2021年11月から急速に世界中に拡がり、2022年1月初旬から日本でも急速に増加したオミクロンについて、さらに、オミクロン流行後の感染対策について、2022年4月28日時点でわかっていることをもとに、まとめました(3ヶ月ぶりの改訂版です)。このスライドは、作者が個人的に作成したものであり、所属施設の見解を代表したものではありません。
テキスト全文
オミクロン- その特徴と感染対策 - 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科 黒田浩一 2022.4.28改訂版
本日の内容 オミクロンについて - オミクロンの特徴(感染伝播性、重症度、インフル・5類相当?) - オミクロンへの対応(感染者・濃厚接触者) - オミクロン対策(主にマスクとワクチン) - オミクロン流行後の院内感染対策 - 感想(COVID-19による医療/介護の現場の変化について)
オミクロン:第6波の原因となった https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/entire/ [2022.3.16最終アクセス] α δ ο 2021.2.17- 医療従事者に接種開始 2021.3- アルファの流行 2021.4.12- 高齢者への接種開始 2021.6- デルタの流行 2022.1- オミクロン流行
オミクロン:第6波の原因となった 神戸市website:https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid_19.html
オミクロンの特徴
オミクロンの基本情報
オミクロン(B.1.1.529系統)の歴史 2021年11月24日:南アフリカではじめて報告された 2021年11月26日:WHOがOmicronと命名し、VOCに位置づけた 2021年11月26日:国立感染症研究所がVOIに位置づけた 2021年11月28日:国立感染症研究所がVOCに位置づけた 12月以降、欧州・米国などを中心し、世界中に拡がった SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html
オミクロン:日本上陸 日本でのオミクロン:最初の2例がCIDに報告された ナミビアからの帰国者(30歳台男性):11/28に発症 2021.7.30にモデルナワクチン2回目接種、既往歴なし ペルーからの帰国者(20歳台男性):11/28に発症 2021.10初旬にファイザーワクチン2回目接種、既往歴なし 診断時点で、この2か国で報告例はなかった(pandemic時の教訓的内容) Clin Infect Dis. 2022 Jan 3;ciab1072. doi: 10.1093/cid/ciab1072.
オミクロンとデルタの症状の違い オミクロンでは、 - 咽頭痛の頻度が高い(53% vs 34%, OR 1.8) - 嗅覚味覚障害の頻度が低い(13% vs 34%, OR 0.21) SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 34 (14 January 2022) https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1046853/technical-briefing-34-14-january-2022.pdf
基準株と比較して、スパイク蛋白に30か所程度のアミノ酸置換を有し、3か所の小欠損と1か所の挿入部位をもつ 主な変異:N501Y、E484A、G142D、G339D、S371L、S373P、S375F、S477N、T478K、Q493K、G496S、Q498R、Y505H 、P681H 感染伝播性 ワクチン効果 モノクローナル抗体の効果 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html オミクロンのアミノ酸置換
オミクロンの下位系統 B.1.1.529系統 - BA.1系統:2022年3月まで主流、下位にBA.1.1系統もある - BA.2系統:インド、フィリピン、デンマークなどで増加 どちらもL452Rは陰性 S gene target failure(SGTF)は、BA.1のみ BA.2は、日本でも3月下旬以降主流となってきている SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第7報)(2022.1.26) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10945-sars-cov-2-b-1-1-529-7.html
オミクロンBA.1の特徴のまとめ 感染伝播性がデルタより2~3倍高く、倍加時間・世代時間・発症間隔・潜伏期間(約3日)がデルタより短い→急速に感染が拡大しやすい 入院リスク・死亡リスクは、デルタより低い 症状は、咽頭痛が多く、味覚嗅覚障害が少ない。肺炎は少ない。 カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®:抗体カクテル療法)が無効である mRNAワクチン2回接種による感染予防効果は、デルタの場合より低く、2回目接種2か月後以降急速に減衰する。重症化予防効果は6か月程度は期待できるが、デルタと比較すると低い。booster接種によって効果は再上昇するが、2か月以降で、効果は減衰する。
オミクロン高い感染伝播性
大阪府 東京都 兵庫県 沖縄県
主に南アフリカ・英国・デンマークなどのデータから 感染伝播性が高いことは確実(デルタの2-3倍?) - 実効再生産数・家族内2次感染率が高い - 倍加時間の短縮(英国では1.5日、1月中旬の東京・大阪 約2日) ※世代時間(ある患者が感染してから二次感染を起こすまでの時間)・発症間隔や潜伏期間がデルタ株より短縮している可能性が指摘されている(日本のデータでは、発症間隔2.6日、95%が0.7-4.9日) ※感染様式の変化は確認されていない SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html J Med Virol. 2021 Dec 30. doi: 10.1002/jmv.27560. SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の発症間隔の推定:暫定報告(2022.1.31) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10952-b11529-si.html オミクロン:高い感染伝播性 JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262.
香港の報告:ホテルの向かいの部屋で入国後隔離されていた患者間で伝播した疑い 患者A:11/11に南アフリカから帰国、6/4にファイザーワクチン2回目接種 11/13にPCR陽性(症状なし)、11/14に入院、その後、オミクロンと確定 患者B:11/10にカナダから帰国、5/25にファイザーワクチン2回目接種 11/17に軽度の症状が出現し、11/18にPCR陽性・同日入院、その後、オミクロンと確定 患者Aと患者Bのウイルスゲノムはほぼ同一(1塩基のみ異なっていた) ドアを開けたのは食事と取りに行ったときとPCR検査を受けたときのみ Emerg Infect Dis. 2021 Dec 3;28(2). doi: 10.3201/eid2802.212422. オミクロンの高い感染伝播性を示す報告 監視カメラでも濃厚接触は認めず、感染伝播性が高いと考えられた(エアロゾル感染?)
「富岳」でのシミュレーション 15分の会話 - 感染者がマスクなしの場合、1-2m離れていても感染リスクは高い - 感染者がマスクしていれば、1m以上離れていれば、感染リスクはほぼないが、50cm以内だとリスクあり 会話時間が長いほど感染リスクは上昇する 理化学研究所/神戸大学 坪倉誠. 室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策(2022/2/2) (https://www.r-ccs.riken.jp/fugaku/history/corona/projects/tsubokura/)
オミクロンの潜伏期間:3-4日 日本国内の疫学調査:中央値は3日(IQR 2.5-4日) 韓国のデータ:平均潜伏期間は3.6日(IQR 2-8日) ※デルタ株の平均潜伏期間3-5日 ノルウェーのデータ:中央値 3日(0-8日、IQR 3-4日) ※デルタ 4日 クリスマスパーティーoutbreak 参加者117名中111名にインタビュー:96%がワクチン接種完了後 110名中81名(74%)がomicronに感染した Euro Surveill. 2021 Dec;26(50). doi: 10.2807/1560-7917.ES.2021.26.50.2101147. Lancet Reg Health Eur. 2021 Nov 26;100278. doi: 10.1016/j.lanepe.2021.100278. SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報)https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html
オミクロンの潜伏期間(日本) 実地疫学調査および新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS) のデータを用いて潜伏期間の推定を行ったところ... 実地疫学調査:中央値は2.9日(95%信頼区間:2.6-3.2)、99%が曝露から6.7日以内に発症 HER-SYSのデータ:アルファの中央値は3.4日(95%信頼区間:3.3-3.6)、オミクロンは2.9日(95%信頼区間:2.5-3.2)。オミクロンでは、感染から95%・99%が発症するまでの日数は7.1日・9.7日 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告(2022.1.13). https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10903-b11529-period.html
潜伏期間が8日を超えることは稀 濃厚接触者の追跡は本当に14日間必要なのか? ↓ 不要!
オミクロンBA.1の特徴のまとめ 感染伝播性がデルタより2~3倍高く、倍加時間・世代時間・発症間隔・潜伏期間(約3日)がデルタより短い→急速に感染が拡大しやすい 入院リスク・死亡リスクは、デルタより低い 症状は、咽頭痛が多く、味覚嗅覚障害が少ない。肺炎は少ない。 カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®:抗体カクテル療法)が無効である mRNAワクチン2回接種による感染予防効果は、デルタの場合より低く、2回目接種2か月後以降急速に減衰する。重症化予防効果は6か月程度は期待できるが、デルタと比較すると低い。booster接種によって効果は再上昇するが、2か月以降で、効果は減衰する。
オミクロンの重症度
オミクロン肺で増殖しにくい?
オミクロンは肺組織で増殖しにくい? ハムスターにSARS-CoV-2(従来株・オミクロン)を経鼻投与して、4日目の肺組織のウイルス量・感染性ウイルス量、体重、肺病理像を比較した bioRxiv 2021.12.24.474086; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.24.474086
オミクロンは肺組織で増殖しにくい? ・SARS-CoV-2(従来株・デルタ・オミクロン)をマウスに感染させた ・オミクロンで、体重減少少ない、肺組織のウイルス量少ない、肺炎像が軽度 bioRxiv 2021.12.26.474085; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.26.474085 肺 体重
オミクロンは肺組織で増殖しにくい? ・ヒトの気管支では、オミクロンはデルタ・従来株より増殖が速い(感染伝播性が高いことに関連?) ・ヒトの肺組織では、オミクロンはデルタ・従来株より増殖が遅い(重症度の関連?) https://www.med.hku.hk/en/news/press/20211215-omicron-sars-cov-2-infection
オミクロン入院・死亡リスク
神戸市の感染者の重症度 ほとんどデルタ オミクロンは2% https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid_19.html 99%以上がオミクロン
重症度・入院・死亡への影響(観察研究のみ) 南アフリカでは - デルタと比較して、入院オッズ 0.2(2.4% vs 12.8%) - 入院患者の重症化(呼吸不全)オッズ 0.3 英国のデータだと、入院・死亡リスクはデルタの50%未満 SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html オミクロンと重症度(入院・死亡) Lancet. 2022;399(10323):437-446. doi: 10.1016/S0140-6736(22)00017-4.
オミクロンの重症度が低い理由 ウイルスそのものの特性 - 肺炎を起こす頻度・重症度が低い ワクチン接種率が高い状況で流行した 既感染率が高い状況で流行した(南アフリカ/英国) 2022年1-2月は、主に若年者で流行したため
南アフリカは特殊(日本と状況は大きく異なる) 南アフリカはオミクロン流行前の時点で、Gauteng(ハウテン州、COVID-19が大流行した地域、ヨハネスブルグなどがある)のスパイク蛋白に対するIgG陽性率が非常に高かった 12歳未満の小児:56.2%、50歳以上の成人:79.7%(ワクチン非接種者でも71.0%) ワクチン接種者:93.1%、ワクチン被接種者:68.4% IgG陽性率が低い日本で、同じようにオミクロンによる波が急速に収束するとは考えにくい 第1波:従来株、第2波:ベータ、第3波:デルタ、第4波:オミクロン N Engl J Med. 2022 Feb 23. doi: 10.1056/NEJMoa2119658.
英国のN抗体陽性率(既感染率) COVID-19 vaccine surveillance report: 14 April 2022 (week 15). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 16/4/2022) 健康な17歳以上の献血者のseroprevalence(抗ヌクレオカプシド抗体:N抗体)を調査 2021年終盤から急激に増加(オミクロン流行) 50歳未満の50以上が既感染
オミクロンのウイルス自体の特性 ワクチン接種なし・感染の既往なしの場合 (診断されていない感染の既往も調整すると) - 入院リスクはデルタの約75% - 入院リスクはアルファと同等 N Engl J Med. 2022 Feb 17;386(7):e14. doi: 10.1056/NEJMp2119682. Ferguson N, Ghani A, Hinsley W, Volz E. Report 50: hospitalisation risk for Omicron cases in England. Imperial College London, December 22, 2021 (https://www.imperial.ac.uk/media/imperial-college/medicine/mrc-gida/2021-12-22-COVID19-Report-50.pdf.).
英国での検討では... ワクチン非接種者25%、感染既往あり7%の集団 - オミクロンはデルタより 入院リスク 約40% (ただし10歳未満は同等) 死亡リスク 約30% ワクチン非接種者に限定すると 入院リスク約30%、死亡リスク20% https://doi.org/10.1016/S0140-6736(22)00514-1
カナダのオンタリオ州では... ワクチン接種:0回 約30%、1回 約7%、2回約55%、3回約3%の集団で... - デルタ:入院+死亡 1.56%、ICU+死亡 0.42%、死亡 0.12% - オミクロン:入院+死亡 0.51%、ICU+死亡 0.06%、死亡 0.03% medRxiv 2021.12.24.21268382 doi: 10.1101/2021.12.24.21268382
BA.2系統とは? 2022年2月時点で、デンマーク・英国・南アフリカで増加 2022年3月現在、日本でも増加傾向(今後、主流になると予想) 世帯内2次感染率は、BA.1より高い可能性がある(39% vs 29%) 発症間隔は、BA.1より短い可能性がある(2.7日 vs 3.3日) mRNAワクチンの効果は、BA.1と同等 入院リスク・重症化リスクと死亡リスクは、BA.1と同等 or やや低い SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第8報)(2022.2.16)[accessed on 3/3/2022] medRxiv 2022.02.17.22271030; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.17.22271030 [accessed on 3/3/2022] SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 38 (11 March 2022)
実効再生産数:BA.1の1.18-1.4倍 鼻粘膜で増殖しやすい 診断時のCt値(鼻咽頭or咽頭ぬぐい液)が、BA.2より3.5低い(ウイルス量多い) BA.1に感染した後に、BA.2に感染する可能性は稀だがありえる(20~60日後) 47例報告:入院例なし、ほとんどが20歳未満(70%)、90%がワクチン未接種だった(デンマーク) ソトロビマブの効果が低下している可能性がある https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000888040.pdf (2022/1/26) bioRxiv 2022.02.14.480335; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.14.480335 medRxiv 2022.03.10.22272177; doi:https://doi.org/10.1101/2022.03.10.22272177 medRxiv 2022.02.19.22271112; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.19.22271112 bioRxiv 2022.02.07.479306; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.07.479306 bioRxiv 2022.02.14.480335; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.14.480335 BA.2系統とは? medRxiv 2022.03.02.22271771; doi: https://doi.org/10.1101/2022.03.02.22271771
診断時のウイルス量:BA.2 > BA.1 感染伝播性に関連している? BA.2系統とは? medRxiv 2022.03.10.22272177; doi:https://doi.org/10.1101/2022.03.10.22272177
神戸市:2022年3月下旬時点でBA.2が約50%を占めている 東京都では4月1日時点で83%がBA.2と推定された(第78回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料より) 讀賣新聞オンライン(https://www.yomiuri.co.jp/national/20220331-OYT1T50251/) 2022年4月現在、すでに日本でも主要なVOCは、オミクロン BA.2 である
XE系統(2022.4.13時点) BA.1とBA.2の組換え体(recombinant) ほとんどの部分がBA.2で、一部がBA.1と入れ換わったもの 2022.1.19に英国で初めて発見された 2022.3.29までに約600例が英国で報告された 感染伝播性はBA.2の1.1倍程度である可能性が指摘されている 病毒性と免疫逃避など、まだ不明な点が多い 2022.4.11 日本国内の1例目が発表された(海外から入国した人) 2022.3.26に検疫で採取された検体から検出された Weekly epidemiological update on COVID-19 - 5 April 2022 (WHO). https://www-who-int.translate.goog/publications/m/item/weekly-epidemiological-update-on-covid-19---5-april-2022?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=op,sc オミクロン株の組換え体について(11/4/2022). https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/11073-cepr-b11529-re.html
続々と登場 オミクロンの急速かつ大規模な感染拡大によって、組換え体(recombinant)とアミノ酸変異体(variant, sublineage)が高頻度で出現している オミクロン:BA.1, BA.2, BA.3, BA.4, BA.5, XEなど BA.2に追加変異が起こった亜型の出現とその拡大(2022/4) - BA.2.12(S704L), BA.2.12.1(S704L+L452Q) - 米国NY州で感染が拡大 - BA.2より23-27%感染拡大のスピードが速い(重症度は変化なし) https://www.cityandstateny.com/politics/2022/04/new-highly-contagious-omicron-ba212-and-ba2121-subvariants-detected-ny/365639/ (on 13/4/2022) https://github.com/cov-lineages/pango-designation/issues/499
オミクロンBA.1の特徴のまとめ 感染伝播性がデルタより2~3倍高く、倍加時間・世代時間・発症間隔・潜伏期間(約3日)がデルタより短い→急速に感染が拡大しやすい 入院リスク・死亡リスクは、デルタより低い 症状は、咽頭痛が多く、味覚嗅覚障害が少ない。肺炎は少ない。 カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®:抗体カクテル療法)が無効である mRNAワクチン2回接種による感染予防効果は、デルタの場合より低く、2回目接種2か月後以降急速に減衰する。重症化予防効果は6か月程度は期待できるが、デルタと比較すると低い。booster接種によって効果は再上昇するが、2か月以降で、効果は減衰する。
オミクロンとモノクローナル抗体
抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体 日本で2022.3現在使用可能な製剤は... - カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®) - ソトロビマブ(ゼビュディ®) ロナプリーブ®のBA.1に対する中和活性は著明に低下 ゼビュディ®はBA.1では中和活性維持、BA.2では効果低下?
ロナプリーブ®は効果が期待できない SARS-CoV-2 ウイルスのSタンパク質に対してそれぞれ異なる部位を認識する2種類の中和抗体を同時に投与することで、ウイルスの宿主細胞への侵入を阻害し、ウイルスの増殖を抑制する(それぞれの抗体は互いに競合しないエピトープを認識) In vitro における検討から、アルファ(B.1.1.7 系統)、ベータ(B.1.351系統)、ガンマ(P.1 系統)、デルタ(B.1.617.2 系統)に対して中和活性を保持している オミクロン(B.1.1.529系統)に対する中和活性は著しく低下している可能性が指摘されている Nature 2021, doi: https://doi.org/10.1038/d41586-021-03827-2 medRxiv 2021.12.13.21267761; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.13.21267761
ロナプリーブ®はBA.1に効果が期待できない N Engl J Med. 2022 Mar 10;386(10):995-998. doi: 10.1056/NEJMc2119407 remdesivir molnupiravir 静注プロテアーゼ阻害薬
ゼビュディ®は効果が期待できる ソトロビマブ(ゼビュディ®)は、 SARS-CoV-2 スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン上のACE2受容体結合部位とは異なる部位に結合する抗SARS-CoV-2 モノクローナル抗体治療薬 アルファ、ベータ、ガンマ、デルタだけでなく、オミクロンに対する中和活性も維持(in vitro) bioRxiv 2021.03.09.434607; doi: https://doi.org/10.1101/2021.03.09.434607 [プレプリント 2021.12.15] Nature 2021, doi: https://doi.org/10.1038/d41586-021-03827-2 medRxiv 2021.12.13.21267761; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.13.21267761
ロナプリーブ® ×・ゼビュディ® 〇 Nature 2021, doi: https://doi.org/10.1038/d41586-021-03827-2
Nature 2021, doi: https://doi.org/10.1038/d41586-021-03827-2 ロナプリーブ® ×・ゼビュディ® 〇
ロナプリーブ® ×・ゼビュディ® 〇 中和活性:従来株とオミクロン medRxiv 2021.12.13.21267761; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.13.21267761
ソトロビマブ vs BA.2→△ bioRxiv 2022.02.07.479306; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.07.479306 bioRxiv 2022.02.14.480335; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.14.480335 ソトロビマブの効果が期待できない可能性がある(中和活性が従来株の27分の1)
BA.2 vs モノクローナル抗体・抗ウイルス薬 各治療薬のBA.2への活性を、従来株への活性と比較した ソトロビマブの効果はやや低下 イムデビマブはBA.1に対して効果を認めなかったが、BA.2に対しては活性を認めた 抗ウイルス薬は、あまり効果の低下を認めなかった remdesivir molnupiravir nirmatrelvir N Engl J Med. 2022 Mar 9. doi: 10.1056/NEJMc2201933.
モノクローナル抗体の耐性化? デルタに感染したCOVID-19患者に対して、ソトロビマブ投与した6-13日後に、receptor-binding domainに中和活性を低下させる変異がみつかった 抗菌薬のように、使用すると耐性化することがある? 治療失敗や耐性化したvariantの伝播を最小限にするために、適正使用とgenomic surveillanceが重要もしれない N Engl J Med. 2022 Mar 9. doi: 10.1056/NEJMc2120219.
オミクロンはインフルエンザ相当なのか?
インフルエンザ:2022/3時点で流行なし https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/130-flu-10year.html 新型コロナ対策で、インフルエンザ流行なし →新型コロナウイルスのほうが流行しやすい ただし、感染対策のみが理由とは限らない
オミクロンとインフルエンザの比較 オミクロンは自然感染やワクチンの免疫による感染・発症予防効果が限定的であるが、季節性インフルエンザは、人口の多くが流行株に対して一定の免疫を持っている COVID-19の流行初期は若年層(10歳台後半から30歳台)の感染者の割合が多く、流行を牽引しているのはこの年齢層だと考えられる。一方、季節性インフルエンザは流行初期の感染者は小児の割合が非常に高く、保育園・小学校・中学校が記念となって感染が地域に拡大する 季節性インフルエンザ後の肺炎はほとんどが高齢者の細菌性肺炎であり、抗菌薬による効果が期待できる。一方、COVID-19による肺炎は、ウイルス性肺炎であり、高い効果が期待できる治療法はない。 COVID-19罹患後に、一部の症状が遷延したり、回復後に新たな症状が出現する患者が一定程度いることが報告されている →オミクロンが「軽症」とはいえ、インフルエンザと同等レベルの感染症とは言えない 第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月2日)
季節性インフルエンザのCFR:0.006-0.018% オミクロンのCFR:0.13% 季節性インフルエンザの肺炎発生頻度:1-2% オミクロンの肺炎発生頻度:5.6% 別の検討では... 季節性インフルエンザの受診後28日以内の全死亡/入院:0.09%/1.62% オミクロンとインフルエンザの比較 case fatality ratio(CFR) 第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月2日)
致命率計算の課題 重症度を正確に比較するためには、軽症者・無症候感染者を含むすべての感染者を分母として、すべての死亡者数を分子としたinfection fatality ratio(IFR)で比較すべきであるが、COVID-19とインフルエンザどちらの感染症もすべての感染者を探知することは不可能である。そのため、case fatality ratio(CFR)が使用されることが多い。 CFRは、過大評価または過小評価されうる。死亡数は感染者数に遅れて増加するため、ある時点での累積死亡者数を累積感染者数で除すると、CFPは過小評価になる可能性がある。報告された感染者数(インフルエンザは定点報告、COVID-19は無症候性病原体保有者も含めた全数報告)を分母とする場合、医療逼迫・検査数の減少等の影響によって分母が減少すると、死亡リスクは過大評価される。死亡者をどう定義するかによって、過小評価・過大評価にもなりえる。CFPは高齢であるほど高いため、流行の主体の年齢構成によってCFPは大きく影響を受ける。流行株・ワクチンの有効性・接種率・治療薬の効果などによって影響を受ける。 第74回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年3月2日)
オミクロンはインフルエンザ相当? 感染伝播性は、オミクロンのほうがかなり高い 感染予防効果・重症化予防効果は、COVID-19ワクチンの方が高い 致死率は、大半の高齢者がCOVID-19ワクチン接種を2回しても、オミクロンのほうが高く、肺炎を呈する可能性(入院が必要)も、オミクロンのほうが高い 小児の重症度・致死率は、大差ない(ほぼ軽症で、入院・死亡は稀)
インフルエンザ相当ではない 高い感染伝播性と高齢者や免疫不全者での重症化リスクが高いことから、ワクチン接種3回目が進んだとしても、院内感染対策を緩和することは難しい 高齢者と基礎疾患のある人に対する3回目接種が進めば、入院が必要な患者は減少すると思われるが、完全に収束することは考えにくい 新規のVOCの出現とその流行によって、医療が逼迫する可能性はある 以上から、オミクロンは「インフルエンザ相当」とはいえない
種々の制限は徐々に緩和されていく 重症化リスクのある人へのワクチン接種が進むことで、一般社会での基本的な感染対策(マスク着用、十分な換気、手指衛生)は継続しつつ... - 人流制限(国内・渡航)や飲食店への時短要請 - 学校での種々の行動制限 - COVID-19の法的な取り扱い(2類感染症相当→5類相当へ?) - 濃厚接触者への自粛要請、保健所による積極的疫学調査 などは、徐々に緩和・見直されていく可能性が高い まん延防止等重点措置は2022.3.21で終了
東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/166276 今後、一般社会(おそらく学校も含まれる)で「濃厚接触者」はほとんどいなくなる可能性がある(調査されない and 仕事継続可)
2類相当→5類相当になったら? 経済的な優遇措置がなくなった場合、各病院がどの程度COVID-19患者の受け入れ(外来・入院、休日夜間対応)をどの程度行うか未知数である 理由:①COVID-19病棟には看護人員を多めに配置するため、一般病棟を縮小する必要がある、②感染対策にかかる費用と労力 → 経営の観点からデメリットが大きい(特に、私立病院で問題?) 保健所による「入院先の選定」がなくなると、「対応困難」事例(≒受け入れ困難?)が増加するかもしれない
感染対策向上加算1 ●2022年度の診療報酬改定 感染対策向上加算1の病院は新型コロナウイルス感染症の重点医療機関である必要がある よって、多くの総合病院は、COVID-19診療は継続する どのような規模で行うか??
自施設での入院ベッドの確保が必要? リハビリテーション病院/療養型での院内クラスターの場合、急性期病院への移動が検討されるが、保健所の仲介がなくなると(5類相当→保健所の関与はなくなる)、迅速な転院はより困難となることが予想される 事前に近隣の急性期病院と契約が必要になるかもしれない(win-winとなる関係の構築が必要と思われる) 転院まで数日以上かかる可能性が高いため、COVID-19を隔離できる個室の確保、ゾーニング計画、個人防護具の備蓄が必要となる
COVID-19感染後の免疫
初感染によってVOCによる再感染は予防される(オミクロンに対する再感染予防効果は低い) カタールでの観察研究(90%以上が50歳未満) 初感染から再感染までの期間:254-314日 既感染(主に従来株 or アルファと思われる)による感染予防効果: アルファ・デルタでは約90%、オミクロンでは約60% 既感染による重症・入院・死亡の予防効果:どのVOCでも80%以上 感染の間隔が3-8か月と15か月以上で大きさ差なし(デルタ・オミクロン) 既感染による感染予防効果は、オミクロン<デルタ・アルファ N Engl J Med. 2022 Feb 9;NEJMc2200133. doi: 10.1056/NEJMc2200133.
ワクチン→alpha/delta、alfa/delta感染のみ ファイザーワクチン2回接種後にアルファまたはデルタに感染した患者と、ワクチン2回接種後の未感染者を対象とした 未感染者において、2回目接種2 or 6ヶ月後のオミクロンに対する中和活性なし(右上図) 感染10-22日後(2回目接種から感染までの期間1-3ヶ月)の血清でオミクロンへの中和活性を測定:上昇が確認された(variantの種類より、2回目接種と感染までの期間が長いことが、中和活性の上昇と関連した) medRxiv 2021.12.28.21268481; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.28.21268481 mRNAワクチン2回+他のVOC感染でもOK?
ワクチン→omicron、omicron感染のみ オミクロンに感染した患者13名の、発症4日後とその2週間後のオミクロン・デルタへの中和活性を測定して比較した 7名はワクチン接種済み(ファイザー or ヤンセン) オミクロンに対する中和活性 14.4倍、デルタに対する中和活性4.4倍 ただし、ワクチン未接種の場合、1回のオミクロン感染ではデルタに対する中和活性は不十分 medRxiv. 2021 Dec 27;2021.12.27.21268439. doi: 10.1101/2021.12.27.21268439. Preprint
c ワクチン→omicron、omicron感染のみ ワクチン未接種者にオミクロンが感染しても他のVOCに対する中和活性の上昇は非常に低かったが、ワクチン接種者の場合は著明な上昇がみられた(2回接種済みの場合の感染者にはbooster接種のような効果がある) ワクチン接種と異なり、未感染者がオミクロンに感染した場合に得られる他のVOCによる再感染予防効果は、あまり期待できない オミクロンに感染しても、ワクチン接種していなければ、現存する別のVOCや、今後出現するVOCへの予防効果は期待できないかもしれない medRxiv 2022.02.10.22270789; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.10.22270789 オミクロン感染だけ(ワクチン接種なし)では、その他のVOCへの効果は不十分 →ワクチン接種が重要と考えられる
既感染者へのファイザーワクチンは効果大 英国で行われた医療従事者を対象とした観察研究 2020.12-2021.9(従来株~アルファ~デルタ流行期) 既感染者へのファイザーワクチン1回または2回接種によって、90%以上の感染予防効果が長期間(感染後1年以上、ワクチン2回目接種後6ヶ月以上)が保持される オミクロン流行前 N Engl J Med. 2022 Feb 16. doi: 10.1056/NEJMoa2118691.
既感染者へのファイザーワクチン効果 成人既感染者(16-110歳、100日以上前)へのファイザーワクチンの感染予防効果を検討した観察研究、イスラエル アルファからデルタ流行期(2021.3.1-2022.11.26) 感染後のワクチン接種群 vs 感染後のワクチン非接種群 16-64歳:82%減少 65歳以上:60%減少 9ヶ月程度効果持続する 再感染をへらすことが示されたが、高齢者で効果が低かった N Engl J Med. 2022 Feb 16. doi: 10.1056/NEJMoa2119497. オミクロン流行前
オミクロンの検査法
検査法 - 日本で行われているPCR検査では検出感度の低下はない - L452R変異検出系陰性(デルタでは陽性)→BA.1とBA.2は区別不可 - 全ゲノム解析 - S gene target failure(SGTF):S遺伝子が検出されない デルタ:検出あり、アルファ:検出なし、オミクロンの一部で検出あり - T547Kあり→BA.1疑い、なし→BA.2疑い SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第3報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10817-cepr-b11529-3.html SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html オミクロンの検査法
オミクロンへの対応感染者・濃厚接触者への対応 いつから通常の生活に戻れるか?
感染者はどうする?
日本の対応(2022.1.4まで) オミクロンの可能性のある検査陽性者(無症状感染者も含む)は全員入院対応 入院期間中は、個室隔離(コホーティングも可) オミクロン感染者(疑いも含む)の濃厚接触者は宿泊施設に滞在し、最終曝露日から14日目まで隔離される(最終接触から3日目、6日目、10日目を目安にPCR検査を行う) オミクロン(疑いを含む)感染者の退院基準 - 有症状者:症状軽快後24時間経過した後からPCR検査を行い2日連続陰性 - 無症状者:陽性検査の採取日から6日経過した後からPCR検査を行い2日連続陰性 B.1.1.529系統(オミクロン株)の感染が確認された患者等に係る入退院及び航空機内における濃厚接触者 並びに公表等の取扱いについて (2021.11.30, 2021.12.28に一部改正). https://www.mhlw.go.jp/content/000867652.pdf 過剰!
オミクロンによる軽症COVID-19のCt値の推移 オミクロンによる軽症COVID-19(11例)のCt値を調査した報告 10名はワクチン2回接種済み 全員軽症(3名は無症状) 発症6.0日でCt値>30 発症10.6日でCt値>35 DOI: 10.35772/ghm.2021.01124
オミクロンのCt値とウイルス培養陽性率の推移 結論:2回のワクチン接種から14日以上経過している場合、無症状または軽症COVID-19患者では、発症または診断から10日後以降に感染性ウイルスを排出する可能性は低い SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第1報):感染性持続期間の検討. https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/10880-covid19-66.html?fbclid=IwAR3gncpKyO54OOXanLToP2NU9Z0-II3FrU9I6GqGup1d5xbWxiSjTkBEdsM 21名の患者 年齢中央値33歳 軽症81%、無症19% ワクチン2回接種80%、3回接種10%、非接種10%
2022.1.5の厚生労働省の事務連絡 オミクロン感染者・濃厚接触者の対応が変更 感染拡大地域であれば...(各地方自治体の裁量と思われる) - 軽症または無症状:入院→自宅療養・宿泊療養可 - 濃厚接触者:宿泊施設→自宅待機可(14日間) ワクチン接種完了後の患者であれば - 従来の退院基準(PCR結果に関係なく発症から10日で隔離解除) 検査陽性者の「個室隔離」は変わらず→2022.1.14以降同室可となった B.1.1.529系統(オミクロン株)の感染が確認された患者等に係る入退院及び航空機内における濃厚接触者並びに公表等の取扱いについて (2021.11.30, 2022.1.5に一部改正). https://www.mhlw.go.jp/content/000876461.pdf
国立感染症研究所で、ワクチン未接種者におけるオミクロン株症例の呼吸器検体中のウイルスRNA量(Cq値)の推移を検討 軽症(77%)or 無症状(21%) ワクチン接種者と非接種者で、ウイルス量に差はなかった オミクロンのCt値とウイルス培養陽性率の推移 SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査:新型コロナワクチン未接種者におけるウイルス排出期間(第2報)(2022.1.13). https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/10899-covid19-67.html?fbclid=IwAR31CgApL4Sjf4IjT14UaYoo-vXu4J7ypjlISFOYRFQk9Jd8F3P0ZKYSwcc
オミクロン無症状病原体保有者のウイルス排泄 無症状病原体保有者20例で検討(ワクチン接種歴あり10名、なし10名) 診断後6日目以降、ウイルス培養陽性率は低下し、8日目以降で培養陽性例なし 無症状者における感染性ウイルス排出の可能性は、診断6日目から8日目にかけて大きく減少すると考えられる SARS-CoV-2 B.1.1.529系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査(第3報):新型コロナウイルス無症状病原体保有者におけるウイルス排出期間(2022.1.27)https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/10942-covid19-70.html
退院基準の変更(2022.1.14) 2022年1月14日以降、ワクチン接種歴を問わず、検査による陰性化確認を求めない「従来の基準」を用いることになった 人工呼吸器非使用例:発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過 人工呼吸器使用例:発症から15日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合(ただし、発症から20日間経過するまでは、退院後も適切な感染予防策を講じる必要がある) この基準を満たす前であっても、医師の判断で、医療機関での治療が必要な状態にないことが確認された場合には、宿泊療養や自宅療養に移行してもよい 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)(2021.2.25). https://www.mhlw.go.jp/content/000745527.pdf B.1.1.529系統(オミクロン株)の感染が確認された患者等に係る 入退院及び 濃厚接触者並びに公表等の取扱いについて(2022.1.14一部改正). https://www.mhlw.go.jp/content/000881572.pdf
さらに一部改訂(2022.1.28) オミクロンによる無症候性感染の場合、検体採取日から7日間療養し、8日目から療養解除が可能となった(これまでよりも短期間で通常の生活に戻ることができる) 新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(2022.1.28). https://www.mhlw.go.jp/content/000889667.pdf
米国で隔離期間変更:安全? COVID-19感染者(ワクチン接種歴関係なし) - 5日間自宅待機 - 無症状 or 症状改善して24時間経過→外出可、その際5日間はマスク着用 濃厚接触者 - ワクチン未接種 or mRNAワクチン 2回接種して6ヶ月以上経過 :曝露から5日間自宅待機、その後5日間マスク着用 - ワクチン2回接種かつ6ヶ月以内 or booster接種後 :自宅待機不要、曝露から10日間マスク着用 - 曝露後5日目に検査を行う(可能であれば)、症状が出現したら検査 医療従事者(病院内の感染対策)を対象としたものではない CDC Updates and Shortens Recommended Isolation and Quarantine Period for General Population. https://www.cdc.gov/media/releases/2021/s1227-isolation-quarantine-guidance.html [最終アクセス 2022.1.3]
ワクチン接種・未接種者のCt値の推移 variantによってウイルス排泄期間・ピークのウイルス量などは同等だった 大半が健常な若年成人 ワクチン接種者は、被接種者よりウイルス排泄期間が短かった(発症から5.5日 vs 7.5日) ウイルス培養の研究ではない オミクロン流行前のデータ N Engl J Med. 2021 Dec 23;385(26):2489-2491. doi: 10.1056/NEJMc2102507.
シンガポールでのオミクロン対応 2021/12/27から他のvariantと同じ対応となった :患者の状態に応じて、療養場所が決定(病院 or 施設 or 自宅) 体調不良を感じている患者の隔離期間 発症から10日間(ワクチン接種者 or 12歳未満)、発症から14日間(12歳以上のワクチン非接種者) 状態のよい感染者の隔離期間 72時間は自己隔離、4日目から自己検査(迅速抗原検査)を行い、陰性になったら隔離終了 濃厚接触者の隔離期間 7日間は外出する前に自己検査で陰性確認が必要、7日目の自己検査が陰性の場合、隔離終了 https://www.moh.gov.sg/news-highlights/details/adjusting-our-approach-to-manage-the-omicron-variant_26Dec2021
フランスで隔離期間変更 ワクチン接種後のCOVID-19患者(variantの種類は関係なし)の隔離期間を、10日から7日に短縮した(PCR検査または抗原検査が陰性なら最短5日間) ワクチン未接種の場合は10日間 ワクチン接種済みの場合、濃厚接触者となっても、隔離は不要(これまでは7日間隔離が必要であった) 社会・経済への影響を緩和するためと思われる(ただし、1日20万人程度の新規感染者がでている状況...)
なぜ感度の低い抗原定性検査? 発症7日以内のCOVID-19を対象とした研究(PCR陽性検体でウイルス培養と抗原定性検査を施行、N=38)では、PCR検査より抗原定性検査で、ウイルス培養陽性適中率が高かった(90% vs 74%)。ウイルス培養陽性例のほとんどが抗原検査陽性(27/28例)。抗原検査陰性でウイルス培養陽性となることは非常に稀。 Clin Infect Dis. 2021 Nov 2;73(9):e2861-e2866. doi: 10.1093/cid/ciaa1706.
抗原定性検査陽性→ウイルス培養陽性 PCR検査は感度が高すぎるので、感染伝播性のないウイルス(少ないウイルス量)まで検出してしまう ウイルス培養陽性(感染伝播性があると想定される)を予想するのには、PCR検査より感度の低い抗原定性検査の結果のほうが適切な可能性がある
抗原定性検査が陽性となる期間は? オミクロン流行期の米国の報告(2022.1.1-2022.2.9) COVID-19発症から5-9日目の抗原定性検査は54%で陽性(対象:解熱24時間以上、かつ、症状改善傾向の患者、かつ、初回のフォローアップ抗原検査) 発症からの期間・無症候性感染者・既感染・ワクチン接種歴が、抗原定性検査陰性率と関連した 他の研究(対象:免疫正常のワクチン2回以上接種した医療従事者)でも、day 5-10の抗原定性検査陽性率は43% MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Feb 25;71(8):293-298. doi: 10.15585/mmwr.mm7108a3. medRxiv 2022.02.01.22269931; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.01.22269931
濃厚接触者はいつまで? 多くの病院職員が感染または濃厚接触者となった 就業不可→病院機能に影響
県内に21ある重点医療機関のうち、16の病院が救急の受け入れを停止していて(?)、外来診療を制限しているところもある。また、那覇市保健所では、感染者の急増で積極的疫学調査が困難となり、当面の間、感染が判明した人が濃厚接触者を特定し、連絡までしてもらうことにしている。 ※別の報道では、21の重点医療機関のうち9つの医療機関が外来診療などの制限、というものもある(沖縄テレビ放送: https://news.yahoo.co.jp/articles/4cce00e3ddbce5b9fda5448cff143f168709f878) NHK:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220109/k10013422781000.html FNN:https://news.yahoo.co.jp/articles/f5c6b3c8cb134b74b59608d232c85c409af80525 2022年1月9日 2022年1月10日
オミクロンの濃厚接触者への対応 ワクチン接種歴で分類していない - 宿泊療養または自宅待機 - 最終曝露から14日間 - 検査:曝露日から3、6、10日目を目安にPCR検査 B.1.1.529系統(オミクロン株)の感染が確認された患者等に係る入退院及び濃厚接触者並びに公表等の取扱いについて(令和4年1月5日一部改正). https://www.mhlw.go.jp/content/000876461.pdf B.1.1.529系統(オミクロン株)が確定又はL452R変異株PCR検査陰性が確認された患者に係る濃厚接触者等の取扱いについて(令和3年12月27日). https://www.mhlw.go.jp/content/000874549.pdf オミクロン流行当初 過剰!
濃厚接触者の定義は? 日本環境感染学会. http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide4.pdf 国立感染症研究所 感染症疫学センター(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html) ・患者と同居あるいは長時間の接触(社内・航空機内等を含む)があった者 ・適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護をしていた者 ・患者の気道分泌液もしくは体液などの汚染物に直接触れた可能性の高い者 ・手で触れることのできる距離(目安として1m)で、必要な感染予防なしで患者と15分以上の接触があった者 院内 院外
従来の濃厚接触者に対するルールは? 日本環境感染学会(オミクロン流行前) - ワクチン非接種者→14日間就業制限 - ワクチン接種者→就業可能 ・基本的な感染対策+検査 ・検査は、曝露後2-5日、8-10日の2回 ・健康観察は14日間 厚生労働省 事務連絡(2021.8.13):家庭内感染などによる濃厚接触者 - ワクチン2回接種済みの場合、無症状であれば、毎日の業務前にPCR検査または抗原定量検査(止む得ない場合は抗原定性検査)で陰性が確認されている場合は就業可 日本環境感染学会. http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide4.pdf 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000820153.pdf その後、オミクロンでも同様の方針をとってもよいことになった(厚生労働大臣発言)
濃厚接触者の待機期間(2022.1.14) 2022.1.14の事務連絡で変更 オミクロン流行期(70%以上がオミクロン)では 最終曝露日から10日間 Essential workerの場合、その所属する事業者で以下の検査を行い、陰性が確認できた場合は、待機期間を短縮することが可能(無症状であることが前提) - 最終曝露日から6日目にPCR検査または抗原定量検査(推奨) - 最終曝露日から6日目と7日目に抗原定性検査(やむを得ない場合) - 検査は事業者が負担する 新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(22022.1.14一部改正). https://www.mhlw.go.jp/content/000881571.pdf
濃厚接触者の待機期間(2022.1.28) 2022.1.28の事務連絡で変更 オミクロン流行期(70%以上がオミクロン)では 最終曝露日から7日間待機し、8日目から解除 Essential workerの場合、その所属する事業者で以下の検査を行い、陰性が確認できた場合は、待機期間を短縮することが可能(無症状であることが前提) - 最終曝露日から4日目と5日目の抗原定性検査が陰性→5日目に解除 - 検査は事業者が負担する 新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(2022.1.28). https://www.mhlw.go.jp/content/000889667.pdf
米国での濃厚接触歴のある医療従事者の就業 Booster接種済み - 就業制限なし - 検査は2回行う:曝露後すみやかに、曝露後5-7日後 その他の場合 - 曝露後7日間就業制限、かつ、職場復帰前48時間以内の検査陰性 - 曝露後10日間就業制限(職場復帰前48時間以内の検査は考慮) 共通:適切なPPEの使用、健康観察、体調不良時の自己隔離+検査 Interim Guidance for Managing Healthcare Personnel with SARS-CoV-2 Infection or Exposure to SARS-CoV-2. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/guidance-risk-assesment-hcp.html [accessed on Jan/10/2022]
欧州の隔離解除基準(オミクロン流行後) ※オミクロン流行地域では「3か月以内」のほうがよいかもしれない Guidance on quarantine of close contacts to COVID-19 cases and isolation of COVID-19 cases, in the current epidemiological situation, 7 January 2022. https://www.ecdc.europa.eu/en/covid-19/prevention-and-control/quarantine-and-isolation
欧州の隔離解除基準(オミクロン流行後) ※オミクロン流行地域では「3か月以内」のほうがよいかもしれない Guidance on quarantine of close contacts to COVID-19 cases and isolation of COVID-19 cases, in the current epidemiological situation, 7 January 2022. https://www.ecdc.europa.eu/en/covid-19/prevention-and-control/quarantine-and-isolation
医療職の濃厚接触者の就業制限 現時点では、新規感染者はオミクロンとみなす 病院として「濃厚接触者」と”総合的に”考えた場合 (濃厚接触者の定義を満たさない「接触者」の一部を含んでもよい) - ワクチン接種歴の有無に関係なく、以下を行う (ワクチン接種の有無で区別することは、日本では難しい印象) - 最低7日間就業制限 - 曝露後数日以内と曝露後5-7日目にPCR検査し、陰性なら就業可 - 基本的な感染対策を遵守、14日間の健康観察、体調不良時の自己隔離+検査 ・院内のマンパワー ・検査(PCR・抗原)へのアクセス ・行政上のルール を踏まえて、各病院ごとに対応を決定
同居家族が陽性となった場合、居住を分離できない濃厚接触者の職員の就業制限期間は? 同居家族が感染伝播リスクが消失した時点(発症10日目)を最終の濃厚接触とすると、その7-10日後までになるので、最長17-20日間も就労できなくなる(職場の人員不足が大きな問題となる、かつ、発症あら5-7日目以降に感染することはほとんどない)
同居家族が陽性となった場合、居住を分離できない濃厚接触者の職員の就業制限期間は? 発症から5日間が特に感染リスクが高い 医療従事者なので、マスク着用、手指衛生、環境消毒を適切に行うことができる(はず) COVID-19患者が幼児~小学校低学年の場合は、親と子が距離を取ることは難しいと思われる
神戸市立医療センター中央市民病院の場合 10歳未満の同居家族がCOVID-19に罹患した場合 同居者の発症から12日間隔離(=5日+7日) 12日日のPCR検査が陰性であれば解除 10歳以上の同居家族がCOVID-19に罹患した場合 同居者が分離できていると申告のある日から7日間隔離 分離開始7日目のPCR検査が陰性であれば解除 2022年2月以降
濃厚接触者の職場復帰について 濃厚接触者は、待機を解除された後に、勤務を開始するに当たり、職場に証明書を提出する必要はない 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第18 条に規定する就業制限の解除に関する取扱いについて(2022.1.31) https://www.mhlw.go.jp/content/000891476.pdf
COVID-19患者の職場復帰について 就業制限の解除=退院基準を満たした時点 - 原則、発症から10日以上経過、かつ、症状軽快後72時間 - オミクロンによる無症候性感染:診断的検査日から7日間 職場に復帰する際に、退院証明またはPCR検査の陰性証明などを提出する必要はない 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第18 条に規定する就業制限の解除に関する取扱いについて(2022.1.31) https://www.mhlw.go.jp/content/000891476.pdf
オミクロン対策- 新規感染者を減らす - 12歳以上への2回接種 booster接種 5-11歳への2回接種
オミクロン対策(CDC) ・ワクチン接種 - 5歳から - 18歳以上:booster(→12歳) ・マスク着用 ・換気 ・事例調査と接触者追跡 ・検査、検疫・隔離 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Dec 17;70(50):1731-1734. doi: 10.15585/mmwr.mm7050e1.
COVID-19のtransmission chain@日本 2020.1から2020.7の検討(第1波と第2波):従来株流行期(VOC流行期ではない) 「3密+換気が不十分な空間」で感染することから始まる→community contact→家庭内や病院/施設でのoutbreak デルタ・オミクロンは感染伝播性がより高いため、同じtransmission chainかどうかは不明だが、「感染経路を遮断するポイント」を検討する上で、重要な報告 ワクチン接種 3密回避 十分な換気 ワクチン 就労制限規定 院内感染対策 体調不良時は休む J Infect. 2022 Feb;84(2):248-288. doi: 10.1016/j.jinf.2021.08.016
マスクの効果(2次感染が50%減少) 2020.10.23-2021.2.28(従来株流行期)、マスクした場合の曝露とマスクなしの曝露の2次感染率を調査 家庭・医療機関外での濃厚接触者を対象とした、米国で実施 感染者・曝露者ともにマスクあり(12.5%) vs どちらかがマスクしていない場合(25.6%) 5-18歳に限定しても同様の結果。曝露者がマスクを使用すると2次感染率が低下。 感染者の症状の有無と2次感染率は関連なし。曝露時間が2時間以上の場合、2次感染率が高かった。 Emerg Infect Dis. 2022 Jan;28(1):69-75. doi: 10.3201/eid2801.211591.
学校でのユニバーサルマスキング 米国、2021.8.23~10.16(デルタ流行期)、幼稚園年長~高校生を対象 ユニバーサルマスキング要件のある学区 vs マスク要件のない学区で、罹患率の違いを検討:前者で生徒・教師のCOVID-19の発生が23%低かった。また、マスク要件なしから要件ありに途中で変更した学区では、感染者が著明に減少した。 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 8 March 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7110e1
学校でのコロナ対策(2022年3月時点) 学校活動を維持することは、子どもの健全な発育のために最も優先されるべき事項である 「不織布マスクの着用、手指衛生、教室の十分な換気」を徹底する 学習塾・スポーツクラブ(経済産業省)や学童保育(厚生労働省)等校外でも、文部科学省が所管する学校での対応に準拠した感染対策を徹底することが極めて重要である 学校や学習塾、学童保育の教職員等は、子どもの健全な発育のためにも、積極的なワクチン接種を検討する 日本小児科学会. 2022年3月時点での新型コロナウイルス感染症流行下での学校活動について http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=141
いつマスクをすべきなのか? 社会の流行レベルを、1週間の新規感染者数、1週間の新規入院患者数、入院患者に占めるCOVID-19患者の割合、から評価する 週3000人以上(神戸市) COVID-19 Community Levels (updated on 3/24/2022) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/community-levels.html
Mediumの場合 免疫不全または重症化リスクがある場合、マスクの着用が必要かどうか、医療従事者に相談する 重症化するリスクの高い人と家庭内または社会的に接触している場合、室内で一緒にいるときは、マスクの着用を検討する 可能な限り、室内空間の換気を良くする 上記以外の場合、個人の好みでマスクを着用する 症状がある場合は、マスクを着用する COVID-19 Community Levels (updated on 3/24/2022) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/community-levels.html
Highの場合 ワクチン接種の有無にかかわらず、公共の場では屋内で(学校を含む)フィット感のあるマスクを着用する 免疫不全または重症化リスクがある場合、より高い保護性能を持つマスクや呼吸器を着用する 重症化するリスクの高い人と家庭内または社会的に接触している場合、室内で一緒にいるときは、マスクの着用を検討する。 可能な限り、室内空間の換気を良くする COVID-19 Community Levels (updated on 3/24/2022) https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/community-levels.html
個人的なマスク着用の推奨 病院内・高齢者施設内(必須) 屋内(人が多い場合 and/or 換気が悪い場合) 公共交通機関内 人混み(屋外)
マスク着用は効果あるただし単独では不十分な効果
オミクロン対策(国立感染研) COVID-19ワクチンの3回目接種(発症・入院予防効果) ロナプリーブ®は使用しない(BA.1に無効) 感染染拡大の可能性を考慮し、感染者数の急激な伸びの抑制策や中等症・重症者の増加に備えた医療提供体制の構築 医療・福祉・公衆衛生のほか、各種社会的基盤となる事業において、感染拡大に伴う欠勤者の増加も見込んだ事業継続体制を準備する 基本的な感染対策の徹底(3密の回避、マスクの着用、手洗い 、換気など) SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第7報)(2022.1.26) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10945-sars-cov-2-b-1-1-529-7.html
COVID-19ワクチン 現時点で、最もCOVID-19感染予防効果が期待できる - オミクロンへの感染予防効果の低下 - 重症化予防効果は比較的高く維持されている booster接種の意義は?その対象は? 未成年(5-11歳、12-18歳)への効果は? 妊婦への効果と安全性は?
米国:ファイザーワクチンの適応を拡大 2022.1.3にFDAは適応を変更した(2022.1.5にCDCもその方針を承認) - booster接種の適応年齢を変更 もともと18歳以上に推奨、16-17歳に考慮、5-15歳に非推奨 →booster接種の対象を拡大:12歳以上に「推奨」 - 2回目接種からbooster接種までの期間を「5ヶ月以上」に変更(←6ヶ月) - 免疫不全の5-11歳に対するadditional dose(2回目接種から4週間以上あけて行う)を認可 FDA NEWS RELEASE (2022.1.3). Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Takes Multiple Actions to Expand Use of Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine. https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-takes-multiple-actions-expand-use-pfizer-biontech-covid-19-vaccine CDC Expands Booster Shot Eligibility and Strengthens Recommendations for 12-17 Year Olds. https://www.cdc.gov/media/releases/2022/s0105-Booster-Shot.html
Booster接種効果と安全性(一般論)
50歳以上に対するファイザーbooster N Engl J Med. 2021 Dec 8. doi: 10.1056/NEJMoa2115624. イスラエル、デルタ流行期 50歳以上で、5か月以上前にファイザーワクチン2回接種している人が対象 約2か月までf/u Booster接種群で、死亡が90%減少した
16歳以上に対するファイザーbooster N Engl J Med. 2021 Dec 8. doi: 10.1056/NEJMoa2115926. イスラエル、デルタ流行期 16歳以上で、5か月以上前にファイザーワクチン2回接種している人が対象(1-2か月f/u) Booster接種群で 感染者:1/10 40歳以上の重症化:1/20 60歳以上の死亡:1/15 感染の減少
mRNAワクチンboosterの安全性 ・2回目と3回目接種の副反応はほぼ同等(N=22191) ・2回目と3回目の接種間隔は約6か月(182日) ・3回目接種後:局所症状74.9%、全身症状69.9%。日常生活に支障28.3%、1医療機関受診1.8%、入院0.1%した。 ・3回の投与すべての健康診断調査完了したのは12591人(左図):3回目接種:局所症状79.4%、全身症状74.1%、2回目接種:局所症状77.6%、全身症状76.5%。3回目は、2回目よりも局所症状が多く、全身症状は少なかった。 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021;70(39):1379-1384. doi: 10.15585/mmwr.mm7039e4
ファイザーワクチン3回目接種のRCT プラセボ対象RCT@米国など 対象:16歳以上かつCOVID-19の既往なし(N≒10000) ファイザーワクチン2回目から6ヶ月以上の間隔で3回目接種 or placebo インターバル中央値10.7ヶ月 フォローアップ期間:中央値2.5ヶ月 デルタ流行期(2021.7.1-8.10に3回目接種、cut-off date2021.10.5) 感染予防効果:95.3% N Engl J Med. 2022 Mar 23. doi: 10.1056/NEJMoa2200674.
ファイザーワクチン3回目接種の安全性 約53万回接種(対象は医療従事者)して、死亡報告は1例、心筋炎0例 第75回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会. https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00037.html ・3回目接種後の副反応は、2回目接種後と類似していた。腋窩痛(5.3% vs 1.5%)、リンパ節腫脹(1.5% vs 1.0%)は、3回目接種後の方が高かった ・3回目接種後、接種翌日を中心として9.27%の被接種者が病休を取得した ・3回目接種前後で抗体価は49.6倍に上昇した(414 vs 20563 U/ml)
ファイザーワクチン3回目:心筋炎 イスラエル - 兵士:3回目1週間以内に10万接種あたり3.17例(2回目5.07例) - 18-24歳の男性:10万接種あたり11.25例、8例の心筋炎は全例軽症だった 米国 - 12-17歳の男性に対する3回目接種:100万接種あたり11.4例 ※2回目接種後、12-15歳 70.7例、16-17歳 105.9例 - 死亡例なし JAMA. 2022 Mar 17. doi: 10.1001/jama.2022.4425. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Mar 4;71(9):347-351. doi: 10.15585/mmwr.mm7109e2.
COVID-19ワクチンの安全性 米国 2020.12-2021.7 ワクチン接種群と非接種群でCOVID-19以外での死亡を比較 ・COVID-19に関連しない死亡は60-70%減少した(健康志向が高い群?) ・18歳以上で有意な効果あり(12-17歳では2群間で差はなかった) →ワクチンによって死亡が増加するとは考えにくく、短期的には安全と言える MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Oct 29;70(43):1520-1524. doi: 10.15585/mmwr.mm7043e2.
mRNAワクチンの安全性:若年者 12-39歳では、mRNAワクチン接種後の心筋炎が稀だが問題となる ファイザーワクチンよりモデルナワクチンのほうが頻度が高い 3-4週間間隔より、6-12週間間隔のほうが心筋炎が少なく、ワクチン効果が高い可能性がある 米国CDCの推奨 特に、12-39歳の男性の免疫正常者に対して8週間隔を提案している 3-4週間間隔が推奨される群:中等度以上の免疫不全、65歳以上の高齢者、重症度リスクが高い場合や大流行中のため早期の免疫獲得が望まれる状況 https://www.cdc.gov/vaccines/covid-19/clinical-considerations/covid-19-vaccines-us.html (accessed on 3/15/2022) https://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/downloads/slides-2022-02-04/11-COVID-Moulia-508.pdf
オミクロンとワクチン
ワクチン接種によるオミクロンに対する中和抗体は継時的に著明に低下する ワクチン2回接種によるオミクロン感染予防効果は、デルタに対する感染予防効果より低い(2回目接種2か月以降急速に減衰する) オミクロンによるブレイクスルー感染リスクはデルタより高い(リスク比 5.4)(英国) 細胞性免疫からの逃避についての根拠は現時点ではない(ワクチン接種歴または感染歴のある患者のオミクロンに対するT細胞応答は、他のvariantに対する応答と同等だった;doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.26.21268380 プレプリント) SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第5報) https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html オミクロン vs ワクチン・既往歴
mRNAワクチンオミクロンに対する中和活性 mRNAワクチン2回接種によってオミクロンに対する中和活性の上昇は認められるが、従来株・デルタより有意に低値、かつ、2回目接種5-7か月後には中和活性は消失する。Booster接種によって中和活性は著明に上昇する(ただし、従来株・デルタ株より有意に低値である)
ファイザーワクチンによる中和活性 ファイザーワクチン2回目接種5.5ヶ月後、3回目接種3.5週間後のVOCに対する健常者の中和活性を測定 ベータとオミクロンは2回目接種後5ヶ月強で中和活性消失していたが、3回目接種で約100倍上昇した N Engl J Med. 2021 Dec 29. doi: 10.1056/NEJMc2119358. 2回目接種 5.5か月後 3回目接種 3.5週間後 mRNAワクチンは3回接種が必要
モデルナワクチンによる中和活性 モデルナワクチン2回目接種の7か月後に、3回目接種(50µg)して、中和活性を測定 3回目接種1か月後のオミクロンに対する抗体価は、2回目接種1か月後の約20倍 3回目接種6か月でオミクロンに対する抗体価は低下(6.3分の1) N Engl J Med. 2021 Dec 29. doi: 10.1056/NEJMc2119358. Booster接種は、50µgより100µgのほうが中和抗体価の上昇が大きかった 2回目接種後 3回目接種後 mRNAワクチンは3回接種が必要
mRNAワクチンによる中和抗体価 感染6ヶ月後の中和抗体価は非常に低いが(従来株の32分の1)、mRNAワクチン接種(1-2回)によって、接種前の154倍に上昇する 2回目接種5ヶ月後の中和抗体価は非常に低いが(従来株の27分の1)、ワクチンbooster接種により38倍に上昇する DOI: 10.1056/NEJMc2119641 mRNAワクチンは3回接種が必要 既感染者:ワクチン接種必要
ファイザー3回 or ワクチン+BA.1感染 N Engl J Med. 2022 Mar 16. doi: 10.1056/NEJMc2201849. ワクチン接種者であれば、BA.1感染後にBA,2に対する中和抗体も上昇
mRNAワクチン症候性感染予防効果
英国での症候性感染予防効果 ファイザーワクチン2回接種後(左図B):2-4週間 65.5%、5-9週間 48.7%、10-14週間 30.1%、15-19週間 15.4%、20-24週間 11.5%、25週間(6か月)以上 8.8% ファイザー・モデルナ3回目接種後:2-4週間 67.2%/73.9%、5-9週間 55.0%/64.4%、10週間以上 45.7%/未検討 18歳以上を対象としたmRNAワクチンの2回接種による感染予防効果は2か月以降急速に減衰し、4か月時点ではほぼ消失する。Booster接種の効果はあるが、2か月程度で効果は減衰する。ファイザーとモデルナの差はわずか。 N Engl J Med. 2022 Mar 2. doi: 10.1056/NEJMoa2119451.
モデルナワクチン2回接種の効果 カリフォルニアからの報告で、18歳以上(3か月以内の感染歴のある人は除外) 2回目接種6か月で感染予防効果は消失 3回目接種後も、デルタ(95.2%)>オミクロン(62.5%)、特に免疫不全者での効果が低い(11.5%) medRxiv 2022.01.07.22268919; doi: https://doi.org/10.1101/2022.01.07.22268919
モデルナワクチンの3回接種の効果 観察研究@米国、対象は18歳以上で3ヶ月以内にCOVID-19の既往のない者 入院予防効果:2回接種ではデルタ 99%・オミクロン84.5%、3回接種ではどちらも99%以上 免疫不全者に対する3回接種:デルタによる感染 70.6%、オミクロン29.4% 2回接種の感染予防効果 3回接種の感染予防効果 (免疫不全者を除外) Nat Med. 2022 Feb 21. doi: 10.1038/s41591-022-01753-y
mRNAワクチン boosterの効果@カタール 観察研究、カタール、Booster接種群 vs 非接種群を検討 2021.12.19-2022.1.26:オミクロン流行期(95.2%) フォローアップ期間:中央値22日(長くても35日) ファイザー: 症候性感染予防効果 49.4%(2.4% vs 4.5%) COVID-19関連入院+死亡(重症化)予防効果 76.5% モデルナも同様の効果 2回目と3回目接種の間隔は、8ヶ月以上のほうが8ヶ月未満より、症候性感染予防効果高かった 短期的にも、感染予防効果は50%程度しかない N Engl J Med. 2022 Mar 9. doi: 10.1056/NEJMoa2200797.
mRNAワクチン3回目接種の効果 米国でのデータ 2021.12.10-2022.1.1にPCR検査をしたCOVID-19を疑う症状のある18歳以上を対象 3回目接種後 vs 2回目接種後6ヶ月以上経過して3回目接種未 vs 未接種 3回目接種後の患者のCt値は、2回接種者よりわずかに高かった(デルタ・オミクロン双方で) 3回目接種と診断まで:中央値1か月(短期的な成績) 3回目接種は2回接種と比較して、オミクロンによる症候性感染が66%、デルタによる感染が84%減少した(3回目接種から検査までの期間の中央値は1ヶ月) JAMA. 2022 Jan 21. doi: 10.1001/jama.2022.0470.
日本での解析(国立感染症研究所) 日本の関東地方でのデータ 発症予防効果を検討 対象:発熱外来等を受診した成人 2022年1月3日から1月31日 ファイザー60%、モデルナ40% 新型コロナワクチンの有効性を検討した症例対照研究の暫定報告(第三報)(2022年2月15日)
Booster接種の効果<最新情報> ファイザー2回接種後のbooster接種の症候性感染予防効果 ・ファイザー3回目接種:20週以降で効果消失 ・モデルナ3回目接種は、ファイザーよりやや効果高い可能性があるが大差はない COVID-19 vaccine surveillance report: 14 April 2022 (week 15). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 16/4/2022)
モデルナ2回接種後のbooster接種の症候性感染予防効果 ・ファイザー・モデルナ3回目接種:20週まで約60%維持されている COVID-19 vaccine surveillance report: 14 April 2022 (week 15). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 16/4/2022) Booster接種の効果<最新情報>
mRNAワクチン入院予防効果
ワクチン(全種類まとめて)のオミクロンに対する効果は、デルタの場合と比較すると小さいが、良好な入院予防効果(3回接種でワクチン効果88%)が認められている(英国) SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing: Update on hospitalisation and vaccine effectiveness for Omicron VOC-21NOV-01 (B.1.1.529).(2021.12.31) [最終アクセス2021.1.3] COVID-19ワクチンの入院予防効果
ファイザーワクチンの入院予防効果 南アフリカ(おそらく既感染率高い)で、デルタ流行期とオミクロン流行期におけるファイザーワクチンの入院予防効果を比較した 2回接種による入院予防効果は70%(デルタ流行期は93%) N Engl J Med. 2021 Dec 29. doi: 10.1056/NEJMc2119270.
入院予防効果 ファイザー ファイザー モデルナ COVID-19 vaccine surveillance report: 27 January 2022 (week 4). https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/1050721/Vaccine-surveillance-report-week-4.pdf 英国での入院予防効果 2回接種による 6か月以上の効果は期待できない
英国でのCOVID-19ワクチンの入院予防効果 mRNAワクチンは、2回目接種5か月までは高い効果があり、その後減衰する 3回目接種後3か月までは高い効果が確認された(HR 0.2) https://doi.org/10.1016/S0140-6736(22)00514-1
mRNAワクチン3回目接種の効果 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 21 January 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7104e3
COVID-19 vaccine surveillance report: 14 April 2022 (week 15). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 16/4/2022) 高齢者に対するBooster接種による入院予防効果 ・COVID-19による入院は、接種15週以降でも80%以上 ・呼吸不全を伴う入院も、接種15週以降でも80%以上 Booster接種の効果<最新情報>
BA.2に対するワクチン効果はBA.1と同等 症候性感染予防効果 ERからの入院予防効果 (COVID-19以外の理由で入院した患者も含む、ただし外傷を除く) COVID-19 vaccine surveillance report: 14 April 2022 (week 15). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 16/4/2022)
mRNAワクチン死亡予防効果
死亡リスク:2回目接種6か月後は約60%、3回目接種後95% 英国での死亡予防効果(オミクロン) COVID-19 vaccine surveillance report: 14 April 2022 (week 15). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 16/4/2022)
米国での観察研究(対象は18歳以上の成人) mRNAワクチン2回接種は、オミクロン流行期に入院28日以内の人工呼吸器使用または院内死亡を79%低下させた(フォローアップ期間の中央値:2回目接種後256日) mRNAワクチン3回接種は、オミクロン流行期に入院28日以内の人工呼吸器使用または院内死亡を94%低下させた(フォローアップ期間の中央値:3回目接種後60日) デルタ流行期やデルタ前と同等の効果であった 米国での人工呼吸器/死亡予防効果 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 18 March 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7112e1
英国でのデータのまとめ COVID-19 vaccine surveillance report: 14 April 2022 (week 15). https://www.gov.uk/government/publications/covid-19-vaccine-weekly-surveillance-reports (accessed on 16/4/2022)
3回目を接種すべきか?→Yes 高齢者・基礎疾患を有する者・医療従事者は、特に接種が望ましい 感染予防効果高い 重症化予防効果高い 副反応は2回目と同等で安全性は高い オミクロンへの感染予防効果は、2回では不十分 接種前の抗体価の測定は不要(感染予防効果を認めるIgGカットオフ値は不明であり、高値であっても感染する可能性もある)
Booster接種までの期間:短縮の流れ オミクロンの流行によって、booster接種までの期間を6ヶ月から3ヶ月まで短縮する国が増加(ワクチン効果の減衰が早いため) 3ヶ月:英国、フランス、タイ、ドイツ、イスラエル、EU 5ヶ月:米国 6ヶ月:ドイツ、カナダ ※日本:8か月→6か月→5か月に変更(2022/4/26) 厚生労働省会議資料. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25379.html 2022年4月時点
mRNAワクチンの4回目接種 ファイザーワクチン3回接種の4か月後に4回目のmRNAワクチンを接種 イスラエルの18歳以上の医療従事者を対象(COVID-19感染歴なし) 年齢中央値60歳 60歳未満で、ワクチン接種後の発熱はファイザー19.7%、モデルナ6.9% 中和抗体価:3回目接種4週間後<4回目接種4週間後(有意な差ではない) DOI: 10.1056/NEJMc2202542
mRNAワクチンの4回目接種 ファイザーワクチン3回接種の4か月後に4回目のmRNAワクチンを接種 イスラエルの18歳以上の医療従事者を対象(COVID-19感染歴なし) 年齢中央値60歳 小規模(ワクチン接種者300名未満)の研究では感染予防効果を示すことができなかった(予防効果30%で有意差なし) DOI: 10.1056/NEJMc2202542
mRNAワクチンの4回目接種 ファイザーワクチン3回目接種の4か月後に4回目のファイザーワクチン接種@イスラエル 60歳以上を対象(約125万人)として4回目接種者と4回目非接種者を比較した(既往ある者は除外) 2022.1.10-3.2に診断された患者 4回目接種 vs 3回接種:接種後4週時点で、感染2分の1、重症例3.5分の1 N Engl J Med. 2022 Apr 5;NEJMoa2201570. doi: 10.1056/NEJMoa2201570. 感染予防効果:接種5週間後から低下し、8週時点で効果なし 重症化予防効果:接種6週間時点までは低下なし
Breakthrough感染者重症化リスク(オミクロン流行前) Booster接種のよい適応となる
Breakthrough感染の重症化リスク 重症化=呼吸不全での入院、ICU入室、人工呼吸器使用、死亡 対象:2020年12月から2021年10月にワクチン接種(オミクロン流行前のデータ) 重症化リスク因子:65歳以上、免疫不全、慢性肺疾患、慢性肝疾患、慢性腎臓病、慢性神経疾患、糖尿病、慢性心疾患 重症化低リスク因子:モデルナワクチン接種(J&Jと比較)、COVID-19感染の既往 モノクローナル抗体(95%がロナプリーブ)が投与された446名の患者のうち、重症化した患者はいなかった MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Jan 7;71(1):19-25. doi: 10.15585/mmwr.mm7101a4.
重症化した患者の100%で、1つ以上のリスク因子が指摘された 死亡した患者の77.8%で、4つ以上の重症化リスク因子が指摘された MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Jan 7;71(1):19-25. doi: 10.15585/mmwr.mm7101a4.
5-11歳への接種
10歳未満と10歳台の占める割合が著明に増加(約40%も占めている) https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/kenko/health/infection/protection/covid_19.html 神戸市
5-11歳に対するファイザーワクチン 5-11歳を対象(N=2268名) 1回接種量10μg 2回目接種後の全身反応は16-25歳に対する30μgより少ない ワクチン接種群で、中和活性は99%以上で上昇(16-25歳に対する30µgと同等) デルタ流行期 N Engl J Med. 2021 Nov 9;NEJMoa2116298. doi: 10.1056/NEJMoa2116298. FDA. https://www.fda.gov/media/153409/download
5-11歳に対するファイザーワクチン 症候性感染予防効果 90.7% 重症例は両群とも0 MIS-Cも両群とも0 f/u期間:2~3か月 まだ長期的な効果は不明 N Engl J Med. 2021 Nov 9;NEJMoa2116298. doi: 10.1056/NEJMoa2116298. FDA. https://www.fda.gov/media/153409/download
5-11歳へのファイザーワクチンの安全性 米国では、2021.11.3-2021.12.19に約870万回接種された 有害事象の97.6%が非重症(重症に分類されたのは100例) 心筋炎は、11例(トロポニン上昇15例)→約80万接種に1例 心筋炎による死亡例なし 死亡2例(ワクチンとの関連は現時点では認められていないがreview中) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Dec 31;70(5152):1755-1760. doi: 10.15585/mmwr.mm705152a1.
12-15歳へのmRNAワクチンの安全性 イスラエルのデータ 1回目接種約40万人 2回目接種約32万6000人に施行 ファイザーワクチン接種後の心筋炎 男性で、1回目接種後10万接種あたり0.56例、2回目接種後 10万接種あたり8.09例(16-24歳よりやや少ない) 女性では、それぞれ0例、0.69例 N Engl J Med. 2022 Jan 26;NEJMc2116999. doi: 10.1056/NEJMc2116999.
米国では12-17歳で最大(2回目接種後) MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Jul 9;70(27):977-982. doi: 10.15585/mmwr.mm7027e2.
16-17歳のリスクが最大? 100万接種あたりの心筋炎 mRNA COVID-19Vaccine-Associated Myocarditis. [https://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/downloads/slides-2021-11-2-3/04-COVID-Oster-508.pdf] (11/2021)
別の報告でも... 男性 2回目接種後 ファイザー<モデルナ 16-17歳でピーク 12-29歳で心筋炎リスク高い JAMA. 2022 Jan 25;327(4):331-340. doi: 10.1001/jama.2021.24110.
12歳以上の青年は心筋炎に注意 COVID-19 vaccine safety updates: Primary series in children and adolescents ages 5–11 and 12–15 years, and booster doses in adolescents ages 16–24 years [https://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/downloads/slides-2022-01-05/02-COVID-Su-508.pdf] (1/2022)
モデルナは18歳以上で調査(米国) 100万接種あたりの心筋炎発症頻度 Updates on myocarditis and pericarditis following Moderna COVID-19 vaccination. [https://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/downloads/slides-2022-02-04/03-COVID-Shimabukuro-508.pdf] (2/2022)
モデルナのほうが心筋炎リスクが高い BMJ. 2021 Dec 16;375:e068665. doi: 10.1136/bmj-2021-068665.
モデルナのほうが心筋炎リスクが高い Nat Med. 2022 Feb;28(2):410-422. doi: 10.1038/s41591-021-01630-0.
mRNAワクチン後の心筋炎:10-20歳代男性モデルナワクチンは避けたほうがよさそう ・日本国内のデータによると、心筋炎は特に10-20歳代男性のモデルナワクチン2回目接種後に多い ・カナダオンタリオ州は18-24歳に対してファイザーワクチンを推奨している ・スウェーデンでは30歳未満へのモデルナワクチン接種を停止している 全人口では、各国のデータから、 ファイザーワクチン100万回接種あたり1-5件 モデルナワクチン 100万回接種あたり1-30件 https://www.mhlw.go.jp/content/000844011.pdf https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000844075.pdf
mRNAワクチン接種後の心筋炎/心膜炎の要点 mRNAワクチン接種後の心筋炎は100万接種あたり数例(多い報告で10万人あたり約2例) 10-20歳台の男性で頻度が高く10万接種あたり2-14例で発症する mRNAワクチン接種後の発症率は、一般人口の発症率の5倍以上である 胸痛・息切れ・動悸で発症する 血液検査でトロポニン上昇、CRP上昇、心電図でST上昇を認める 重症例は稀(5%未満)で、ほとんどが軽症であり、通常1週間以内に改善する 2回目接種後に発症することが多く、典型的には2回目接種の4日以内に発症する
18歳未満の小児の入院COVID-19の特徴 デルタ流行期の米国のデータ(2021.7-2021.8) 6つの小児病院、患者数915名、約80%がCOVID-19が理由で入院 ほとんどがワクチン未接種者(ワクチン接種者は3名のみ) 重症度:呼吸不全あり 54.0%、ICU 29.5%、死亡 1.5% 基礎疾患あり:67.5%、肥満・喘息・経管栄養など、年齢分布は1歳未満・12-17歳が多い 基礎疾患あり or 肥満あり→ICU入室リスク↑、重症化(呼吸不全)リスク↑ 5歳未満:33.9%でその他のウイルス感染の合併あり(RSVが最多) 12-17歳:61.4%が肥満 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2021 Dec 31;70(5152):1766-1772. doi: 10.15585/mmwr.mm705152a3.
ワクチンによるMIS-Cの発症予防効果 2021.9.1-2021.10.31にMIS-C(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children)と診断された患者を対象とした(フランス) 33名の患者のうちファイザーワクチン2回接種済みの患者はいなかった 1回のワクチン接種で90%以上の発症予防効果が認められた JAMA. 2021 Dec 20;e2123262. doi: 10.1001/jama.2021.23262. オミクロン前 デルタ流行期
ワクチンによるMIS-Cの発症予防効果 2021.7.1-2021.12.9(デルタ流行期)、米国の24の小児病院 ファイザーワクチン2回接種の12-18歳におけるMIS-Cの発症予防効果は91%であった MIS-C 102例のうち、2回接種済みは5名(5%)のみ(ICU入室1名、昇圧薬・MV・ECMOは0名)、両群死亡なし MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 7 January 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7102e1 オミクロン前
ファイザーワクチン:オミクロンへの効果↓ ファイザーワクチン(米国)2回接種の効果を検討した観察研究(2021.4~2022.1) 5-11歳(オミクロン流行期):ER受診 約50%減少(接種から2か月以内、それ以降の効果は検討されていない) 12-17歳(デルタ流行期):ER受診 約80%減少(5か月以上) 12-17歳(オミクロン流行期) - ER受診 約30-50%減少(5か月以内) - 5か月以上経過すると予防効果なし - 3回目接種で効果81%まで上昇(16-17歳) 入院予防効果は、74-94%であったが、オミクロン流行期のみでの検討はされていない DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7109e3
5-11歳と12-15歳へのファイザーワクチンの効果 米国で行なわれた前向きコホート研究(2021.7.25-2022.2.12) 1364名の小児と青年は毎週SARS-CoV-2検査を施行(症状関係なし) ワクチンを1回以上接種した子供は、未接種の子供よりマスク使用時間が長かった ファイザーワクチン2回接種のオミクロン感染予防効果は 2回目接種から14-82日 5-11歳(2021.11.2から接種推奨):31% 2回目接種から14-149日 12-15歳(2021.5.12から接種推奨):59%(デルタでは87%) 5-11歳への効果低く短期間? MMWR Morb Mortal Wkly Rep. ePub: 11 March 2022. DOI: http://dx.doi.org/10.15585/mmwr.mm7111e1
5-11歳、12-18歳へのファイザーワクチン 接種からの日数:34日(中央値) N Engl J Med. 2022 Mar 30. doi: 10.1056/NEJMoa2202826. 入院予防効果
未成年でのオミクロンに対するファイザーワクチン効果 未査読論文のため結果の解釈には注意が必要 米国NY州 5-11歳と12-17歳に対するファイザーワクチンの効果を検討 2021.12-2022.1(オミクロン流行期) 5-11歳では、ワクチンによる感染予防効果は、1-2か月以内にほぼ消失し、入院予防効果も1-2か月以内に急速に低下(50%程度)する 12-17歳と比較して、5-11歳では効果の減衰が早い medRxiv 2022.02.25.22271454; doi: https://doi.org/10.1101/2022.02.25.22271454 [アクセス 2022.3.4]
子どもをCOVID-19から守るためには、周囲の成人(子どもに関わる業務従事者等)への新型コロナワクチン接種が重要である 基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、COVID-19の重症化を防ぐことが期待される 5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義があると考える 健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要である 日本での小児への接種の考え方 日本小児科学会. 5-11 歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方(2022.1.19). http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=404
小児の基礎疾患とは? 2歳未満と基礎疾患のある小児患者には重症化リスクがある 基礎疾患 - 慢性呼吸器疾患:難治性喘息を含む - 慢性心疾患:先天性心疾患、肺高血圧、冠動脈疾患 - 慢性腎疾患:透析中、腎移植後 - 神経疾患・神経筋疾患:脳性麻痺、難治性てんかん、重症心身障害児、神経発達症、染色体異常症 - 血液疾患:ALL、AML、ML、AA、ITP、原発性免疫不全症など - 糖尿病・代謝性疾患・内分泌疾患 - 悪性腫瘍 - リウマチ性疾患 - 消化器疾患:炎症性腸疾患、胆道閉鎖症、肝移植後、自己検疫性可燃、肝硬変、短腸症 - その他:高度肥満、早産地、施設入所・長期入院、摂食障害 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会. http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=409 Pediatrics. 2020 Oct;146(4):e2020003186. doi: 10.1542/peds.2020-003186. JAMA Netw Open. 2022 Feb 1;5(2):e2143151. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2021.43151.
妊婦の接種:新生児への効果と安全性 妊婦へのmRNAワクチン2回接種の乳児への効果を検討(20%強が早産児):ワクチン接種妊婦と非接種妊婦を比較(partially vaccinatedの妊婦は除外された) 2021.7-2022.1に小児病院にCOVID-19で入院した6か月未満の乳児を対象とした(デルタ~オミクロン流行期) vaccinatedの定義:出産14日以上前に2回目のmRNAワクチンを接種 乳児の月齢の中央値:2か月 6か月未満の乳児の入院が61%減少 - 妊娠早期(20週未満に2回接種完了)での効果:32%(有意差なし) - 妊娠後期(21週以降)での効果:80% MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Feb 18;71(7):264-270. doi: 10.15585/mmwr.mm7107e3.
妊婦へのmRNAワクチン 新生児への安全性を検討 イスラエル 2021.3.9に出産、2021.10.31までf/u(アルファ~デルタ流行期) 主に妊娠第2, 3期にファイザーワクチン接種(第1期は約12%) 出生から約4か月フォローした 妊娠合併症の増加なし(早産、先天奇形、新生児入院) 妊娠第1期(14週未満、N=約2100)に限定しても、妊娠合併症の増加なし JAMA Pediatr. 2022 Feb 10;e220001. doi: 10.1001/jamapediatrics.2022.0001. 妊婦の接種:新生児への効果と安全性
現時点での結論
mRNAワクチンの接種が重要! 18歳以上へのbooster接種(2回目との接種間隔は6ヶ月以上) 日本では高リスク者を対象に2022年1月から開始、順次対象を拡大 12-17歳以上への2回接種は強く推奨(今後3回目が検討される) 5-11歳への2回接種(primary series)の優先順位は低い 米国で効果(デルタ流行期)と安全性は十分に確認された 日本は、2022年3月から接種開始(感染者の約20%は10歳未満) オミクロン流行によって、その役割は小さくなったが、効果がないわけではない 3回接種すればよいのかもしれないが、それについては、まだ検討されていない 異なるvariantが流行した場合、接種歴があったほうがよいかもしれない 2022.4時点
各国での3回目接種についての推奨 12-17歳への推奨は、各国で多少異なっている 米国:ファイザー12歳以上、モデルナ18歳以上 英国:ファイザー16歳以上、12-15歳で重症化リスク or 免疫不全者と同居、モデルナ18歳以上 カナダ:ファイザー18歳以上、12-17歳で基礎疾患を有する者、モデルナ18歳以上 フランス:ファイザー12歳以上、モデルナ30歳以上 ドイツ:ファイザー12歳以上、モデルナ30歳以上 イスラエル:ファイザー12歳以上、モデルナ18歳以上 2022/3時点での推奨 第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料2(2022.3.24)
各国での4回目接種についての推奨 米国:追加接種から4ヶ月以上経過した50歳以上、中等度から重症の免疫不全者 カナダ:追加接種から6ヶ月以上経過した70-80歳以上、長期ケア施設入居中の高齢者 WHO:推奨なし 英国:追加接種から6ヶ月以上が経過した75歳以上、介護施設に居住する高齢者、12歳以上の免疫不全者 フランス:追加接種から3ヶ月以上経過した80歳以上・免疫不全者、6ヶ月以上経過した60-79歳 ドイツ:追加接種から3ヶ月以上経過した70歳以上の者、5歳以上の免疫不全者、介護施設入所者、追加接種から6ヶ月以上経過した医療・介護従事者 イスラエル:追加接種から4ヶ月以上経過した60歳以上、18歳以上のハイリスク者、免疫不全者、療養施設入所者、医療従事者、ハイリスク者の介護者、など 第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料3(2022.4.27) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25379.html 2022/4時点での推奨
日本での4回目接種の計画 2022年4月27日に厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会)で対象者が決定された - 3回目接種から少なくとも5ヶ月以上あける - 60歳以上の者(努力義務あり) - 18歳以上で基礎疾患を有する者その他重症化リスクが高いと医師が認める者 第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(2022.4.27). 新型コロナワクチンの接種について. chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000934480.pdf
初回接種とbooster接種同じワクチンがよい?
異なるCOVID-19ワクチンの接種(WHO) heterologous schedules - heterologous primary schedules - heterologous boosting schedules 可能な組み合わせ - 不活化ワクチン→ウイルスベクターワクチン or mRNAワクチン - ウイルスベクターワクチン→mRNAワクチン - mRNAワクチン→ウイルスベクターワクチン WHO. Interim recommendations for heterologous COVID-19 vaccine schedules. https://www.who.int/publications/i/item/WHO-2019-nCoV-vaccines-SAGE-recommendation-heterologous-schedules [最終アクセス2022.1.3] 日本では、ほぼmRNAワクチンのみが使用されているため、問題にならない
初回とboosterは異なるmRNAワクチン? 初回シリーズとbooster接種は異なるmRNAワクチンのほうが感染予防効果が高かった 2021年9月から10月に検討(デルタ流行期)したもの@シンガポール JAMA. 2022 Feb 11;e221922. doi: 10.1001/jama.2022.1922.
Homologous or Heterologous Boosters 初回Ad26.COV2.S接種した場合は、boosterはmRNAワクチンのほうが感染予防効果高い(感染リスクが49%) 異なるmRNAワクチンによるbooster接種による感染予防効果は、同じmRNAワクチンによるbooster接種と同等の効果 N Engl J Med. 2022 Feb 9;NEJMc2200415. doi: 10.1056/NEJMc2200415.
オミクロン流行後の院内感染対策 JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262.
SARS-CoV-2の感染経路 感染は主に気道分泌物を介して起こる くしゃみ・咳・会話など 飛沫感染(2m以内) 口・鼻・目の粘膜への飛沫の付着 エアロゾル感染(空気感染とは厳密には異なる) 微小な飛沫あるいはエアロゾルの吸入(換気の悪い閉鎖空間) 接触感染(稀) ウイルスが付着した手指による粘膜への接触 Ann Intern Med. 2021 Jan;174(1):69-79. doi: 10.7326/M20-5008.日本環境感染学会医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第4版) CDC. Scientific Brief: SARS-CoV-2 Transmission. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/science/science-briefs/sars-cov-2-transmission.html
ワクチン+感染経路の遮断 全体的に感染リスクを減らす(ワクチン) 飛沫感染→ユニバーサルマスキング、目の防護 エアロゾル感染→マスクだけ△、適切な換気と3密回避 接触感染→手指衛生(標準予防策)
「富岳」でのシミュレーション 15分の会話 - 感染者がマスクなしの場合、1-2m離れていても感染リスクは高い - 感染者がマスクしていれば、1m以上離れていれば、感染リスクはほぼないが、マスクしていても50cm以内だとリスクあり 会話時間が長いほど感染リスクは上昇する 理化学研究所/神戸大学 坪倉誠. 室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策(2022/2/2) (https://www.r-ccs.riken.jp/fugaku/history/corona/projects/tsubokura/)
飛沫感染・エアロゾル感染リスクがこれまでより高い
オミクロン流行期の院内感染対策 飛沫・エアロゾル感染をいかに防ぐ or 最小限にするかが重要 従来からの対策を継続・遵守率を高めることが重要 - ユニバーサルマスキング、目の防護、手指衛生、換気の悪い3密回避 - 職員へのワクチン接種の強い奨励(または義務化) - 症状のある職員の自宅待機 - 接触者追跡調査 - 全患者に対する入院時のスクリーニング検査(特に流行期は重要) JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262.
オミクロン流行期:院内感染対策の難しさ 無症状感染者が多い・発症前から感染伝播性がある かつ、感染伝播性がこれまでのvariantより高い 入院後に発症する患者からの伝播 入院時PCR検査が陰性でも数日後発症することがある 無症候性感染または発症直前の医療従事者からの伝播 発症数日前から感染伝播させるので発症時にはすでに感染伝播済み... 濃厚な接触の場合、サージカルマスクしていも感染してしまう事例もある
流行期の追加の対策!? booster接種の義務化(日本では「義務化」は難しい) - 十分ではないが感染予防効果がある - ブレイクスルー感染時、他者への感染リスクが低下する(42%↓) 検査を増やす(病院によって検査能力に差がある) - 入院時+入院後数日おき(特に大部屋の患者) - 職員(特に、クラスター発生病棟は定期的な検査が望ましい) N95マスクのユニバーサルユース(N95マスクの調達が難しい) JAMA. 2022 Jan 24. doi: 10.1001/jama.2022.0262. medRxiv 2021.12.27.21268278; doi: https://doi.org/10.1101/2021.12.27.21268278
N95マスクを考慮するタイミング(例) サージカルマスクの代わりに全職員が使用するのは現実的ではない(①それだけの量を確保できない、②職員の負担が大きい) 長時間(例:15分以上)マスクを着用できない患者(認知症、せん妄、知的障害など)の対応をする場合 吸痰や食事介助する場合(患者はマスクを着用できない、咳などで飛沫・エアロゾルが発生しやすい) 患者との体の接触が多い状況(リハビリ、体位変換) エアロゾル発生手技(挿管・気管支鏡など)を行う場合
N95マスク不足への対応 購入する量を増やす 複数の業者から購入する(それぞれのN95マスクに対してフィットテスとが必要となる) N95マスクを使用する状況を検討する(感染リスクが高いと考えられる状況を、各医療機関で検討する)
N95マスク不足への対応 Extended use(複数の患者に連続して対応する際、使用中のN95マスクを取り外さずに使用を継続すること)が基本となる。 Reuse(複数の患者に対応する際、一度取り外したN95マスクを破棄せずに、複数回使用すること)と、その着脱可能回数(CDCは目安として5回までを推奨)・使用期間を検討する(現実的には難しいと思われるが、毎回フィットテストを行うことが推奨されている)。 Implementing Filtering Facepiece Respirator (FFR) Reuse, Including Reuse after Decontamination, When There Are Known Shortages of N95 Respirators. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/ppe-strategy/decontamination-reuse-respirators.html [accessed on 4/6/2022]
N95マスクreuse時の注意点 N95マスクが、明らかに汚染した場合、フィットしなくなった場合、破損した場合などは、その時点でそのマスクを破棄する N95マスクの汚染リスクを最小限にするため、サージカルマスクをN95マスクの上から着用する N95マスクを触る前後は、必ず手指衛生を行う 取り外したマスクの保管方法を検討する(例:洗濯バサミで吊るす・紙袋、名前を記載、など)
院内感染の根絶は困難という前提で感染対策を考える
院内伝播を完全に防ぐことは不可能 ゼロリスクはありえない 感染伝播性が非常に高く、無症状でも感染する以上、院内感染をゼロにすることは不可能と考えて、病院の体制(感染管理体制、積極的疫学調査、病床運用、人員確保、など)を考える必要がある(今後、社会はさらに「ウィズコロナ」になるであろうし、保健所の関与は減っていくと予想される)
1人目の院内感染事例をすぐにみつけて、隔離・接触者調査と検査を迅速に行うことができる体制の構築が重要(専門家、個室病床、検査体制・検査技師、他院との連携、十分な資材の確保) 感染対策の専門家(医師と看護師)の雇用は必須である(医師は嘱託でもよい) 入院中の患者が、新規の発熱や気道症状を訴えた場合、すぐに検査を行う。そのためには、核酸増幅検査(PCR検査など)または抗原定量検査(定性ではない)を院内で迅速にできる体制を構築する(数時間以内に結果が得られる体制が望ましい) COVID-19感染者がでた場合の対応をあらかじめ決めておく(COVID-19患者用のベッドを確保 or 近隣の病院との連携) 事前に準備すべきこと
院内クラスター対策:N95+毎日検査 ボストンの3次病院 もともとのCOVID-19感染対策:入院時PCR、入院72時間後のPCR、ユニバーサルマスキング(サージカルマスク)、目の防護、1日2名までの訪問者、職員のワクチン接種義務化、勤務前の症状確認、必要時の無料PCR検査、など オミクロンによる病院クラスター対策:クラスター発生した病棟のすべての患者に対して医療従事者はN95マスク+ガウン+目の防護+手袋、感染していない入院患者の毎日のPCR検査、全患者個室管理(新規発生がない状態が7日間持続するまで継続) これによって、早期の収束が可能となった Clin Infect Dis. 2022 Feb 7;ciac113. doi: 10.1093/cid/ciac113.
COVID-19患者の病室環境:汚染率低い 2020.10-2021.6、米国Duke大学 セッティング:COVID-19患者用の陰圧個室(一般病床) ベッド柵、シンク、コンピューター、ドアノブなどを調査 PCRは5.5%(19/347)の検体で陽性 ウイルス培養は0.3%の検体(1検体:ベッド柵、入院3日目)で陽性 →環境からの接触感染リスクは極めて低い Clin Infect Dis. 2022 Jan 12;ciac023. doi: 10.1093/cid/ciac023.
感染対策する上で重要な点 飛沫・エアロゾル感染をいかに防ぐ or 最小限にするかが重要 エビデンスを参考にする 資材(特にN95マスクとPCR検査試薬)の確保 就労できない医療スタッフを最小限にする 仮に感染者がでたとしても、濃厚接触者・感染者とならない感染対策(サージカルマスクによるユニバーサルマスキングでは限界があるかもしれない) 早期の診断・隔離・接触者調査(院内伝播を最小限にする)が可能な体制の構築 →地域(罹患率)・病院(人員・資材確保量)によって、最適な感染対策は異なる
Take Home Messages(1) オミクロンは、感染伝播性はデルタと比較して高く(2-3倍)、それまで流行していたデルタを駆逐して、第6波の原因になった。入院リスクはデルタより50%以上低いという報告が多いが、感染者の絶対数が著増し、主に都市部で医療逼迫の原因となった(2022年2月)。 2022年1-3月、BA.1が流行していたが、2022年3月下旬以降、感染伝播性の高いBA.2が主流となっている 潜伏期間は3日程度(大半は曝露1週間以内に発症)で、デルタや従来株と比較すると短い。 インフルエンザと比較すると、感染伝播性は高い。また、特に、基礎疾患をもっている者や高齢者では、重症化リスクや死亡リスクが高い(小児では大差ない)。
Take Home Messages(2) 18歳以上を対象としたmRNAワクチン2回接種による症候性感染予防効果は4か月でほぼ消失するが、booster接種によって、感染予防効果は60-80%に上昇する(ただし2ヶ月で減衰しはじめる)。mRNAワクチン2回接種の入院予防効果は、2回接種で70%であるが、6か月以降は減弱するため、booster接種が必要である。5-11歳へのワクチン2回接種の感染予防効果は短期間かつ低いため、基礎疾患のない子供に対する有用性は限定的と思われる。 院内での感染対策の基本は従来と同様である。今後、N95マスクがどのような役割を果たすか注目される。市中での感染対策もこれまでと同様である(屋内のマスク、換気、手指衛生、身体的距離の確保、体調不良時に休む)。
おまけ 個人の感想です
COVID-19による医療/介護の現場の変化
医療/介護の現場はどう変わった? 「新しい感染対策」が必要となった ユニバーサルマスキングと眼の防護(アイシールド)の標準化 入院患者のスクリーニング目的のSARS-CoV-2 PCR検査 流行期やクラスター発生時のユニバーサルN95(医療者)の検討 職員控室・食堂での工夫 COVID-19ワクチンの強い推奨(義務化には至らず)
●職員のQOLを低下させてきた病院外での過剰な生活制限 - ルールにしていた病院もあるが、強制力を持たせてもよいのか? - パンデミックが始まって2年以上経過した現在も継続する? ●患者・患者家族のQOLを低下させてきた過剰な面会制限 - 基本的かつ重要なケア・サービスのひとつである - 未知のウイルスではなくなった現在・これからも、制限し続ける?? ●これらは、「安全に」「緩和」していく必要がある 医療/介護の現場はどう変わった?
職員の生活制限はどう考える? 病院内・施設クラスターの原因のほとんどは、患者ではなく職員の持ち込みである(急性期病院では、患者持ち込みも多い) (私見)流行期(目安:政府のまん延防止等重点措置実施、1週間の人口10万人あたりの新規感染者300人以上<神戸市 650名/日>、など)でなければ、医療従事者n生活制限も、非医療従事者と同様でよいと考えている(流行中のvariantの特性や、そのvariantへのワクチン効果・国全体での接種率、新規感染者数、などを検討する必要がある。政府・専門家・学会の推奨があれば、それを参考にする)。
Pandemicが始まって2年以上が経過した。食事会・旅行・余暇活動を長期間制限することは、各人のQOLやメンタルヘルスを大きく損なう可能性が高い。2年以上も「プロ意識を持て」というのは、「気合いで頑張れ」とそう変わらない。 そもそも、職員の感染は、旅行などの外出時より、子どもの学校・保育園クラスターなどからの家庭内感染のほうが、(2022年4月時点では)多いと思われる。 どうやったらもとの生活に(近い状態に)戻れるのかを考える。ワクチン3回接種した上で、手洗い・マスク・換気の悪い3密空間の回避(旅行そのものを制限する根拠はない)を適切に行うことにつきる。 職員の生活制限はどう考える?
医療/介護の現場の未来 COVID-19だから「できない」「しょうがない」 どうやったらもとの医療に戻ることができるのか考える
医療/介護の現場はどうなっていく? ●基本的な感染対策は変わらない 重症化リスクのある者が多く存在する病院・介護施設の基本的な感染対策(ユニバーサルマスキング・眼の防護・手指衛生、ワクチン接種など)は、現在のものから変わることはないと思われる 感染者や濃厚接触者の追跡調査・就労制限も引き続き行うべきと考える
●職員の生活制限の緩和と基本的な感染対策の徹底 職員によるCOVID-19の持ち込みは決してゼロにはならないことを前提として、現実的な範囲内で、各病院が院内感染対策マニュアルを作成し、全職員が遵守できるように継続した教育・支援を行う、また、そのような体制を構築する 医療/介護の現場はどうなっていく?
●患者の面会制限・外出制限を緩和するための条件を考える ほとんどが職員の持ち込みであるにも関わらず、患者・利用者に厳しい面会制限を課している病院・施設は多い とはいえ、面会・外出制限を緩和することによって、COVID-19の持ち込みリスクは増加するため、それを最小限となるような方策(面会を許可する条件、面会方法、外出時に必ず守ってもらうこと、帰院後数日の感染対策の強化、など)を各施設で考える必要がある 医療/介護の現場はどうなっていく?
●感染対策部門の充実、検査体制の整備、隔離可能な個室の準備 COVID-19を疑う症状が新規に出現した場合に迅速に検査を施行する体制、自施設で迅速に隔離・接触者調査ができる体制を構築する(検査機器の購入、検査技師の雇用、感染管理の専門家を常勤 or 非常勤で雇用する、など)。回復期リハ/療養型の場合、COVID-19患者が発生した場合の転院先の確保(急性期病院との契約)ができるとなおよい。 医療/介護の現場はどうなっていく?
●急性期病院と回復期リハ/療養型の連携のさらなる充実 ①急性期病院でのCOVID-19またはその疑い患者の受診・入院受け入れ(休日/夜間も含む)、②回復期リハ/療養型での隔離解除後患者の急性期病院からの転院受け入れ、がより円滑になるような体制構築が必要である これらは現状でもうまくいっているとは言い難いが、行政からの経済的な補助が減額または終了した場合、さらに難しい課題となる 医療/介護の現場はどうなっていく?
このsectionのまとめ COVID-19の流行によって、「新しい感染対策」が必要となった 今後は... - 病院・介護施設の基本的な感染対策は、現在のものから変わることはない - 職員の生活制限の緩和と基本的な感染対策の徹底 - 患者の面会制限・外出制限を緩和するための条件を考える - 感染対策部門の充実、検査体制の整備、隔離可能な個室の準備 - 急性期病院と回復期リハ/療養型の連携のさらなる充実
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