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COVID-19ワクチンアップデート(2021.5版)

  • 感染症科

  • 感染症科
  • ワクチン
  • 新型コロナウイルス感染症
  • COVID-19

552,804

103

2021/5/17
2021/5/18 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

内容

COVID-19ワクチン(主にファイザーワクチン)についてまとめました。2021年5月10頃までのデータをもとに作成しています。一般に公開していますので、ユーザー登録せずに閲覧可能です。注意1:今後の知見の集積によって、推奨は変わる可能性があります。注意2:このスライドは作者が個人的に作成したもので、所属施設の見解を代表したものではありませんので、ご了承ください。

黒田浩一

神戸市立医療センター中央市民病院


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COVID-19ワクチンアップデート(2021.5版)

  1. COVID-19ワクチン2021.5 UPDATE 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科 黒田浩一 2021.5.15作成

  2. 主なCOVID-19ワクチン 1. mRNAワクチン BNT162b2:Pfizer-BioNTech COVID-19 vaccine mRNA-1273:Moderna COVID-19 vaccine 2. ウイルスベクターワクチン ChAdOx1 nCoV-19 vaccine:AstraZeneca COVID-19 vaccine Ad26.COV2:Janssen COVID-19 vaccine

  3. 国内での接種の方向性 予防接種法の改正で、COVID-19ワクチンは「臨時接種」に分類された 費用の自己負担なし(国が負担) 努力義務あり(罰則なし) 厚生労働大臣の指示のもと、都道府県の協力により市町村で実施 健康被害がでた場合、予防接種法に基づく救済を受けることができる

  4. 世界のワクチン接種状況すでに13億回以上接種されている(5月9日) これまでの総接種回数 ・日本は先進国で最低レベル ・右図は人口100人あたり https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

  5. 世界のワクチン接種状況 1日の接種回数(7日間の平均) ・人口100人あたり ・日本は先進国で最低レベル https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

  6. 世界のワクチン接種状況 左:これまでに1回以上接種した人の割合 右:これまでに2回接種した人の割合 https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

  7. 日本のワクチン接種計画と接種状況

  8. https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine_supply.html

  9. https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-vaccine-status/ 医療従事者等 ・約480万人 ・2021.2.17から開始 高齢者(65歳以上) ・約3600万人 ・2021.4.12から開始 国内の接種状況

  10. 接種回数:4,888,279  内1回目:3,368,995  内2回目:1,520,284 接種回数:705,157  内1回目:659,338  内2回目:45,819 https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-vaccine-status/ https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html

  11. 契約されたワクチン(年内に供給?) ファイザー 1億4400万回分(7200万人分)+5000万回分 モデルナ 5000万回分(2500万人分) →ここまでで1億2200万人分 アストラゼネカ 1億2000万回分(6000万人分)

  12. 厚生労働省(5月7日更新). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000776976.pdf

  13. 厚生労働省(5月7日更新). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000776976.pdf

  14. モデルナワクチンは近々承認予定 モデルナワクチンは5月21日に承認される予定。政府は、東京と大阪に大規模な集団接種会場を開設し、そこで接種する方針。

  15. 遅れるワクチン接種 4月末までに2回の接種を完了した医療従事者は約20%。1回目の接種も遅れており、都道府県別では31-62%と差が出ている。感染拡大が深刻な都市部で接種率が低い(東京41%、大阪39%、兵庫31%)。 - 読売新聞オンライン 2021.5.1- https://www.yomiuri.co.jp/national/20210501-OYT1T50023/?from=yhd

  16. 遅れるワクチン接種(神戸市) 神戸市内の医療従事者のうち4月終わりまでに接種完了したのは、17%程度にとどまっている 70%以上の医療従事者は、1回も接種していない

  17. ワクチン接種が進まない理由 ワクチンの供給の遅れ 接種体制の整備の遅れ  会場の準備  予約システム(電話予約?ネット予約)  接種する医療従事者の確保

  18. 神戸市:https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid-19_vaccine.html

  19. mRNAワクチンとは

  20. mRNAワクチンの作用機序 SARS-CoV-2のウイルス粒子表面にあるスパイク蛋白の遺伝情報を持ったmRNA(資質ナノ粒子によってカプセル化されているため、RNA分解酵素で破壊されない)を筋肉内注射し、樹状細胞の中でmRNAをもとにその蛋白が作られ、生成された蛋白の一部がリンパ球に提示され、免疫応答が起こる。 SARS-CoV-2のスパイク蛋白の遺伝情報を持ったmRNAを投与して、ウイルスのスパイク蛋白をヒト自身に作らせる、というもの。作られた蛋白は、あくまで蛋白であり、病原体そのものでないので、ヒトに感染することはない。

  21. Vaccines (Basel). 2021 Jan 18;9(1):61. doi: 10.3390/vaccines9010061.

  22. Vaccines (Basel). 2021 Feb 12;9(2):147. doi: 10.3390/vaccines9020147.

  23. 機序をわかりすく説明しているサイト https://www.nytimes.com/interactive/2020/health/pfizer-biontech-covid-19-vaccine.html

  24. mRNAワクチンは安全なのか? mRNAは、核に入らないため、ゲノムに組み込まれることはない(ヒトの遺伝情報に変化を与えることはない)。 mRNAは、リボソームによって翻訳された直後に、mRNAは通常の細胞内プロセスによって分解され、取り除かれる。 mRNAワクチンによって体内で作られたスパイクタンパク質は、体が作る他のタンパク質と同じ時間存在する。正確な時間は不明であるが、数週間と推定されている。 https://www.idsociety.org/covid-19-real-time-learning-network/vaccines/vaccines-information--faq/

  25. ファイザーワクチンBNT162b2- 効果と副反応 -

  26. ファイザーワクチンBNT162b2 参加者:43,548名 接種方法:day 0, 21(三角筋に筋注) multinational, placebo-controlled, observer-blinded, pivotal efficacy trial 2回目接種後7日目以降の罹患者は95%減少(性別・年齢・リスク因子の有無・肥満などは、効果に関連なし) 副反応(2回目接種後約2ヶ月):局所の疼痛(1回目=2回目、若年>高齢)、全身症状(発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛:1回目<2回目、若年>高齢) N Engl J Med. 2020 Dec 10. doi: 10.1056/NEJMoa2034577.

  27. zf Primary endpointVaccine Efficacy against Covid-19 at Least 7 days after the Second Dose 0.044% 0.884% N Engl J Med. 2020 Dec 10. doi: 10.1056/NEJMoa2034577.

  28. 1回目接種後2週間時点から効果ありEfficacy of BNT162b2 against Covid-19 after the First Dose N Engl J Med. 2020 Dec 10. doi: 10.1056/NEJMoa2034577.

  29. 副反応:局所反応(16-55歳) 接種部の痛み  発赤     腫脹 接種部の痛み  発赤    腫脹 1回目と2回目で同等

  30. 副反応:局所反応(55歳~) 接種部の痛み  発赤     腫脹 接種部の痛み  発赤    腫脹 1回目と2回目で同等

  31. 副反応:全身症状(16-55歳) ・2回目接種後のほうが、発熱・倦怠感 頭痛・寒気・筋肉痛・関節痛が多くみられた ・若年者で発熱が多い傾向がみられた

  32. 副反応:全身症状(55歳~) ・2回目接種後のほうが、発熱・倦怠感 頭痛・寒気・筋肉痛・関節痛が多くみられた ・若年者より発熱などの副反応が少なかった

  33. Limitation 16歳以上の健常人または安定した慢性疾患の患者のみを対象としている まれな副作用を検出するには規模が小さい研究である 2回目接種後2ヶ月以降の安全性と効果は不明 無症候性感染者の減少効果は不明 ワクチン効果の持続期間は不明 保存の問題... N Engl J Med. 2020 Dec 10. doi: 10.1056/NEJMoa2034577.

  34. 保存方法の変更 当初は-90~-60℃で保存し、溶解後は2-30℃で保管して6時間以内に接種することが推奨されていた。 現在は、保存法の基本は-90~-60℃であるが、-25~-15℃で最長14日間保存することができることになっている。冷蔵庫(2~8℃)で解凍する場合は、解凍及び希釈を5日以内に行い、希釈後の液は2~30℃で保管して、6時間以内に接種する。

  35. 1回接種でも効果がある? イスラエルの医療従事者を対象とした単一施設での観察研究 ファイザーワクチン1回接種後14日目以降 感染全体 75%減少 症候性感染 85%減少 症状がある場合、または、濃厚接触者の場合にPCR施行 定期的なPCR検査をしているわけではない Lancet. 2021 Mar 6;397(10277):875-877.

  36. Real-Worldでの効果:イスラエル(1) N Engl J Med. 2021;384(15):1412-1423. イスラエルでの大規模な観察研究 ファイザーワクチンの効果を検討 1回目接種から14-20日後までのワクチン効果 (感染・症候性感染・入院・重症・死亡)  46%、57%、74%、62%、72% 2回目接種から7日目以降のワクチン効果  92%、94%、87%、92%、NA サブグループ解析 年齢、基礎疾患の有無で効果に差なし

  37. 基礎疾患別のワクチン効果 基礎疾患が3つ以上ある場合は、ワクチン効果が80-90%でやや低めであるが、概ねどのsubgroupでもワクチン効果90%以上が期待できる。 N Engl J Med. 2021 Apr 21;384(20):10.1056/NEJMc2104281#sa2. doi: 10.1056/NEJMc2104281.

  38. イスラエルの状況 2020.12.19にワクチン接種開始 https://www.worldometers.info/coronavirus/country/israel/ https://news.google.com/covid19/map?hl=ja&state=7&mid=%2Fm%2F03spz&gl=JP&ceid=JP%3Aja

  39. Real-Worldでの効果:イスラエル(2) Lancet. 2021 May 5;S0140-6736(21)00947-8. doi: 10.1016/S0140-6736(21)00947-8. イスラエルの国家規模の観察研究 無症候性感染90%程度 感染全体95%程度 重症・入院・死亡95%以上 の予防効果(vaccine effectiveness)を認めた 全年齢層で同等の効果(16-44, 45-64, 65-) 国家レベルでワクチンでコロナ流行が制御できる可能性を示した

  40. Real-Worldでの効果:「感染」が減少 英国の医療従事者を対象とした観察研究 B.1.1.7が流行株の50%以上を占めている地域 2週間に1回PCR検査、4週間に1回抗体検査  →無症候性感染者も診断可能 ファイザーワクチンの効果を検討 1回目接種から21日目以降:感染予防効果70% 2回目接種から7日目以降:感染予防効果85% ※感染=症候性+無症候性 Lancet. April 23. DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(21)00790-X

  41. イスラエルの医療従事者を対象としたファイザーワクチンの効果を検討した報告では、ワクチン接種によって、PCR陽性(=感染:無症候性も含む)者が激減した。 テキサス大学の医療従事者に対するmRNAワクチン接種の効果を検討した報告では、2回接種で感染者(無症候+症候性)95%以上減少、隔離対象者も90%以上減少した。 Real-Worldでの効果:「感染」が減少 N Engl J Med. 2021 Mar 23;NEJMc2101951. doi: 10.1056/NEJMc2101951 N Engl J Med. 2021 Mar 23;NEJMc2102153. doi: 10.1056/NEJMc2102153

  42. Real-Worldでの効果:高齢者の入院が減少 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 28 April 2021. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7018e1a ・米国24病院(14州)で検討 ・mRNAワクチン(ファイザーまたはモデルナ)2回接種で、65歳以上の入院が94%減少した

  43. 無症候性感染も減少する カリフォルニア大学の医療従事者に対するmRNAワクチンの効果を検討した報告。2回接種によって、感染(無症候性+症候性)が著明に減少。 医療従事者などへのファイザーワクチン2回接種の感染予防効果(無症候性+症候性)は、90%であった。PCR検査は、症状出現時と定期的に週1回施行された。 N Engl J Med. 2021 Mar 23;NEJMc2101927. doi: 10.1056/NEJMc2101927. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Apr 2;70(13):495-500.

  44. 無症候性感染も減少する イスラエルの医療従事者6710人を対象とした単施設での後ろ向きコホート研究 定期的にPCR検査が施行された(右図) 2回目接種後7日以降とワクチン非接種者を比較した(罹患率比) 症状のあるCOVID-19:0.03 症状のないCOVID-19:0.14 JAMA. 2021 May 6. doi: 10.1001/jama.2021.7152.

  45. 悪性腫瘍患者への効果:2回接種必要 ファイザーワクチン1回接種後のIgG抗体陽性率は、固形癌患者38%、血液悪性腫瘍患者18%であった 2回接種で固形癌患者95%となった(2回接種した血液悪性腫瘍患者は5名のみで評価困難) Lancet Oncol. 2021 Apr 27;S1470-2045(21)00213-8. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00213-8.

  46. 既感染者へのワクチン接種効果 既感染者(症候性・無症候性)にmRNAワクチン1回接種すると、7日後には十分な中和抗体価の上昇を認める。未感染者の1回目接種14日後よりも高い値。 JAMA. 2021;325(14):1467-1469. doi: 10.1001/jama.2021.3341.

  47. 既感染者へのワクチン接種効果 既感染者にmRNAワクチン1回接種すると、未感染者に対する2回接種と同等以上の中和抗体価の上昇を認めた(長期的な効果は不明) N Engl J Med. 2021 Apr 8;384(14):1372-1374. doi: 10.1056/NEJMc2101667.

  48. 既感染者へのファイザーワクチン接種で各変異株への中和抗体価は上昇する ・6名の既感染者(B.1系統)に対してファイザーワクチンを1回接種 ・ワクチン接種前からB.1.1.7系統とP.1系統に対する中和抗体価は高かった ・B.1.351系統(南アフリカ型)も含めて、1回接種後1-2週間ですべての変異株に対する中和抗体の上昇が認められた N Engl J Med. 2021 Apr 7;NEJMc2104036. doi: 10.1056/NEJMc2104036.

  49. ファイザーワクチンによる中和抗体上昇 赤字の数字は陽性者の数 プレプリント doi:https://doi.org/10.1101/2021.05.06.21256788

  50. 補足:変異株 Variantは「変異体」と本来は訳されるそうです

  51. 主な変異株について 英国型(B.1.1.7系統, VOC-202012/01) 感染伝播性が50-75%増加、死亡リスク上昇と関連 南アフリカ型(B.1.351系統, 20H/501Y.V2) 感染伝播性が50%増加、死亡リスク上昇の可能性 ブラジル型(P.1系統, 20J/501Y.V3) 感染伝播性が1.4-2.2倍

  52. B.1.1.7系統(英国, VOC-202012/01) S蛋白の主要変異:N501Y、D614G、(E484Kを持つ株も存在) 感染伝播↑(約40-90%) 重症化リスク↑:入院リスク↑・ICU入室リスク↑ :60歳未満の成人の入院が増加(OR 2.3-3.0)、40-59歳のICU入室が増加(OR 2.1) 死亡リスクは、増加する・不変、どちらのデータもある 変異株に対するmRNAワクチン接種者の血清中和活性は、従来株に対する活性と比較すると低いが、実際の予防効果の低下はない Euro Surveill. 2021 Apr;26(16):2100348. doi: 10.2807/1560-7917.ES.2021.26.16.2100348. N Engl J Med. 2021 Mar 24;NEJMc2100362. doi: 10.1056/NEJMc2100362. Euro Surveill. 2021 Mar;26(11):2100256. doi: 10.2807/1560-7917.ES.2021.26.11.2100256. Nature. 2021 Mar 15. doi: 10.1038/s41586-021-03426-1. BMJ. 2021 Mar 9;372:n579. doi: 10.1136/bmj.n579. Science. 2021 Apr 9;372(6538):eabg3055. doi: 10.1126/science.abg3055. CDCのまとめサイト:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/cases-updates/variant-surveillance/variant-info.html

  53. B.1.351系統(南アフリカ, 20H/501Y.V2) N501Y変異、E484K変異、K417N変異 感染伝播↑(50%↑) 重症化リスク↑:入院リスク↑・ICU入室リスク↑ :40-79歳の入院が増加(OR 3.5-3.6)、40-59歳のICU入室が増加(OR 8.0) 死亡リスクは変化なし B.1.351系統に対するmRNAワクチン接種者の血清中和活性は、従来株に対する活性と比較すると低いが、実際のワクチンの臨床的効果に影響するか不明(おそらく大きな影響なし) アストラゼネカワクチンは、B.1.351系統への臨床的効果は期待できない Euro Surveill. 2021 Apr;26(16):2100348. doi: 10.2807/1560-7917.ES.2021.26.16.2100348. N Engl J Med. 2021 Mar 24;NEJMc2100362. doi: 10.1056/NEJMc2100362.

  54. P.1系統(ブラジル, 20J/501Y.V3) N501Y変異、E484K変異、K417T変異 感染・伝播性が増加している可能性がある 欧州のdataでは... - 重症化リスク上昇 20-79歳の入院リスクが増加:20-39歳 OR 13.1, 40-59歳 OR 3.0, 60-79歳 OR 3.7 40歳以上のICU入室リスクが増加:40-59歳 OR 6.8, 60-79歳 OR 2.9, 80歳以上 13.9 - 死亡リスクは上昇しない P.1系統に対するmRNAワクチン接種者の血清中和活性は、従来株に対する活性と比較すると低いが、実際のワクチンの臨床的効果に影響するか不明 N Engl J Med. 2021 Mar 24;NEJMc2100362. doi: 10.1056/NEJMc2100362. Euro Surveill. 2021 Apr;26(16):2100348. doi: 10.2807/1560-7917.ES.2021.26.16.2100348.

  55. E484K変異 南アフリカ変異株(B.1.351)とブラジル変異株(B.1.1.28)などでみられる 英国変異株(B.1.1.7)でも、E484K変異を持つ株が報告されている escape mutation:従来株の感染によってできた抗体の効果が低下し、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性がある(免疫逃避) フィリピンで確認された変異株(P.3系統)でもみられる 東京ではR.1系統(N501Y変異はないがE484Kの変異がある株)が増加しており、4月中旬時点で約50%を占めている。免疫逃避(既感染者の再感染率上昇)やワクチン有効性低下を引き起こす可能性が懸念されている BMJ. 2021 Feb 5;372:n359. doi: 10.1136/bmj.n359. 国立感染症研究所:https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10280-covid19-41.html 東京都福祉保健局:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/screening.html

  56. 従来株と比較して、E484K変異のみを加えた組み換えウイルスに対する、ファイザーワクチン接種者または既感染者の血清のneutralization efficiency(中和効率)は有意に低かった Lancet Microbe. 2021 Apr 7. doi: 10.1016/S2666-5247(21)00068-9.

  57. その他の注目すべき変異株 P.3系統(フィリピン) - N501YとE484Kの変異を有する - 公衆衛生的意義はまだ不明 R.1系統 - E484K変異を有する - 関東、東北地方で増加 - 感染、伝播性の増加との関連は明らかでない

  58. その他の注目すべき変異株 B.1.427とB.1.429(カリフォルニア) - L452RとD614G変異を有する - 20%程度の感染・伝播性の増加、一部の抗体製剤の中和能への影響? B.1.617系統(インド) - スパイク蛋白のL452RとE484Q変異を有する(後者はないものもある) - E484Q:免疫逃避に関与?(E484Kではない) - 感染・伝播性の増加あり、免疫逃避との関連は現時点では明らかでない https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/cases-updates/variant-surveillance/variant-info.html

  59. B.1.617系統(インド) スパイクタンパク質にL452R、D614G、P681R変異を共通に有している B.1.617系統は3つのサブ系統(B.1.617.1~3)に分類される WHOは、2021年5月21日にVOC(​Variants of Concern; 懸念される変異株)と位置づけた B.1.617.1とB.1.617.2は、感染・伝播性が上昇(英国のdataでは、B.1.617.2は、B.1.1.7と同等の感染・伝播性がある) B.1.617.1は、従来株に比べ回復者血漿での中和抗体価が1/2に低下 重症度やワクチンの効果に関する十分な情報は得られていない 国立感染症研究所. https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2551-lab-2/10353-covid19-44.html WHO. Weekly epidemiological update on COVID-19 - 11 May 2021. https://www.who.int/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---11-may-2021

  60. ワクチン接種後の感染者の感染力は? イスラエルのdata ファイザーワクチン1回目接種後に鼻咽頭ぬぐい液PCR検査で診断された患者(無症状+有症状:詳細情報不明)のウイルス量(Ct値で評価)は、接種12日目以降の発症の場合、有意に少なかった Nat Med. 2021 Mar 29. doi: 10.1038/s41591-021-01316-7.

  61. ワクチン接種後の感染者の感染力は? プレス・リリース ファイザーまたはアストラゼネカワクチンを1回接種後3週間以上経過してから発症した患者の家族内伝播が、非接種者より40-50%少なかった。 →家族内伝播のリスクを下げる効果がある https://www.gov.uk/government/news/one-dose-of-covid-19-vaccine-can-cut-household-transmission-by-up-to-half オッズ比

  62. ワクチン接種後の感染者の感染力は? 米国シカゴの78の介護施設(skilled nursing facilities)での検討(モデルナワクチンが接種された地域) 職員・入居者は定期的な検査を施行(PCR・抗原検査) ブレイクスルー感染者の3分の2近く(22人中14人、64%)は無症状であったが、COVID-19により2人の入居者がCOVID-19で入院し、1人が死亡した(ただし、GBS菌血症と緑膿菌尿路感染症を併発していた) 施設内での二次感染は発生しなかった リスクの高い集合体環境におけるCOVID-19ワクチン接種の重要性を示してた研究である MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Apr 30;70(17):632-638. doi: 10.15585/mmwr.mm7017e1.

  63. ワクチン効果の持続期間 プレス・リリース:2回目のワクチン接種後6か月までの臨床試験で、発症予防効果91.3%、重症COVID-19の予防効果95%以上が確認された https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-confirm-high-efficacy-and-no-serious

  64. ファイザーワクチンの変異株への効果 2つの変異株が流行して大部分を占めているカタールでファイザーワクチンのB.1.1.7とB.1.351系統への効果を検討 感染に対するワクチン効果(vaccine effectiveness) 感染(PCR陽性)、重症/最重症/死亡  B.1.1.7系統:89.5%、100%  B.1.351系統:75.0%、100% B.1.351系統への効果はやや低いが、どちらの変異株においても重症化予防効果は高かった N Engl J Med. 2021 May 5. doi: 10.1056/NEJMc2104974

  65. ファイザーワクチンの効果のまとめ 臨床試験での2回接種による症候性感染の予防効果:95% real worldでの1回接種による感染の予防効果:40-70% real worldでの感染・重症化・入院の予防効果:90%以上 無症候性感染の予防効果もある:85%程度 国家規模で、ワクチン接種をすすめると、流行を収束させることができる B.1.1.7系統とB.1.351系統に対する発症・重症化予防効果は期待できる

  66. ファイザーワクチンの効果のまとめ 悪性腫瘍患者のIgG上昇には、2回接種が必要 既感染者は1回接種で抗体価が十分上昇(変異株に対しても) ワクチン接種後2週間以降に発症した患者の鼻咽頭のウイルス量は少ない ワクチン接種後の感染者からの家族内伝播のリスクは、非接種者の感染者からの感染リスクよりも低い ワクチン接種の感染者による施設内での2次感染のリスクは低い ワクチンの効果は6ヶ月以上持続する

  67. Real-Worldでの副反応 JAMA. 2021 Apr 5. doi: 10.1001/jama.2021.5374

  68. Real-Worldでの副反応(2) Lancet Infect Dis. 2021 Apr 27;S1473-3099(21)00224-3. doi: 10.1016/S1473-3099(21)00224-3. 全身症状 局所症状 ファイザー1回目接種の副反応:全身症状・局所症状ともに、女性・55歳以下・既感染者で頻度が高い

  69. Real-Worldでの副反応(2) 全身症状 局所症状 ファイザー2回目接種の副反応:全身症状・局所症状ともに、女性・55歳以下・既感染者で頻度が高い Lancet Infect Dis. 2021 Apr 27;S1473-3099(21)00224-3. doi: 10.1016/S1473-3099(21)00224-3.

  70. 既感染者におけるワクチンの副反応 1回目のmRNAワクチン接種の副反応は、既感染者で発熱・倦怠感・頭痛などの全身症状が多かった N Engl J Med. 2021 Apr 8;384(14):1372-1374. doi: 10.1056/NEJMc2101667.

  71. 既感染者におけるワクチンの副反応 Nat Med. 2021 Apr 1. doi: 10.1038/s41591-021-01325-6. 接種後の著明な全身症状(2日以内に改善する中等度以上 or 2日以上続く軽症以上) - 1回目接種後は、有意に既感染者で多い(36.8% vs 25.0%) - 2回目接種後は、同等(51.3% vs 58.7%) - 未感染者の2回目接種後のほうが、既感染者の1回目接種後より有意に多い - 既感染者では、2回目接種後のほうが1回目接種後より多い傾向であったが、有意差はなし 既感染者の2回目接種後は発熱する頻度が非常に高いが、2日内に改善する

  72. 悪性腫瘍患者では副反応が少ない可能性 Lancet Oncol. 2021 Apr 27;S1470-2045(21)00213-8. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00213-8. 1回目接種 2回目接種

  73. 悪性腫瘍患者では副反応が少ない可能性 Lancet Oncol. 2021 Apr 27;S1470-2045(21)00213-8. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00213-8. 1回目接種

  74. 悪性腫瘍患者では副反応が少ない可能性 Lancet Oncol. 2021 Apr 27;S1470-2045(21)00213-8. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00213-8. 2回目接種

  75. 免疫チェックポイント阻害薬使用中 イスラエルの報告 137名のICI使用中の患者にファイザーワクチン接種(28%は通常の抗がん薬との併用) 副反応は、健常人とほぼ同様であった 2回目接種後の筋肉痛が有意に多かった 1回目接種後に3名が死亡:1名はCOVID-19、2名は悪性腫瘍の進行が原因だった 免疫関連有害事象(immune-related Adverse Events)の新規出現と悪化は認めなかった Lancet Oncol. 2021 May;22(5):581-583. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00155-8.

  76. アナフィラキシーの頻度は? 米国での報告によると、約189万回の初回接種で21例のアナフィラキシーが発生(100万接種あたり11.1例)したが、迅速なアドレナリン治療によって、shock・死亡例なし1-2) 。81%の患者で過去に薬剤や食品などへのアレルギー歴があり。接種から71%が15分以内に発症、86%が30分以内に発症したため、特に接種後30分以内は注意して経過をみる必要がある。 その後の報告で、アナフィラキシーの頻度は、994万接種で47例(100万接種あたり4.7例)と報告された3)。94%が女性だった。 1) JAMA. 2021;325(8):780-781. 2) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021;70(2):46-51 3) JAMA. 2021;325(11):1101-1102.

  77. 日本の有害事象・副反応に関する報告

  78. ファイザーワクチンの副反応 https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000772694.pdf

  79. ファイザーワクチンの副反応 2回目接種のほうが頭痛・倦怠感を訴える人が多かった https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000772694.pdf

  80. ファイザーワクチンの副反応 ・2回目接種後のほうが発熱が多くみられた ・若年者で発熱が多い傾向がみられた https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000772694.pdf

  81. 発熱は接種翌日に多い、1日で解熱 https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000772694.pdf

  82. ファイザーワクチンの副反応 ・2回目接種後のほうが全身倦怠感が多くみられた ・若年者で全身倦怠感が多い傾向がみられた https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000772694.pdf

  83. ワクチン接種後のアナフィラキシー 2021年2月17日から4月18日までに約193万接種 アナフィラキシーとして報告されたのが492件 ブライトン分類に基づき評価された件数が88件(90%が女性)  →頻度は100万回接種あたり46件 米国CDCの報告(100万回接種あたり4.7-11.1件)より頻度は大きいが、稀な副反応であること、アドレナリン筋注で十分対応できていることから、これまで通り接種は継続される方針 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17917.html

  84. 医療従事者はアナフィラキシーが多い? 4月18日までの日本での接種対象者はほぼ医療従事者である 米国でも、医療従事者を対象とした調査では、  急性アレルギー反応が2%  アナフィラキシーが100万回接種あたり247件 であった報告がある JAMA. 2021 Apr 20;325(15):1562-1565.

  85. ワクチン接種後の死亡 2021年4月18日までに10例の死亡が報告された(約193万回接種、約121万人接種:100万回接種あたり5.2件) 脳出血4件、心不全2件、溺死1件、心室細動1件、化膿性椎体炎症1件、原因不明の心肺停止1件 専門委員による評価は、10件中10件ともワクチンとの因果関係はないと判断された https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000772190.pdf

  86. 接種するにあたって押さえておくポイント

  87. 発症予防効果95%の意味 「非接種群の発症率よりも接種群の発症率が95%少ない」○  接種群の発症率0.04%・非接種群の発症率0.87%→有効率95% 「95%の人に有効で、5%の人に効果がない」× 「95%の人に抗体ができて、5%の人に抗体ができない」× 「接種した人の95%は罹患しないが、5%の人は罹患する」×

  88. ファイザーワクチンの接種方法 ・接種可能年齢:16歳以上 ・1回量:0.3ml(1バイアル5-6回分) ・接種回数:2回接種 ・接種間隔:21日間隔 ・接種方法:筋注 ・接種場所:三角筋 奈良医科大学のwebsiteから

  89. 接種する際のその他の注意点 異なるCOVID-19ワクチンどうしの互換性は評価されていないため不明であり、1回目と2回目は同じワクチンを接種する 他のワクチン(例えば、インフルエンザワクチンやB型肝炎ワクチン)との接種間隔は、14日以上あけることが推奨されている(安全性と有効性が評価されていないため) 補足:dataはないが、2020.5.14に米国CDCは、同時接種、14日以内の接種も許容する方針に変更 Interim Clinical Considerations for Use of COVID-19 Vaccines Currently Authorized in the United States. https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/info-by-product/clinical-considerations.html?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fvaccines%2Fcovid-19%2Finfo-by-product%2Fpfizer%2Fclinical-considerations.html

  90. ワクチンの2回目接種のタイミングのずれはどこまで許容されるか? 早すぎる2回目接種:4日以内であれば許容される 遅すぎる2回目接種:42日間隔までは許容される 上記のようにCDCのwebsiteには記載はされているが、決められたタイミングより早すぎる接種は避ける。2回目の接種が遅れる場合は、その遅れは最小限とする。 Interim Clinical Considerations for Use of COVID-19 Vaccines Currently Authorized in the United States. https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/info-by-product/clinical-considerations.html?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fvaccines%2Fcovid-19%2Finfo-by-product%2Fpfizer%2Fclinical-considerations.html

  91. アナフィラキシー対策 接種後に適切な時間経過観察を行う必要がある。多くの場合、症状は15-30分以内に出する現ため、ほとんどの人は15分間の経過観察で問題ない。 ワクチンまたは注射製剤による即時型アレルギー歴がある場合、アナフィラキシーの既往(原因は問わない)がある場合は、30分の経過観察が推奨されている。 アナフィラキシーの症状が出現したら、(疑った時点で)すぐにアドレナリン0.3mgを筋注する。ワクチン接種するにあたって、アドレナリンをすぐに筋注できる体制の構築が必要である。

  92. ファイザーワクチンの禁忌と慎重投与 禁忌:新型コロナに対するmRNAワクチンやその含有物(ポリエチレングリコール、ポリソルベート)に対する重度のアレルギー反応(アナフィラキシーまたは即時型アレルギー)がある場合 慎重投与:ワクチンまたは注射製剤による即時型アレルギー歴またはアナフィラキシーの既往がある場合

  93. 優先して接種すべき対象は? 1. 医療従事者等 2. 65歳以上の高齢者 3. 高齢者以外で基礎疾患を有する者 高齢者施設等の従事者4. それ以外

  94. 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き(2.1版) https://www.mhlw.go.jp/content/000770095.pdf

  95. 米国での接種優先者 ・phase 1a: 医療従事者、高齢者施設入所者 ・phase 1b: frontline essential workers、75歳以上の高齢者 ・phase 1c: 65-74歳の高齢者、16-64歳の基礎疾患のある人 その他のessential workers ・phase 2: その他の16歳以上 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Jan 1;69(5152):1657-1660.

  96. COVID-19罹患歴がある場合COVID-19ワクチンを接種すべき? 接種することが推奨される。 SARS-CoV-2の再感染は、初感染後数ヶ月間のリスクは低いが、時間の経過とともに、抗体価が低下し、感染のリスクが増大する可能性があるため 接種前のPCR検査や抗体検査は不要 最近感染した場合は、治癒判定後に接種する 抗体療法(回復期血漿、または、モノクローナル抗体療法)を受けた場合(日本では行われていない)は、90日以上の間隔を開けて接種する COVID-19に特異的ではない抗体療法(通常のIVIG)を受けた場合は、接種間隔の調整は不要

  97. COVID-19の曝露後にCOVID-19ワクチンを接種すべき? 健康観察期間中にワクチンを接種してはいけない 曝露後予防として、COVID-19ワクチンの効果は、評価・証明されていない 接種する医療者や他のワクチン接種に来ている人が、SARS-CoV-2に曝露するリスクにさらされてしまう

  98. ワクチン接種後も感染対策は必要か? 必要。COVID-19ワクチンが100%の発症予防効果があるわけではないこと、免疫の持続期間が不明であることから、現時点では、接種後も従来の感染対策を継続する必要がある。今後、日本の流行状況によって、感染対策が必要なタイミングが限定される可能性はある。

  99. 効果は高く、有害事象も多くはないため、接種したほうがよい。 COVID-19を発症した場合、個人レベルでも社会レベルでも、不利益が大きい(隔離、入院、高齢者の場合は死亡リスク、後遺症、長期的な症状の残存、差別、周りへの感染伝播、2週間以上の個人の社会活動の制限、職場クラスターリスク、流行時の自粛要請、経済への悪影響、国内の移動制限要請、海外旅行不可 etc)。 効果の持続期間は不明で、未知の有害事象はあるかもしれないが、理論的には少ないと想定され(mRNAは核内に入らない、すぐに分解される)、すでに世界で数億人以上に接種されているが、今のところ大きな問題は指摘されていない。 COVID-19ワクチンは接種したほうがよいか?

  100. フレイルの高齢者への接種 フレイルの高齢者への接種:ノルウェーの報告は、因果関係を示したものではなく、施設入所者は接種のよい適応(副反応には注意が必要)と考えている。現時点でも、高齢者施設クラスターは多発、入院ベッド数に限りがあり、不搬送・施設看取りになることもある。そのため、発症・重症化予防できるワクチンによる利益は大きいと考えられる。 BMJ. 2021 Jan 15;372:n149. doi: 10.1136/bmj.n149.

  101. ワクチン接種者の国内旅行(米国) COVID-19ワクチン接種者は、旅行の前後にPCR検査と自主隔離は不要である。COVID-19ワクチン接種者も、旅行中、マスク着用・約2mの身体的距離の確保と人混みの回避・頻回の手洗いは必要である。 ワクチン未接種者は、旅行の1-3日前に検査を行う。ワクチン未接種者は、旅行の3-5日後に検査をおこない、7日間自主隔離する(検査しない場合は10日間自主隔離する)。旅行中、マスク着用・約2mの身体的距離の確保と人混みの回避・頻回の手洗いは必要である。 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/travelers/travel-during-covid19.html

  102. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/travelers/travel-during-covid19.html

  103. ワクチン接種後にできること(米国) 可能になること ・ワクチン接種者同士であれば、屋内でマスクなし・身体的距離なしで集まることができる ・屋外であれば、マスク着用不要 ・海外旅行前の検査は不要、帰国前の3日以内に検査必要、帰国3-5日後に検査必要、帰国後の自主隔離不要 感染対策を継続する状況 ・屋内の公共スペースでは、マスクを着用する ・複数の世帯のワクチン未接種の人たちと屋内で集まる場合は、マスクを着用 ・屋内の大規模な集まりを避ける ・公共交通機関などを利用する場合、マスクを着用 When You’ve Been Fully Vaccinated(2021.4):https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/fully-vaccinated.html

  104. 屋外活動について(米国) 屋外レストラン:マスク不要 屋外の大規模イベント:マスク必要→マスク不要(2021.5.13-) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/daily-life-coping/participate-in-activities.html 2021.5.13

  105. 屋内活動について(米国) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/daily-life-coping/participate-in-activities.html ヘアサロン ショッピングセンター・美術館 公共交通機関 映画館 コーラス 屋内レストラン 礼拝 屋内での運動 2021.5.13 2021.5.13

  106. どこまで活動を解禁するかは... 地域の流行状況 変異株の出現と感染者にしめる割合 その変異株へのワクチン効果 ワクチン接種率 経済状況 政治判断・世論 などによって決まると思われる

  107. ワクチンパスポート イスラエル:ホテル利用時、ジム利用時、ライブ会場入場時に提示が義務化 EU:域内移動の際に、ワクチンパスポートを義務化することを検討中 世界保健機関(WHO):旅行の際にワクチンパスポートを必要とすることを支持しない 米国連邦政府:導入しないことを発表している 日本:海外渡航時の使用を検討中(国内での利用ではない) 問題点:差別・不平等、供給量の問題(恩恵を受け始めるタイミングが人によって異なる)、ワクチン効果の低下(変異株の拡大、効果の持続期間が不明)

  108. 16歳未満の小児・学童はファイザーワクチンを接種すべき? 現時点では接種対象としない 現在臨床試験の結果報告待ちの状態 プレス・リリース:12-16歳に対する予防効果は100%、中和抗体も十分上昇 6か月から11歳は現在臨床試験中 https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-biontech-announce-positive-topline-results-pivotal 追加情報:2021.5.10 米国では12-15歳に接種可能となった

  109. mRNAワクチンの妊婦での安全性 2020年12月14日から2021年2月28日までに約35000人の妊婦がv-safe surveillanceに参加し、副反応の頻度は、妊娠していない女性と同等だった V-safe Pregnancy Registryに参加した約4000人のうち827人が妊娠を完了したが、有害な妊娠と新生児の転帰は、通常の妊婦と同等だった(安全性の懸念が増すことはなかった) N Engl J Med. 2021 Apr 21. doi: 10.1056/NEJMoa2104983.

  110. N Engl J Med. 2021 Apr 21. doi: 10.1056/NEJMoa2104983.

  111. N Engl J Med. 2021 Apr 21. doi: 10.1056/NEJMoa2104983.

  112. mRNAワクチンの妊婦での効果 妊婦のワクチン接種後の血清抗体価は、妊娠していない女性と同等 1) 妊娠第3期にmRNAワクチン(ファイザーまたはモデルナ)を接種した妊婦の出産時に採取した臍帯血で、SARS-CoV-2に対するIgGが検出された 1-3) 妊娠後期の母親のCovid-19ワクチン接種後のSARS-CoV-2 IgGの経胎盤移行を示しており、新生児に対してある程度の感染予防効果が期待できるかもしれない 1) Am J Obstet Gynecol. 2021 Mar 24;S0002-9378(21)00187-3. 2) BMC Pediatr. 2021 Mar 22;21(1):138. doi: 10.1186/s12887-021-02618-y. 3) Obstet Gynecol. 2021 May 1;137(5):894-896. doi: 10.1097/AOG.0000000000004367.

  113. 授乳中の女性に対するmRNAワクチンの効果 母乳中のIgAは1回目接種の2週間後から上昇 母乳中のIgGは2回目接種の1週間後から上昇 授乳中の女性84名にファイザーワクチン接種した後、母乳のIgAとIgGを測定。 JAMA. 2021 Apr 12. doi: 10.1001/jama.2021.5782.

  114. 他の研究でも母乳中のIgAとIgGは上昇した 授乳中の女性(N=5)にファイザーワクチン接種したところ、1回目の接種後20日の時点で、母乳中のIgAとIgGの上昇を認めた Am J Obstet Gynecol. 2021 Mar 30;S0002-9378(21)00211-8. doi: 10.1016/j.ajog.2021.03.031.

  115. 米国での妊婦への推奨 ●妊婦はワクチン接種(mRNAワクチン)を受けることができる COVID-19への曝露のリスク、妊婦の重症化のリスク、予防接種の利点(高い感染予防効果、胎児へのIgGの移行)、妊娠中の予防接種の安全性に関するデータ、を考慮して接種するかどうか決定する ●授乳中の女性はワクチン接種(mRNAワクチン)を受けることができる 授乳中の女性と乳児における安全性・効果は十分検討されていないが、ワクチンの作用機序から安全性の懸念は想定されない ●妊娠を考えている女性は、ワクチン接種(mRNAワクチン)を受けることができる ワクチン接種後の避妊は不要 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/recommendations/pregnancy.html

  116. 日本産婦人科学会の推奨(2021.1.27) 1:妊娠13週以降の接種は考慮できる(特に、感染リスクの高い医療従事者、重症化リスクの高い肥満や糖尿病を合併している場合は考慮する) 2:妊婦のパートナーは接種を考慮する 3:妊娠を希望している女性は可能であれば、妊娠する前に接種する(生ワクチンではないので、接種後の避妊は不要) 4:妊婦に接種する場合は、長期的な副反応は不明、胎児および出生時への安全性は確立されていないことを説明し、同意を得た上で接種する http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210127_COVID19.pdf

  117. 日本産婦人科学会の推奨(2021.5.12) COVID-19 ワクチンは、現時点で妊婦に対して短期的安全性を⽰す情報が出つつあるが、中・⻑期的な副反応や胎児および出⽣児への安全性に関しては今後の情報収集が必要である。現時点では世界的に接種のメリットがリスクを上回ると考えられる。 流⾏拡⼤の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外しない。 特に⼈⼝当たりの感染者が多い地域では積極的な接種を考慮する。接種する場合には、産婦⼈科医は被接種者に、⻑期的な副反応は不明で、胎児および出⽣児への安全性は確⽴していないことを事前に⼗分に説明する。同意を得た上で接種し、その後30分は院内で経過観察する。現時点でmRNAワクチンには催奇性や胎児胎盤障害を起こすという報告はが、器官形成期(妊娠12週まで)は、偶発的な胎児異常の発⽣との識別に関する混乱を招く恐れがあるため、ワクチン接種を避ける。妊婦には⺟児管理のできる産婦⼈科施設などでワクチンを接種する事が望ましく、なるべく接種前後に超⾳波やドップラー検査などで胎児⼼拍を確認する。直前検査が難しい集団接種や、産科のない診療所などで接種する場合、接種前後1週間以内に妊婦健診を受診するように促す。また,接種後に腹痛や出⾎、胎動減少などの症状があればすぐに産科を受診するように指⽰する。 http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210512_COVID19.pdf 接種のハードルがかなり高い推奨

  118. モデルナワクチンmRNA-1273- 効果と副反応 -

  119. モデルナワクチンの効果 mRNA-1273 2回接種(0, 28d) ・症候性COVID-19予防効果:  94.1%(2回目接種14日目以降) 重症30例はすべてプラセボ群 ・年齢、性別、人種、基礎疾患の有無に関係なく、効果を認めた ・30日間は冷蔵保存可能(2-8℃) N Engl J Med. 2021;384(5):403-416. doi: 10.1056/NEJMoa2035389.

  120. モデルナワクチンの副反応 若年者(65歳未満)で高齢者より頻度が高い N Engl J Med. 2021;384(5):403-416. doi: 10.1056/NEJMoa2035389.

  121. モデルナワクチンの副反応 1回目より2回目の接種後の頻度が高い 若年者(65歳未満)で高齢者より頻度が高い N Engl J Med. 2021;384(5):403-416. doi: 10.1056/NEJMoa2035389.

  122. 遅発性の皮疹 接種後の局所・全身症状が改善した後で、接種部付近に皮疹出現(一部の患者では別の部位にも皮疹が出現)。1回目接種後4-11日目(中央値8日目)に発生し、約6日間で改善(中央値、2-11日間)。2回目接種後のほうが、頻度・重症度ともに低かった。 N Engl J Med. 2021 Apr 1;384(13):1273-1277. N Engl J Med. 2021;384(5):403-416.

  123. ・1回目接種で皮膚病変が出現した場合、2回目接種では43%で皮膚病変を認めた ・モデルナワクチンのほうが、ファイザーワクチンより皮膚の副反応の報告が多い(割合は不明、絶対数) ・Delayed large local reactionは主にモデルナワクチンで見られ、1回目接種後に頻度が高い ・モデルナワクチンによるLocal injection site reactionは、2回目接種で多い J Am Acad Dermatol. 2021 Apr 7;S0190-9622(21)00658-7. doi: 10.1016/j.jaad.2021.03.092

  124. 接種後のアナフィラキシー 米国の報告によると、約400万回の初回接種で10例のアナフィラキシーが発生(100万接種あたり2.5例)した。 その後の報告でも、約760万回の接種で19例(100万接種あたり2.5例)のアナフィラキシーが発生し、迅速なアドレナリン治療によって、死亡例はなかった。84%の患者で過去に薬剤や食品などへのアレルギー歴あり。接種から84%が15分以内に発症した。 JAMA. 2021;325(11):1101-1102. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Jan 29;70(4):125-129.

  125. モデルナワクチンの変異株への効果 モデルナワクチンによって誘導される中和抗体を測定 英国型(B.1.1.7系統): 野生株と同等 南ア型(B.1.351系統): 野生株(6.4倍)と比較して有意に低いが、値は十分 N Engl J Med. 2021 Apr 15;384(15):1468-1470.

  126. モデルナワクチンの変異株への効果 ブラジル型(P.1系統): 野生株(3.5倍)と比較して有意に低い 英国型+E484K変異: 野生株(3.1倍)と比較して有意に低い カリフォルニア型: 野生株(2.3-2.8倍)と比較して有意に低い ※どの系統でも、値としては十分 N Engl J Med. 2021 Apr 15;384(15):1468-1470.

  127. モデルナワクチンの変異株への効果 プレス・リリース(2021.5.5):モデルナワクチンの追加接種(mRNA-1273またはmRNA-1273.351)で、B.1.351系統とP.1系統に対する中和抗体価(neutralizing antibody titers)上昇が確認された。B.1.351に対しては、mRNA-1273.351のほうが中和抗体価は有意に高値となった。 moderna website:https://investors.modernatx.com/news-releases/news-release-details/moderna-announces-positive-initial-booster-data-against-sars-cov/ doi: https://doi.org/10.1101/2021.05.05.21256716

  128. 2回目接種後6ヶ月時点で抗体価問題なし N Engl J Med. 2021 Apr 6. doi: 10.1056/NEJMc2103916.

  129. アストラゼネカワクチンChAdOx1 nCoV-19- 効果と副反応 -

  130. アストラゼネカワクチンの効果 英国、ブラジル、南アフリカで施行されたRCT(解析は約11600人) 18歳以上 2回接種(間隔4-12週間以上) ワクチン効果(症状のあるCOVID-19):70.4% ワクチン接種群では、2回目接種14日目以降の入院は0 Lancet. 2021 Jan 9;397(10269):99-111.

  131. アストラゼネカワクチンの効果 1回接種後22-90日目までのワクチンの有効性(症状のあるCOVID-19の発症予防)は、76.0% 3ヶ月の投与間隔は、6週間未満の投与間隔より、有効性が高い可能性がある(81.3% vs 55.1%) 1回目接種後90日間は、ワクチン効果は低下しない(抗体価の低下もわずか) Lancet. 2021 Mar 6;397(10277):881-891.

  132. アストラゼネカワクチンの効果 スコットランドでの研究 1回目接種後28-34日のワクチンの効果:入院が88%減少 80歳以上で、入院が81%減少 79歳以下では、ほぼ100%減少 Lancet. 2021 May 1;397(10285):1646-1657

  133. アストラゼネカワクチンの効果 B.1.1.7系統(英国変異株)への効果を検討した報告 B.1.1.7系統に対する中和活性は、従来株と比較して有意に低かった(geometric mean ratio:8.9)が、B.1.1.7系統へのワクチン効果(症状のあるCOVID-19の発症予防効果)は70.4% vs 従来株 81.5%で、同等だった Lancet. 2021 Apr 10;397(10282):1351-1362.

  134. アストラゼネカワクチンの効果 アストラゼネカワクチンは、南アフリカ(主にB.1.351系統が流行)で効果(軽症から中等症のCOVID-19の発症予防効果)なし 約2000人の臨床試験(ワクチン群・プラセボ群約1000人ずつ) 2回接種(21-35日間隔)、三角筋に筋注 感染者42名のうち、39名はB.1.351系統だった 両群とも重症例はなかったため、重症例に対する予防効果は検討できなかった Lancet. 2021 Apr 10;397(10282):1351-1362.

  135. アストラゼネカワクチンと血小板減少を伴う血栓症 vaccine-induced thrombotic thrombocytopenia (VITT) thrombosis with thrombocytopenia syndrome(TTS) autoimmune heparin-induced thrombocytopenia (HIT) に似た病態 https://www.gov.uk/government/publications/use-of-the-astrazeneca-covid-19-vaccine-jcvi-statement/jcvi-statement-on-use-of-the-astrazeneca-covid-19-vaccine-7-april-2021

  136. vaccine-induced thrombotic thrombocytopenia 各国から報告されている 共通点は - 1回目接種から5-24日目で発症する、50-60歳未満の女性で多い - 脳静脈洞血栓症を起こすことが多い、その他、門脈・肝静脈血栓症などが多いが、 PE/DVT、急性動脈血栓症を起こすこともある - 抗PF4抗体陽性、ヘパリン曝露なし - 約40%が死亡(脳梗塞・脳出血による脳障害) ノルウェー:N Engl J Med. 2021 Apr 9. doi: 10.1056/NEJMoa2104882 ドイツ・オーストリア:N Engl J Med. 2021 Apr 9:NEJMoa2104840. doi: 10.1056/NEJMoa2104840. 英国:N Engl J Med. 2021 Apr 16. doi: 10.1056/NEJMoa2105385 まとめ:N Engl J Med. 2021 Apr 16;NEJMe2106315. doi: 10.1056/NEJMe2106315.

  137. 英国でのレポートと推奨 VITTは、100万接種に10.5件起こっている(およそ10万接種に1件発生する) 既往のない18-39歳に対しては、代替ワクチン(mRNAワクチン)を推奨 ほとんどは初回接種後に発生(2回目接種はリスクない)しているため、問題なく初回接種を受けたすべての人は、年齢に関係なく、引き続きアストラゼネカ(AZD1222)ワクチンの2回目の接種を受ける 1回目接種から4-28日の間に、以下の症状が出現した場合、直ちに受診する - 鎮静薬で改善しない重度の頭痛、または、悪化する頭痛 - 横になったりかがんだりすると気分が悪くなる頭痛 - いつもと違う頭痛で、目のかすみ・気分不良・構音障害・脱力・眠気・痙攣を伴う場合 - 小さなあざのような皮疹、皮下出血  - 呼吸困難、共通、下肢の浮腫、持続する腹痛 プレスリリース:https://www.gov.uk/government/news/jcvi-advises-on-covid-19-vaccine-for-people-aged-under-40 JCVIのレポート(5/7/2021):https://www.gov.uk/government/publications/use-of-the-astrazeneca-covid-19-vaccine-jcvi-statement-7-may-2021/use-of-the-astrazeneca-covid-19-azd1222-vaccine-updated-jcvi-statement-7-may-2021

  138. 脳静脈洞血栓症 with VITTの診断と治療 初回接種から5-24日に頭痛で発症することが多い 血液検査:血算、末梢血スメア、PT・APTT・フィブリノゲン・D-dimer、抗PF4抗体(ELISA) 画像検査」MR venographyまたはCT venography 治療 - IVIG 1 g/kgを2日間 - 抗凝固薬:アルガトロバン、DOACなど(ヘパリンは使用しない) - ステロイドの使用を推奨する専門家がいる - 脳出血があっても抗凝固薬は使用する N Engl J Med. 2021 Apr 16;NEJMe2106315. doi: 10.1056/NEJMe2106315.     Stroke. 2021 Apr 29. doi: 10.1161/STROKEAHA.121.035564.

  139. アストラゼネカワクチンは使用すべきか? デンマークとノルウェーの報告では、アストラゼネカワクチン1回接種によって、静脈血栓症のリスクが増加(約2倍)1) デンマーク・オランダ・ノルウェーでは、アストラゼネカワクチンの使用を中止2-4) カナダは55歳未満へのワクチン使用を停止(2021.3.30) 2) ドイツは60歳未満へのワクチン使用を停止(2021.3.31) 2) 1) BMJ. 2021 May 5;373:n1114. doi: 10.1136/bmj.n1114. 2) BMJ. 2021 Apr 1;373:n883. doi: 10.1136/bmj.n883. 3) デンマーク:https://www.sst.dk/en/English/news/2021/Denmark-continues-its-vaccine-rollout-without-the-COVID-19-vaccine-from-AstraZeneca 4) ノルウェー:https://www.fhi.no/en/id/vaccines/coronavirus-immunisation-programme/coronavirus-vaccine/

  140. アストラゼネカワクチンの接種方法 奈良医科大学のwebsiteから 英国政府:https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/978194/uk-HCP-covid-19-vaccine-astrazeneca-reg174_proposed_14_Apr_2021.pdf WHO:https://www.who.int/publications/i/item/WHO-2019-nCoV-vaccines-SAGE_recommendation-AZD1222-2021.1 ・接種可能年齢:18歳以上 ・1回量:0.5ml ・接種回数:2回接種 ・接種間隔:4-12週間隔(WHO:8-12週) ・接種方法:筋注 ・接種場所:三角筋

  141. J&JワクチンAd26.COV2.S- 効果と副反応 -

  142. J&Jワクチンの効果 中南米、米国、南アフリカで行われたプラセボ対照RCT Ad26.COV2.S vaccine(J&Jワクチン) vs プラセボ 単回接種、0.5ml、三角筋、筋注、18歳以上 ワクチン接種14日以降の中等症から重症COVID-19の予防効果:66.9% ワクチン接種28日以降の中等症から重症COVID-19の予防効果:66.1%  →ワクチン効果に、年齢は関係なし(18-59歳 vs 60歳以上) 重症から最重症の場合、14日以降76.7%、28日以降85.4% 南アフリカ(主にB.1.351系統)での効果(接種14日以降、28日以降) - 中等症から最重症の予防効果:52.0%、64.0% - 重症から最重症の予防効果:73.1%、81.7% N Engl J Med. 2021 Apr 21. doi: 10.1056/NEJMoa2101544.

  143. J&Jワクチンでも...! J&Jワクチン接種後のthrombosis with thrombocytopenia syndrome(TTS)の1例報告(接種14日後に発症) 製薬会社は、720万接種に6件であり稀である、また、アストラゼネカワクチンとは異なる宿主細胞受容体を使用し、異なる系統的および生物学的特性を有すると考えられるため、異なる生物学的効果をもたらす可能性(つまりTTSと関連はない可能性?)を主張 N Engl J Med. 2021 Apr 14;NEJMc2105869. doi: 10.1056/NEJMc2105869. N Engl J Med. 2021 Apr 16. doi: 10.1056/NEJMc2106075.

  144. J&Jワクチンと血小板減少を伴う血栓症 米国で施行された約700万回接種のうち、「血栓症(脳静脈洞血栓症+内臓静脈血栓症)と血小板減少症」が6例(18-48歳の女性)報告されたため、米国CDCとFDAは、4月11日に接種を一時中断することを決定した その後、米国CDCは、安全性と効果を検討して、4月23日に接種一時中断を解除し、接種を再開した https://emergency.cdc.gov/han/2021/han00442.asp https://www.cdc.gov/media/releases/2021/fda-cdc-lift-vaccine-use.html

  145. J&Jワクチンと血小板減少を伴う血栓症 J&Jワクチン後の血小板減少を伴う静脈洞血栓症12例の報告 全員18-60歳の白人女性、ワクチン接種から発症まで6-15日、11人は頭痛で発症 7人は脳出血も併発、8人は他の部位にも血栓症あり、3名死亡 heparin-platelet factor 4 HIT antibody(PF4抗体)は測定された11名全員陽性 通常のCVSTとほぼ同じ経過(違い;血小板減少、他の部位の血栓の存在) 頭痛がある場合は、CVSTに注意! 接種から6日目以降に症状が出現して、1週間以上持続 鑑別:ワクチン接種後の副反応の頭痛は接種2日以内に発症し2日以内に改善 JAMA. 2021 Apr 30;e217517. doi: 10.1001/jama.2021.7517.

  146. 米国CDCの現在の対応 18-49歳の女性では100万接種で7件程度でTTSが発生するため、50歳未満の女性はこの稀な副反応のリスクに注意する 高齢女性や男性ではさらに稀である(CDC websiteでは、50歳未満の女性で100万接種に7件、その他の群で100万接種に1件、と記載されているが根拠となるdataは引用されていない) ワクチン接種から3週間以内(4日目以降)に、以下が起こった場合は、医療機関を受診:強いまたは持続する頭痛、目のかすみ、息切れ、胸痛、下肢の浮腫、持続する腹痛、あざができやすい、皮下出血 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/safety/JJUpdate.html

  147. 各ワクチンの効果を直接比較した試験はない それぞれのCOVID-19ワクチンの効果を評価した臨床試験は、対象とした母集団が異なるため、単純に各研究で算出されたワクチン効果(=相対リスク減少:relative risk reduction:RRR)や絶対リスク減少(absolute risk reduction:ARR)、NNV(number needed to vaccinate)を比較することはできない Lancet Microbe. 2021 Apr 20. doi: 10.1016/S2666-5247(21)00069-0.

  148. がん薬物療法中のCOVID-19ワクチンNCCN(National Comprehensive Cancer Network)の推奨 Recommendations of the NCCN COVID-19 Vaccination Advisory Committee (Version 2.0 03/10/2021). https://www.nccn.org/docs/default-source/covid-19/2021_covid-19_vaccination_guidance_v2-0.pdf?sfvrsn=b483da2b_2

  149. リウマチ疾患におけるCOVID-19ワクチン 日本リウマチ学会のwebsite 「現時点でステロイドや免疫抑制剤がこのワクチンにあたえる影響はわかっていません。通常のワクチン接種の場合、免疫抑制剤やステロイドを中止・減量することはありません。よって基本的には接種前後で免疫抑制剤やステロイドは変更せず継続すべきと考えます。ただし、リツキシマブ(商品名リツキサン)で治療している場合には、注射時期との兼ね合いを考慮する必要があります。免疫抑制剤やステロイドの治療について具体的にどうするかについては、担当医とご相談ください」 https://www.ryumachi-jp.com/information/medical/covid-19_2/

  150. 米国リウマチ学会 臨床dataはほとんどない 原疾患の状態も加味して接種のタイミングを決定する ステロイド:調整不要 多くの生物学的製剤:調整不要 CyA・TAC:調整不要 MTX:接種後2週間休薬 JAK阻害薬:接種後1週間休薬 IVCY:接種1週間後にIVCY施行 RTX:投与の4週間前に接種(?) アセトアミノフェン・NSAIDs:ワクチン接種前24時間は休薬(接種後の内服は問題ない) https://www.rheumatology.org/Portals/0/Files/COVID-19-Vaccine-Clinical-Guidance-Rheumatic-Diseases-Summary.pdf

  151. COVID-19ワクチンのまとめ 世界でワクチン争奪戦が繰り広げられている 日本は先進国の中では最も出遅れている(もはや先進国ではない?) mRNAワクチンの発症予防効果・感染予防効果は90%以上 mRNAワクチンの効果は、6か月以上持続する mRNAワクチンの副反応は、軽度なものがほとんどで、2日以内に改善 mRNAワクチンによるアナフィラキシーは稀であり、発症したとしても、アドレナリン筋注で対応可能である ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカワクチンなど)の稀な重篤な副反応に、血小板減少症を伴う血栓症(主に脳静脈洞血栓症)があり、今後の動向を注視していく必要がある

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