COVID-19の診断 2020.12

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黒田 浩一

神戸市立医療センター中央市民病院

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2020.11に掲載したものの「COVID-19の診断」の部分です。

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COVID-19の診断 2020.12

1. COVID-192020.12 UPDATE 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科 黒田浩一 COVID-19の診断
2. COVID-19の診断 1. 診断 2. 重症化リスク 3. 検査 4. インフルエンザシーズンどうする?
3. COVID-19の診断 症状:発熱、咽頭痛、咳、呼吸困難、嗅覚障害、味覚障害、など 曝露歴:家族内、職場、clusterが発生した場所、など 行動歴:clusterが発生しやすい場所(ナイトクラブ、カラオケ、ライブハウス、スポーツジム、大規模イベント) 画像検査:胸部レントゲン、胸部単純CT PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液・唾液) 抗原検査(鼻咽頭ぬぐい液・唾液)
4. どんな時にCOVID-19を疑う? 症状(嗅覚・味覚障害 ± 発熱 or 気道症状) 症状(発熱 or 気道症状)+曝露歴 症状(発熱 or 気道症状) +高リスクの行動歴 症状(発熱 or 気道症状) +流行期 肺炎(主にスリガラス影)
5. 特に早期に診断すべき患者群 重症化リスク・死亡リスクが高い 重症化リスク・死亡リスクが高い群と同居している 医療従事者
6. 重症化・死亡リスク因子
7. 重症化・死亡リスク 1-24) 高齢(65歳以上) BMI > 30-40(肥満) 呼吸困難 血痰 入院時の呼吸不全
8. COVID-19は高齢であるほど入院・死亡のリスクが増加する CDC:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/covid-data/investigations-discovery/hospitalization-death-by-age.html
9. 重症化・死亡リスク 1-24) COPD 糖尿病 CKD 高血圧 心血管疾患 脳血管疾患 悪性腫瘍(固形癌・血液系) 免疫不全(HIVを含む) 固形臓器移植後 control不良の喘息 フレイル
10. COVID-19患者の入院リスク:基礎疾患が多いほどリスク高い Clin Infect Dis. 2020 Sep 18;ciaa1419. doi: 10.1093/cid/ciaa1419. CDC:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/downloads/covid-data/hospitalization-underlying-medical-conditions.pdf
11. 重症化・死亡リスク 1-24) D-dimer上昇(1-2µg/mL以上) LDH上昇 SOFA高値 AST高値 プロカルシトニン高値、CRP上昇、フェリチン上昇 心筋傷害(心筋マーカー上昇:CK、トロポニン) リンパ球減少
12. 重症化・死亡予測スコア 入院患者における重症化予測:ICU入室、人工呼吸器、死亡 http://118.126.104.170/ 項目:年齢、胸部レントゲン異常、血痰、呼吸困難、意識障害、既往歴の数(COPD、高血圧、DM、冠動脈疾患、CKD、悪性腫瘍、脳血管疾患、HBV感染、免疫不全)、悪性腫瘍、好中球/リンパ球、LDH、直接ビリルビン JAMA Intern Med. 2020;180(8):1081-1089.
13. 4C mortality score 入院時の8つの値 年齢、性別 基礎疾患数 (Charlson comorbidity index+obesity) 呼吸数、SpO2、意識レベル BUN、CRP BMJ. 2020 Sep 9;370:m3339. doi: 10.1136/bmj.m3339. 0-21点:15点以上 致命率62%、3点以下 致命率1%
14. ウイルス量(Ct値)と重症度 診断時のウイルス量が多い患者は、重症化・死亡リスクが高い可能性がある Open Forum Infectious Diseases, ofaa535, https://doi.org/10.1093/ofid/ofaa535 Cancer Cell. 2020 Sep 15;S1535-6108(20)30481-5. doi: 10.1016/j.ccell.2020.09.007. 22 <25-27 >30-22
15. 検査
16. 検査 SARS-CoV-2 PCR検査または抗原検査(定性・定量) SARS-CoV-2抗体検査 血液検査 画像検査:胸部レントゲン、胸部CT 培養検査:血液培養、喀痰培養
17. SARS-CoV-2検査
18. 発症2-9日目のみ 厚生労働省 COVID-19病原体検査の指針
19. 各検査を行う目的 核酸検出検査(主にPCR検査)・抗原検査 現在の感染を診断 抗体検査 過去の感染を診断(疫学調査) 発症から10-14日以上経過している現在の感染を診断
20. 核酸検出検査(PCR)
21. PCR検査 検体中のウイルス遺伝子を特異的に増幅して検出 検体:鼻咽頭ぬぐい液、唾液、鼻腔ぬぐい液、喀痰 感度・特異度が最も高い検査と考えられているが、真の感度・特異度は不明(感度70-80%という専門家がいる) 感度を検討した研究のreference standardは、繰り返しPCR検査を施行し1回でも陽性になった症例、または、SARS-CoV-2抗体検査陽性(ただし、抗体検査の感度・特異度も不明:通常PCR陽性例をreference standardとしている)
22. 各検体の特徴:鼻咽頭ぬぐい液 標準的な検体 咽頭ぬぐい液よりウイルス量が高値で、感度が高い 採取する医療者が飛沫に曝露するリスクがある  →採取時は、サージカルマスク・アイシールド・手袋・ガウン 患者の不快感が強い N Engl J Med. 2020;382(12):1177-1179. JAMA. 2020;323(18):1843-1844.
23. 各検体の特徴:唾液 鼻咽頭ぬぐい液とほぼ同等の精度が期待できる 自己採取できるため、医療従事者の曝露のリスクがない  →行政検査(スクリーニング検査)や診療所で有用性が高い 1-2ml必要:高齢者や脱水患者の場合は採取が難しいことがある 飲食・歯磨き・うがいの後、最低10分できれば30分あけてから採取 採取に時間がかかるため、検体数の多い施設では鼻咽頭ぬぐい液のほうが効率的に診療をすすめることができるかもしれない
24. 唾液PCRのエビデンス 有症状COVID-19患者におけるPCRの感度は、鼻咽頭ぬぐい液PCRの80-90%程度 1-6) 無症状COVID-19患者(空港検疫・接触者調査)におけるPCRの感度は、鼻咽頭ぬぐい液PCRと同等 7) 唾液PCRは、鼻咽頭ぬぐい液PCRより早く陰性化する 4-5) 唾液PCRは発症から10日目以降の感度が低い 6)
25. 各検体の特徴:鼻腔ぬぐい液 検出感度は、鼻咽頭ぬぐい液と同等またはやや低い 鼻孔から2cm程度スワブを挿入して、5回程度回転させ、十分湿らせる 被験者本人で採取可能で、医療従事者の曝露を減らすことができる N Engl J Med. 2020;383(5):494-496 J Clin Microbiol. 2020;58(6):e00721-20. J Clin Virol. 2020 Jul;128:104417. doi: 10.1016/j.jcv.2020.104417.
26. 各検体の特徴:下気道検体 喀痰 - 痰の喀出時に、飛沫が発生するため、周囲への感染リスクがあるため、陰圧採痰室などの個室で行う(初回のPCR検査で選択されることはない) - 咽頭ぬぐい液より感度が高い(PCR検査を繰り返す場合に考慮される) 気管内吸引痰、気管支肺胞洗浄液(BALF) - BALFの感度は最も高いとされるが、エアロゾル発生させる気管支鏡検査は周囲への感染リスクが高く、COVID-19診断のために行うことはない JAMA. 2020;323(18):1843-1844 https://www.idsociety.org/practice-guideline/covid-19-guideline-diagnostics/
27. PCRの感度(偽陰性)
28. 上気道検体(鼻咽頭ぬぐい液・咽頭ぬぐい液)の PCR検査の偽陰性率は、発症4日目がもっとも低い 発症日 Ann Intern Med. 2020 Aug 18;173(4):262-267. ※無症状病原帯保有者(1度も症状がでない)における感度は不明
29. PCR検査の感度は不十分では何回まで繰り返す?
30. 上気道検体のPCR検査1回の感度は不十分? PCR検査(上気道検体)は連日3回施行すると感度が上昇する 発症3日目の咽頭ぬぐい液PCR検査で陰性の場合、2日後に再検すると陽性率が70%から95%に上昇する 鼻咽頭ぬぐい液PCRは2回行うと95.7%が診断される(発症から8日以内の場合) PCRの感度は、BALF>喀痰>鼻咽頭ぬぐい液 ウイルス量は、喀痰>鼻咽頭ぬぐい液>咽頭ぬぐい液 Clin Infect Dis. 2020 Feb 29;ciaa199. doi: 10.1093/cid/ciaa199. Radiology. 2020 Feb 19:200432. doi: 10.1148/radiol.2020200432. Clin Infect Dis. 2020 Apr 19. doi: 10.1093/cid/ciaa459. JAMA. 2020 Mar 11. doi:10.1001/jama.2020.3786. Clin Infect Dis. 2020 Mar 28. pii: ciaa345. doi: 10.1093/cid/ciaa345. N Engl J Med. 2020 Mar 19;382(12):1177-1179. COVID-19の診断基準:複数回施行したPCR検査で1回でも陽性になればCOVID-19と診断
31. PCR検査は本当に2回以上必要? COVID-19患者(5700名)の98.1%は最初のPCR検査で診断された。再検査で診断されたのは1.9%のみ。流行期のNYのため、2回目の検査がそもそも施行されなかった可能性がある。 COVID-19の診断目的で施行された1回目のPCRが陰性であった患者で、PCRが再検された患者のうち、3.7%(4/108)のみが再検査で陽性と判明した(米国の大学病院)。 別の米国の大学病院では、3.5%(22/626)だった。 当院ではこれまで再検で陽性になったのは2例のみ(明らかな濃厚接触が確認されていた患者で、発熱・肺炎像あり)。 JAMA. 2020 May 26;323(20):2052-2059. Infect Control Hosp Epidemiol. 2020 Aug 10;1-3. doi: 10.1017/ice.2020.413. Clin Infect Dis. 2020 Jun 7;ciaa722. doi: 10.1093/cid/ciaa722.
32. 米国感染症学会のガイドライン 推奨5:COIVD-19の可能性が臨床的に低いと判断される症状のある患者において、ウイルスRNA検査は1回行うこと、繰り返さないことを提案する 臨床的に可能性が低いかどうかは、その地域の疫学と臨床判断に基づいて判断する https://www.idsociety.org/practice-guideline/covid-19-guideline-diagnostics/
33. 推奨6:COVID-19の臨床的疑いが中程度または高度にある症状のある患者において、初回検査が陰性の場合、1回だけ検査を行うのではなく、ウイルスRNA検査を繰り返すことを提案する。 中等度または高度の臨床的疑いとは、入院settingの状況で適応され、COVID-19に一致する症状と徴候の重症度・数・タイミングに基づいて判断される 2回目の検査は、初回検査から24-48時間後に行う 2回目の検査の場合、下気道感染症の症状・徴候がある患者の場合は、下気道検体を採取することを考慮する 米国感染症学会のガイドライン https://www.idsociety.org/practice-guideline/covid-19-guideline-diagnostics/
34. COVID-19疑いの入院患者でCOVID-19を除外する条件 神戸市立医療センター中央市民病院の場合 症状と画像(スリガラス影)のある患者
35. COVID-19をどうやって除外?(1) 症状や画像所見からCOVID-19が鑑別に挙がる患者を対象 1回目のPCR検査(鼻咽頭ぬぐい液)が陰性の場合 - 代替診断あり→感染対策終了 - 代替診断なし→翌日に2回目のPCR検査 - 鑑別に有用な場合、胸部単純CT検査施行
36. 2回目のPCR検査(鼻咽頭ぬぐい液)が陰性の場合 - 代替診断あり→感染対策終了 - COVID-19の検査前確率が低い場合→感染対策終了 - COVID-19の可能性が引き続き疑われる場合  3回目のPCR検査を検討する(発症から4-7日目がベスト)  PCR検査の検体は、喀痰・吸引痰/BAL(挿管患者)を考慮  発症から10-14日目以降の場合は、抗体検査も検討する COVID-19をどうやって除外?(2)
37. COVID-19疑い患者 PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液) COVID-19確定 陽性 代替診断なし 代替診断あり 陰性 COVID-19除外 PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液)※1 COVID-19確定 陽性 代替診断なし 代替診断あり・検査後確率が高くない 陰性 COVID-19除外 PCR検査(鼻咽頭ぬぐい液 or 喀痰)※2・抗体検査※3 COVID-19除外 陰性 ※1:検体は喀痰でもよい ※2:発症から4-7日目が望ましい ※3:発症から14日目以降がよい 陽性 COVID-19確定 各evidenceを参考に作成した私案
38. PCR検査:いろいろな検体から検出 1-10) 尿、血液、便、胸水、精液、結膜ぬぐい液、透析排液 これらの臨床的意義は不明 便中SARS-CoV-2は培養で検出された事例の報告がある 1,3,7) エアロゾル化した便中SARS-CoV-2が高層マンションの排水管を通じて拡散したことが原因と思われるCOVID-19 outbreak事例がある 7) COVID-19の可能性がある患者の検体を検査室外でグラム染色してはいけない(エアロゾル発生するリスク→安全キャビネットで行う必要がある)
39. 抗原検査(定量・定性) 利点:迅速性、夜間でも施行可能 欠点:精度はPCRより劣る  定量検査:感度はPCRとほぼ同等?、特異度は低いかもしれない   定性検査:感度は低い、特異度も低い(偽陽性事例多い) 唾液抗原定性検査の感度は鼻咽頭ぬぐい液PCRの10%程度 Clin Microbiol. 2020 Aug 24;58(9):e01438-20.
40. 抗原検査の問題点 偽陰性  →PCRで確認すればよいので問題はそれほど困らない 偽陽性(検査閾値を下げると問題になる事例が増加する)  →COVID-19らしくない経過の場合どうするか?  例:発熱のみ・濃厚接触歴なし・肺炎像なし    PCR検査して陰性の場合は?除外できる?   →病院として、抗原検査陽性例のフローを作成する必要がある
41. 抗原定性検査の「偽陽性」問題 検査前確率10%、感度50%(80%)、特異度98%とすると 陽性的中率= 50/68 × 100 = 73.5%(81.6%)  1000人の来院患者のうち18名が過剰診断される 陰性的中率= 882/932 ×100 = 94.7%
42. 過剰診断は患者/家族/社会への害が大きい 発症から10日は隔離(宿泊施設 or 入院)、軽症であれば入院は不要 独居または同居メンバー全員が感染していれば、自宅療養はよいかもしれないが、そうではない場合、罹患していない家族への感染伝播のリスクがある 濃厚接触者調査(保健所によるPCR検査)が必要となる(行政の仕事の増加) 本人・家族のストレス(疾患そのもの、社会的なもの) 濃厚接触者も、仕事を休む必要がある(最終曝露から14日間) 経済活動への影響(休業、業務縮小、風評被害)
43. 抗体検査 1-12) 主にIgGとIgMを測定 検査方法や標的とする抗体によって多少の違いはあるが、発症から7-14日から陽性率が上昇傾向となり、14日以降で感度が高く、発症から3週間経過した時点で、感度ほぼ100%、特異度も高い(例:アボット社のIgG 99.9%) 急性期の診断には不向きであるが、発症から2週間が経過し、PCR陰性化してしまった症例の診断には有用 過去の感染を診断する場合に有用(疫学調査) 抗体検査陽性となる時期はすでに感染性はない
44. Clin Infect Dis. 2020 Sep 12;ciaa1343. doi: 10.1093/cid/ciaa1343.
45. IDSAガイドライン:抗体 発症から2週間以内のCOVID-19診断目的の抗体検査:× 発症から3週目以降に感染の証明目的のIgG測定:○ SARS-CoV-2 PCR検査が繰り返し陰性だが、症状が持続し、臨床的にCOVID-19の疑いのある患者に対するIgGの測定(発症から3週目以降だと感度が高い):○ Clin Infect Dis. 2020 Sep 12;ciaa1343. doi: 10.1093/cid/ciaa1343.
46. 当院での抗体検査の適応 急性期の診断における有用性は低く、ほぼ使用なし 以下のすべての条件を満たす場合に施行を検討する - 臨床的にCOVID-19の可能性が高い - PCRが2回陰性 - 症状が10-14日以上持続し入院継続が必要 発症から10日以上経過して症状が改善しているCOVID-19患者は適応でない(感染性が消失しているため)
47. 抗体価は時間とともに低下する JAMA. 2020 Sep 11. doi: 10.1001/jama.2020.16656.
48. 抗体価の低下 急性期の抗体価(IgG)は、有症状>無症状、重症例>軽症例 抗体価は、時間とともに低下(特に無症状感染者で治癒から8週間後の陰性化率が高い) 疫学調査における有用性は限定的かもしれない 再感染のリスクがあるかもしれないが、抗体価のみが免疫の指標ではない Nature. 2020 Aug;584(7821):437-442 Nat Med. 2020 Aug;26(8):1200-1204. JAMA. 2020 Sep 11. doi: 10.1001/jama.2020.16656.
49. 抗体検査の偽陽性の問題 偽陽性の問題(日本で使用可能なキット製品)  ELISA法で測定したIgGをreference standardとすると  感度100%、特異度98.4%(当院data:論文投稿中)  →1000人検査して18人陽性、うち16人は偽陽性と判定された 有病率が低いと、特異度が高くても偽陽性の割合が大きくなる
50. インフルエンザシーズンどうする? 発熱・気道症状のある患者が来院した場合
51. 一般社団法人日本感染症学会提言:今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて(2020.8.1) ほぼ全例どちらも検査?
52. インフルエンザシーズンはどうするか? 症状からCOVID-19とインフルエンザを鑑別することは困難 流行状況にもよるが、大都市圏のCOVID-19の流行が収束するとは考えにくいため、どちらも検査する状況が想定される COVID-19が過去2週間発生していない自治体では、COVID-19を考慮する必要性は低い(ただし、人の移動は増加しており、田舎であっても時々clusterが発生している...) インフルエンザが流行しなければ、話はシンプルになる...
53. どの検査を選択するか:検討事項 症状、流行状況、曝露状況からの検査前確率 インフルエンザ診断は、検査前確率が高ければ検査不要 インフルエンザの重症化リスクの有無 どこまで感染対策できるか(マンパワー、場所、PPEの在庫) SARS-CoV-2抗原定性キットの供給状況
54. 神戸市立医療センター中央市民病院では... 検体採取スペース・検査室は充実 感度・特異度の高い検査が望ましい 休日夜間も、迅速な結果が求められる 唾液の採取は時間がかかる 日勤帯:PCR(鼻咽頭ぬぐい液) 休日夜間:FilmArray®呼吸器パネル(鼻咽頭ぬぐい液)
55. 血液検査 COVID-19の診断目的で行うことはない COVID-19の重症化予測因子の測定 発熱を来す他疾患の検討のための項目 COVID-19患者とインフルエンザ患者の血液検査dataを比較した報告では、いくつかの項目で有意な差はみとめたが、臨床で使えるほどのどちらかに特異的なdataはみとめなかった Int J Infect Dis. 2020;95:436-440.
56. 画像検査 胸部レントゲン:34-40%は正常 胸部単純CT:11-14%で正常 初診時:肺炎を疑った場合にCXR撮影 →肺炎像あれば、他の疾患との鑑別目的でCT撮影 N Engl J Med. 2020 Apr 30;382(18):1708-1720 Clin Infect Dis. 2020 Sep 28;ciaa1470. doi: 10.1093/cid/ciaa1470.
57. 画像検査:胸部単純CT 限局性のスリガラス影で始まり、両側びまん性に拡がり、経過とともにconsolidationに変化していく1,2) 肺炎の典型例では、発症から10-14日目で陰影が最も広範囲となる1,2) COVID-19肺炎の発症早期(3日以内)において、胸部CTの感度は、咽頭スワブ検体のPCR検査よりも感度が高い可能性3) COVID-19らしくない所見:結節影・嚢胞性変化・気管支拡張像・胸水・リンパ節腫大の頻度・Tree-in-bud signs(小葉中心性の粒状影・分岐状影)・空洞性病変・腫瘤影・石灰化1) 1) Lancet Infect Dis. 2020 Apr;20(4):425-434. 2) Radiology. 2020 Jun;295(3):715-721. 3) Radiology. 2020 Aug;296(2):E115-E117.
58. Lancet Infect Dis. 2020;20(4):425-434. Invest Radiol. 2020;55(6):332-339. 異なる患者
59. インフルエンザ肺炎との鑑別 CT所見は鑑別の参考にはなる しかし、それのみで判断できない(PCR or 抗原検査) 合併することもあるので注意 COVID-19のCT画像は - 末梢優位のスリガラス影 - 境界明瞭 - 結節影・気道散布影(tee-in-bud)・胸水は少ない Eur Radiol. 2020;30(9):4910-4917. Eur Radiol. 2020;30(10):5463-5469.
60. 培養検査(血液・喀痰培養) COVID-19と確定している場合は、通常不要 COVID-19と確定していない状況で、細菌性肺炎の可能性が想定される場合は、血液培養と喀痰培養を採取(市中肺炎と同様の対応) COVID-19の疑いのある非重症例では、PCRまたは抗原検査の結果を待つ(喀痰採取はエアロゾル発生のリスクである)
61. 喀痰培養の提出率の低下 COVID-19の可能性が極めて低いと考えられる患者でも、潜在的なリスクを懸念して、喀痰培養を採取せずに、経験的抗菌薬治療を開始する事例が増加した COVID-19を除外できていなければ、陰圧隔離室(または個室)での採取が必要 医療従事者は、サージカルマスク・アイシールド・ガウン・手袋を装着する 必ず採取すべき状況  1. 重症肺炎(入院必要な場合は採取検討、外来治療では不要)  2. MRSAまたは緑膿菌をカバーする抗菌薬で治療開始する場合