性失神 上げる 確率を n ⼼疾患の既往あり 下げる 確率を (ACS, 不整脈, ⼼不全, 弁膜症 etc…) n バイタルの異常 n 男性 n 55歳以上 n 労作時に発症 n 臥位で発症 n 不随意運動あり n 前駆症状なし n 発症が2回以下 n ⼼疾患の既往なし (95%の確率で否定できる) 関係ありそうで実はあんまり影響がない︓動悸,嘔気,発汗など前駆症状がある

  26. \忘 !/ 特に⾼齢者は 薬も転倒リスク

  27. 意識障害の合⾔葉(?) AIUEOTIPS A Alcohol アルコール I Infection 感染症 U Uremia 尿毒症 E Encephalitis 脳症 Endocranial 内分泌異常 Electrolysis 電解質異常 O Overdose 薬物 Oxygen 低酸素 T Trauma 外傷 Tumor 腫瘍 I Insulin 低⾎糖 P Psychiatric 精神疾患 S Stroke 脳卒中 Syncope 失神 Seizure てんかん ▲ 関係ないお菓⼦

  28. 意識障害の合⾔葉(?) AIUEOTIPS A Alcohol アルコール I Infection 感染症 U Uremia 尿毒症 E Encephalitis 脳症 Endocranial 内分泌異常 Electrolysis 電解質異常 O Overdose 薬物 Oxygen 低酸素 T Trauma 外傷 Tumor 腫瘍 I Insulin 低⾎糖 P Psychiatric 精神疾患 S Stroke 脳卒中 Syncope 失神 Seizure てんかん ▲ 関係ないお菓⼦

  29. 受傷の原因を確認する ポリファーマーシーの原理(?) ただでさえ筋力が落ちて転びやすいのに… n 身体の問題 ▸ 臓器予備能の低下! ➡ 相対的に過剰投与になりやすい ▸ 認知機能! ➡ アドヒアランスの低下,服用間違い,症状の訴えが遅れやすい n 疾患の問題 ▸ 複数の疾患! ➡ 複数の医療機関や診療科にかかる ▸ 慢性疾患! ➡ 服用期間が延びる ▸ 不定愁訴! ➡ 対症療法で雪だるま式に薬が増える n 処方カスケード ▸ 良くならないのはちゃんと飲んでないだけ ▸ 薬の副作用による症状 …なのに新しい薬を追加

  30. 受傷の原因を確認する 転倒リスクを増加させる薬剤(⽇本⽼年医学会 ⾼齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015より改変) 抗精神病薬 抗ヒスタミン薬 ジギタリス製剤 睡眠薬 経⼝⾎糖降下薬 抗不安薬 抗うつ薬 インスリン 制吐剤 抗パーキンソン病薬 過活動膀胱治療薬 ⼀部の抗がん剤 ステロイド NSAIDs 利尿薬 オピオイド β遮断薬 抗てんかん薬 α遮断薬 降圧薬

  31. n かなり多くの⾼齢者が薬剤による 転倒のリスクを抱えている n 既往から内服薬を推測して確認 (⼼不全既往 → βブロッカーや利尿薬) (⼼筋梗塞既往 → 抗⾎⼩板薬)などなど n 不要な薬は積極的にやめる

  32. Take Home Message !! n 100%正しい答えを教えてくれる検査はない︕ 検査結果に踊らされないため,医療資源を適切に使うため 検査の適応は⼗分に吟味する︕ n 軽症頭部外傷のCTの場合は,病歴・既往・内服・⾝体所⾒・ 患者の社会的背景などから総合判断で撮影の適応を考える︕ n CTに異常なし ≠ 問題なし︕ 患者と⾃分を守るためにも, 危険 or 介⼊可能な受傷機転が ないか確認する & 帰宅時のICでしっかり説明する

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