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臨床医のための法医学①臨床で遭遇する院外CPA,警察通報とその後

  • 救急科

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  • 臨床医のための法医学

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88

2020/11/16
2020/12/11 更新
中村 磨美

滋賀医科大学

このスライドを作ったのは、大学で法医学をやりつつ非常勤で救急医をしている者です。救急車を受け入れていれば日々遭遇する院外CPA。蘇生できずに警察に引き渡したけれど、この後どうなるんだろう…?そう思ったことのある方、のぞいてみてください。

臨床医のための法医学

①臨床で遭遇する院外CPA、警察通報とその後(本スライド)

https://slide.antaa.jp/article/view/ae5c460dfd48481a

②死因究明と死体検案

https://slide.antaa.jp/article/view/63be89c89ef8413b

③いまさら聞けない死亡診断書の書き方

https://slide.antaa.jp/article/view/36d18ff6e3194c35


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臨床医のための法医学①臨床で遭遇する院外CPA,警察通報とその後

  1. ERで遭遇する院外CPA、警察通報とその後 臨床医のための法医学① このスライドは、作者が個人的に作成したものであり、所属大学・講座の見解を代表したものではありません。

  2. はじめに 以下のうち、当てはまるものはありますか? 救急外来で院外心肺停止の対応をすることがある 警察に異状死の届出をすることがある 院外心肺停止の対応後、警察に届出をするかどうか迷うことがある 警察に話を聞かれて、どこまで答えたらいいのか迷うことがある 心肺停止の原因がわからず、もやっとすることがある

  3. このスライドの内容 院外心肺停止の警察への届出5W1H なぜ、何を、院外CPAを警察通報するか いつ、警察通報するか どこに、通報するか 誰が、どのように通報するか 警察に届け出られたご遺体のその後の流れ 法医解剖の種類と内容

  4. なぜ、何を、院外CPAを警察通報するか 医師法21条 医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。 罰則付きの規定 異状死とは、確実に診断した内因性疾患で死亡したことが 明らかである死体以外の全ての死     日本法医学会『異状死ガイドライン』より →犯罪の関与を見逃さずに故人の尊厳を守るための制度

  5. ということは… 「検案して異状がないと判断した」場合は届け出なくて良い? ⇒法律上は、その通り  しかし、院外CPAの「異状のない死亡」を診断するのは、 容易でない →具体的な死因の推定法は、別スライドへ

  6. 「一部の例外」に当たる例 一時的にROSCしている間に幸運にも心カテを実行することが可能で、心筋梗塞が診断できた 死後CT等で大動脈瘤破裂が診断でき、外傷歴がなかった 同院で終末期の病態としてフォロー中で、診療中の疾患による死亡として矛盾しない(主治医への確認が必須) 一部の例外を除き、院外CPAは 原則全例警察報告としている病院が多い

  7. 病院死亡も・・・

  8. いつ、警察通報するか 医師法21条 医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。  →とはいえ、可能な限り速やかに。   やむをえない地域事情などがない限り、死亡確認したらすぐ。 *速やかに捜査介入するための制度なので、「死んでいないけど明らかに事件性がある」「ROSCしたけど遠からず亡くなるだろう」という時点でも通報してOK 119番-110番連動システムによって、病院から通報しなくても警察が勝手に来ることもあります

  9. どこに、通報するか 医師法21条 医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。 救急隊接触時Asystoleで、接触後一度もROSCなし        →死亡場所は現場。搬送元の所轄警察署に届け出る 救急隊接触後に一時的にROSCしたが、その後死亡         →死亡場所は病院。病院所在地の所轄警察署に届け出る 存命時に警察の接触があり、入院後しばらくして死亡した場合は、接触してきた警察に連絡する (事件現場の所轄が捜査を担当し、既に始めている可能性が高い)

  10. 誰が、どのように通報するか 医師法21条 医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。 事務に通報を代行させるところもあるかもしれないが、法律上は医師がすることになっている。 警察が来院した後の説明については、看護師等コメディカルに代行させることなく、医師が行うように。

  11. 院外CPAの警察通報手順 心を込めてお看取り、死亡診察をする。 ご家族に、院外で起きた予期せぬ死亡であるため、警察への連絡が必要であることを説明。 所轄警察署へ電話連絡 「院外心肺停止の患者の死亡を確認したため、異状死として届出をしたい」と報告。電話口で聞かれる内容は、担当者によって異なる    患者の氏名、生年月日、死亡確認時刻、死亡場所

  12. 所轄警察署の捜査員への説明自発的に色々質問する人もいれば、何を聞いたらいいか良くわかっていなさそうな人までいます。 現病歴 発見時刻、発見状況 当院かかりつけや受診歴があれば 既往歴、内服薬 治療経過 救急隊現着時のモニター心電図初期波形 病院到着時刻 救急隊および病院治療中のモニター波形変化、除細動の有無 気道確保、挿管の有無 その他医療行為の内容(胃管、尿道カテーテルなど) 検査内容とその結果(画像検査、血液検査) 蘇生行為中止時刻、死亡確認時刻 可能であれば、死因に対する見解(無理せず) 解剖時には、病院での説明内容がそのまま解剖医に伝わります。 警察が医療者ではないから、と配慮して優しい言葉に置き換えて説明すると、むしろ解剖医には実施した医療行為の内容が伝わりません!

  13. 2017年5月 改正個人情報保護法 診療において患者が告げる病状、既往、薬歴は、『要配慮個人情報』である 原則として、その情報を他者に譲渡するときには、本人の同意が必要 ただし 急病その他の事態が生じたときに本人の病歴などを医師や看護師などの医療従事者が家族から聴取する場合 警察の任意の求めに応じて要配慮個人情報に該当する個人情報を提出する際 などでは、本人の同意を得る必要はない と、個人情報保護委員会と厚生労働省が示している ただし、カルテそのものの複製に関しては、 医事課の方針に従ってください

  14. 解剖になることが決まった時点で、診療情報提供書を書いてくださる先生もいます。とても嬉しいです。 (ご返信できるかどうかは、場合によります【後述】)

  15. 所轄警察から捜査員、鑑識係員が来院 担当医への聴取、家族への聴取 病院で検案、死体検案書発行 (病院医師) 警察署へ搬送 警察署で検案、死体検案書発行 (警察嘱託医) 解剖、死体検案書発行 病院 警察署 大学法医学教室、 監察医務院等 どちらになるかは、地域によって異なります 例)京都市:所轄署ごとに警察嘱託医(開業医)の契約があり、嘱託医が検案・検案書発行する 滋賀県:嘱託医制度がない。救急搬送された場合は搬送先の救急医が検案。救急搬送されなかった場合は、近隣の開業医が検案。 警察に届け出られたご遺体のその後の流れ

  16. どのような症例が解剖になるか地域警察の方針の差が激しいです ほぼ必ず実施 殺人、傷害致死の疑い(心中含む) 水中死体、焼死体 違法薬物中毒の疑い 虐待、保護責任者遺棄致死の疑い 18歳未満の小児 医療過誤の疑い* やったりやらなかったり 風呂溺、浴室内での突然死 労働災害、就業中の突然死 複数車輛のからむ交通事故、轢き逃げ 疾病先行の可能性のある交通事故 死因のわからない病死っぽいもの ほぼやらない 衆人監視下での事故 自殺(特に遺書のあるもの) *医療事故による死亡の場合、現在では医療事故調査制度による解剖と司法解剖、どちらが取られるかは病院の対応、警察との協議、遺族の感情等によって異なります。

  17. 解剖の種類 文部科学省 警察庁 都道府県

  18. 具体的に「解剖」とは・・・ 警察による状況聴取 いつ、誰が、どのように亡くなっているのを発見したか 死亡する前数日の状況、電話やメールのやりとりなど、最後に姿を見たり声を聞いたりしたときの状況 死亡者の普段の生活状況 家族関係 死亡者の現在および過去の病気やケガ、普段飲んでいる薬や通院先など 警察が遺族に解剖の必要性を説明:司法解剖は遺族の同意なくても実施可能

  19. 解剖検査の流れ 解剖当日 警察から発見状況その他周辺状況についての説明 解剖前CTの撮影、確認 体表面全体の観察 体内部(皮下組織、筋、骨)および諸臓器の観察 血液、尿などの検体採取。採取した検体で検査(生化学、薬物、アルコールなど) 組織検査用の臓器検体採取 →解剖結果の仮報告、死体検案書の発行 解剖終了後はご遺体をご遺族に返還、葬儀 後日、採取した検体で追加検査(組織検査、薬物検査、プランクトン検査、CO検査など) 解剖検査結果をもとに死因を考察、2~3か月で鑑定書作成 【解剖する側からのお願い】 病院搬送時に採血していたら、3日くらいは残検体を保存しておいてください。薬物、アルコール分析のために譲っていただくことがあります。 (解剖時の採血だと、 死後変化で濃度が変動するため)

  20. ウチに院外CPAで救急搬送され、警察に届け出た患者さん、解剖になったらしいけど、結果はどうだったんだろう。 死因って教えてもらえないのかな? 症例と、警察・解剖医のスタンスによります 【刑事訴訟法第47条】     訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。 →どの解剖事例が裁判になる(送検・起訴される)かは、警察でないとわかりません。「司法解剖」として請けたものは、解剖結果は訴訟に関する資料になる可能性があるため、原則解剖医から他者に教えることはお断りしています。 ただし、警察が「事件性なかったから送検しないよ。解剖結果フィードバックしてもいいよ」と言ってくれたものは、お伝えできる可能性があります。 解剖施設に直接問い合わせても「警察の許可がないと答えられない」と言われる可能性が高いです。気になるものは、まずは警察にお問い合わせください。

  21. 警察に通報しようとしたら、電話口で 「そちらで検案書出してください」 と言われた・・・ 「死因がわからないので、異状があるかないかも判断できません。そちらで専門的に調べていただきたい」と伝え、何はともあれ病院に来てもらってください。 どうしても病院に来なさそうな場合は、その旨をしっかりカルテに記載し、 死因「不詳」、死因の種類「12.不詳の死」 で検案書を記載してください。 医師として解剖の必要性を主張したのに警察が不要と判断し、 検案書を要求した場合も同様です。

  22. まとめ 院外CPAは原則警察に通報。院外CPA以外の通報事案も忘れずに! 通報後の警察への説明は、(解剖時に)その内容がそのまま解剖医に伝わるつもりでしてください。 異状死の通報は、医師法に定められた罰則付きの義務です。通報した時も、しなくて良いと判断した時も、カルテに記載することで皆様の身が守られます! 次回、「死因究明と死体検案」 近日アップロード予定

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